横抱きを嫌がる理由は発達の問題ではない!新生児から試したい抱き方と対処法
横抱きを嫌がる赤ちゃんは少なくありません。なかなか泣き止んでくれないと、パパやママは「抱っこの仕方が悪いから?」と自分を責めてしまいがちです。
近年、赤ちゃんがマニュアル通りの行動をしないと「発達の遅れや問題があるのでは?」と心配される傾向もありますが、抱き方を嫌がるのは赤ちゃんの感覚や好みの問題であることがほとんどです。発達の心配は乳幼児健診などで専門家に相談できますので、まずは落ち着いて横抱きを嫌がる赤ちゃんの理由を探り、適切な対処法を試してみましょう。
横抱きを嫌がる6つの理由!不快感や好奇心から泣いて意思表示している
横抱きを嫌がる理由は、単純に赤ちゃんが不快だと感じているからです。小さくても赤ちゃんには感情や個性があります。喋ることができない赤ちゃんの場合、泣いて暴れることで「嫌だ!やめて!」という不快感や要求を精一杯表現しているのです。
大人だって自分の意に反して扱われたり、したくないことを強要されたりするのは嫌なものです。赤ちゃんが横抱きを嫌がる6つの理由を参考に、赤ちゃんの横抱きを嫌がる心理に気づいてあげましょう。
1姿勢が不安定で強い恐怖を感じる
赤ちゃんは生存本能が強く、頭や背中、お尻が安定していないと不安や恐怖を感じてしまいます。特に横抱きは大人の腕の動きで揺れやすく、赤ちゃんが不安定だと感じやすい姿勢です。パパの抱っこなら横抱きでも泣かないけれどママの横抱きは嫌がるという場合、腕や体が細いため不安定だと感じている可能性があります。
赤ちゃんとしては落とされないように泣いて安定を求めているのですが、まわりから見れば横抱きを嫌がる子、あるいはママを嫌がっているように見えます。
2ゲップが出せなくてお腹が苦しい
授乳後に横抱きにすると泣いて嫌がる場合、ゲップが上手く出せずに苦しくて赤ちゃんが泣くことがあります。横抱きだと胃が圧迫されたり、飲み込んだ空気が上がりづらくなったりすることがあるからです。
赤ちゃんはゲップをすることでミルクとともに飲み込んだ空気を体外に出し、お腹が苦しいのを解消します。「横抱きを嫌がるので縦抱きにしたら、しばらくしてから大きなゲップをした」というのは、育児あるあるです。
3周りの景色が見えず好奇心が満たされない
赤ちゃんを横抱きしながらママが何かに夢中になっていると、好奇心の強い赤ちゃんは泣いて嫌がることがあります。生後2ヶ月以降、赤ちゃんの目の機能が発達してくると周りの景色を見て楽しむようになります。ところが横抱きにされてしまうと、天井しか見えないつまらない状態になってしまうため、視界を広げようとして激しく泣いてしまうのです。
4眠りたくないのに寝かしつけをされているから
寝かしつけのため横抱きにすると嫌がる場合、赤ちゃんはまだ眠りたくないという心理から、泣いたり暴れたりして自分の気持ちを伝えてくることがあります。赤ちゃんにも眠りたくない時はありますし、月齢が上がり好奇心が発達してくると、集中している遊びを妨げられることに不快感を抱くようにもなります。
5身体が緊張してリラックスできない(原始反射の影響)
横抱きにされると、赤ちゃんの体が反り返って泣き出す場合があります。これは、不安や体の緊張によるものです。赤ちゃんは背中を丸めた姿勢(Cカーブ)がお腹の中にいた時の姿勢に近く、最も落ち着けるのですが、横抱きでは背中が伸びてしまい、モロー反射などの原始反射が誘発され、さらに不安定だと感じてしまうことがあるのです。
6横抱きが単純に好みではない個性があるから
横抱きを嫌がるのは、赤ちゃんの好みの抱き方ではないからかもしれません。赤ちゃんにも好みはあり、どの態勢の抱き方が落ち着けるかは個人差があります。新生児から首が座るまでは基本的に横抱きですのでママもパパも戸惑ってしまうでしょうが、横抱きを嫌がる赤ちゃんへの対応を知っておきましょう。
横抱きを嫌がる赤ちゃんへの5つの対応と抱き方の工夫
横抱きを嫌がる理由が何となくわかったら、次は不快感や不安を解消する対応をしてあげましょう。赤ちゃんが横抱きを嫌がる理由はさまざまですが、意外と簡単な方法で赤ちゃんの不安を取り除くことができます。
我が子が顔を真っ赤にして泣いているとママも不安になってしまいますが、赤ちゃんはママの顔色を見ています。困った顔やイライラッとした態度はちょっと控えて、「大丈夫だよ、ママが何とかするよ」と、ニッコリと自信のある態度で対応してください。
1おくるみや布を使って姿勢を安定させる
横抱きを嫌がる赤ちゃんにまず試したいのが、おくるみやバスタオルの活用です。横抱きの姿勢に不安を感じている子や、原始反射で体がビクッとなってしまう赤ちゃんでも、おくるみや布に包まれると安心感を得られて落ち着き、自然と泣き止むことが多いです。
横抱きを嫌がる時だけでなく、わけもなく泣いて暴れるときなどにも、おくるみは大活躍します。寝かしつけをサポートしてくれる、簡単に巻けると評判のアメリカ版おくるみ「スワドルミー」もおすすめです。
2授乳後は一旦縦抱きにしてゲップが残っていないか確認する
授乳後や寝かしつけ中に横抱きを嫌がる場合は、念のためゲップが残っていないかを確認してみましょう。一旦縦抱きにしてゲップを確認し、落ち着いたらまた横抱きに戻してみてください。
ミルクを飲んだ直後のゲップで出しきれなかった空気が残っていて泣いたため、縦抱きにしたらゲップが出て泣き止み、また横抱きにしたら嫌がらずに寝てくれたということはよくあります。
授乳後にゲップが出ない時のコツの一つが縦抱きですが、赤ちゃんのゲップの出し方にも色々ありますので、今の方法を一度見直してみるのもよいでしょう。
3視界を広げる「縦抱き風」の姿勢を試す
月齢が上がり、好奇心から横抱きを嫌がるようになった赤ちゃんには、視界を広げてあげることが有効です。首が座る前でも、抱っこする腕を少し高めにし、赤ちゃんの頭を自分の肩に近づけてあげる「縦抱き風」の姿勢を試してみましょう。
正しい姿勢で首と背中をしっかりと支えてあげれば、赤ちゃんは周りの景色を見ることができ、安心感も得られます。ただし、首が座るまではあくまで短時間に留め、赤ちゃんの体に負担をかけないよう十分注意してください。
4背中を丸める「まんまる抱っこ」や「Cカーブ抱っこ」を取り入れる
お腹の中にいた姿勢(Cカーブ)に近いまんまる抱っこは、横抱きを嫌がる新生児に特に有効です。バスタオルや抱っこ紐を使い、赤ちゃんの背中を丸めて、頭・背中・お尻が一連のCの字になるように抱き上げてみましょう。
まんまる抱っこは、赤ちゃんの体が緊張して反り返るのを防ぎ、リラックスさせてくれます。横抱きにこだわらず、赤ちゃんが最も落ち着ける姿勢を見つけてあげることが大切です。
5首をしっかり支えて安全な「縦抱き」を実践する
横抱きが嫌いな赤ちゃんには、いつから縦抱きができると思いますか?実は、安全な方法の縦抱きであれば新生児から可能です。ただし、むやみに縦抱きにするのは危険です。
新生児などの首が座っていない赤ちゃんの首やお尻、背中をしっかり安定させる正しい縦抱きをしてください。抱っこ紐を使用する場合も、新生児用のインサートや正しい使い方で赤ちゃんの背骨に負担がかからないように注意しましょう。縦抱きは視界が広がり、ゲップも出やすくなるため、横抱き嫌いの赤ちゃんには有効な対処法の一つです。
横抱きを嫌がる赤ちゃんをどうやって育てたの?先輩ママ達の体験談
横抱きを嫌がる赤ちゃんを育てた先輩ママは、泣いてグズって寝ない赤ちゃんにどのように対処したのでしょうか?
赤ちゃんにはそれぞれ個性があって、横抱きを嫌がる理由はさまざまです。先輩ママの体験談から解決のヒントを見つけましょう。
どうしても泣いてしまう時には
我が子は新生児を卒業した2ヶ月辺りから、横抱きを嫌がるようになりました。まだ首も座ってないのに縦抱きも出来ず、工夫をしました。
赤ちゃんの耳を自分の心臓の位置にくっつけるような横抱きにしてみました。すると胎内を思い出したのか、泣くことが大分減りました。授乳、寝かしつけ、お風呂も常に心臓の位置に耳を近づけるようにしました。縦抱きは、首が座ってからしました。
赤ちゃんは自分の好きな人に抱っこされるのは、とても嬉しいのです。しかし、自分の楽な体勢や柔らかさなどが違うだけで泣いてしまう、難しいと思いますが二人三脚で頑張っていってください。
縦抱き好きの赤ちゃんもおひなまきで解決
娘が生後1ヶ月くらいから、横抱きよりも縦抱きを好むようになってしまいました。まだ首が座っていないので横抱きにしたいのですが、嫌がるんです。
出産した助産院で1ヶ月健診の際に相談したところ、「おひなまき」を勧められました。赤ちゃんが子宮の中にいた頃と同じ体勢になれるので、背中が丸くなり身体に負担がなく、赤ちゃんも心地いいそうです。
授乳や入浴はそれほど困っていませんでしたが、寝かしつけはおひなまきでかなり楽になりました。縦抱きは首が座った3ヶ月頃から始めました。それでも寝返りを始めるまでは、なるべく背中が丸くなる体勢にしていました。
横抱きを嫌がっても、首が座っていないうちに無理な縦抱きをすることは赤ちゃんの身体に負担をかける可能性があります。おひなまきやまんまる抱っこを試してみることをおすすめします。
縦抱きであやすと喜びました
生後2ヶ月頃から横抱きを嫌がるようになりました。基本的に寝かされている姿勢が嫌いなようでした。首が座る前なので、縦抱きには不安がありましたが、しっかりと首を支えて縦抱きをしてあげました。
授乳は寝入る直前に飲ませて、横抱きでも大丈夫なタイミングを狙いました。寝かしつけは縦抱きでしたが、入浴はどうしても横になってしまいました。
生後2ヶ月頃から縦抱きをすることが多くなり不安なこともありましたが、今1歳で健康に育っているので、赤ちゃんに合わせた抱き方で良いと思います。
横抱きは諦めて、常に縱抱きにしていました
子供が生後2ヶ月の時から、急に横抱きをすると泣くようになりました。授乳や入浴の時は横にしても泣かなかったのですが、寝かしつけや普段の抱っこ等は、横抱きすると途端に機嫌が悪くなりキャンギャン泣いて怒りました。
なので、我が家の子供は生後2ヶ月から抱っこは右手で首を支え、常に縦抱きをしていました。寝かすときは縦抱きままユサユサし、縦抱きのまま私が座りそのまま壁で背中を滑らせ胸に抱き抱えたまま寝ていました。
首が座れば縦抱きが随分楽になります。それまでは少し抱きにくいですが、子供が言える唯一の我が儘だと思って甘えさせてあげてください。
縦抱きにして乗り切りました
生後1ヶ月ごろから、横抱きにすると寝かしつけや泣き止むまでに時間がかかるようになりました。寝るのが苦手な子で寝付くのに時間がかかる子だったので、私自身も疲れてしまい寝不足の日々が続きました。
たまたま行った母乳外来でこのことを相談すると、縦抱きが良いと教えてくれました。首すわり前の子を縦抱きにするのは怖かったですが、縦抱きにすると今までの苦労は何だったのだろうと思うくらい、すんなり寝てくれるようになりました。
赤ちゃんは横抱きというイメージもあり横抱きにしなきゃと思いがちですが、赤ちゃんにはそれぞれ好きな抱かれ方があります。
首すわり前の子を別の抱き方にするのは怖いですが、子どもにとって落ち着く方法が1番なので、横抱きにこだわらず、その子に合った抱き方を見つけるのが良いと思います。
お座りと首支えで縦抱き授乳
生後1ヶ月から横抱き授乳をいやがりました。結局、生後1ヶ月から縦抱き授乳に切り替えました。首も座っていないため苦労しましたが、コツを掴めば縦抱きの方が楽になりました。
縦抱き授乳の方法は、自分自身が少し股を開いた正座をし、飲ませたい側の太ももに赤ちゃんにまたがってもらい、首を支えて授乳するという方法です。頭が少し重いので首を支える手首が痛くなりますが、休憩を挟みながら授乳をしました。
横抱きではなくまんまる抱っこで
産院から退院してからしばらくは部屋でねんねばかりだったのですが、生後一ヶ月頃から横抱きしてもグズグズしていました。
そこでお腹の中にいた姿勢と同じように、背中がCカーブになるようにまんまる抱っこをすると嫌がらずにご機嫌になったので、だっこは常にまんまるだっこを心がけました。
授乳の時も首を支えながら少しお座りした姿勢にするとスムーズでした。早くから首がしっかりしていたので、生後2ヶ月から縦抱きをはじめていました。横抱きを嫌がる赤ちゃんは、まんまるにするといいと思います。
縦抱き風に見せかけた横抱きしました
うちの子は生まれて1ヶ月くらいしたら、横抱きをとても嫌がるようになりました。たぶん首が座る前から首の後ろを抑えて縦抱きにしていたから、その景色の快適さを覚えてしまったのでしょうか(笑)
首が座る前でも、ちゃんと抑えてあげれば短い時間なら縦抱きでも良いそうです。なので、嫌がったら縦抱きにしていましたよ。そして納得した頃見計らって、ウトウトして来たらさりげなく横抱きに変えていました。
授乳は添い乳やクッションで高さを出した膝をまたがせてしていました。たぶん、縦が良い子って自我が強い気がします。下の子は大人しく横抱きされていましたから。
でもその分好奇心旺盛で、抱っこ抱っこと要求が少なくなって来て楽になった覚えがあります。今だけの辛抱ですので頑張って下さい。あとは、横抱きだけど左手を頑張って高めにして縦抱き風に見せかけるのも効果ありました。
横抱きのバリエーションを増やしてみました
生後1ヶ月をすぎたあたりから、横抱きを嫌がりました。ただ横抱きをするのではなく、寝かしつけの際は横抱きをしながら階段を上り下りしたり、入浴の際は歌を歌ったりしてなんとか嫌がらない方法を試してみました。
首が座ったころに縦抱きにしました。横抱きをする期間は案外とても短いものです。音楽にあわせてゆらゆらしたりリズムを変えてみたりと、横抱きのバリエーションを増やして、今しかない横抱きの時間を楽しんで育児するのがベストだと思います。
歩いてみました
うちの子供は生後1ヶ月もしないうちに横抱きを嫌がるようになりました。首が据わる前であったため、授乳や寝かしつけが大変でした。
授乳は授乳クッションを使って横抱きで行っていましたが嫌がる、嫌がる…。産院で教えてもらった脇抱きに変えたところ、少しは暴れるものの飲んでくれるようになりました。
一番大変だったのが寝かしつけです。横抱きでゆらゆらさせて寝かせようとすると泣く、泣く…。産院では「おくるみにくるんであげたら落ち着くよ」と言われ、試したもののだめでした。
そこで横抱きのまま散歩に連れていくと、すぐ寝てくれました。歩く時のゆれが心地よいのかもしれません。
また新生児で首が据わってないので縦抱きは不安でしたが、首を支えて縦抱きにしてあげたら泣き止んでくれることに気づいたので、それからは歩いたり、歩けないときは縦抱きにしたりするようになりました。
「新生児に縦抱きはダメ、しない方がよい」と聞いたことがあります。でも最近は縦抱きが好きな子が多いらしく、首をちゃんと支えて長時間でなければ問題ないと言われました。
横抱きを嫌がる時は縦抱きを推奨している産院もあると聞きましたので、あまり無理せず縦抱きしてみるのも手だと思いますよ。
子育て4コマ漫画:横抱きを嫌がる赤ちゃんの気持は?
横抱きを嫌がる赤ちゃんの気持ちを考えると言っても、しゃべったりジェスチャーをしたりできない赤ちゃんの気持ちはなかなか理解が難しく、初めは困ってしまうでしょう。
ですが無理だと決めつけて初めから諦めず、平山あおいさんの4コマ漫画にあるように、ちょっと体勢を変えて同じ状況に身を置き、周囲を見渡してみると気づくことがあるかもしれません。
赤ちゃんの抱っこの好みはさまざまです。生まれた直後から横抱きを嫌がる赤ちゃんもいれば、昨日までニコニコしていたのに、突然泣いて暴れる赤ちゃんもいます。横抱きを嫌がって赤ちゃんが泣き寝入りすることもありますが、可愛い赤ちゃんを抱っこできるのはわずかな期間と割り切って、抱っこ期の親子のスキンシップを楽しみましょう。