課金ゲームの落とし穴!小中学生のスマホやゲーム機にすべき8つ
今、塾の送り迎えの連絡やお留守番など、さまざまな必要性があって小学生からスマホを持たせる家庭が増えていますよね。内閣府の発表した「平成25年度青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」によると、スマホや携帯を使う小学生の割合はなんと36.6%、中学生は51.9%。それにつられて、課金ゲームの高額請求問題などのスマホトラブルも増えています。
今回は、小中学生の課金ゲームでどのようにトラブルが起きているのかを紹介しながら、子供にスマホを持たせるときの問題点や、トラブルを防止するための親の対応策などについて、詳しく解説していきます。子供は、親が「まさか」と思う落とし穴をついてトラブルを起こしてしまいがち。未然に防ぐためには、親側の知識や対策が必要ですよ。
課金ゲームの高額請求問題と小中学生
大人には難しい電子機器もすぐにサクサク扱えるようになってしまう小中学生。「さすが現代人!」と褒めてあげたいトコロですが、技術や知識はあっても心は未熟。そのため、基本無料課金ゲームによるネットトラブルに巻き込まれやすいのです。
基本無料課金ゲームとは
「基本無料課金ゲーム」とは、基本的な使用料は無料でありながら、ゲームを有利に進めるために必要なアイテムを100~500円程度の有料で購入しなくてはいけないスマホゲームのことです。現在子供達に人気がある課金ゲームは「パズドラ」「モンスト」「ポケモンGO」など。人気のあるスマホゲームのほとんどは、こういった基本無料の課金システムを採用しています。
課金ゲームは基本的に無料でできるので、多くの親子は課金システムに気がついていても「無料の範囲で楽しめばいいや」と、気軽な気持ちでゲームを承認したり開始したりします。
親子で一緒に行っているうちはいいのですが、子供が大きくなり一人で遊ぶようになると、繰り返しゲームをして他の人とランキングなどを競ううちに「もっとランキングをあげたい」という欲が出て、何千円、何万円、それどころか何十万円とお金をかけてゲームにはまってしまう子供がいるのです。
小学生から始まる!?課金ゲーム問題
課金システムはよくできていて、大人でもゲームにハマって大金をつぎ込んでしまうことが多いのですが、小学生などが課金ゲームを利用することは大きなリスクがあります。
スマホによる無料課金ゲームの支払いは、事前に登録してある親のクレジットカードで決済します。ところが、子供はただでさえ金銭感覚が乏しいのに、目に見えないクレジット払いでは自分がどれぐらいお金を使っているのかを実感できずにドンドンお金をつぎ込んでしまい、後日親の元に高額な請求書が届いて大騒ぎになるというトラブルが頻発しているのです。
スマホゲーム特有の、通信対戦機能も小学生の課金ゲーム問題を大きくしている要因。スマホゲームでは友達や全く知らない人と通信をしながらランキングを競うことができますが、これをやり始めると「先に始めている友達よりも良い点数を出したい」とか、「ゲームでリードしたい」という競争心があおられてしまいます。また、子供によってはスマホへの依存度が高いことも…。
子供に大人のような自制心はありません!子供が課金ゲーム問題に巻き込まれてしまうのは、もちろん本人のスマホの使い方に問題があるのですが、スマホを買い与える親がきちんとトラブルを防止する対策をとっていないことが、トラブルを大きくしている原因としてあげられます。
小学生から課金ゲーム問題に巻き込まれる原因
「ウチの子は大丈夫」そんな油断をしていませんか?子供が課金ゲーム問題に巻き込まれやすい環境要因をいくつかご紹介しますので、子供のスマホの環境を見直してみて下さいね。
1フィルタリングをかけていない
スマホや携帯電話には、利用者が高額な利用料がかかるサイトや公序良俗を害する有害サイトを、閲覧できないようにブロックしてしまうフィルタリング機能があります。ところが、スマホを子供に買い与えたときにフィルタリング設定をしていないと、子供が好きにインターネットを使い、課金ゲームにはまり込んでしまう危険性が高くなってしまうのです。
みんなつけてる?つけてない?
小学生6年生の男の子と、小学3年生の女の子のママです。最近長男が誕生日プレゼントにスマホを欲しがり、塾や野球などの習い事のお迎えの時に連絡がつきやすくて便利だからと購入しました。最新機種ではありませんが、息子も喜んでお友達とアドレス交換をしたり、写真を撮って楽しんでいました。ところが、やっぱりスマホゲームがやりたくなってしまったんです。
うちはパパがかなり強力なフィルタリングをかけていて、親が許可していないサイトなどにはつなげず、ゲームはwiiUや3DSなどスマホ以外でやるように言っているのですが、「スマホでゲームの仲間に入っていないと、みんなの話についていけない」なんて言い出してしまって…。
結局「お金のかかるようなことはしないこと」と約束をして一部のフィルタリングを解除したのですが、「うちだけだよ、こんな制限してるの!」と、まだ制限がかかっていることが息子は不満の様子です。
最近では、「他の野球チームを研究するから、ブログもみたい。フィルタリングを解除して」なんて言い出しています。でも確かに、野球がうまいお友達のなかにはフィルタリングをかけていないスマホで野球関連の情報をチェックしている子が何人もいるので、息子の言うこともわかるのです。フィルタリングをつけるのは親の義務だと思っていましたが、実際にはみなさんそんなにフィルタリングって使っていないようで、悩むところです。
2クレジットカードを登録したスマホを使わせている
親が買い替えていらなくなったスマホを子供にWi-Fi環境で使わせる場合、クレジット情報を削除しないまま子供に使わせることで課金ゲームトラブルが発生しています。
スマホで有料コンテンツを利用する場合には、あらかじめスマホに支払先とするクレジットカード番号やパスワードなどの情報を登録しなくてはいけませんよね。ところが、クレジットカード情報を入れっぱなしにしていたことで、子供が勝手に有料アイテムを買ってしまい、高額請求にあったという家庭も…。
3クレジットカードの保管状況が悪い
クレジットカードの情報をスマホに登録していないからといって、安心してはいられません。課金ゲームで有料アイテムを買いたいあまりに、子供が勝手に親のクレジットカードを見て、情報を入力してしまうというトラブルも多く発生しているのです。
子供はクレジットカードの価値を充分に理解することが難しく、勝手にクレジットカードを使うとどんな結果が伴うのかを予想することはできません。そのため、親のカードや暗証番号を勝手に利用してしまうのです。
4親が基本無料ゲームを承認する
「無料だからいいよ」と親が子供の無料ゲームを安易に承認してしまうこと自体が、課金ゲーム問題のトラブルにつながっています。今流行りのポケモンGOも、基本無料の課金ゲームですよ。利用機能制限の「ペアレントコントロール設定」で無料だからと承認することで、高額課金に繋がることがあることもあることを知っておきましょう。
子供の課金ゲームによる高額請求の取り消し
親元に届いた、子供が使った課金ゲームのお金の高額請求は、取り消すことができるのでしょうか?
民法の規定では「財産の処分権限を持たない未成年が、親や法定代理人に無断で行った商取引や契約は、親が「この契約は無効だ」として取り消すことができる。つまり、請求された代金は支払わなくても良いとされています。
ただし、子供が課金ゲームで使ったクレジットカードは成人している親の名義のものであり、事業者側から、「親の名義のクレジットカードを使ったということは、親が子供の契約を認めたということであり、無断で契約したのではない」といわれてしまえば、親に支払い義務が課され、下手をすれば高額な借金を背負うことに…。
もっと悪いのは、子供のやったことが詐欺行為としてとられかねないという事実です。スマホゲームでは利用時に年齢制限を設けているものもあり、例えば20歳以上しか利用できないゲームを、子供が未成年であると申告せずに年齢を偽って利用する行為は、事業者を騙して有料アイテムを詐取していたととられかねません。
課金ゲームで発生した高額請求の取り消しはそう簡単にはいかないと、よく理解しておいてくださいね
まるで犯罪者扱いでした
小学3年生の息子が、私のスマホで勝手に課金ゲームをしていて、ある日5万円を超える高額請求書が届きました。慌ててゲーム会社と連絡をとり、息子が私の携帯、私名義のクレジットカードとパスワードを勝手に使ったことを「子供が勝手に使ったこと」と説明したのですが、相手側からは「課金ゲームで遊んだのは親で、子供がやったことにして我々を騙している」と、逆に私まで犯罪者扱いされてしまってショックでした。
最終的に弁護士さんに相談をして対処してもらったのですが、弁護士さんは「強く出れば、親が焦ってお金を出すことを知っているからですよ」と言っていました。最終的に弁護士さんに間に入ってもらい、子供が使ったと立証出来た分だけは免除してもらったのですが、それでも完全に請求の取り消しはできませんでしたし、弁護士費用もかかってしまいました。
もともとは私が使っていたスマホゲームを子供に教えてしまったので、軽率だったと深く反省しています。
課金ゲーム問題から家族を守ろう!親がすべき8つの対策
実際にトラブルになった場合には、親がゲーム会社と交渉をして請求についての話し合いをしなくてはいけないなど、子供の課金ゲームのツケは、全て親に降りかかってきます。こういったトラブルに巻き込まれないように親として予防策を立ててから、子供にスマホを使わせるように心掛けましょう。
1フィルタリング設定は忘れずに!
青少年インターネット環境整備法第6条では、18未満の青少年がスマホやPCなどでインターネットを利用する場合、フィルタリングなどで子供のネット利用状況を把握したり規制したりして、適切に利用させるように努める責務があると記されています。
また、携帯電話会社に対しても、18歳未満の青少年との携帯電話契約は、フィルタリングサービスの利用を条件とすることが、同整備法第17条に記されています。SNSトラブル等も心配されますので、子供の年齢や利用目的にあわせて適切にフィルタリング設定をしておきましょうね。
2クレジットカードの管理を徹底する!
クレジットカードは便利ですが、一歩取り扱いを間違えば、大事なお金を失いかねません。自分名義のカードは自分の責任で管理するのがルールですので、子供が勝手にカードを持ち出して情報を悪用することができないように、クレジットカードの管理方法を見直しましょう。
3スマホやゲーム機の情報管理を徹底する!
一度でもスマホやゲーム機、タブレットなどを使ってアプリなどを購入すると、スマホ内にあなたのクレジットカード情報や個人情報が記録されてしまいます。
そのままの状態で子供が使うと、親と同じ状態で課金ゲームの有料アイテムを購入できてしまいますので、子供に使わせているスマホやゲーム機、タブレットなどの内部情報は定期的にチェックし、不要な情報は削除して管理を徹底しましょう。
4パスワードの管理を徹底する!
スマホなどの電子機器を使っているとさまざまなパスワードを使いますが、パスワードの管理が甘いと子供に勝手に設定を変更してしまうことがあります。
クレジットカードのパスワードと同様に、パスワードは子供に知られないように定期的に変更をし、子供が推測できるような誕生日や電話番号などを安易に利用しないようにしましょうね。
5利用明細書の確認はこまめに!
子供の課金ゲーム問題が発覚するのは、親の銀行口座から高額な利用が引き落とされた後が多いのですが、支払われた後では請求の取り消しも難しくなってしまいます。
クレジットカードを利用した場合には、1月ごとに利用明細が自宅に届きますし、各カード会社のwebサイト上で利用明細が確認できますので、面倒に思わずにクレジットカードの利用明細はこまめにチェックして、利用状況を確認する習慣をつけましょう。
6確認メールのチェックはこまめに!
Google PlayやApple Storeなどからアプリを購入すると、登録したアドレスに購入確認のメールが届きます。このメールをしっかりチェックしていれば、子供が勝手にアプリや有料アイテムや購入したことに気が付き、早急に対応することができます。
面倒でもメールのチェックはこまめにして、身に覚えのない内容のメールが届いた場合には事実確認をしっかりするよう心掛けましょうね。
7子供とスマホルールの取り決めと約束する!
スマホは便利な道具ですが、子供に害のある情報ももたらしてしまうので、スマホを子供が好きなように使えるのは問題があります。子供がスマホを使って何かをするときには、事前に親に相談することは最低限のマナー。
スマホを子供に与える場合は、インターネットの使い方、アプリの使い方、使用目的や使用時間、課金ゲームへのルールをきちんと子供と話し合い、「してはいけないこと」「しても良いこと」を取り決めて、ルールを守らせることを徹底しましょう。
8子供に繰り返し危険を教える!
課金ゲームのトラブルやインターネットの危険性、メールを使った犯罪やクレジットカードによる支払いの危うさは、親が子供に教えていく必要があります。スマホの危険性をゲーム感覚で体験できる疑似体験アプリなどもありますので、スマホやネットの危険性は、繰り返し子供に指導していきましょう。
「スマホにひそむ危険 疑似体験アプリ」
未成年が巻き込まれやすい、「出会い系被害」「個人情報漏えい」「高額請求」「ネットトラブル」「スマホ依存」「危険なアプリ」などの被害事例を疑似体験できるアプリです。機械に疎く、子供が使っているスマホの機能についていけないママでも安心して子供に指導ができますし、大人にとっても勉強になりますよ。
親子で子供の課金ゲーム問題を防止しましょう
スマホにより今までより課金ゲームがしやすくなり、ポケモンgoなどの夢中になるゲームを無料で始められるようになった現代。まずは親がしっかりとその危険性を理解して、子供を課金ゲーム問題などのトラブルから守っていくことが大切です。
スマホがあれば子供が静かにしていてくれるという面は確かに否定できませんが、親は子供のしていることを監督し、指導する義務と責任があります。スマホを子供に与えっ放しに出ず、時には子供がスマホでどんなことをしているのかを親子の話題にして、子供の心や行動をしっかり理解するように努力していきたいですね。