子供を産んで後悔するのは自分のため?愛情の裏返しのママもいる
子供を産んだ後、ママ達はそれぞれ様々な人生を歩んでいきますが、家族が健康で夫婦仲良く、親子も仲良く、金銭的にも恵まれて暮らしていける幸せは当たり前に用意されるものではありません。
そのため何らかの苦しみや悩みを抱え「実は子供を産んだことを後悔したことがある」というママは少なくありません。けれど自分の幸せを考えて後悔するママだけでなく、生まれてきた子供の幸せを考えて「ごめんね」と後悔するママも。
今回は、子供を産んで後悔したけれどそこから立ち直ることができたきっかけの体験談を紹介しますので、今は幸せを感じられるようになったママ達が光を見いだした考え方を、ぜひ参考にしましょう。
ママ達が子供を産んだことを後悔する理由
平成27年の三菱UFJリサーチ&コンサルティングの労働者アンケートの結果では、子供を産むために仕事を辞めたママのおよそ1/4が後悔しています(注1)。
この結果は子育て中の金銭負担や再就職の難しさが理由となっていることが多いです。
それでも「子供を産んだことだけは後悔してない」というママは多いのですが、ママの中には「なんで子供を産んでしまったんだろう」と、次のような理由で出産を後悔している人も少なくありません。
- 再就職が困難
- 遊ぶ時間がなくなった
- 夫の浮気
- 金銭的に苦しい
- 夫婦仲が悪い
- 子育てにやりがいを感じられない
- 母親の体調不良
- 子供に先天性の病気や障害がある など
同居で夫婦仲も悪く喧嘩ばかり
私が37歳で子供は小学校三年生くらいの時です。障害はなく普通に生まれてきた子供ですが、私と主人が結婚当初から不仲で喧嘩が絶えず、オマケに同居する主人の親とも喧嘩ばかりでした。そんな喧嘩ばかりの家庭環境では子供が可哀想で後悔しました。
私は結婚して3年間子供が出来なかったので不妊治療をして子供に恵まれました。そこまでして授かりましたが、子供には“本当に仲の良い両親の元に生まれたほうが幸せだった”と思いました。不仲でイライラが募り、息子達にあたってしまい「あんたらを生まなければ良かった」と言ってしまった事もあります。
周りの友達にはたくさん話しを聞いてもらいました。「子供には罪はない。子供に言ってはいけない事がある」とアドバイスもらい、「世の中には子供が欲しくても出来ない夫婦がいるんだから、絶対に子供を産んで後悔したなんて言ってはいけない」と言われました。
改めて冷静に考えたらそうだなと思いました。それからは夫婦仲あまり良いとは言えませんが、子供達が居るから頑張れると良い方向に考え直しています。人生1度きりなので自分の子供に出会ったことを感謝して、自分を選んで生まれてきてくれたと思いたいと思います。
母親が後悔する一因は支援の少なさ
日本は福祉に力を注いでいるフランスなどのヨーロッパと比べると、子育て家庭への支援が進んでいません。
例えばイギリスでも子供への子育て支援金が充実していて、第一子には月額1万円第二子以降は月額7000円が、子供が学生のうちは20歳まで支給されます。税金も子供の人数によって控除されます。
また国の支援以外にも男性の育児・家事時間の短さといった、日本の企業体質に関係する家庭内の問題があります。日本人30代男性の1/4は週60時間以上働いていますので、物理的に子供と向き合う時間が不足しているのです。
そのためアメリカやヨーロッパの男性と比較して、日本人男性の家事関連時間は最も低く、その分の負担は全て女性に集まっています。(注2)
内閣府では男女共同参画を進め、家族が互いに尊重し合うことによって協力関係を強め、女性も男性同様に仕事と家事を両立し、逆に男性は女性同様に仕事だけでなく家事や育児も両立するようにといった学校教育も行われるようになりましたが、まだまだ日本人男性や社会に広く浸透していなません。(注3)
そのため「子育ては母親がすべき」「子育ての責任は母親の責任」という考え方の男性もいて、こうした女性の人権を軽視した考え方によって母親が子供を産んで後悔する心理へと追い詰めることもあるのです。
なんで旦那の友達にまで悪口を言われなきゃいけないの!
子供を産んで後悔したのは自分が20歳で、子供が0歳生後半年。障害はなかったのですが、私は若く子供を産んだこともあり自由がないことに対してすごく不満でした。
旦那は友達と遊んだり飲みに行ったりとほとんど家にいないのに対して私はどこにも行けなかったですし、何よりもいやだと感じたのは旦那が遊びにいけないと「嫁がひどい最低」と私に対して旦那の友達から悪口を言われ、私が遊びに行くと「子供がいるのに最低な嫁」と言われることです。
このときはどうしてこんなに早く産んでしまったのかなと後悔していました。子供に対しては夜泣きがひどかったこともあり「なんで泣くの!」と声を荒げることもありました。ですが泣くだけなので当たっても無意味ですし、罪悪感にかられるだけなので必死に気持ちを静めていました。
旦那は相談に乗ってくれないので、同じ境遇の友達のみに電話で相談をしていました。同じ境遇の方だと分かり合えるので、お互いに吐き出しています。私はでき婚でないのでしっかりと希望して産んでいますし、かわいい笑顔をみたら産んでよかったなと思えます。
子供には一切罪がないですし、どうしてこのように考えてしまったのかなと今となっては本当に後悔しています。私は子供を産んだことによって自分が生きる理由を見つけました。
子供には本当に一切罪はないんです。ママもしっかりと休んだり、リフレッシュしたりできるような場を作って少しでも嫌な気持ちを発散できるようにすれば、ポジティブにできるようになるのではないかと思います。
妊婦や産後ママを襲う!病気による後悔
私達の意志すらもコントロールしてしまうパワーを持ったホルモン。人間はホルモンによって恩恵を受ける反面、「どうしてこんなに苦しめるの!」と文句を言いたくなるほど精神的にママ達を追い詰め、産後うつや育児ノイローゼといった心の病気へと進行させたり、体の病気を引き起こしてしまったりすることがあります。
ホルモンについてあまり知識がない人は、「気のせい」「心の持ちよう」と相手を責めたり自分を責めるなどホルモンのパワーを軽視しがちですが、ホルモンには体の形を変化させたり、やる気や幸せまで左右したりする力がありますので、分泌量などによって意志の力ではコントロールできないことも多々あります。
子供を産んで後悔するママは、“ネガティブな発想や体調不良はホルモンの影響かもしれない”と考え、周囲や専門家の助けを求めることが大切です。
ひどい産後うつで自分を責めました
出産で喜んだ数時間後には子供を産んで後悔していました。私は26歳。子供は生後数時間でした。
子供は健康に生まれましたが、問題だったのは私のひどい産後うつで、とにかく涙が止まらず苦しくて自分で産んだ子供の顔を見るのも嫌で、そんな自分に自己嫌悪になり、こんな私を母親にしてしまった子供があまりにも可哀想だと思って出産を後悔し、自分がいなくなればとひたすら考えていました。
そういう経緯もあって、子供に対してイライラすることはあっても当たるということはほとんどしませんでした。むしろ加虐的な気持ちの矛先は常に自分へ向かっていました。
周囲は最初戸惑って私のことを責めていましたが、私を病人として受け入れた後はいろいろと勉強をして私の代わりに子供の面倒を見るなどのサポートをしてくれました。
公的なサポートは相談しましたが窓口が保育所で、保育士さんに状態を説明してもあまり理解してもらえず利用はしませんでした。
子供を産んで良かったと思えるようになったきっかけは、子供が「ママ大好き」と言ってくれるようになったからです。それまで自分は最低の母親だと思っていましたが、子供が大好きと言ってくれることで前向きになれました。子供は母親のことを無条件で愛してくれます。今はその愛を全て受け止めて、それ以上の愛で返してあげたいと思っています。
また子供を妊娠したことでママの体質が変わり、それが原因で病気になる人もいます。病気の苦しみから子供を授かったことを後悔したり、お腹の赤ちゃんにも辛い思いをさせることを申し訳なく思ったりして涙することも。
健康なことへのありがたみが分かった
今年の1月に次男を出産しました。妊娠8ケ月の頃に、膿疱性乾癬という難病にかかりました。体に湿疹ができ、気が付けば体中に湿疹が広がっていきました。痛くてすさまじいほど痒くてどんどん体力が奪われていき、緊急入院になりました。
先生には妊娠が原因ではないかと言われました。その時は本当に辛くて「長男の時は何事もなく出産できたのに、何で今回はこんなことになるんだ」と自分を責めました。鏡で自分の身体を見る度に、辛くて泣けてきました。
しかし、長男や夫のサポートもあり「命があるだけありがたい。こんな見た目にはなってしまったが、頑張って治療して病気を抑えて出産に挑もう」と勇気づけられました。
約1ヶ月入院しましたが、病院の先生、看護師さんにもすごく支えられました。無事に出産することができ次男は今5ヶ月になります。自分の身体はまだまだ治らず毎日痒みと痛みで辛いですが、息子の成長を見られることが何よりも幸せです。
健康なことはありがたいことだと気づかせてくれた次男に感謝しています。どんな子も意味があって生まれてきます。辛いこともありますが、1度しかない人生なるべく楽しく生きなくてはもったいないと思います。
子供を産んだ後悔から立ち直ったきっかけ
障害など先天性の病を持った子供達のママは、子供を愛するが故に自分自身の幸せではなく子供の幸せを考えて後悔することが多いです。
「子供を産んだことを後悔するなんて」と二重に自分を責めてしまうことも多く、体験談を読むと胸が詰まるようなママ達の苦しみが伝わってきますが、同時に勇気をもらえる母子の愛や家族の愛、心を開き周囲の人たちと支え合うことの大切さなども詰まっていて、子育ては親育てと言われる由縁に思わず納得してしまいます。
先天性の障害や病気を持つ子供達のママが、子供を産んで後悔していた心理からどのように立ち直ったのか、そのきっかけを見ていきましょう。
障害のある娘の言葉
娘の「ママが大好き!」の一言に救われました
私が28歳、長女が2歳のつい先日まで、子供を産んでものすごく後悔していました。娘は生まれつき片耳がない身体障害児です。そのため「なぜ全て揃った状態で産んであげられなかったのか」と、産まれてから長女のことでは悩みっぱなしでした。
当時の私は「なんで妊娠中は気をつけていたのに、やめるものはやめていたのに、何故、耳がないの?」と何がいけなかったのか、なんで他の人は健康な子を産んでいるのに私だけ…と思っていました。
正直、娘に辛く当たったこともあります。周りの人は「大丈夫、聞こえてる」と言ってはくれますが「なんであなたにわかるの?ずっとみてきたわけでもないのに」と声をかけられるだけで辛かったです。サポートも利用しませんでした。
私が立ち直ったきっかけは、こんな私でも「ママが大好き!」と娘が私に抱きついて言ってくれたことです。私はその一言だけで“ごめんね、ママ強くなるからね”と思えて、娘を産んでよかったと思えるようになりました。好き、大好きは魔法の言葉です。
後悔しているママさん、お子さんを抱きしめて「大好きだよ。産まれてきてくれてありがとう」と言ってあげてください。もうすぐ3歳の娘。今は元気にううるさいくらい話せるようになっています。
兄の言葉
息子の「かわいい」の一言がきっかけ
私は33歳で子供を出産しました。第二子でした。娘が健診でひっかかり医療センターで検査をした時に、胎児の時からの病気をもって生まれたことが発覚しました。私は目の前が真っ白になっていまって「なんで?どうして?どうすれば」とそればかりでした。本当になんで私の子がという感じでした。
娘が健診で引っかかった3ヶ月の頃から私は暗く泣いてばかりで、当時3歳だった息子にすごく当たって泣いてしまっていました。”私はこの子を育てられない”というようにも思っていました。周りの言葉も全て他人事に聞こえたのです。
しかし、息子は「可愛い」といったのです。その言葉がきっかけで私は堂々とするようになりました。
それから2年くらいたって、娘は保育園の一時預かりを利用しながら、ゆっくり成長しています。今は兄妹喧嘩もしますし、兄妹でお互い大好き同士、喧嘩もするけど、変な言い方をすれば大人になったらわからないですけど、お互い支え合っている感じがします。
私は娘の病気を知ってから、病院には他にも色んな障害や病気の子達が来ることを知りました。その子達は本当に可愛いんです。気持ちがとっても純粋で本当に可愛い子たちばかりです。一番大事な気持ちが本当に綺麗な子が多いと思います。
同じ悩みを持つママとの出会い
子供の治療やサービスに出掛けたお蔭
出産してすぐに子供が心音異常だと分かり、身体に機械をつけられました。授乳時に一度機械が外れたようで、すぐに5・6人の先生が授乳室に駆けつけた事もありました。3ヶ月に1度は血、尿、心電図、心臓エコーの4つの検査を受けていて、見ているこっちが痛々しく感じていました。
そんな日々が2年過ぎた頃「ん?この子、しゃべらない」と気づきました。心臓に気をとられていて、子供の成長の異変に気づくのが遅くなってしまったのです。「自閉症」と診断が下りました。「なんで、なんで…」この言葉が頭の中をグルグル巡りました。高齢出産が原因なのか何なのか、子供を出産して初めて「生まなければ良かった」と子供を産んで後悔しました。「子供には何の罪もない。親の都合の出産がこの子に辛い思いをさせている」と。
見た目は普通なので家族でも子供の個性を受け入れられず、以前は「子供を病気に仕立て上げている」とよく言われました。その時は本当に理解をしてくれる人じゃないと子育ても難しい、と実感しました。
ただ辛い中でも公的なサポートである言語療法を受けたり、児童ディサービスを利用したりすることで、多くの同じ悩みをもっているママさんに出会い、いろいろ情報交換することができたおかげで、子供の未来の選択肢もゼロじゃないことを教えてもらいました。心から「子供と一緒に頑張ろう」と思えるようになりました。すぐには解決しないことも、時間や場所を変えていくことで、必ず道は開けてくると思います。
専門知識を持つママ友との出会い
理解あるママ友との出会い
30代前半で妊娠し、相手の方には逃げられ、妊娠5ヶ月を過ぎていて産むことを決意しました。父親もいない状態で1人、隠れるように子供を産みました。生まれた瞬間は素直に嬉しかったのですが、子供が2歳になる頃から育てにくさを感じ、高度自閉症があることがわかりとても途方に暮れました。
子供に八つ当たりしても我が子は高度自閉症で倍になって返ってくるので、無視する生活でした。周囲で助けてくれる人はいませんし、公的手段も頼りませんでした。
そんなある日、近所に我が子と同じ年の子がいる親子が引っ越してきました。そのお母さんが養護学校の教師免許をもっている方で、たくさん救ってもらいました。そのお母さんとの出会いがなかったら、私も子供も生き続けていられなかったかもしれません。
今、我が子は理解ある幼稚園に通い、私も子供と向き合い日々を過ごしています。私もどん底にいました。なんとか幸せに過ごせるように、相談相手が見つかるといいですね。
周囲の支援と子供達の笑顔
サポートのお蔭で子供を天使と思えるように
私が初めて子供を産んで後悔したのは私が19歳、子供が1歳の時です。障害を持っている子供の育て方も分からず、その時は差別では無いですが、本当にまず障害があることに悩みました。私には障害のある子供が2人もいるので、その後も「何で私だけ障害のある子供を2人も抱えないといけないの?」と正直思っていました。
今まで子供に辛く当たってしまった事は沢山有ります。自分で歩いたり、トイレに行ったりもできないのに、暴言を言ってしまったこともあります。
私よりも周りの方が気を使ってくれて、私が買い物行けるようにと子供を2~3時間みてくれたり、家事を代理するサポートをして頂いたりしました。それだけじゃサポートも限度が有るので、公的なサポートも紹介して頂き、お陰様でストレス無く充実したサポートを受ける事が出来ました。
子供を産んで良かったと思ったのは、子供達は話す事が出来ないけれど毎日ニコニコしているからです。そんな姿をみて私も笑顔になった時に、産んで良かったと思います。
私と同じで障害の子を抱えて悩んでいるママさんは沢山いると思います。でも私も最近思えるようになったのですが、障害を持っている子はずっと側に居て幸せにしてくれる天使です。ママが話した事に少しではあるんですが、一生懸命答えてくれますよ。
周囲の優しい声かけ
障害のある息子を産んで小さな成功が凄く嬉しいと思う様になった
私が子供を産んで後悔したのは、私が25才で息子が1歳半の時です。息子が1歳半過ぎた辺りから凄く動き回るため、息子は周りの子と比べて何かが違うと違和感をもち始めました。自分で調べて、もしかして発達障害なのではと思う様になりました。
その時の私の心境は『この先どうしたらいいのか、何か変な物飲んだり食べたりしたかなとか、産まなきゃ良かったかな』とか凄く考えました。ただただ『何でうちの子なの。他の子だったら良かったのに』とずっと思っていました。同年代の子には出来る事がうちの子には出来ないので、強く当たった事も何度かあります。
周りは「大丈夫。これからゆっくりいろいろ覚えて出来る様になってくるよ」と優しく声を掛けてくれました。『このまま落ち込んでいてはいけない』と考えを新たにし、療育なども通いました。その後、病院で息子は自閉症と診断されました。
今では普通の子が当たり前に出来る事がうちの子には少し時間がかかるけれど、出来た時の喜びは何倍も嬉しいです。今まで味わった事のない喜びを味わわせてくれる息子に感謝です。本当産んで良かったです。産んで後悔してもいつか必ず産んで良かったと思う日がきます。辛い事もあるけれど一人ではないので頑張って下さい。
参考文献