迷子紐は犬?奴隷?ハーネスをおすすめする4つの理由や親の心得
ハーネスとも呼ばれる迷子紐は、車社会となった現代の子育てに大きな役割を果たしてくれている便利グッズです。
幼い子の手を引いて一緒にお散歩に出かける機会が多い子育て中の親ならよく知っていることですが、小さな子供の行動は全く予測がつきません。子供が急に道路に飛び出し「ヒヤッ」とした経験を持つパパママは決して少なくありません。
そんな時期の子育てに便利なのが迷子紐!荷物を持っていても子供の急な動きに対応できる、大変便利な育児アイテムなのです。
とこそがこの迷子紐、「便利だ」という評価がある反面、「非常識だ」「犬や奴隷みたい」という厳しい意見もあって、使いたくても周りの目を気にして思い留まってしまうママ達も少なくないのです。
そこで今回は迷子紐にかかわる賛否両論な意見をご紹介しながら、迷子紐のメリット、子供の命を救った迷子紐体験談、使う時の親の心得などについてご紹介していきます。
迷子紐には賛否両論アリ!子供に使うと犬や奴隷扱いしているみたい?
「迷子紐」とはその名の通り小さな子供が迷子にならないように、子供と親を結びつけて使う紐のことで、「子供用ハーネス」という名称でも販売されています。
小さな子供がベストのように装着するハーネスもあれば、迷子紐にもなる専用のリュックに紐の一方を結び、もう一方を親が持って使う商品もあります。
もともとは中世ヨーロッパで使われていた育児グッズで、日本でも20年ほど前から街中で見かけるようになりました。昔から使われている育児グッズであることが示すように、迷子紐は自我が芽生え始めた幼児の安全を担うとても便利な育児グッズです。
迷子紐を使ったママ達の反応
実際に迷子紐を自分の子供に使用して子育てをしているママやパパからは、次のような肯定的な評価が聞かれます。
- 「子供が道路に飛び出しそうになった時に、迷子紐をつけていて助かった」
- 「子供の手を握っていなくてもいいので、買い物がしやすい」
- 「可愛いデザインで、子供も自分で自分の荷物を持ち運べる」
迷子紐を使う親子を見た周りの反対意見
迷子紐への否定的な意見は女性よりも男性の方の意見に顕著に現れているようです。男性は子供と一緒に出歩く機会が女性に比べて少ないですし、力が強いため子供の手を握っても荷物を持つのに苦労はしません。
- 「ペットのように、子供を散歩させているみたいだ」
- 「子供の自由を奪っている」
- 「子供を奴隷扱いしているようで、不愉快だ」
- 「しっかり手を握っていればいいのに、親が楽をしたいだけだ」
また、子供を厳しくしかる父親の場合、怒られることを怖がり子供が父親の前で慎重な行動をするという特徴もありますよね。そのため、女性ほど迷子紐を必要としないといった部分が、反対意見として影響しているのかもしれません。
迷子紐(ハーネス)をおすすめする4つの理由
さまざまな批判的な意見もある中で、最近では「子供のため」と迷子紐を使い始めるママ達が増えています。なぜなら、迷子紐は周りから子供のアクセサリーのように見られがちですが、実は事故や事件から子供を守るために開発され、実際に子供を守ってきたという実績がある育児グッズだからです。
迷子紐を使うメリットを4つご紹介しますので、見た目で否定するだけでなく、迷子紐の良さも見直してみて下さいね。
1子供を交通事故の危険から守る
子供はとても好奇心が強く、歩き始めから3歳前後の時期はふとしたものに目を止めて、突発的な行動を起こしてしまいがちです。子供を同行している時はいつも手をしっかり繋いでいるものの、レジでの会計や兄弟の世話で、子供と手を離さざるを得ないことは、外出中に意外と多いものです。
幼児期の飛び出し事故は、こういった親の不意をついて起こっています。親が近くにいたにもかかわらず、幼児が道路に飛び出して交通事故にあってしまうリスクは依然として高いのですが、迷子紐をしていれば突発的に子供が飛び出してしまっても、行動を制限することができるので、子供の大切な命を守ることができるのです。
2子供を連れ去りなどの犯罪から守る
日本は比較的犯罪発生率が低いので、被害にあうことを他人事のように考えてしまいがちですが、子供を狙ったいたずら目的の連れ去りは、日々発生しています。「レジでの支払い途中、子供が急に手を振り払って走り出し、迷子になってしまって…」など、多くの幼児に起こりうることですし、そのようなことが実際に起こった親の心配は、計り知れないものがありますよね。
迷子紐でしっかり子供を自分の身体と繋いでおけば、こういった犯罪や事件などに遭遇するリスクを減らすことが可能です。歩き始めの小さな子供は迷子になっても名前を言えず、保護されてもなかなか親元に帰れないといった点を考えても、小さな時期に迷子紐を使っておくことで、予測不可能な状況から子供を守ることができるのです。
3兄弟がいても安心して面倒がみられる
小さい子供を何人も連れて外出していると「上の子の手を引いて、下の子をベビーカーに乗せて…」と、不安定な体制で長時間歩かなくてはいけませんよね。この時に上の子が急に動き出してしまうと、ベビーカーのバランスが崩れてしまい危険なことがあるのですが、上の子に迷子紐をつけていれば、安定してベビーカーを押すことができます。
また、デパートなどで下の子のオムツ替えをしている時も、上の子の動きに注意せずにママは両手が使えるので、オムツ替えがスムーズにすみます。デパートのオムツ交換台では、実際に赤ちゃんの落下事故が発生していますので、下の子の安全のためにも迷子紐は役立ちますね。ママに余裕が生まれるぶん、子供もお出かけを楽しむことができます。
4買い物がスムーズに進む
子供連れの買い物は、「ちょこちょこと動き回る子供を追いかけながら品物を選び、大きな荷物を抱えて子供の手を引きつつ自宅へ帰る…」という結構な大仕事。車を持っていないママだとさらい重労働で、子供がいるために一度に多くの荷物を運べず、毎日こまめに買い物に行かなければならないですよね。ところが迷子紐があれば、両手が使えるので、買い物が楽になります。
また、車を使ってスーパーに行くママも、荷物を車に詰め込んでいる時に子供が勝手に歩いて行ってしまい、駐車場で車と接触して怪我をするリスクがありますし、子供を先にチャイルドシートに乗せている間に、カートが勝手に動いて他の車と接触したという事故も起きています。ところが迷子紐があれば、両手を荷物に使っても子供を身近に置いて置けるので、安心して親子でお買い物が楽しめますよね。
迷子紐で助かった!先輩ママの体験談
迷子紐のメリットがわかったところで、実際に「迷子紐を使っていてよかった!」という先輩ママ達の体験談をいくつかご紹介します。ヒヤッとした体験では、自分の体験と照らし合わせるとゾクゾクしてしまうママも多いのではないでしょうか?
愛用しています
3歳の男の子のママです。迷子紐は子供の1歳の誕生日にお友達から「便利だよ」といわれてもらいました。でも、母が「犬のお散歩みたいねぇ」というので、使わないままでいたのですが、下の子を妊娠してお腹が大きくなるとともに息子の動きが活発になってきて、使ってみようかなと思い直して使い始めました。
そしたらこれが、とっても楽!手を繋いでいると子供に手を引っ張られてしまい、大きなおなかでは歩くのも大変だったのですが、迷子紐は大きな力を入れなくても息子が遠くに行かないようにおさえておけるので、重宝しています。
飛び出しを防げました
いま5歳になる長女が歩き出したときから迷子紐を使っていました。何かの雑誌で天使の羽根がついた迷子紐をみて「可愛い~」と思って購入したのですが、長女はそれほど動きが活発だったわけではなかったので、リュックとして使っていて、紐はあまり取り付けて使っていませんでした。
でも、ある日おばあちゃんの家に用があって、珍しくバスに乗って娘とお出かけをした時には、初めての遠出ではくれては困ると、迷子紐をしっかりつけて出かけました。バスから降りるとき、私は小銭が無くて運賃の精算で手間取ってしまったのですが、当時2歳半の娘が勝手にタラップを降りて、バスから降りてしまったんです。
降りた先は歩道だったのですが、近くの高校生が猛スピードで自転車を走らせてきて、あわやぶつかりそうになったのですが、とっさに迷子紐を引いたので、娘は自転車とぶつからずに済みました。長女はしりもちをついて泣いてしまいましたが、自転車とぶつかって亡くなる人もいると聞いていたので、本当に助かりました。迷子紐さまさまです。
カルガモ歩きができるように!
現在4歳の男の子と、3歳の女の子、年子の育児に奮闘中です。ウチの長男は私といつも手を繋いで出かけることができるのですが、長女は我が強いというか気が強くて、手を繋いでいると「イヤッ!離して!!」と大騒ぎ。そのくせ手を放してしまうと私にくっ付いて歩くことができず、あっちにふらふら…、こっちにフラフラ~だったので、評判は悪いことを承知で、最後の手段として迷子紐を買いました。
すると、初めのうちは背中が気になったようですが、それほど拘束されている感が無いのが良かったのか、スムーズにお出かけができるようになってきました、紐で遠くまでいけないので、「ここまでなら行ってもいい」という範囲を学んだのか、なんと手を繋がなくてもトコトコと私やお兄ちゃんのすぐそばをついて歩く、カルガモ歩きができるように!お出かけが大変楽になりました。
あと、娘の迷子紐はリュックに程ではないのですがおむつが1~2枚入るので、娘はお出かけ前にいそいそとおむつを詰めて準備をしていて、お出かけの躾にもなりますよ。(笑)
15年前から使っていましたよ
私には高校生の息子と中学生の娘がいますが、私は2人の育児で15年前から迷子紐を使っていました。だから反対意見で騒いでいる番組を見て、正直ムカムカしています。私は転勤族の夫と結婚し、核家族で子育てしなければならなかったのですが、産後の肥立ちが悪かったこともあり、体調不良に悩まされながらの育児でした。
一方子供達はどちらもとても元気で我が強く、手を繋いでお散歩に出ても、蝶を見つけては突然手を振りほどいて走り出したり、私が靴を履いている間に上の子が玄関から道路に飛び出したり、下の子は出発前にどんなに約束しても手をつなぐのを途中で嫌がって逃走するので、お散歩や買い物が苦痛でなりませんでした。迷子紐を使わない時は、2人共何度か危ない目にあっています。
15年前迷子紐を使う私の姿を見て、田舎暮らしのお姑さんは「犬のお散歩みたいね」と笑っていましたが、私は気にしないように心掛け「子供達を守るため」と思って使いました。とてもいいお姑さんなので、率直に感想を言って自分の頃の育児との違いに驚いただけだと受け止めました。ハーネスを使うことで子供達を叱る回数も減りましたよ。本当に便利だった育児グッズとして、娘や息子のお嫁さんにぜひおすすめしたいと思っています。
今、迷子紐がかわいい!人気ハーネス
迷子紐はハーネス部分のデザインが可愛いのも多く、ファッションやコスプレアイテムとして、知り合いの子供の誕生日にプレゼントをするといったケースも多いようです。可愛いデザインのものを2つご紹介します。
新・大きい天使の迷子リュック
エンジェル・デプト
天使の羽根をモチーフにした迷子紐がついたリュックです。1歳~4歳まで使える少し大きめのリュックですので、移動中の電車やバスの座席に座った時に読む絵本やおもちゃなどチョットした物を入れておくことができます。可愛いピンクとブルーの2色がありますので、女の子はもちろん男の子でも可愛らしく使えます。
ハーネスリュック
ダディッコ
「キャラ物はちょっと…」という、オシャレ意識の高いママに選んでもらいたい迷子紐で、リュック部分はどんな服にもマッチするスタンダートなデザインになっています、小ぶりで肩紐の調整ができるので、1~3歳頃まで長い期間使えて便利ですよ。迷子プレートを取り付けるタグもついていて、迷子防止グッズとしても実用的ですし、ママパパ用のおそろいのトートバッグも売られていますので、家族でオシャレできますね。
迷子紐を使う親が心得るべき6つのポイント
知れば知るほどママにとって魅力的な迷子紐ですが、いざ迷子紐をつけてお出かけすると周りから「ヒソヒソ・コソコソ」と悪口をいわれている気がして、「途中で迷子紐を外した…」というママもまだまだ多いようです。使い方によっては、反対する人たちが主張するように子供に負担を与えてしまうこともありますので、上手に迷子紐を育児に活用するために、親が心得ておくべき6つのポイントを押さえておきましょう。
1周囲の意見に惑わされない
迷子紐を使ってしばらくするとわかるかと思いますが、迷子紐は子供を危険から守るためにとても有効な育児グッズです。もしあなたが「自分の子供と安全に外出するために迷子紐が必要だ」と判断したのであれば、周りの人の否定的な意見や視線を気にせずに、堂々と使いましょう。
子育て中のママには、さまざまな人が「育児を助けよう」という思いやりから色々な意見を言いますが、我が子の命を直接守るのはアナタです。活発な子供、寝不足でフラフラの自分など、さまざまな状況の中で必要と判断した場合には、周りにとらわれずに迷子紐を活用することを意識していくといいですね。
2迷子紐だけに頼り切らない
迷子紐をつけているからといって、絶対安全というわけではありません。迷子紐を引っ張った拍子に紐が外れてしまうケースもありますし、目を離したすきに子供がどんな危険にさらされるかは分かりません。迷子紐はあくまでもママの手の替わりです。
余裕があるときは迷子紐をつけながら子供と手をつないで歩いたり、音のなる靴などの迷子防止グッズなども活用したりして、子供の安全を考えていきましょう。
3いつまでも迷子紐に頼らない
ママの手もそうであるように、子供はいつまでも迷子紐をつけて親に守られているわけにはいきません。子供が1人で親について歩けるように、徐々に子供にしつけをしていきましょう。
また、子供の身体が大きくなってくると力が強くなって、子供が引っ張って迷子紐が外れてしまう事故が起こりますので、商品の使用年齢はきちんと確認して使ってくださいね。
4TPOを考えて使う
迷子紐はあくまでも子供を事故や事件から守るためのものなので、ママの両手があいているときや、車の入り込まない公園、車の通りの無い場所など、迷子紐を使う必要性の無い場所では、ストラップは外しておきましょう。否定的な目で見ている人も多いということを承知しておくことは、迷子紐に助けられている他のママ達のことを考えても大切ですよ。
5紐の使い方をわきまえる
子供とつながっている迷子紐を急に引っ張ったり、強い力で引きすぎたりすると、子供が転倒する危険性があります。迷子紐を使う時には、くれぐれも力加減に気を付けて使いましょう。
また、人込みで紐を長くしたまま使っていると、他の歩行者が足を引っかけてしまうリスクもありますので、場所によって紐の長さを調整して使う配慮も忘れずにしましょうね。
6子供が嫌がったら無理をしない
子供によっては、迷子紐が気になって歩くことに集中できなくなってしまうこともあります。また、長時間の迷子紐の使用は子供の身体に負担になってしまうこともあります。使用中は子供の様子から目を離さないように気を付け、子供が嫌がる場合には迷子紐を強要しないように心掛けましょうね。
安全第一に迷子紐を活用しましょう
賛否両論の迷子紐ですが、子供の命を守るためにはとても有効な育児グッズなので、もっと迷子紐を使うメリットが認知されるようになれば、周りの人の目も優しいものになっていくかもしれませんね。そのためには、いまのアナタの使い方が大事です。
迷子紐があるからと油断して、子供を放っておいてママ達が路上で立ち話をしていたのでは、やっぱり周りの人も目も厳しくなってしまいます。「迷子紐があるから油断してママ友と話していたら、子供の耳によその子が砂利を入れてた」なんてことも、実際に起こっています。迷子紐はあくまでもママやパパの手の替わりだということを意識して、子供の安全を第一に使ってみてくださいね。