大人しい子の育て方に関する記事

『大人しい子は羨ましい!?落ち着きがある子供を伸ばす育て方』

大人しい子供のママから「子供は落ち着きがないくらいが当たり前なのに」という心配の声が聞かれることがあります。そうしたママ達が落ち着きのある我が子を自立できる大人へと育てるには、どのような対応が好ましいのでしょう。

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大人しい子の親は悩み知らず?落ち着いた個性を伸ばす育て方7つ

大人しい子供はどうしても活発な子供の勢いに押されがちで、傍から見ている親は「何かと理不尽な思いをするのではないか」とヤキモキしたり、幼稚園や学校の先生から「少し大人しいところが心配で…」と言われたりすることがありますので、子育てに悩んでしまうママも少なくありません。

大人しい子供の個性を伸ばし、将来自力で問題を解決できる大人へと自立させるために、親はどのように子育てをすればよいのでしょう?

今回は大人しい子供のママの苦悩、大人しい性格は遺伝か育て方が原因か、落ち着いた個性を伸ばす育て方などについて詳しくご紹介していきます。

大人しい子は羨ましい?ママの苦悩

周囲から羨ましがられる大人しい子のママ達。傍からは「ないものねだり」に見えるのかもしれませんが、よくよく話を聞くと納得してしまう苦悩が見えてきます。

損をすることも多い

「大人しい」という言葉には「大人びている」「大人っぽい」といった意味もありますが、大人しい子は文字通り先生や周囲の大人からは「手がかからない子供」であることが多く、たとえ先生や親、周囲の人が構っても、かえって不快な思いをさせてしまうことすらあるため周囲も気を遣い、親から見る他の子供より少し心の距離が遠い気がすることがあります。

それはそれで問題がなければいいのですが、集団生活の中では我が子がお友達に理不尽な思いをさせられることも多く、そんな時に先生が「いい子ですね」の一言で済ませ、トラブルを起こした子供に一生懸命に対応する姿を見ると、親としては仕方がないと分かっていても「なんでこの子ばかりいつも我慢する羽目になるの?」「やられたらやり返すくらいになってくれたら心配ないのだけど」と、切なくなってしまうのです。

花ちゃん
31歳

大人しい子は損?

5歳の男の子のママです。息子はとっても内気な性格のため一人遊びが好きで、大人しいのはいいのですが、幼稚園などでも手がかからないので先生からもあまりかわいがってもらえていないような気がします。

参観日などで見ていて気が付いたのですが、砂遊びをしていて道具を他の子にサッととられてしまっても、泣きわめいたり先生に訴えたりしないんですよね。泣けば先生だってもうちょっと息子をかばってくれると思うのですが、いつも「いい子ですね」でスルーされてしまって…。

大人しい子って損をしていると思うのですが、こればっかりは本人が変わらないと仕方が人だろうなぁ…。

物足りない・寂しい

家庭内でも大人しい子の子育てでは、「反抗」「わがまま」「乱暴」「元気」といった子供によく見られる姿が見られることが少なく、子供を育てているはずなのに分別のある大人と暮らしているような感覚になり、親は少し物足りないような寂しいような気持になることがあります。

毎日喧嘩する兄弟を子育て中のママからすると「知らないから言えるのよ」と思うかもしれませんが、人はイメージと違うと不安になったり物足りなさを感じたりしやすく、特に「子供のうちは子供同士で思い切りぶつかり合って、人の痛みの分かる子に育って欲しい」「賑やかな環境で楽しく元気に過ごして欲しい」と思っている親にとって、大人しい子のリアクションは少し物足りなく寂しく感じてしまいやすいのです。

チャンミ
39歳

羨ましくないよ~

12歳の男の子と、10歳の女の子のママです。うちの場合、長男はそれほどではないのですが、長女がとっても大人しいです。というより引っ込み思案で、長男のように物を欲しがったり、我儘を言ったりすることはありません。

かといってお友達がいないわけではなく、勉強もよくできて、周りからは「優等生で羨ましいわ」なんて言われるのですが、私としては物足りないんです。かえって長男と喧嘩をしてくれる方が、張り合いがあって楽しい感じがするんです。なんかこう、娘にももうちょっとリアクションを返してほしいんです。

助けが呼べない

大らかでしっかりしたタイプの大人しい子であれば人に頼らなくても程度楽しく過ごせるのでしょうが、助けが必要な時にも人見知り引っ込み思案内弁慶な性格から助けを呼べない子供の場合、親は園や学校に行かせるのがとても心配になります。

「幼稚園できちんとできているかな?」「保育園で困った時に助けを呼べているかな?」と送り出した後も心配で、大人しい子の親の中にはこっそり様子を覗きに行く人もいるほどです。

集団生活における勝手な自己主張は自重すべきですが、自分の権利を主張することは小学校入学後の道徳教育においても指導されること(注1)。困っているのに助けを呼べない状況では、親ができるだけ早く改善させたいと心配になるのもよくわかります。

スタンド
38歳

大人しい子は気苦労が絶えない

我が家には8歳の息子と5歳の娘がいますが、下の娘は外では大人しい子なのですが、家では気難しい内弁慶な性格で、小さい頃から私にとっては扱いにくい子でした。上の子がママ大好きで小さい頃大変だったため、下の子は我慢する性格になったのかもしれないと親として責任を感じています。

人に預けても入園後も、他人を困らせることはなく自己主張しない大人しい子で、ピアノや絵、歌などの芸術面でも周囲の子より目立っているとよく褒められたり羨ましがられたりするのですが、家では荒れたり外での文句を言ったりの日々。話を聞くと困っているのに誰にも助けを求めていないのです。

当然アドバイスしたのですが「自己主張=わがまま」と捉えているようで聞き入れず、先生に相談したところ気づいていなくて驚いて謝る状況。実はトイレが怖くて我慢するため、お腹が痛くなることが多く、自由時間は外に出ず教室で本を読んでいることが多かったのです。

周囲が気遣って声をかけるのではなく、自分で助けを呼べるようになることが大切なのですが…。親としてどう育てて行けばいいのか不安ですし、娘の将来が心配でなりません。

誤解されて注意を受けることが多い

大人しい子の中には落ち着きがあり思慮深く、安易に自分の考えを表に出さない子もいます。自分の考えがないわけではなく、状況を見てどうするのが一番良いかを冷静に判断しているだけなのですが、先生からは自己主張できない子だと誤解されて、親が家庭訪問や個人面談で指摘されることもあります。

心配して本人に確認したりお友達のママに聞いてみたりすると、先生の評価とお友達の評価とが一致せず、逆に大人しく見える思慮深さや落ち着きから周囲に好かれ、自分から声をかけなくても一人になることがない本人にとっては快適な状況が見えてくるのですが、担任が変わるたびにそういった指摘を受けると「いい加減にして!」と文句を言いたくなることもあるのです。

ねー子
42歳

大人しい子からって決めつけないで!

大人しい息子は今小学校3年生です。うちは男2人兄弟で、大人しい息子は末っ子ですが、我が家の男性3人の中でも一番大人しいです。でも、だからって弱いわけではなく、むしろ男性陣の中で一番冷静で動じない強い子です。たぶん黙って状況をよく観察しているので、感情に流されずに様子がよく見えているからだと思います。そのため男性陣からの評価も高く「あいつが一番しっかりしてる」と言われています。

ところが幼稚園の頃から今日まで先生から「大人しい子ですから、もう少し自己主張ができるといいのですが。」と春先の個人面談や家庭訪問の度に言われてきました。そして秋には「お友達もできてよかったですね。優しい子だからみんなが声をかけてくれるんですね。」と言われ続けています。

入園当初は心配していましたが、ママ友から「うちの子、息子くんと同じ班になって喜んでるんだ。一緒にいてもトラブルが起こらないって。私も息子くんと一緒だと安心。」といわれることが多く、息子からも「ぼく、うるさい子とか苦手だから。先生や他の子もいちいちムキになって喧嘩したり、注意したりするから悪いんだよ。普通に話せばいいのに。」と気持ちを聞いてからは、取り越し苦労であることがわかりました。

今は大人しい子であることを心配していませんが、逆に先生にイライラして「ちゃんと見てよ!」と思ってしまうことがあります。

大人しいのは遺伝?育て方のせい?

私たち人間の性格は、遺伝的な要因からなる気質に、生まれ育った家庭環境や経験などの影響がプラスされてできています。

誤解されることが多いのですが、同じ親から生まれた兄弟の性格関連の遺伝子は全く同じではありませんし、子育てへの慣れなども含めて親の育て方や環境も全く同じではありませんので、兄弟の性格がよく似ていることはあっても、それぞれに違いがあります。

もちろんママが嫌いな食べ物を子供も食べられなかったり、アウトドア好きな両親の子供が屋内活動を好まなかったりなど、パパやママの育て方が子供の大人しさにある程度の影響を与えていることは確かです。

ですが子供の性格は一人一人違いますので、大人しいのも、活発なのも、泣き虫も、頑固も、それぞれの子供が持って生まれた個性です。親は自分や育て方を否定するのではなく、子供の個性を前向きに受け入れていくことが大切でしょう。

大人しい子は将来変わる?化ける?

人間の性格は一生変わらないと思い込んでしまいがちですが、子供の性格はまだまだ固定されたものではありません。成長する中でさまざまな経験をし、さまざまな人からの影響を受けて大きく変わっていきますので、大人しい子供だからといって必要以上に将来を心配する必要はありません。

例えば、

  • 爆笑問題 太田光さん
  • タンポポ 川村エミコさん
  • 雨上がり決死隊 宮迫博之さん など

「子供の頃は本当に大人しかった」ということですが、今ではお笑い芸能人として華々しく活躍されています。

将来を心配するあまりにアレコレ気を揉んだり指導したりするのではなく“大人しい子供だからこそ、伸びしろのある将来が楽しみな子”と捉え、小さい頃は子供の個性を大切にして見守ってあげることも大切です。

大人しい子の幼稚園や学校選び

他の子供のような自己主張や活発なコミュニケーションがあまりみられない大人しい子の親は、幼稚園や小学校などの集団生活が心配になってしまうことが多く、同じような大人しい子の集まる幼稚園や小学校、中学校へのお受験を選び、合格に向けて早い段階から準備を始めることも少なくありません。

ところがお受験では大きな声で元気よく挨拶できるかどうかを見られることも多く、大人しくて声が小さい子は結果的に嫌な思いをすることもあります。

幼稚園選びの場合は特に、子供が全く興味を示さない外遊びが活発な園を選んだことで子供がつらい思いをすることも多いため、先生や園児の様子などをチェックなどをしつつも、基本的には子供と一緒に見学にいって、子供が気に入った園を選ぶとよいでしょう。

入園当初は大人しくて園になじめなくても、数ヶ月して慣れることで幼稚園生活を自分なりに楽しめるようになる子供も多いです。ですからそれほど幼稚園選びに神経質にならなくても大丈夫。

幼稚園はその後の小学校、中学校へ続いていく集団生活のファーストステップですので、幼稚園選びに重点を置いてあとは全て園の責任で教育してもらうというスタンスよりも、先生達と連携して子供を良い方向に導いていくことを重視することをオススメします。

大人しい子の親が心掛けたい7つの育て方

大人しい子を心配するパパやママは「今は大人しくて周りの子供の陰に隠れたり誤解されたりする子だけど、いずれ堂々と自分の人生を歩んでもらいたい」と願っていることでしょう。子供は親や家族の影響を受けて育ちますので、子供が周囲の人を信頼する勇気を持って自分をもっともっと表現できるように、パパやママが上手にサポートしてあげましょう。

子供を変えようとしない

これは大人しい子を育てる場合だけでなく全ての子育てに共通して言えることですが、子供の性格を心配したからといって親が子供の性格を変えようと思うのは好ましくありません。
子供が自信をもって生きていくためには、ありのままの自分を親に愛され受け入れられていると思える自己肯定感を育むことが大切です。

自分を他者に向けて言葉で表現するということは、人見知りや引っ込み思案、内弁慶などの理由から大人しくなっている子供にとってはとても勇気のいること。自信がなければ困難です。

ですが、ありのままの自分に対する肯定感が育まれることによって、ハードルが少し下がったように感じられ、勇気を出して自分を表現しやすくなるのです。親が活発になることを望んでいるのであればなおさら、大人しい子供のありのままの姿を「この子はこのままでいい!」とそのまま受け入れ、その愛情が伝わるように育てましょう。

健康に気をつける

大人しい子はあまり活動的ではなくアウトドアよりもインドアを好む傾向がありますので、健全な成長のためにたっぷりと運動が必要な子供の場合は特に体力面が心配です。体力がなく疲れやすいとどうしても気力が湧きあがらないため、集団に入っていけなくなったり、うつ傾向になったりもします。

文部科学省によると近年子供達の体力は著しく低下していて、その最大の原因は運動量の減少ではなく意識にあると注意喚起をしています。意識とは親や社会が人の評価を知識量に頼り、子供の外遊びやスポーツを勉強に比べて軽視するというものです。(注2)

子供の健康や成長にとって大切な「睡眠・栄養・運動」の三本柱がしっかりと摂れているかを、今一度見直してみましょう。

子供のサインをしっかりキャッチする

大人しい子供は親や家族に対しても主張が乏しく、得意小さいうちは親でもなかなか表情や意志を読み取れないことが多いのですが、子供にとっての一番の理解者は親であり家族であることが求められるため、ママは悩んでしまいがち。
そんな時は少し子供から離れて口を出さずにじっと観察してみると、色々なことが見えてきやすくなることがあります。

他人のことはよくわかるのに自分のことは分からないのと同じで、親は子供が自分の分身であるために自分自身の感情や欲求で子供のサインが見えなくなってしまうことがありますが、少し離れると冷静になって客観的に見やすくなるのです。

大人しい子は何も言わなくても目でサインを送っていたり、「なぜ?」と思う言動にメッセージが込められていたりすることがあります。あれこれ心配したり先回りしたりしてママから発することに重きを置くのではなく、子供が発した求めをキャッチできるように聞きモードを意識すると、いつもよりサインをキャッチしやすくなるでしょう。

質問する

「子供が大人しすぎて自己主張ができない」と心配であるならば、家族団らんタイムに積極的に質問をして、自分の考えを表現する訓練をしてあげましょう。大切なのはパパやママが自分の意見を押し付けず、子供に自分の意思で物事を選ばせることです。

重要なことは子供に質問して答えを促すことを習慣にしていると、子供の自我がしっかりと育ちやすく、意志を表現するスキルが身についていきます。

正直に話せた勇気を評価する

大人しい子供は親や周りの評価を気にし、顔色を窺って行動する傾向があります。そのためちょっとした失敗を誤魔化そうと嘘をついてしまうこともあるのですが、そういった嘘やごまかしにパパやママが目くじらを立てるのは好ましくありません。

正直に親に告白しても親が怒ってしまうことで委縮してしまう大人しい子は多いので、嘘を責めるのではなく、正直に話せた子供の勇気を評価して、子供の不安を取り除いていきましょう。

失敗は責めない

子供は失敗を責められることで失敗に怯えて消極的になったり、嘘をついたり隠したりと、自信を失ってしまいやすいのですが、これでは大人しい性格に拍車がかかってしまいます。パパやママは子供の失敗や性格を非難することはやめましょう。

失敗を責めるよりもどうやってリカバリーするかを子供に考えさせ、実践させ、リカバリーに取り組んだことへの勇気やできたことをたっぷりと褒めてあげることが大切です。失敗を恐れず勇気をもって挑戦していくことの素晴らしさを知ることで、大人しい子供の自信はますます育まれます。

無理に友達を作ろうとしない

周りから見てどんなに不安であっても、子供の交友関係は子供が築くものです。本人が悩んでいる場合は保育園や幼稚園、小学校の先生に相談することで気の合いそうな子供と仲良くなれるお手伝いをしてもらえますが、本人が友達作りの必要性を感じていないのに親が先回りしてしまうと、苦痛やコンプレックを感じて不登校の引き金になることもあります。

大人しい子供に無理に周りとのコミュニケーションを押し付けず、暖かく見守ってあげましょう。

大人しいのは子供の素晴らしい個性!

親はどうしても「こうあって欲しい」という自分の理想を我が子に押し付けてしまいがちですが、子供の性格は一人一人で違い、それぞれが尊重されるべきもの。親が大人しい子供の性格を問題視しても、子供が満足して幸せでいれば何の問題も無いことですし、将来何か問題が生じてもそれを乗り越えて解決するのは子供自身の課題。そこからの学びが子供の人生に役立つことも多いです。

周りのお友達に混じって活発に行動をしなくても、大人しい子にはじっくりと自分の内面と向き合う、素晴らしい資質があります。子供の性格を頭から否定して強制するのではなく、ありのままの姿を受け入れ、問題を自分自身で解決しようとする子供の力を信じ、振り返ればいつも見守っていてくれる子供の味方でいてあげましょう。

この記事を書いたライター

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!