国際結婚の離婚率を分析検証に関する記事

『国際結婚の離婚率や理由と国別カップルの離婚率の違い』

国際結婚の離婚率ってどのくらい高いのでしょうか?最近増えた離婚理由、相手の出身国ランキングを併せて紹介します。

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以前はあこがれだった国際結婚は近年離婚率が上昇中

留学や転勤で来日して、日本に移住した欧米人男性と国際結婚し日本にいながら欧米文化の優雅な暮らしを送る日本人女性に憧れの眼差しを向ける時代もありました。日本人男性も、日本人女性とは違う魅力を持ち、いつまでも若々しい東南アジアの女性と国際結婚を実現した方は憧れの存在だったでしょう。いつまでも楽しく仲良く一緒に暮している国際結婚カップルなら、誰でもうらやむのは当たり前です。

しかし近年、憧れだった国際結婚に陰りが見えています。国際結婚の離婚率が上昇しているのがその理由で、根本的な離婚の原因や夫と妻どちらが日本人だと国際結婚の離婚率が高いのか、どこの国との国際結婚だと離婚率が高いのか、日本における国際結婚の歴史的背景も交えて紹介します。

日本における国際結婚の歴史

日本政府公認の最初の国際結婚は、1872年に行われた、高杉晋作の従兄で長州藩からイギリスへ派遣された留学生であった南貞助とイギリス人のライザ・ピットマンの結婚と言われています。作家の小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)も日本人女性と結婚し、明治時代における有名な国際結婚の一例として現代にも伝えられてきました。

初めて日本政府が認めた国際結婚から150年弱の年月が流れる間、毎年国際結婚の件数はバブル経済が崩壊しても増加傾向となっていました。昭和20年代は日本に駐留する米軍男性と結婚する日本人女性が増加、在日朝鮮人と結婚した日本人女性も少なくありませんでした。

また1980年代、農村地域で嫁不足が深刻化したときは、解決のため、地元の自治体や農協ぐるみで、フィリピン女性や中国人女性と農業を営む独身男性とのお見合いイベントも活発に実施されました。実際、これをきっかけにいくつかの国際結婚が成立。農村地域だけでなく、都心部でも東南アジア女性と日本人男性の国際結婚が増加しました。主にフィリピンパブに勤めるダンサーと日本人男性のカップルが注目されたものです。

あまり、マスコミなどで報道されていないのが、東欧やロシア系民族との国際結婚。ソ連が崩壊し、東ヨーロッパ諸国の民主化が進んだ時期に海外への渡航自由化も進み、日本にやってくるこれらの地域の人々が日本人と結婚するようになりました。

しかし、国際結婚は2006年をピークに減少し始めます。これは、2005年に入国管理法が改正され、興行を理由に在留資格を得ることが困難となり、ダンサーであるフィリピン人女性の入国が減少したのが原因です。そして2009年に国際離婚件数が一気に上昇し始め、現在でも日本における国際離婚は上昇傾向にあります。

国際結婚の離婚率から考える

日本の国際結婚の離婚率は、厚生労働省発表の統計で全体の約40%であるとわかっています。また、夫と妻のうち、どちらが日本人かでも少し離婚率に差があることも判明しています。

夫が日本人で、妻が外国人の組み合わせの離婚率は、2011年に約75%に達しました。カップルのうち、4組に3組が離婚に至ってしまうという結論です。

では、妻が日本人で夫が外国人という組み合わせの場合は2011年の統計で約50%強という結果が報告されています。要するに夫が日本人で妻が外国人の夫婦よりも離婚率は低くなるものの、妻が日本人で夫が外国人のカップルも半分以上離婚してしまうというのが現状です。

どちらが日本人かという組み合わせで、少し違う統計結果が出るとはいえ、国際結婚の離婚率が高くなっているのは否定できません。

国際結婚の離婚理由、日本人同士の場合とどう違う?

次にどうして国際結婚で離婚してしまうのか、理由を探っていきましょう。

夫の方から離婚を切り出す理由は

  • 性格が合わない
  • 異性関係
  • 精神的虐待
  • 浪費

暴力という結果が出ています。一方で妻から離婚を切り出す場合は

  • 性格が合わない
  • 暴力
  • 生活費を渡してくれない
  • 精神的虐待
  • 異性関係

などの理由があげられます。国際結婚の離婚理由を分析してみると、日本人同士の夫婦が離婚する場合にあげられる理由とあまり大差がありません。どんな場合の結婚も結婚前にわからなかった相手の意外な性格の一面についていけなくなったり、徐々に低収入になり信用ができなくなる、異性関係がだらしない、家庭内暴力など夫婦間で起こるトラブルは世界共通というのが分かります。

日本人同士の離婚原因で男性から申し立てる場合、「妻との家族とうまく行かないため」というのがありますが、国際結婚の離婚の場合は、妻が外国人だとその家族は海外で暮らしていることが多いのでそのようなトラブルは少ないのかもしれません。

しかし日本人男性が外国人女性と結婚すると妻が自分の家族を日本に移住させ、同居させてしまう例も見られます。日本人男性は妻の自国の男性と比べて高収入である場合、金銭的に妻の親族中に頼られてしまいます。

夫は「自分はお金目当てで結婚させられた」と次第に疑問を抱きはじめ、詐欺にあった気分になり離婚を決意する実例もあります。日本と経済的な格差がある国の出身者と国際結婚を考える場合は、金銭的な問題を用心する必要があります。

その他の離婚理由として食生活にどうしても馴染めなかったという理由も少なからずあります。見逃せない例として、日本人女性は専業主婦を好む傾向にあり、自分は働かず外国人夫の収入だけを頼るので、夫は嫌気がさし離婚に至ってしまうというケースもあります。

離婚率の高い国別の組み合わせ

国際結婚カップルが離婚する場合の出身国別ランキングも非常に気になる所です。まず、日本人女性と外国人男性の組み合わせの場合は、

  • 1位 フィリピン
  • 2位 タイ
  • 3位 中国

という順で離婚率が高いという結果となっています。次に日本人男性と外国人女性の組み合わせですが、

  • 1位 フィリピン
  • 2位 韓国・朝鮮
  • 3位 中国
  • 4位 タイ

という順位で離婚率が高いという結果が出ています。相手の出身国別では男女で大差はありません。

以前は日本人女性が国際結婚する場合、圧倒的に欧米人男性が多いというイメージがありました。外国人夫の本国への転勤が決まり、日本人妻が本国へは行きたくないので、そのまま単身で帰国しまうため離婚、という流れが多くありました。

しかし近年は東南アジアの男性も来日することが多くなり、日本人女性と出会う機会も増えたため、日本人女性が東南アジアの男性と国際結婚する例も増えました。東南アジアの男性との離婚原因は低収入という理由が大部分を占めます。以前より改善されたとはいえ、外国人ということで仕事探しがうまく行かないのが現状です。

国際結婚の離婚率は高いが夫婦の絆はとても強い

  • 日本人の異性にはない魅力を持っている
  • 日本に来て頑張っている姿に励まされた
  • 留学先や旅行先で出会い意気投合した

出会ったきっかけは今まで成立した国際結婚のカップルの数だけあると言っても過言ではありません。きっとこの人と結婚したら日本人とは違う明るく楽しい結婚生活が送れるかもしれない、同性や周囲から羨ましがられるかもしれないと、大きな希望を抱いて国際結婚に踏み切った人も多いでしょう。

しかし結婚してみると国が違うからこそ起きるトラブルに発展することもあります。例えば食生活などは特に気を付けたい所で、相手の食文化や宗教的な問題も日本人同士では些細な事で収まることが、離婚問題にまで発展する大きな火種となる可能性もあります。

国際結婚は統計で証明されている通り日本人同士の結婚よりも離婚率は高くなっていますが、それでも結婚生活を継続している夫婦は様々な問題を乗り越えているので日本人同士の夫婦よりも強い絆があると言えます。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

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