子供を比較しない子育て術に関する記事

『子供を比較してしまう親の特徴~人と比べない子育て術6』

ママ友に「うちの子、この間…」なんて自慢話をされると、母親ってつい我が子と比較して一喜一憂しやすくなりますが、子供の比較は親が隠しても子供に伝わりやすいため、我が子の成長に悪影響を与えがち。比べない前向きな子育て術とは?

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子供を比較しない子育てのコツ~悪影響を与えない親の接し方6

赤ちゃん期は寝がえりやハイハイなど、幼児期はトイレトレーニングや言葉の発達など、小学生になると運動会や勉強などの成績で、他の子と自分の子供をつい比較してしまうママは少なくありません。

そこでこちらでは、親に比較されて育つ子供が受ける悪影響、子供を比較する親に見られる特徴や心理、子供自慢をするママ友に比較された際の対応、人と比べない子育て術をご紹介します。

「子供を比較するなんて悪いこと!」と多くのママやパパは分かっています。それでもついしまうのが子供の比較なのですが、比較してしまう心理や子供への悪影響など知っておくと、その知識がブレーキとなり子供への弊害を減らしやすくなるんです。

親に比較されて育つ子供が受ける悪影響

子供は親から唯一無二の存在である自分を全面的に受け入れられ、自分が快適になれる愛情を注がれることで親を信頼し、社会を信頼し、外に向かって独り立ちしたり、困難に立ち向かったりする勇気を抱くことができます。

ところが誰かと比較されて育つ子供は、成長と共に「ぼくは〇〇くんよりできるから凄い」とか、「私は〇〇ちゃんよりできないからダメ」と、親にとって都合のいい存在であるかどうかに目が行きがちになり、ありのままの自分自身を否定しやすくなります。そのため成長と共にさまざまな悪影響が表に出てきてしまうのです。

自己肯定感が低くなる

自己肯定感とは、自分の存在(ありのままの姿)を認めて評価(肯定)できる感覚です。欠点があっても、失敗しても「自分はこの世に存在すべき価値ある存在」と思える感覚があるからこそ、人は親からは離れて自立しようとする勇気、何かに取り組む勇気、失敗をリカバリーしようとする勇気などを抱くことができます。

ところが比較されて育つ子供は、「〇〇ちゃんよりできるかできないか」という条件付きの愛情を注がれていると無意識に感じ取ってしまうため、ありのままの自分自身を受け入れてもらえているとは思えず、自己肯定感を高められずに劣等感の強い大人へと成長しやすいのです。

自己肯定感は生まれながらにある感覚ではありません!生まれたばかりの赤ちゃんは自分と他人の区別はできず、「快」「不快」以上の複雑な感情はないと考えられています。そのため幼少期の親の関わり方は子供の自己肯定感に大きく関与し、将来を大きく左右するのです。

ですから子供を自立させるために、親は子供の声に耳を傾け、愛情を注ぐことが大切。赤ちゃんの頃は「不快」を取り除き、「快」に変えてもらう体験を重ねさせ、自我が芽生え始めたら「やりたい」「不安」といった気持ちに出来るだけ寄り添う。その後も頭ごなしに気持ちを否定したり無視したりせず、他の子と比較して劣等感を植え付けることのないように育てましょう。

兄弟姉妹との仲が悪くなる

きょうだい仲が悪い人に質問すると、多くの人が「親に比較されて育った」と答えます。子供にとって親からの愛情は、自立して生活しようとする心を育てるために必要不可欠な栄養。ですから独り占めしたいのです。

そのため兄弟姉妹の存在は、親の愛情をめぐるいわばライバル。普段仲良くしているように見えるからと、何気なく親が「お姉ちゃんは、いつも妹の面倒を見てくれてお利口ね」なんて子供達の前で不用意に発してしまうと、その一言で妹が「ママはお姉ちゃんの方が大事なんだ」と心の中で姉と比較して、次第にきょうだい仲が悪くなってしまうことはよくあることです。

また言葉に出さなくても心の中できょうだいを比較してしまうことで、態度に現れて子供に伝わってしまうこともあります。もし家族が他のママ(あるいはパパ)ばかりを褒めて、自分には見せない笑顔を振りまいていたら、あなたもいい気分はしないでしょうし、毎日のこととなれば笑ってスルー出来なくなるでしょう。それと同じです。

子供だからと親がきょうだいを比較してどちらかを軽視すると、子供は口に出さない悲しみや怒りの矛先を、愛情を独り占めするもう一人のきょうだいに向けるため、結果的に家族全員が幸せから遠のいてしまいやすくなります!

心理学三大巨頭のうちの一人、「勇気づけ」で知られるアルフレド・アドラーは、「人と仲良くに暮らすためには、相手を対等と考えて接することが大切だ」と言っています。

人と比較する癖がつく

子供は親の生き方の中でも、どちらかの親の楽な方を真似しやすいです。他の子と我が子を比較して子供を悪く思う生き方は、比較せず我が子の良い部分を見つめる(見つける)よりも楽な生き方。そして自分自身の心も子供の心も成長させることができない、ネガティブな生き方です。

そのためスポーツの一流選手などは、他人とは比較せずに自分自身が成長することに目を向けています。

幼い頃から親のこうした楽な生き方を目の当たりにして育つと、子供は知らず知らずに親を真似てしまい、いずれ自分と友達を比較して劣っている友達をバカにしたり、思いあがってしまったり、壁にぶつかると自分より出来の悪い人を言い訳にして「あいつよりマシ」などと考えて努力しなくなるなど、向上心の乏しい大人へと成長する可能性が充分にあるのです。

子供を比較してしまう親の特徴と心理

意識して子供を比較し、その気持ちを口にする親はあまりいません。けれど子供にとっては比較されていると感じることを、「そんなつもりで言った訳じゃない!」と何の気なくいってしまう親は意外と多いもの。次のような特徴を持った人は子供を比較しやすい傾向があります。

自分も親に比べられて育った

子育ての仕方は、自分の親から自然と学ぶもの。そのため自分が気づかないうちに、身に付いていることがあります。自分が子供の頃を振り返り、親に比較されて育った、あるいは人並み又はそれ以上を求められたという場合は、無意識に子供にも同じことを要求し、同じように比較している可能性が高いのです。

子供に伝わりやすいと誤解している

子供は目に見えない物を理解するのが困難です。そのため何度同じことを伝えても理解できない場合、目に見える比較対象、つまりお手本として欲しい人を伝えた方が子供に伝わりやすいと誤解して、比較してしまう親がいます。
例えば「お兄ちゃんを見習って」「〇〇くんみたいに」という比較です。

けれどこうした比較は、逆に子供の自尊心を傷つけ、反抗心を生み出してしまうことが多いです。分かりやすく伝えるには絵や写真を貼るなどの方が効果的。また「早く寝ると、幼稚園に行く前に遊べるよ」などと、それをした方が自分にとってメリットがあると伝えた方がずっと効果的なのです。

多様な価値観を受け入れられない

親は子供の幸せを願うが故に「一番良い将来を選んで歩んで欲しい」「失敗して欲しくない」といった心理が働きやすいのですが、多様な価値観を受け入れられない親の場合、自分が一番いいと思う方法以外の選択を子供がすることを受け入れられない傾向があります。そのため素直に言うことを聞く子供と比較してしまうのです。

子供は先の見通しが困難なため、親が思う一番いい方法を教えても「本当にそうなの?別のやり方はない?試してみたい!」という心理が働いて、親の言うことを聞かずに失敗することがよくあります。けれどそれがリカバリーの方法を学ぶきっかけや、失敗を恐れずにチャレンジする勇気、打たれ強い性格といった将来に役立つ長所となることがあるのです。

せっかち

せっかちな人は子供がよい結果を出すまで子供の成長を待てないため、「この子は出来の悪い子」などと結論を早く出してしまったり、成長が早い子供と比較してヤキモキしてしまったりする傾向があります。

けれど大器晩成型の子供は幼少期に色々とチャレンジして失敗をすることが多く、逆に要領の良い子供は親や先生に言われたことをサクサクこなせるため評価が高くなりがち。ですから「子供の頃に失敗なくこなせる子=優秀」とは言えないのです。

子供自慢をする

自信がない、劣等感の強い人に見られるのが子供自慢。誰でも子供が運動会で1番になったり、友達より利発であったりすれば、我が子の幸せを一緒に喜ぶものですが、それを誰かれ構わず口に出して自慢するとなると話は別です。

劣等感の強い人は「人に褒められることで気持ちを満たしたい」という心理が働き、無意識にママ友に子供自慢をしてしまうことがあります。

事実や周囲からの見え方がどうであろうと、本人は「自分の人生は成功しなかった」「失敗した」と思い込んでいるため、子供自慢をすることで「あなたの子育てが上手だから」などと言ってもらい、他人が傷つくことなど考えもせずにただ自分の欲求を満たしたいのです。

比較される!子供自慢をするママ友対応

ママ友の子供自慢がきっかけで、本当は嫌なのに子供を他の子と比較してしまうママは少なくありません。

うんざりしているけれど、子供のお友達関係やご近所付き合いへの影響を考えると避けられなくて困っている人は、次のような方法で場の空気を悪くせずに、その場を乗り切りましょう。

心の中で別のことを考える

聞いているふりをして適当に相槌を打ち、心の中では「今日の夕飯何にしよう」など好きなだけ別のことを考えましょう。

子供の比較はナンセンスな行為ですので、真に受ける必要はありません。ママ友の子供自慢を聞く時間を、より建設的なことを考える時間に置き換えた方が、無駄にネガティブにならずに済みます。心の中ならば何を考えていても誰にも知られることはありません。

自分で携帯を鳴らして逃げる

ママ友の自慢話が始まったら、さりげなく携帯のアラームを2~3分後にセットし鳴らします。「携帯鳴っている。ごめんね。」と伝えれば、波風を立てずにその場を立ち去ることができます。長々と自慢話を聞くのは疲れた方にお勧めの方法です。

別の話題に切り替える

程よくママ友の自慢話の息継ぎのタイミングで、「そういえば○○ってどうなった?」と他の話に強制的にシフトしてしまいましょう。

子供自慢を長々と聞いていると、どうしても精神的に悪影響を受けやすくなりますので、切り出すタイミングが不自然にならないようにだけ気をつけてサクッと強制終了させる方が、ママ友との関係悪化も防げるため賢明でしょう。

人と比べない子育てをする6つの方法

人と比べず我が子を育てることができるようになれば、子供への悪影響を防ぐことができ、きょうだいが仲良くなったり、ママも子供からまっすぐな愛情が返ってきやすくなります。過去の自分や他の子供、兄弟姉妹と比較することなく、今目の前にいる我が子との時間を楽しむ子育てをしましょう。

自分の価値観を押し付けない

子供を自分の所有物とは思っていなくても、気が付かぬうちに子供を自分の思い通りに動かそうとする親は、けっして少なくありません。それが子供の幸せと信じているからです。

けれど食べ物の好みが親兄弟でも違うように、自分にとって好ましいものは人それぞれ違います。自分のお腹から生まれた我が子とはいえ、遺伝子の半分は自分と異なっていますので、嗜好や考え方も異なる部分があって当然なのです。

ですから「医者や弁護士にする」「オリンピック選手にする」「女の子は素直でなければ」「男の子は強くなければ」などと、自分の価値観を押し付けるのをやめ、子供の価値観に寄り添ってみましょう。そうすることでこれまでよりも自分の視野が広がり、人として成長できるはずです。

すると子供を比較することの無意味さや優越をつける傲慢さに気づき、視野を広げてくれた子供への感謝の気持ちが生まれてくるでしょう。

ありのままの子供を認める

ありのままの子供を認めるとは、子供の失敗や親の好みではない個性を長所と同様に受け入れ、理解しようとすることです。

例えば、勉強嫌いの子であれば「この子は今、勉強にあまり興味がない子なんだな」、かんしゃくの激しい子だったら「この子は嫌なことを貯め込まず、その場でストレス発散する子なんだな」、トイレトレーニングが上手く進まないと感じたら「この子はまだトイレトレーニングの準備ができていないんだな」と。

ただそのままの姿を見て、良い面も悪い面も全て知ろうとし、自分の好みや希望を交えず、ただ淡々と「いいとか悪いとかではなく、これがこの子なんだ」と受け止めればいいのです。優越をつける必要がないため、誰と比較する必要もありません。

子供の短所をリフレーミングする

リフレーミングとは心理学技法の一つ、家族療法に使われる短所を長所としてとらえ直す方法です。

ママ友の子供自慢やきょうだいを見ることで、親は自然に子供を比較しがちになります。そして子供の長所よりも短所に目が行きがちになります。ところがリフレーミングを行うことで、これまで短所だと思っていた性格を、長所と捉えることができるようになります。

例えば「怒りっぽい」は「感情を素直に出せる」、「だらしない」は「おおらか」と長所に置き換えられるようになると、我が子の短所が気にならなくなるため、他人と比較する必要がなくなります。

個別の愛情を注ぐ

きょうだいがいる場合はそれぞれ性格が異なるように、褒める所や認めてあげる所も異なってきます。ですから子供達を一緒に抱きしめることも素敵なことですが、個々に抱きしめて「大好き、愛している」を伝えるとよいでしょう。

スキンシップを増やし見つめ合うことで、「幸福ホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌が促されます。そのため母親は特に小さい下の子を可愛く感じやすい傾向があり、ついつい比較してしまいがちになりますが、そのようなときほど上の子とたっぷりスキンシップをして、目を見て話を聞いてあげるとよいでしょう。

子供と自分の課題を分けて考える

親はどうしても子供のことを自分のことのように捉えてしまいがち。そのため他人と比較して上手くいっていないように見えると、子供が本当に困っていなくても援助したり、勝手に手を出したり、口を挟んだり、命令して言うことを聞かせたりしがちになります。

しかし心理学者アドラーは「課題の分離」を提唱し、子育て中は母子であれ課題を分離する必要があると言っています。課題の分離とはその課題が誰のものであるかを明確にし、各々自分の課題に向き合って解決に取り組むこと。子供が解決できる子供の課題は、子供自身が自発的に考えて経験し、スキルを身につけていくことが重要なのです。親が永遠に子供を助けることはできないのですからです。

ただし子供が解決するには困難な課題も多いので、その場合は「助けて!」と子供から言われ、親も助けたいと思った時に「共同の課題」として設定しなおし、基本的には見守りますが、必要に応じて援助する姿勢を見せることが必要です。

焦らない

親は「○○ちゃんはもう字も書ける。たし算もできる。」と他の子と比較して焦りがちですが、子育てを経験したおじいちゃんおばあちゃん世代の中には、焦って我が子が子育てを失敗しないかハラハラする人も。子育ては焦らず、長い目で見ていくことが大切だと心に留めておきましょう。

うさぎ風船
35歳

まだ5歳

幼稚園のお友達のA子ちゃんはひらがな、カタカナ、足し算、引き算、ができます。それを聞いた時「うちの子何もできなくていいのだろうか」と焦り不安になました。
早速、ひらがなから教えてみるも、なかなか覚えられない子供にイライラが募るばかりでした。

そんな私を見て母が「まだ5歳よ。生まれて5年しか生きていないのよ。あなたはこの5年で何ができるようになった?この子は、歩けるようになって、話せるようになって、ご飯も一人で食べられるようになったのよ。」と言ったのです。

それを聞いて、「まだ5歳なんだ。でもちゃんと成長している。」と私の不安が消えました。「まだ5歳だからできないことはいっぱいある。」と今は焦らず子供のペースを見ながら子育てをしています。

「天才も20歳過ぎればただの人」とう言葉があるように、早期教育などで早くに才能が開花しても、その後思春期になり自我の発達に伴い自主的に努力をしなくなったことで、能力を伸ばせず伸び悩んでしまう子も少なくありません。

長男は日本画家、次男は作曲家、末っ子の娘はバイオリニストに成長し、天才家族と言われる千住家の次男の千住明さんも「自分は秀才ではあっても天才ではない。自分より才能のある人は沢山いる。ただ自分は続けただけ。」と言っていますし、父親も「天才とそうでない人は×1.1か×1かの違いがない」と教えたという逸話が残っています。

また大器晩成型の人は結果が出るのが遅いので、結果が出るのはかなり先のこと。ですから焦って遠い将来開花するだろう子供の才能を見落としたり、要領の良い子と比較することで、我が子の才能を潰したりしないようにしましょう。

この記事を書いたライター

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪