学校給食の試食会に参加してママが思ったこと
誰にもある学校給食の思い出。大好きなカレーライスをおかわりしたこと、嫌いなにんじんがなかなか食べられなかったこと、友達に笑わされて鼻から牛乳を吹き出したことなど、数えるときりがありません。
もしも機会があるなら、学校給食の試食会に参加してみてください。今時の学校給食はどうなっているのか、子供の食育に関心を持っているママなら、きっと得るものがあるはずです。
ここでは、お子さんが通っている学校給食試食会に参加したママたちの感想をご紹介します。ママたちが試食したメニューを通して、学校給食の目的、果たす役割を考えてみましょう。
学校給食の目的
学校給食の目的は、子供の心と体の成長を守る事です。近頃、深刻な問題としてあげられているのが、栄養の偏りによる「子どもの肥満」、朝食を食べない、子供が一人で食事をするなどの「食生活の乱れ」。この問題を解決するためには、規則正しく食事を摂ること、食べ物や食べ物を育む自然に感謝すること、食べることを通じて健康を意識する、すなわち「食育」が大切です。
学校は、それらの問題をいい方向へ導くことができるように、給食を通じて「食育」を行っています。私たちママも、それぞれの家庭で学校と一緒に食育を考えていきたいですね。
学校給食が果たす役割
文部科学省では、「学校における食育の推進・学校給食の充実」(注1)の中で、学校給食が果たす役割を述べています。それには、給食の準備から後片付けまでを継続して行うこと、給食に地域の特産物を活用すること、昔から伝わる郷土料理を提供することで、子供が自ら行動する力、地域の文化や伝統を感じる力を養うことが期待できるとあります。
学校給食は授業ではありませんが、給食で食べることを通じて、人が生きていく上で大切な力を育んでいることが分かります。食育は、学校給食にお任せするだけではいけません。学校給食で行われていることを理解し、家庭でも食育を取り入れることが必要です。
ごはん給食では国からお米が支援されている
学校給食で食べられているお米の一部を支援する制度があります(注2)。日本人の主食である「ごはんの重要性」を知ってもらうために、政府が備蓄しているお米を農林水産省が学校に交付しているのです。国が子供の食育をとても大事に考えていることに感謝したいですね。
学校給食の試食会に参加したママたちの感想
学校給食の目的と役割に関する理解が深まったところで、学校給食の試食会に参加したママたちの感想を見てみましょう。もしも何か感じるものを得られたら、ぜひ、ご家庭で「食育」を始めてみて下さい。きっと、食べることが大好きなお子さんになれるでしょう。
とても手が込んでいる
夫婦と子供4人の6人家族です。試食会へは、2016年10月に行きました。メニューは、子供たちのおすすめの肉じゃがでした。
<試食したメニュー>
・肉じゃが
給食で出るまでは、肉じゃがはあまり好きなほうではなかったのに、学校で食べておいしかったからと言って、子供たちは肉じゃがが好きになりました。
優しい味で、程よく煮込んでありました。色は薄めだったので、きれいなジャガイモやニンジンの色をしていました。味はおいしかったです。野菜の硬さもちょうどよく、食べやすい大きさでした。
学校給食は、とても手が込んでいると思います。メニューを見ただけでは、不思議な名前も時々出てきますが、子供たちの好き嫌いが減ってうれしいです。これからもおいしい給食を作ってほしいです。
素材を大切にする薄味
家族構成は、夫・私・小学生の子供2人です。私が学校給食の試食会に行ったのは、2015年の10月です。
<試食したメニュー>
・チキンソテー
・コールスローサラダ
・コッペパン
・牛乳
試食をしたメニューは、栄養バランスが取れていて、実際食べてみて味付けも美味しかったです。
味付けは若干薄めでしたが、でも素材の味を大切にするという意味合いでは良いのかもと思いました。家で出す料理の味付けも、もう少し薄い方がいいのかな…薄味に慣れてもらったほうがいいしな、と感じました。
学校給食に望むことは、とにかくバランスの取れた献立を出して頂ければそれで良いです。逆に毎日毎日色々とバラエティ豊かなメニューを出して下さって、本当に給食センターの方々には感謝しかありません。家でももっと頑張って色々なメニューを作らなきゃ…と反省しきりです。
苦手な食材でもみんなと一緒なら食べられる
私は、主人と実母と娘の4人暮らしです。娘が小学校六年生の2016年に試食会に行ってきました。
<試食したメニュー>
・ごはん
・ししゃものフライ
・きんぴらごぼう
・ほうれん草のナムル
・牛乳
その時の、給食のメニューに「ししゃものフライ」がありました。私は、魚が苦手で、家では、めったに料理もしなければ、食べることもありませんが、給食のししゃもは、おいしくいただくことができました。
はじめは、無理だ・・・食べられないと思いましたが、一口、口にいれると、とてもおいしかったです。魚が苦手な子供でも食べられるような味付けにされていました。
きんぴらごぼうや、ほうれん草のナムルもとてもおいしかったです。牛乳は、私たちの頃は、瓶の牛乳で、とても飲みにくかったのですが、パックになっていて飲みやすかったです。
学校給食では、家ではあまりたべないような苦手な食材でも、みんなと食べると食べられるという環境なので、子供の好き嫌いをなくし、健康な体作りに役立って欲しいと思います。
地産地消を心がけて欲しい
男の子2人と夫婦の4人家族です。学校給食の試食会に行ったのは、2016年の6月です。
<試食したメニュー>
・コーンカレー
・ごはん
・野菜の和え物
・牛乳
・りんごアイス
給食のメニューにあったカレーは、トウモロコシなどの野菜の甘さがたっぷりで驚きました。普段、家でカレーにトウモロコシを入れたことがなかったので最初は驚きました。
けれど、子どもたちはパクパクと食べ、お代わりしていました。子どもたちが食べる様子も見れました。大人にも好評でした。
家では肉類が多くなりがちなので、お魚の料理があると嬉しいです。ちょっと変わったメニューで、外国の料理が出るのも楽しいと思いました。なるべく地産地消を心がけて欲しいと思います。
かなり薄味
家族構成は夫と自分、子供2人の4人です。学校給食の試食会に行ったのは2016年の8月です。
<試食したメニュー>
・ご飯
・だまこ餅を使った鍋
・モロヘイヤ入りの野菜炒め
・ジュンサイを使った和え物
・牛乳
試食をした感想は、普段自分達が食べている食事よりかなり薄味だと思いました。カロリーも計算されているようで、毎日食べても太らないような感じを受けました。
地元の食材を生かしたメニューだったのですが、子供でも食べやすいような工夫がされていてとても関心しました。
学校給食では、子供達が成長する上で必要な栄養素がしっかり取れるようなメニューを提供して欲しいと思っています。また、子供が苦手な食材を好きになるような工夫をして欲しいと思っています。
栄養のバランスが取れている
夫と私そして娘の3人で暮らしています。2015年の5月に娘の学校で試食会があったので参加しました。
<試食したメニュー>
・ちゃんぽん
・パン
・牛乳
メインのちゃんぽんには、野菜も肉も魚介類もバランスよくきちんと入っていました。特に驚いたのは、野菜の種類の多さでした。キャベツやもやし、人参やピーマンなど何種類もの野菜が使われていました。そして、魚介類も何種類も入っていました。
娘は家では野菜も魚介類もあまり食べませんが、給食でこんなに栄養バランスの取れたものを食べていると思うと安心しました。
試食会に参加して学校給食は素晴らしいと改めて思いました。そして、これからも栄養バランスの取れたおいしい給食を提供してもらえるといいなと思いました。
薄味だけど味がしっかりしていて美味しい
夫婦と6歳の子ども1人の3人家族です。2016年に子どもが小学校に入学し、10月に初めての学校給食の試食会がありました。
<試食したメニュー>
・鮭の塩焼き
・白菜のお浸し
・揚げ豆腐
・お味噌汁
学校では1年生の保護者は子どもと一緒に食べるのではなく、親が食堂で食べ、栄養士さんや調理師さんに給食や栄養についてのお話を聞くという形でした。
給食は薄味という印象がありましたが、試食してみると確かに薄味ですが、しっかりと味がしみていて、病院食のような感じではなく、とても美味しいのに驚きました。
栄養士さんのお話では、塩分に決まりがあり薄味になりますが、それでも美味しく食べられるよう、調味料を使わず出汁を素材からとるなど本格的に工夫をしているということでした。
さらに揚げ豆腐がとても美味しかったのですが、地元のお豆腐やさんから朝出来たてのものが届けられるそうです。
自分が子どものころは給食が美味しかったという記憶がないので、特に美味しさを期待してなかったのですが、様々に考えられていて給食も進化しているのだなととても感心しました。
うちの子もそうなのですが、家では好き嫌いが多いのに給食では食べる、といった子どもも多いので、給食は季節のものを使ったバリエーション豊なものを出していただくと有難いです。試食会での体験や献立表を見る限り、学校給食には満足しています。
ものすごく食欲をそそる味
我が家の年長の娘の、保育参観に行ったときのことです。その日は保護者研修会と、保育参観と、給食の試食がありました。試食といっても、親子で同じものを同じ量いただけたので、スーパーの試食とは違いました。
<試食したメニュー>
・ご飯
・みそ汁
・近江牛のコロッケ
・キャベツと人参の温野菜サラダ
近江牛のコロッケ!?と驚いたものの、給食だからきっとなんちゃって近江牛なんだろうなぁと思っていました。
毎月の献立表を見る限り、豪華そうに見えるメニューはいくつもあります。しかし、保護者がくるから特別なメニューにしたということはなさそうです。
給食の時間になり、子供たちが保護者の分も配膳してくれて、なんとも微笑ましい光景でした。いただきますの挨拶のあと、一番気になっていた近江牛のコロッケを食べてみました。
そしたらなんと、想像以上に牛肉の味と香りがして衣もサクサク具合もとてもよく、ものすごく食欲をそそる味でした。あまりの美味しさに、お代わりがほしくなるところでした。
どちらかというと少し味が濃いような…そんな気もしていましたが、他のおかずでどうもバランスが取れているようです。味噌汁は優しい味でした。塩辛くないので飲みやすかったです。具も豆腐や玉ねぎ、油揚げなど定番のものでした。
野菜サラダも野菜の味をきちんの残した味付けで、美味しかったです。子供たちが楽しく美味しく食べられる給食をこれからも作ってほしいです。
給食費が安すぎる
夫と子供二人の4人家族です。試食会に行ったのは、上の子が小学校に入学した年、2007年の6月です。
<試食したメニュー>
・ご飯
・肉じゃが
・ハンバーグ
・牛乳
感想は、一言でいえば給食ってこんなに美味しかったのかと驚くほど美味しかったです。こんなに美味しくて暖かい給食で、子供はおかわりまでしてたようなんで、給食費が安すぎると思ったほどでした。
その時食べた肉じゃがは、汁まで飲んでしまいました。その時調理法を教えてもらったので、それ以来我が家の肉じゃがは、学校給食と同じ味付けです。
温かくて、安く、その上美味しい給食にこれ以上望むのは気が引けますが、あえて言うなら…家で摂りにくいような栄養、野菜のメニューにしていただけたらと思います。
独特のメニューがおもしろい
私には二人の子供がいますが、長男が幼稚園に通っています。2016年の9月頃に、その幼稚園で給食の試食に参加しました。
<試食したメニュー>
・うどん
・煮物
・フルーツ
その時のメニューにあったうどんも煮物も、家では作ったことがないような一風変わったものでした。
うどんのスープは具だくさんのけんちん汁風で、とても栄養バランスが良さそうでした。野菜もたくさん入っていましたが、子供たちも「おいしい」と、みんな残さず食べていました。
配膳をする時に、鍋にまだまだたくさん残っていたので、残りそうで心配でしたが、おかわりをする子もたくさんいて、あっという間に全部なくなりました。
煮物も初めて食べたもので、いとこ煮というものでした。小豆とカボチャが一緒に煮てあり、子供が好きそうな料理でした。どれも美味しかったです。
給食独特のメニューも面白いし、このままバランスの良い給食を続けて欲しいなぁと思いました。
牛乳は和食に合わない
主人と私と小学5年生の息子の3人家族です。息子が1年生の時(2012年)に学校行事の一つである給食の試食会に行きました。自分も久しぶりの給食なので、とても楽しみにして行きました。みんなでグループごとに机を並べて、親はそれぞれ自分の子供の隣に座りいただきました。
<試食したメニュー>
・ごはん
・焼鮭
・ほうれん草
・人参の胡麻和え
・けんちん汁
・冷凍りんご
・牛乳
メニューは純和食でした。わりとどれも薄味で、栄養のバランスも良く、美味しかったです。ただ、ごはんの量のわりに鮭も小さ目でしたので、ごはんが余ってしまい、ふりかけが欲しいな…と思ってしまいました。
昔から思っていたのですが、和食に牛乳が合いません。どんなメニューでも、栄養の為牛乳をつける時代ではないような気がします。ごはんの時はお茶などにしてほしいと思いました。
先生が生徒より先に試食して安全性を確かめている
自分、夫、大学生、中学生の四人家族です。2016年の6月頃に中学校の学校試食会に参加しました。実はその年に学校のPTAの役員をしていて、学校の給食試食会の担当だった事もあり、主催で参加させて頂きました。
<試食したメニュー>
・かき揚げ丼
・みそ汁
・果物
・牛乳
試食会の開催日は、三年生の修学旅行の日でした。試食会担当役員だったので、栄養士さんに給食に関する講演をお願いし、校長先生は修学旅行参加の為いないので、教頭先生に挨拶をお願いし、進行を考えて試食会までバタバタと忙しかったです。
300円弱で昼御飯が食べられるということで、保護者の方の集まりは良かったです。中には祖母まで参加されているご家庭もいました。
中学校なので、給食の量はかなりボリュームがありました。小学校の試食会も参加した事がありますが、量については全然違いました。
主催側で給食に関して初めて分かった事は、給食を生徒に提供する1時間前に校長先生か教頭先生が先に食して、給食の安全性を確かめる事ですね。給食は安全で栄養バランスも取れていて、本当に素晴らしい物だと参加して改めて思いました。
食育はできることから始めましょう
家庭での食育は、できることから始めましょう。「いただきます」「ごちそうさまでした」の挨拶で食べ物に感謝することを教えられます。正しい箸の持ち方や口に食べ物をいれたまま話をしないなどで食事のマナーを、食べた後に食器を下げたりテーブルを拭くことで実行する力が備わります。
「これは昔からこの地域で食べられている野菜だよ」の会話なら、地域の特産を知ることができます。「今日の給食はとっても美味しかった」とお子さんが言ったなら、お子さんが大好きな給食メニューを家庭で作ってみてはいかがでしょう。