子供をSNSトラブルから守るには?知っておきたいSNSの実態
ネット上のSNSのトラブルが増加していると言われますが、その対象は小学生へと広がっています。小学生でも高学年になるとスマホやケータイを持っている子が増え、SNSを使い始めるようになります。
親としては「子供がスマホを持って大丈夫なの?」「トラブルになるんじゃないの?」と心配が尽きませんよね。
実際にどのようなトラブルがあるのか、子供の世界でのSNSはどうなっているのか、今、小学生を中心に広まっているSNSトラブルの実態や事例についてご紹介します。
SNSとは?
インターネットにあまり馴染みがない保護者であれば、「そもそも、SNSって何?」という方も多いでしょう。
SNSとは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(サイト)」の略で、インターネット上でコミュニティを作るサービスやサイトのことです。
有名なSNSを挙げるとTwitter、Facebook、mixi、Instagram(インスタグラム)というものがあります。
こういったSNSに登録することで、様々な人とつながりを持ち、趣味が共通している人や同年代の人と知り合いになって、交友関係を広めたり深めていったりすることができます。
SNSに設けられている年齢制限
SNSでは知らない人と繋がることもできるため、万が一、知らない人が悪意のある人であった場合、何らかのトラブルに巻き込まれることも考えられます。
そういったトラブルを防いで子供たちを守るためにも、年齢制限を設けているSNSが多くあります。それぞれのサービスの使用制限年齢をチェックしてみましょう。
140文字で今の気持ちなどを発信するミニブログです。ツイッターでは、13歳未満の使用を禁止しています。
13歳未満であることが分かれば削除対象になりますが、ヘルプセンターによれば、親の許可があれば使ってもよいとされています。
世界一大きなSNSといわれる「Facebook」は13歳未満禁止となっています。
13歳以下である場合、親の許可あるなしにもかかわらず削除されるようですが、今後、年齢層の拡大計画もあると言われているため、パパやママは心配ですね。
mixi
以前は18歳未満は禁止で招待がないと入れませんでしたが、今は15歳以上に変更されています。15~17歳までは一部制限がされています。友達検索機能が使えない、成人向けの広告が非表示になるなどの対策が取られています。
インスタグラムの年齢制限は13歳以上とされており、管轄区によっては最低年齢が高くなる場合があるそうです。万が一、13歳未満の子供がアカウントを作成していた場合、親がアカウントを削除するよう呼びかけています。
Google+
グーグルプラスも、18歳から13歳以上に変更されています。YouTubeで年齢制限がかかっているものは非表示になったり、ウォレット機能が使えないなど18歳までは一部規制されているものもあります。
LINE
利用自体に制限はありませんが、未成年者には制限がかかっている機能もあります。18歳未満の場合はID検索機能が使えず、自分のID自体も使えなくなっています。
GREE
利用自体には特に年齢制限は設けられていないGREEですが、18歳以上のユーザーとチャットできないなど、機能によっては使用に制限がかかっています。15歳以下の場合、課金する際は月間5000円までと上限があります。
Facebookが小学生にも拡大!?
SNSの最大手であるFacebook。アメリカでは実に50%以上の人たちがFacebookを利用しており、日本での普及率も上がっています。
そんな中、今後、13歳未満の小学生へのFacebook拡大計画があるとも言われています。
しかし、最初の登録の画面で生年月日を入れる際に年齢を偽ってしまえば、誰も規制することができないため、実際は現在でも年齢を偽ってFacebookを利用している子供たちも多く存在しているというのが実情です。
そういった事情もあってか、「友達」にする相手を親が選べたり、親が許可したアプリケーションしか使うことができなかったりと、13歳未満の子供が親のアカウントとつながるようにして、親の管理下で利用できるようにシステムを構築しているとされています。
トラブルの心配や課金などが増えてしまうことも懸念されている昨今、小学生がFacebookを利用する時代も近づいてきているのかもしれませんね。
小学生の未来が危険!SNSトラブルの事例
小学生がSNSを使用することで起きるトラブルも増えています。気が付かないところで思わぬトラブルになってしまうこともありますので、それぞれどんなSNSトラブルの実例があるのかを知っておきましょう。
LINE
LINEは、チャットのように簡単にコミュニケーションが取れるアプリで、小学生でも活用している子が増えていますが、同時にトラブルも急増しています。
グループトークで自分だけが無視されたり、既読スルーが原因でトラブルにあったりといった事例が多くなっています。
GREE
たくさんのゲームが無料でできるSNSとして人気のあるGREEも、利用者が急増しています。スマホのアプリゲームの中にもグリーのものがたくさんありますので、目にしたことがある人も多いでしょう。
スマホゲームは夢中になりやすく、子供は時間も忘れて没頭してしまいがちです。課金トラブルや、個人情報を公開することで人間関係のトラブルになることもあります。
A勝手に課金していました
子供がGREEに登録しているのは知っていましたが、恥ずかしながら課金しているとは知らずに、請求が来てびっくりしたことがあります。
毎日熱心にゲームをしており、完全にハマっていました。怒られると隠れてまでやる始末…。
本人は課金しようと思ったら「課金できちゃった、ラッキー」くらいの気持ちだったんだと思いますが、気付いた時には数万円の課金に。
なんでも課金することでゲーム内で有利になるとかで、必死に弁明をしていましたが、クレジット支払いできないようにして対策をしました。
親である自分も甘かったと反省しています。今はどんなゲームをどのくらいするのかをチェックしています。
Twitterの個人情報は、きちんと公開範囲を設定しておく必要があります。
仲間内で楽しかったからと画像をアップすることで、ツイッターの公開範囲を設定していなければ、全世界に個人情報を公開してしまうことになります。
また、自分の情報だけではなく、自分が誰であるのかが分かってしまうことで、自分の気が付かないところで周囲の友人を危険にさらしてしまう可能性も…。
また、非公開にしていても、それを見た友達がほかの友達に広めたりすることもあるため、投稿の際には注意が必要です。
Aツイッターで個人特定されて…
娘がツイッターをしていたのですが、アカウント名がほぼ本名でした。
「他の友達も同じようにしていたのでそうした」と言っていましたが、危機管理の甘さというか、そういった認識がないのに使ってしまうのは本当に危ないと感じました。
すぐにアカウントを削除させましたが、友達は個人特定をされてしまったようです。
その際、別の友達の悪口を言っているのを見られてしまい、逆に陰でこそこそ悪口を言われるようになったとか…。
「個人が特定されると学校名とか住所まで全部わかってしまうから、変な人が来るかもしれないよ、来てからでは遅いんだよ」という話をしたら怖がっていましたが、もっとやる前からしっかり教えておかないとダメだと思いました。
FacebookやGoogle+
中学生になってからは、年齢条件に合うようになるので、Facebook、Google+といったSNSも登録することができますが、やはりトラブルとは隣合わせといえるでしょう。
友達でもスマホを持っている人が増え、色々と発信してコミュニケーションを取るようになりますが、まだ個人情報の管理の認識などは甘いと言わざるを得ません。
興味本位で、また注目を浴びたくてつい無茶なこともしてしまうのもこの年頃に多くなります。
他にも、知らない人と繋がる危険があり、ワンクリック詐欺などにもひっかかる可能性がたくさんあります。
世の中には悪意のある大人がいて、子供をターゲットにしている場合もあるということを、子供に認識させることが重要となってくるでしょう。
小学生のSNSトラブルと社会問題
小学生がルールを守らずにSNSを使用することで、社会問題を引き起こすケースは少なくありません。面白おかしく情報発信をすることで自分や周囲にどのような影響があるのか、子供には十分に考えが及ばないのです。
これは、「ルールを守る」以前に、「ルールを理解できていない/そもそも知らない」子供が多いことが原因と考えられます。ルールを知らない子供がSNSトラブルに巻き込まれる前に、親がSNSの正しい使い方やルールを教える必要があります。
もし、そのまま高校生/大学生/社会人になっても、モラルの欠けたSNSの使い方を続けてしまうと、最悪の場合、社会的制裁を受ける可能性もあります。
最近の例としては、SNSを使ってバイト先の食品保存庫に勝手に入った写真を面白半分でアップしたり、芸能人の来店情報を勝手にアップしたりして大きな問題となったケースが挙げられますね。
小学生がSNSをやめられない原因
最近は、友達とSNSでつながっていることで安心すると考える子が多く、友達との付き合いのためにSNSが欠かせなくなっている子供が増えています。
ひと昔前だと、交換日記やポケットベルといった友達との関わりを深めるツールが、SNSへと変化しているのです。
リアルタイムでやり取りをするのは楽しい反面、やめるタイミングが見つからず、ズルズルと続けてしまうことにもつながります。
そして「新しい発言があった時に自分が乗り遅れてはいけない」という気持ちも生まれてきて、情報を発信したり受け取ったりすることに敏感になっていくのです。
「LINE疲れ」「SNS疲れ」という言葉も耳にすることが多くなったように、その密な関係に疲れを感じる大人も多いもの。
しかし、まだ自分の世界が狭い小学生であれば、楽しいだけでなく、「やっていないと不安だから」という理由からSNSにのめり込んでいくパターンも多いようです。
家庭内のiPod Touchに要注意!
音楽を聴くためにiPod Touchを欲しがる子供は多く、高学年になると実際に所有している子も増えています。スマホとは違い、毎月の使用料がかからず使えるので、親としても与えやすいといった実情もあるようです。
中には「iPod Touch=単なる音楽プレーヤー」だと勘違いして買い与えている親も多いのですが、iPod Touchでは電話は使えなくてもアプリは入れられるため、LINEやゲームも使用することができます。
つまりタブレットと同様、iPod Touchではネット環境さえあればSNSが利用できてしまうのです。
また、共働きなどで両親が不在の場合は、早くからスマホやiPod Touchを持たせるという家庭も増えており、SNSを利用しやすい環境にあります。
スマホではなくiPod Touchを持たせているパパやママも、「うちはiPod Touchだから大丈夫」と楽観視するのは禁物と言えるでしょう。
SNSトラブルの被害に巻き込まれる危険は様々なところに!
いつ、どんなキッカケでネットのSNSを通じてトラブルに巻き込まれるか、子供はもちろん、大人でも予測がつかない世の中です。
周囲を巻き込んだり、自分が巻き込まれたりすることのないよう、SNSの使い方に関して日頃から親子でしっかりと話し合い、正しいルールを確認するようにしてくださいね。