「上手な怒り方」って何?子供が伸びる7つの方法
子供に怒った後で、「あんなにひどく怒らなくてもよかったかなぁ…」と後悔したことはありませんか?
誰にでもあることだと思いますが、それを繰り返しているのでは良くありません。
「大切な子供を傷つけたくない」という思いと、「親としてキチンとしつけなければいけない」という責任感で、毎日葛藤し、ストレスを溜めてしまうママも多いです。
怒った後に後悔しないように、そして、怒ったことが子供にとってプラスに働くように、上手な怒り方を身に付けることが大切でしょう。
「上手な怒り方」ってなに?
「上手な怒り方」とは、自立するために身につけるべき社会のルールを、子供にわからせる注意の仕方、つまり「叱り方」のことです。
広辞苑による「怒る」「叱る」は意味的にはあまり変わりませんが、一般的には「怒る」とは自分の怒りをぶつける行為、「叱る」とは本人のことを考え、自立をサポートする行為として使われることが多いです。
子供の目線から考えると、「怒る=ママやパパの怒り、叱る=自分への愛情」となるわけです。
「怒る」と「叱る」では子供の受け取り方も違ってくると思いませんか?
次に紹介するのは、トイレトレーニング中の子供が失敗してしまった時に、思わずママが発してしまった言葉の例です。
「どうして何度言ってもわからないの!ちゃんとトイレでしなさいって言ってるでしょ!」
これが「怒る」です。
怒られた子供は「どうしたらできるかわからない」「ママはできないから私(僕)をキライで怒るんだ」「もうやりたくない」と感じるかもしれません。
また、トイレトレーニングが嫌になり、おむつを履くようになってしまったり、怒られると思って隅っこで漏らしてしまう場合もあるでしょう。
そして「怒る」が繰り返されることで、劣等感を感じ、自己肯定感が育めず、自分を粗末にするようになったり、自分を守るために怒った人を恨んだりするようになることもあります。
ではどう叱ったら良いの?
「大丈夫よ、次はお尻がムズムズしたら、一緒にトイレに行こうね」
とママが声をかけてあげれば、子供も「そっか、ムズムズしたらママに言えばいいんだ!つぎは上手にやれるもん」と、トイレトレーニングに前向きになるでしょう。
もちろん、すぐに上手にできるようになるとは限りませんが、子供なりに「できるようになりたい」という気持ちを持つようになります。
また、親や大人への信頼を増やし、自己肯定を育み、自分も他人も大切にできる子供に成長していけます。
「叱る」ためには、直前の数秒が大切
叱る前に一呼吸置いて、冷静になりましょう。
頭ではわかっても思わず怒鳴ってしまったり、感情的に怒ったりしてしまうと、後で自分を責めてしまうなど、ストレスにつながります。ママも前向きになれないのです。
とは言え、冷静になるのは簡単なことではありません。「それができたら苦労しない」と思う人も少なくないでしょう。
次の方法なら、怒ってしまう前に冷静になれるはずです!短時間で脳に働きかけて、感情のコントロールをしやすくする脳トレです。ぜひ実践してみてくださいね。
短時間で冷静になるテクニック
- 猛スピードで九九を暗唱する
- 数字を猛スピードで100まで数える
子供のやる気を育てる「上手な怒り方=叱り方」のコツ7つ
冷静になれたら、7つの「叱り方」を実践して子供の自己肯定感を伸ばし、自立のサポートをしましょう。
1 叱るときはその場で
悪いことをした時にはすぐ叱りましょう。電車や来客時などすぐに叱れない時、人前で叱ることで子供のプライドを傷つけそうな状況では、このような方法がおススメです。
- 子供の行動をすぐに制止して、人のいない場所に移動させて叱る
- その場では「いけません!」と軽く注意をし、目で合図を送りって後で叱る
子供は悪いことをしても、その時の状況や自分のやったことをすぐに忘れてしまいます。
そこで、その場で軽く注意をするというワンクッションを入れると、後でその時の状況を思い出すことができるので効果的です。
人前で悪いことをしても叱らず、人がいなくなってから叱るというのはやめましょう。
子供は自分の行動を忘れるだけでなく、親の裏表のある態度を目の当たりにし、親の愛情や真心に疑いを抱いて混乱してしまいます。
2 怒鳴ったり叩いたりしない
子供が他人に迷惑をかけたり、叱っても反省していない、何度も同じ過ちを繰り返す場合など、親はイラッときて怒鳴ったり、叩いたりしがちです。
そんなときこそ一呼吸置いて冷静になり、「怒る」のではなく、「叱る」ことが子供にとって必要だということを思い出しましょう。
感情的になって怒鳴ったり叩いたりすると、子供に愛情が伝わらず、自分を嫌っていると勘違いして自己肯定感の低い子供になってしまう恐れがあります。その結果、思春期以降の家庭内暴力に繋がるケースもあります。
3 前の話を蒸し返さない
「きのうも失敗したよね」などと前の話を出すのはやめましょう。よく夫婦喧嘩でも過去のことを持ち出すのはルール違反と言いますが、子供に対しても同じです。
「何度もできないなんて僕は(私は)ダメな人間なんだ…」と心の奥で傷つき、自己肯定感が下がり、「僕なんてどうせ頑張ってもまたダメなんだ…」と自信とやる気を失ってしまいます。
そのため結果的に失敗が重なりやすく、親にとってもマイナスです。
4 叱るときは短く
だらだらと叱ると伝わりにくいので、短く伝えましょう。
子供は大人に比べて集中力が乏しく、楽しい話でも長く聞くと疲れてしまうものです。
そのため、長い時間叱られていると、集中力は途切れ、ママやパパが何を言いたいかすら分からなくなってしまいます。
延々と叱ってもママの思いは伝わらず、反対に「失敗」と「不快感」だけが心に残ってしまいます。そして、失敗の経験をプラスに変えることができません。
5 どうすべきかを具体的に伝える
叱るときは具体的に、わかりやすく、何をすべきかを伝えましょう。次回はどうすれば失敗しないかを、何度も具体的に教えてあげると、その子なりのペースで記憶して行動が変わってきます。
小さい子供は経験値も少なく、脳も発達段階なので、「ちゃんと・しっかり・きちんと」などの抽象的な言葉はイメージしにくいです。
「ちゃんとしなさい」ではなく、「使ったら、元の場所に戻そうね」などの具体的な注意をしましょう。
また、映像を取り入れた視覚での訴えは、子供に効果的なアプローチ法ですので、写真を棚に貼るなどの工夫をすることで、成功率を上げて叱る回数を減らすことができます。
6 失敗したら「聞く・考えさせる・勇気づける」
子供が失敗した時、「どうしていつも失敗するの?」「だから言ったでしょ!」と否定するのをやめましょう。
「どうしたの?」と子供の気持ちを聞き、「次はどうすれば上手くいくと思う?」と考えさせ、「大丈夫、次はできるよ」と勇気づけるようにしましょう。
失敗は貴重な経験です。経験こそ子供が賢く、自立できる人間育つための種なのです。
チャレンジを褒めずに失敗を責めると、「どうせ僕(私)が選んでも失敗するだけだから、ママのいうことを聞いてればいいや」と、次に挑戦する意欲を失い、やる気のない子供に成長しやすくなります。
7 叱った後フォローする
叱った後で抱っこやおんぶをせがむのは、叱られた悲しさや親を悲しませた申し訳なさを癒したいからです。しっかり抱きしめてあげましょう。
ママが叱ったのは、子供が嫌いだからではなく、愛情があるからこそなんだと伝わります。
また、叱られたことを改善できたときには、「遊んだあとのお片づけできたね!すぐに掃除機がかけられるから、ママ助かるわ」などと、できたことを認めてあげましょう。