マイナンバー制度の拒否に関する記事

『マイナンバー制度でナンバー受け取り拒否にデメリットは?』

マイナンバー制度で受け取り拒否をする人もいますがナンバー受け取り拒否で生じるデメリットはないのでしょうか?

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賛否両論マイナンバー制度!受け取り拒否について解説

赤ちゃんからお年寄り、外国籍の人も含めて、日本に住民票のあるすべての人に番号が割り振られるマイナンバー制度。すでに通知がなされ、2016年1月から運用がスタートしますが、制度の概要について「よくわからない」という人も多く、不安の声も多いようです。

また「国民総背番号制度」などとも揶揄され、「国に管理されたくない」という反対意見もあります。「国民の過半数がマイナンバーの受け取りを拒否すれば、マイナンバー制度自体が破綻するから、マイナンバーの受け取りを拒否しよう」といった発言が拡散されるなど、情報が錯綜して混乱も招いているようです。

マイナンバー制度は、私たちの暮らしにどう関わるものなのでしょうか。マイナンバーの受け取りを拒否できるのでしょうか?拒否したらどうなるのでしょうか?マイナンバー制度の概要について確認しながら、情報を整理していきましょう。

行政の効率化や利便性の向上を目的に導入

マイナンバー制度は2016年1月からスタートする制度で、「行政の効率化」「国民の利便性の向上」「公平・公正な社会の実現」を目的に制定されました。住民票を所有する全員に12桁の番号が割り振られ、その番号によって、住民登録、保険関係の手続き、年金、児童手当などの管理をしようとするものです。

具体的には、2016年1月より「社会保障」「税」「災害対策」の行政手続きを行う際に、マイナンバーが必要となります。例えば、社会保障であれば雇用保険の資格取得や確認、税であれば確定申告、災害対策であれば被災者生活支援金給付といった手続きです。

マイナンバーは基本的には一生変わらない

マイナンバーは、それを他人に知られたことで著しい不利益や被害が生じると判断された特別な場合を除き、一生変わることはありません。ナンバー通知以降に生まれた赤ちゃんには、住民票が作成された時点で番号が割り振られ、保護者が管理します。

マイナンバーで国民が管理されることはない

マイナンバーの受け取りを拒否しようという声の中には「国が国民を番号で管理しようとしている」という主張があります。この点はどうなのか確認してみました。

内閣府のホームページによると、「情報の管理についてはあくまでも各機関が行うため、マイナンバー制度で個人情報が一括管理されることは一切ない」という趣旨の記載がありました。また、2016年1月以降、希望者に交付される「個人番号カード」にはICチップがつきますが、そのチップにも、「プライバシー開示につながるような情報は盛り込まれない」と書かれています。

マイナンバーで全ての個人情報が分かることはない

マイナンバーを利用する際には、本人確認書類による本人確認を行わなければならないことになっています。また、マイナンバーをほかの人が知ったとしても、そこから入手できる情報は「社会保障」「税」「災害対策」に関することに限られています。その情報も簡単に入手できるわけではありませんから、必要以上に警戒して恐れることはないというのが、国や有識者の見解です。

とはいえ、いつどこにどんなリスクが待ち受けているかはわかりません。勤務先への提出、公的機関の手続き以外では「マイナンバーを教えないように」という呼びかけもなされています。

ちなみに、マイナンバーを他人に教えても今のところ罰則はありませんが、人を欺くなどしてマイナンバーを収集したり、不当に提供したりすることは処罰の対象となります。

マイナンバー制度は拒否できる?拒否したらどうなるの?

マイナンバー制度のおおまかな概要がわかったところで、マイナンバー制度の利用やマイナンバーの受け取りを拒否できるのか、拒否したらどうなるのかについて見ていくことにしましょう。

マイナンバーの受け取りを拒否することはできる

すでにマイナンバーの通知はなされていますが、受け取りを拒否することはできます。実際に「拒否したい」と意思表示し、受け取りを拒否した人もいます。ですが、受け取りを拒否しても、自分に割り振られた番号がなくなるわけではありません。マイナンバー制度で定められた事務手続きをする際に必要な番号として、生涯残ります。

ちなみに、通知の簡易書留が配達された際に不在で、なおかつ再配達依頼をしなかった場合、受け取られなかった通知は市区町村の役所に返送され、役所に保管されます。

マイナンバーを知らないと事務手続きが滞る可能性も

マイナンバーの受け取りを拒否すると、自分のマイナンバーを知ることができません。それで困ることはないのでしょうか。

現実問題として、今すぐに困るということはなさそうです。ですが場合によっては困ることもあり、将来的にはマイナンバーがないと不都合が生じる場面が増えると予測されています。先ほどお伝えしたように、2016年1月からは、「社会保障」「税」「災害対策」の手続きで、マイナンバーの提示を求められます。

このときにマイナンバーの提示ができないと、事務手続きがスムーズに進まず、場合によっては保障を受けられない可能性もあるようです。具体的には次のようなことです。

就職や転職がしにくくなる可能性がある

正社員だけではなく、アルバイトやパートでも、勤務先にマイナンバーを提出することが義務づけられています。これは、社会保険加入や税の手続きのために必要だからです。

現在の制度では、マイナンバーを提出しなくても罰則などの規定はありません。ですが、採用する企業側は、煩雑な事務処理を迫られることになります。たとえマイナンバーの提出をせずに勤務したとしても、雇用保険の手続きができないなど、どちらかというと自分自身に不利益がかかってくると言えそうです。

社会保障が受けられなくなる可能性がある

「社会保障」とは、年金・労働・医療・福祉に関することです。これらの手続きは、マイナンバーを提出して行われます。例えば、次のようなことです。

  • 年金の資格取得や確認が必要なとき。あるいは年金の支給を受けるとき。
  • 雇用保険の資格取得や確認が必要なとき。あるいは保険の支給を受けるとき。
  • 医療保険給付の請求をするとき。
  • 児童手当や生活保護を受けるとき。

マイナンバーを知らないと、上記のような手続きに支障が出る可能性があります。雇用保険や医療保険、児童手当などは、いざというときに国民を助けてくれる保障でもありますから、やはり不利益を被るのは自分自身といえそうです。

将来の生活で困る可能性がある

現在は「社会保障」「税」「災害対策」に限定されているマイナンバー制度ですが、将来的には適用範囲が広がるとされています。

すでに200近い自治体が「コンビニで、マイナンバーカードによる住民票発行を実施する」としています。どうするかは未定とする自治体も8割あるため、一概にマイナンバーがないと困るとはいえませんが、今後こういったサービスの裾野が広がっていくことは十分に考えられます。

病院でも、カルテを電子化し、病歴や服用している薬などをマイナンバーで管理することは、すでに検討が始まっているようです。

また銀行でも、マイナンバーを利用することがほぼ決まっています。数年後には、新しく銀行口座を開くときにはマイナンバーを提示するということもあるかもしれません。

マイナンバーを受け取り拒否し不利益を感じた場合は再発行してもらえる

このように見てくると、マイナンバーの受け取りを拒否することはできますが、マイナンバーを知らないことでの不利益が、今後増えてくるといえそうです。

「国民の半数以上がマイナンバーの受け取りを拒否すれば、マイナンバー制度は破綻する」という発言の背景や真意は実際のところよくわかりませんが、「受け取り拒否で制度が破綻することはないだろう」というのが、多くの法律専門家などの見方となっています。

受け取りを拒否したとしても、すでに一人一人に番号は割り振られていることに変わりはありません。さらには、社会全体がマイナンバーを利用することを前提とした動きになってきているからです。漏えいのリスクも考えられなくはありませんが、今のところ、自分自身がしっかりと管理をすれば、漏えいの可能性は低いと考えられます。

トータルで考えると、「マイナンバーを提出するのは、利用目的がはっきりしている場合のみ」ということに徹してマイナンバー通知を受け取っておいたほうが、いざというときに困らないといえそうです。

もしもマイナンバー通知や個人番号カードを紛失してしまった場合は、手続きをすれば再発行してもらえます。また、国がコールセンターも開設していますから、不安や疑問などがあるときには、問い合わせをして確認してみてはどうでしょうか。もちろん、近隣の役所に問い合わせるのも良いでしょう。

マイナンバー総合フリーダイヤル(国のコールセンターです)
0120-95-0178
平日 9:30-22:00
土日祝日(年末年始を除く) 9:30-17:30

拒否する、しないは、最終的には個人の自由ですが、理由のよくわからないウワサに巻き込まれず、制度の背景やメリット・デメリットをよく見極めたうえで判断することが大切です。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

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