育児ノイローゼになる5つの原因|ママが弱いせいだと勘違いしてない?
育児ノイローゼの原因は、産後のママの体に起こる生理学的な問題や育児環境が大きく関わっています。
もちろんママの性格も育児ノイローゼの一因となりえますが、メンタルの弱さだけが原因と捉えるのは間違い。育児環境を原因から省いて考えるのは不適切。
早ければ出産直後から起こりえるため、ママだけでなくパパも育児ノイローゼの原因をしっかりと把握し、早くから夫婦で対策に取り組むことが重要です。
1出産によるホルモンバランスと自律神経の乱れ
育児ノイローゼとは育児中の母親が突然泣き出すなど情緒不安定になる状態ですが、原因の一つは出産によるホルモンバランスの乱れだと考えられています。
妊娠継続を助けていた女性ホルモンの量が急激に変化し、妊娠前の状態に戻ろうとするのです。
さらに赤ちゃんのお世話で昼夜なく睡眠時間のぶつ切れが続くママの体は、慢性的な寝不足状態により自律神経が乱れやすい状態。
ホルモンバランスや自律神経の乱れは体調不良や情緒不安定を引き起こす原因となりますが、産後のママは自分を後回しにして赤ちゃんのお世話をする傾向が強いのも、育児ノイローゼの原因と言えるでしょう。
特に出産後1~2週間ほどはマタニティブルーズと呼ばれる、何でも悲観的に考えて平常心でいられなくなる時期があります。
ホルモンバランスが原因の情緒不安定になるのが当然の時期なので、できるだけ新生児2週間健診を受けて育児や体への不安を相談し、精神面のケアを行いましょう。
2密室育児
毎日ママと子供だけで過ごす密室育児も、育児ノイローゼの原因となりやすい環境ですので注意が必要です。
赤ちゃんが生後間もない、あるいは風邪をひいた等の理由から密室育児になると、ママは毎日外にも出られず下手をすれば一日中誰とも話せないことも。
他にも結婚で住み慣れた土地から離れたママ、自分一人でストレスを抱え込みがちな性格のママ、ママ友など育児の悩みを相談できる相手がいないママは、自分をどんどん追い込んでしまいがち。
毎日外出したり家族以外の3人以上の大人との会話が困難な場合、育児ノイローゼの原因になりやすい環境にいると捉え、ママに元気がない場合は夫婦で話し合って環境の改善に努めましょう。
ただし密室育児は必ず育児ノイローゼの原因となるわけではありません。ママの性格によっては密室育児でも育児を楽しんでいる人はいますので、周囲はママ本人の意志や様子を見て判断してください。
3パパの理解や協力が得られないワンオペ育児
育児に対するパパの理解や自覚がない、あるいは仕事が忙しくて家に帰れないためママにワンオペ育児をするのも育児ノイローゼの原因となります。
「仕事だから仕方がない」と頭では思っていても、オーバーワークが続くと大きなストレスになります。妻をワンオペで限界まで追い詰めるブラック夫になっている場合は、夫婦で話し合ってママの負担を減らしましょう。
より深刻なのは旦那さんが赤ちゃん返りしてママの仕事を増やしている家庭。
自立した大人であり親でもある自覚や責任感が欠けているため、ママ一人に子育てや家事を押し付けるガキ夫もいて、ママは体力的な負担にプラスして精神面でも大きな負担を背負っています。
4 真面目で責任感の強いママの性格
真面目なママの性格も育児ノイローゼの原因になります。自分や子供が失敗すると「こんなはずじゃなかった」と落ち込むことってありませんか?
真面目なママは子供の失敗を自分のせいにして責め、子育ての自信をなくなってしまう傾向があります。
また育児が自分の理想通りにできない、子供が原因のご近所トラブルや子供同士のトラブルで意気地への自信を失い自己嫌悪に陥るママもいます。
完璧主義でこだわりが強く、家事や育児に手を抜けないママは育児ノイローゼになりやすいので注意しましょう。
5核家族化
核家族化も育児ノイローゼの原因と言えるでしょう。昔なら同居しているおばあちゃんに子供を見てもらえたり、子育てのアドバイスをもらえたり、悩みを聞いてもらえたのに、今のママ達は自分ひとりで子育てをしなければなりません。
特に結婚で実家から離れた場所に住んでいるママは、昔からの友人知人が側に誰もいないため密室育児になり、何かあったときに頼る人も子供を預けられる人もいない環境になりがちです。
頼る人がいない環境は母親にとって相当なプレッシャー。核家族のママは何でも「私がしなければ」と追い詰められる傾向があるので、早めに育児ノイローゼへの対策をしましょう。
育児ノイローゼの原因を今すぐ取り除いて!パパがすべき6つの対処法
一昔前と異なり、今は多くのパパが妻の育児ノイローゼを回避するために気を配っていますが、残念ながらやることが空回りして逆に腹立たせ、妻を追い詰めてしまうケースも少なくありません。
上手くいっていないと思う場合は産後のママの求めに寄り添い、心を軽くする次の5つの対策を心掛けてみましょう。
1ママの話をきちんと聞いて共感する姿勢を見せる
産後のママは社会や大人との交流が少なく、自分の時間もほとんどなく、赤ちゃん中心の世界で生きています。
そのため視野が狭くなり責任感から生じるプレッシャーを抱え、孤独と不安に耐えながら生活をするママが多いのが育児現場の実情。パパは日中のママの苦痛に寄り添う気持ちがあることを日々態度で示してください。
女性の悩みには「答え」より「共感」を!
男性は悩みや相談に答えを言いたがる傾向が強く、解決できない問題をいつまでも悩む行為を無意味と思いがちですが、育児ノイローゼの心配があるママの多くは悩みの解決方法を知っています。様々な状況から解決策を行動にうつせないから悩むのです。パパは日々話を聞てママのストレスや不安を吐き出させると同時に、相づちをうちながら自分はママの苦しみに寄り添い共感するパートナーだとアピールしましょう。
ママにとって赤ちゃんの日中の様子や不安を心置きなく話せ、思う存分聞かせられるのはパパだけ。他人に話しても幸せ自慢だと勘違いされたり、「そのくらいのことで」とバカにされたり、赤ちゃんの話ばかりだと不満を持たれることもあります。
快く聞いてもらえても、赤ちゃんや妻の悩みを聞き精神的な支えとなるのは夫の役目。それが分かっているだけに余計に孤独感を募らせてしまいます。
もし「仕事で疲れて帰って来てまで妻の愚痴を聞きたくない」と思う場合は、せめて赤ちゃんと離れては母でなく一人の人間になり子育ての責任感から解放される自分時間を毎日妻に作ってあげて下さい。
2主養育者となって育児に取り組む時間を作る
一昔前「育児を手伝う」という言葉が炎上の種になりましたが、育児はママだけの仕事ではありません。ママが専業主婦でも仕事から帰ったら子供への責任はパパも同等。他人ではなく親なのですから。
パパは仕事で日中の子供の様子が分からず育児を補助する側に回りがちですが、自分が主養育者だという自覚があれば発言や態度がおのずと変わってくるはず。
例えば、赤ちゃんのおむつ替えをいい加減にすれば小さな赤ちゃんはパパのせいで体調を崩しますし、日中の様子をママから聞かなければ体調や成長にマッチした関わりができないため、ママの説明をより真剣に聞く気になります。
「仕事で日中の様子が分からないし、ママの方が上手くできるからやらない」は屁理屈。日中赤ちゃんを保育園に預けてもママはママ。それと同じです。
3ママへの感謝の気持ちを伝え労いの言葉をかける
育児ノイローゼになる母親は責任感が強く完璧主義の傾向が強く育児や家事をパパの期待以上に頑張りやすいので、ママがエネルギー切れにならないように感謝の気持ちを伝えて労いましょう。
感謝の気持ちは言葉が一番手軽なのですが、どうしても「ありがとう」と言えない口下手なパパの場合、ママの好きなスイーツなどのお土産を買って帰宅が遅くなり、ママを追い詰めてしまうことも。
育児中にママが一番求めるのはストレスや不安から解放されること。少しでも早くホッとできるように早く帰り、「今日は子供をお風呂に入れるから、ママはゆっくり入っておいで」といった労いの言葉でリラックスさえてあげてください。
4家事や育児には気持ちよくお金を出す
育児ノイローゼは継続するストレスを断ち切ることで防ぎやすくなるため、少しでもママの育児や家事の負担を減らせるようにファミリーサポートや託児利用にかかるお金、便利家電や育児グッズのお金は気持ちよく出してあげましょう。
育児中は寝ていてもいつ起こされるか分からず、夜中の急な体調不良に気づいて対処しなければならないため、ママの多くは24時間熟睡できません。つまり24時間働き続けています。
給料は生活費のみ、24時間休日なしで妻を働かせ続けるようではブラック夫です。妻が育児ノイローゼになれば数時間預けるファミリーサポート代程度では済まないと自覚し、お金でどうにかなるならお金で労わりましょう。
5自由時間を増やして休ませる!ママが話をしなくなったら要注意
育児ノイローゼになるほど深刻なストレス状態は、環境を変えると比較的早く解消しやすいです。ママが落ち込んだり話さなくなったりするほどのストレス状態であれば、できるだけ自由時間を与えて赤ちゃんへの責任という心の荷を下ろさせてあげましょう。
6ママに甘えない!自分の世話は全て自分でする
育児ノイローゼの心配があるほどのストレス状態の人に甘えてはいけません。ママはパパが甘えられない程のガキ夫、あるいは仕事が大変そうなどの理由から一人で全てを抱え込んで強いストレス状態を悪化させているのです。
妻に甘えたいのであればまずは妻の荷を自ら下ろし、パパが甘える余裕を作ってあげましょう。
ただし自分がパタニティブルーになるほど追い詰められているのであれば、一人で抱え込まず逆に妻に相談しましょう。夫婦は責めたり依存したりする相手ではなく、共に協力して難局を乗り切るためのパートナーです。
今からして!ママがしたい育児ノイローゼ対策5つ
パパに協力してもらうことはもちろんですが、ママ自身も、環境や育児に対する考え方を少し変えるだけでもラクになります。
1 開放的な育児をしましょう
電話でも良いので、普段から誰かと話をするよう心がけましょう。話すということは、自分の現状や悩みを客観的に受け止めるということに繋がります。
また自分のことを文章に書くと客観的に捉えられるので、この機会にブログやSNSなどに自分や赤ちゃんの近況を投稿するのもおススメです。
その投稿に返信があれば、他者とコミュニケーションも取れるので効果絶大です。
また、厚生労働相管轄のもと、市町村では様々な核家族ママの子育て支援を実施しています。電話相談や子育てサロン、一時保育などのサービスを利用して、パパ以外の大人と話したり、相談できる場所を積極的に作りましょう。
2 自分を責めず、褒めてあげましょう
人は責められるより褒められる方がやる気になるものです。たまには、「自分へのご褒美」として好きなスイーツを買ったり、服を買ったりして自分をねぎらってあげましょう。
大人になると人から褒められる機会って減ります。そればかりか子供に何かあったら、自分が責めてしまいます。しかし、頑張っているのに責められたら、誰でもやる気を無くしてしまいますよね!?
だから元気なママには、自分で自分を褒めるママが多いのです!体がボロボロになっても子育てしている自分を、褒めてねぎらいましょう!
3 失敗しても大丈夫と思いましょう
誰にでも失敗はあります。ましてや初めての育児だとなおさらです。育児はパパとママの共同作業。失敗してもママだけが悪いのではありません。
失敗しないように育てるのではなく、「失敗したからたくましく育つ」というふうに発想の転換をしてみましょう。
子供はママの姿を見て成長しますので、ぜひ良いお手本となってください。子供が失敗する度に落ち込んでしまうより、次からどうすればいいかを考え、失敗のお蔭でよいやり方を習得できた!と考える子に育って欲しいです。
このような考え方ができる子供は自己肯定感が高くなり、将来自分も周囲の人間も大切にできる大人に成長します。
4 積極的に息抜きをしましょう
パパには仕事が休みの日があります。だから、ママが育児を休む日があっても良いのです。パパに子供を預けるなどして、気分転換にショッピングや美容院などに行ってみましょう。
パパに頼めない場合は、厚生労働相の子育て支援や保健所、市町村の支援を利用しましょう。
ファミリーサポートや一時保育では、ママがリフレッシュタイムを作れるように、有料ですが子供を預かってくれます。
5 100点ではなく60点を目指しましょう
試験などでも6割から7割正解なら合格ラインですよね!育児で合格を目指すとしても、100点を取る必要はないのです。
だから、少しくらい手を抜いて適当にしても大丈夫。「完璧ママ」じゃなくて「合格ママ」で良いのです。
ママが完璧主義だと子供も失敗を避けるようになり、「自己肯定感」が低くなる場合があります。子供の自己肯定感が低くなると、やる気がなくなり無気力になったり、人の顔色を伺うように育ってしまったりするので、完璧が良いとは言い切れないのです。