リフレーミングとは?子供の短所をポジティブに捉え直す発想転換
リフレーミングとは、今まで見ていた角度とは違う角度から見ることで、これまでの枠組み(フレーム)とは違うポジティブな捉え方をしていくという、今、注目する教育関係者も増えている心理学の技法の一種です。
子供の短所に悩んでいるママやパパ、あるいは学校の先生がリフレーミングを取り入れて子供と向き合うことで、まずは自分自身の気持ちが楽になり、結果的に子供との関係を円滑にする効果が期待できます。
ここでは、リフレーミング技法の意味、子育て中に役立つ呼びかけ50例、リフレーミングカードの作り方や活用術、リフレーミングの注意点についてご紹介しますので、さっそく見ていきましょう。
リフレーミングとは?心理学上の意味
リフレーミングとは、スクールカウンセリングや看護の現場等でも使われることがある心理学の技法で、物事の捉え方(フレーム)や考え方に今までとは違った視点を持たせる、という本来は家族に対して行う心理学療法の一つです。
子供の特性の一つをネガティブにしか捉えられず、毎日イライラしていたママさん。
リフレーミングを取り入れると自分自身の気持ちが落ち着きやすくなるだけでなく、子供への接し方が自然に穏やかになるため、その結果として親子関係がより円滑になり、子供にも親の愛情やメッセージが届きやすくなるというメリットがあります。
半分だけできた時、あなたはどう感じる?
A:半分しかできなかった
B:半分もできた
Bの「半分もできた」と感じるママは、物事をポジティブに捉えることができていますので、自分自身も幸せな気持ちで子育てをしやすいのですが、Aの「半分しかできなかった」と感じるママは、ストレスが溜まりやすく、子育て中にイライラしやすい傾向があります。
同じ状況でも前向きに捉えた方がストレスを溜めにくくなり、穏やかに過ごしやすい!
そこに着目したのがリフレーミング。子育て中に繰り返し使うことで、色々な状況下でのポジティブ思考が身に付くため、子育てだけでなく家族関係においてもママの不安やイライラをコントロールしやすくなります。結果的には夫婦や家庭円満にも役立ちますので、勇気づけやコーチング技法などと共に、子育てに活用してみるとよいでしょう。
勇気づけで子供を伸ばそう!心理学者アドラーに学ぶ子育て
勇気づけで子どもが自らやる気をもって行動できるようになれば、何度も同じことを言う必要がなくなりママの負担がグッと楽になるはず。相手の気持ちを考え、自発的に行動できる優しい子どもに育てる勇気づけ。日々の生活に取り入れてみませんか?
子育てコーチングとは?子供のやる気を引き出す会話術
子育てコーチングとは、会話が基本となった子供のやる気を引き出す方法です。子供への接し方や子供とのコミュニケーションの取り方に自信がないママは、子育てコーチングがおすすめ。ここで紹介する効果やポイントを参考にして、今日から早速はじめましょう。
子育て版!リフレーミングの呼びかけ50例
幼児や小学生の親が気になる子供の特性をリフレーミング表にしました。50音順に表記していますので、まずはお子さんの気になる点を探してみましょう。
使えば更に効果大!リフレーミングカード
リフレーミングを毎日の生活に取り入れるには、一度だけ例を読んで行うだけよりも、リフレーミングカードを作成したほうが効果的。無理なくリフレーミングする癖をつけることができます。
リフレーミングカードとは
表にリフレーミング前、裏にリフレーミング後が書かれたカードです。
実は小学校や中学校でもリフレーミングカードを作って、壁に展示してあるところがあります。
子育て中はいきなりたくさんのリフレーミングカードを作らず、まずは子供の気になる点だけ作成しておくのがおすすめです。いちいち探さなくても毎日見られるため、とっても便利です。
リフレーミングカードの作り方
- 同じ大きさの紙(カード)を数枚~数十枚用意する
- 表にリフレーミング前、裏にリフレーミング後を書く
ネガティブな面には寒色の文字や悲しそうな絵、ポジティブな面には明るい色や可愛い絵を描くと、視覚的にも解りやすくなります。
「一から作るのは面倒」と感じる方は、Excel形式のリフレーミングカードを作成しましたので、ぜひダウンロードして印刷してみてください。
両面印刷して切るだけで、手のひらサイズのリフレーミングカードが完成します!色を塗る、シールを張るだけでもオリジル感が出せて楽しめます。
リフレーミングカード3つの活用術
それでは作成したリフレーミングカードをさっそく活用してみましょう!
子供と一緒にゲーム感覚で遊ぶ方法から、ママやパパが子育てのサプリのように眺めて心を落ち着かせる方法まで、3つの活用術をご紹介しましたので、ぜひ毎日の生活に取り入れてみて下さい。
1親子でゲーム
カルタの要領で遊ぶゲームです。
小学校入学前後から友達に対する不満が出てくる子供が多く、親も対応に困ってしまうことがあります。そんな時は年齢に応じてひらがなや絵を使い、分かりやすいリフレーミングカードを作って、子供とこのゲームをしてみましょう。
子供でも自然にリフレーミングを身に着けることができるため、結果的にストレスを溜めない上手な友達付き合いに役立ちます。
- リフレーミング後の面を上にカードを広げる
- 親がリフレーミング前の言葉を言い、子供がリフレーミング後の言葉を探す
2部屋に貼る
部屋の壁に貼る、あるいは掛けるなど、常に目に見える所にリフレーミングカード置きましょう。
子供に対してイライラしてしまった時や子供の言動に冷静になれない時に見る癖をつけておくと、頭をクールダウンさせるのにとても役立ちます。
また冷静になれることで、子供を傷つけず建設的な解決策を見つけるのにも一役買ってくれます。
3寝る前に眺める
寝る前に落ち着いた気持ちで眺め、子供との一日の出来事を振り返るのに活用してみましょう。
毎日続けることでリフレーミングの仕方が自然に身についてきますので、次第にイライラすることが減り、子供と穏やかな気持ちで向き合えるようになります。
一日の反省会に
子供のダメな所ばかり気になってしまい、「ダメ」「止めなさい」「そうじゃないでしょ。」と否定ばかりしていました。育児本に子供を否定する言葉は使ってはいけないと書いてあっても、自分ではどうして良いのか分かりませんでした。
そんな時、リフレーミングカードの存在を知りました。最初は中々活用できませんでしたが、今は毎日寝る前に眺めています。子供の性格をリフレーミングすることで、一日の子供と私の反省と共に、私自身の心の整理に役立っています。
しつけは不要?リフレーミングの注意点
子供のことをポジティブに考えることはとても重要ですが、リフレーミングとは悪いことを何でもポジティブに捉えて許してしまい、しつけをしなくてもよいという考え方ではありません。
例えば子供が喧嘩をしてお友達を叩いてしまった場合、「強く、たくましい子に成長している証拠」とリフレーミングして子供を注意しないようでは、子供に世の中のルール、善悪、叩かれた相手の気持ちなどを教え、生き抜くために必要なしつけをする機会を失ってしまいます。
強く、たくましく成長した可愛い我が子だからこそ、社会で困らないように親としてきちんとしつけをし、子供に友達を傷つけてしまったことを理解させ、反省を促すことが必要なのです!
だからといって「乱暴な子」と決めつけて、ママが起こったり落ち込んだりする必要はありません。
「強く、たくましく成長したからこそ、能力をプラスに活かせるようにしっかり教えてあげよう。年齢や経験不足のために相手の痛みが想像できないだけだろうから、理由を聞いて正しい対応の仕方を教えることで、次第に相手の痛みが分かる心から強い子に育つはず」と、子供の気質をリフレーミングして捉えたうえで、失敗をリカバリーする方法を一緒に考え、導いてあげるとよいでしょう。