男の子のマザコン疑惑を解消!コンプレックス?先輩ママの体験談
男の子を子育て中のママを襲う息子マザコン疑惑。傍から見ると杞憂であっても、息子の幸せや自立に向けて責任を担ったママにとっては意外と深刻な問題。思い切り可愛がってもいいのか、どのくらいなら許されるのか、いつ離れるのかなど心配や不安が頭から離れなくなる人もいます。
そこで今回は、男の子とマザコン、愛着の必要性、母親離れと思春期、先輩ママの体験談をご紹介します。男の子との大切な時間をマザコン疑惑で無駄にしないように、理解を深めていきましょう。
男の子とマザコン
マザコンとは「マザー・コンプレックス」という和製語の略で、精神分析用語ではありません。精神分析用語で考えるとフロイトの精神分析用語「エディプス・コンプレックス」が近い意味合いで、子供の母親に対する過度な愛着や執着を差しています。
母親に愛着を感じるだけならいいのですが、それによって自分で人生や物事の選択ができず、大人になっても何でも母親に確認して決めているようでは、母親として男の子のマザコンを心配するのも当然。けれど男の子が小さいうちは、将来マザコンになる心配をさせるのが当然の状態なのです。
マザコンとエディプス・コンプレックス
エディプス・コンプレックスとは男の子の母親への過剰な愛情を表す精神分析用語で、母親への異性愛から父親を排除して母親と結婚したギリシャ神話に登場するエディプス王にちなんで「エディプス・コンプレックス」と名付けられました。
パパはいるだけで役立っている!?
「家事をしない、子育てもしない、給料も少ない父親はいらない!」と思っているママ、精神分析上はパパの存在が男の子の成長に大切な存在として位置づけられています。
男の子は3~6歳頃に父親から母親を奪いたいという欲求を持ちますが、父親を敵・邪魔者と思うことにより、逆に父親の存在に身の危険を感じて不安を抱くため、父親と自分を同一視して母親への欲求を抑え、思春期になるとその欲求を母親以外の異性へと向けると精神分析学創始者のフロイトは考えました。
ただし父親に対して子供が敵意を抱くことで同一視するようになるというフロイトの考え以降、「世話をしてくれる親の愛情を失うことへの恐怖(親への愛着)」などの理由によって、父親と同一視するようになるという考え方も語られるようになりました。(注1)
男の子のマザコンと母親への愛着
「かわいい息子に異性として魅力的に見られるなんて光栄♪」と気楽に受け止められればいいのですが、子供の年齢が高くなるにしたがって不安に感じるママもいるでしょう。そこで、男の子が母親に対して愛着を抱くことの大切さについて知っておきましょう。
子供は赤ちゃんの頃から成長するに従って、次第にお世話をしてくれる母親や父親、祖父母などへの愛着を形成していきます。こうした愛着を形成することは非常に大切で、自我の確立や愛着といった成長に必要な要素が正常に形成されないと安心や信頼を感じながら興味の範囲を広げて心と知性を発達させることができません。
人間の発達にとても大切な愛着や信頼の形成ができない深刻な状況で育った子供は、脳や神経の構造にまでダメージを受けて、将来「愛着障害(反応性アタッチメント障害)」といった精神疾患によって生きることが困難になる恐れがあります。ですから男の子であっても子供の求めに応じて気にせず母親が愛情を注ぎ、愛着を育むことが大切です。(注2)
思春期の反抗と男の子のマザコン
男の子が男性へと成長するに従い、母親は様々な変化を目の当たりにすることになり、子育てや思春期の男の子との接し方に頭を悩ませることになります。
- 言葉遣いの乱れ
- 身長の逆転
- 声変わり
- 反抗
- 母親を邪魔にする態度 など
小さい頃は何でもママに聞いて欲しかったり、見て欲しかったり、ずっと触れていたかった男の子ですが、次第に母親をうるさい存在と感じるように変化し、やがて自分のことを何も話さず親に反発する第二次反抗期を迎えます。
「息子のそんな姿信じられない」「そんなこと言われたら耐えられない」と思っているママ、近年反抗期がない子供が増えていますので、男の子がマザコンになることが心配なら、次の点に気をつけて子育てしましょう。
男の子をマザコンになりやすい育て方
- 過干渉
- 甘やかし
- 無関心
こうした育て方をしてしまうと子供が親の支配に慣れて反抗できなくなったり、反抗する必要性がなくなったり、反抗する場面がなくなったりしてしまいます。
すると男の子は自我を確立するために必要な第二次反抗期にしっかりと親とぶつかり合うことができなくなってしまい、自我の確立が難しくなって、ひどい場合には母親が可哀想で何も言えないいわゆる「マザコン」になってしまう恐れがあります。ですから先輩ママの中には「くそババアが出たら子育て成功!」と言う人もいるのです。
先輩ママの男の子マザコン疑惑への体験談
同じ不安を抱えて子育てをしてきた男の子の先輩ママ。成長した我が子の姿から、一体何が見えるのでしょう?男の子の子育てとマザコンへのアドバイスについて見ていきましょう。
今だけ!!
息子16歳。心配し始めたのは年中さんの頃から。私の彼氏なのかと思ってしまうくらいに注文の多い子でした。『保育園のお迎えに来るときは絶対にこの服で来てほしい』『前髪は耳にかけて』『眼鏡はしちゃだめだからね』などといわれたり、少しでも胸のあいた服を着ると『この服はもう着ないでね』と。
旦那はここまで言う人では無かったので、旦那の真似をしているわけではないと思うと「マザコンになってしまうのではないか」と旦那と二人で心配していました。そこでどうしたものかと旦那と話し合った結果、子供が喜ぶからといって全てを受け入れることをやめました。徐々に徐々に。
始めのうちは『何でオレの言う事を聞いてくれないの』と言ってきましたが、そのうち何も言われなくなりました。今では笑い話。幼い頃の話を息子にすると『全然覚えてない。そんな事言ってたんだー。キモい』っと言ってきます。こっちは真剣に悩んでいたのですが。
だから今マザコンになってしまうのではないかと悩んでおられるママさんも大丈夫です。何でもかんでも子供のいいなりになっていなければ今だけの事なのです。懐かしく微笑ましく思える日がきっときます。
可愛い息子のキスについて
一人息子は今現在高校2年生の17歳です。0歳の赤ちゃんの頃からとにかく甘えん坊でどこへいってもママ、ママで私にべったりの息子でした。完全母乳で育てていたのですが、毎日おっぱいを飲んで眠りにつき夜中も3回以上起きてきてはおっぱいを欲しがる甘えぶりで、卒乳できたのはなんと小学校3年生のときでした。
小学校3年生で乳離れしたきっかけは、やはりまわりの男の子と比べてなよなよして気弱な息子にもっと自立してほしいと思ったのがきっかけでした。「おっぱいもうおしまいする?お兄ちゃんになる?」と聞くと沈黙の後「うん」と答えた息子。有言実行でその日から本当に一切おっぱいは飲まなくなりました。
それと同時にナヨナヨしていた息子が急にしっかりしだして、自分から習い事したいと言い出したり積極的になったりしてびっくりしました。あの時決意して乳離れさせてよかったと思っています。
甘えん坊の男の子をお持ちのママ、男の子は基本的にとっても甘えん坊です。でも自分から自立していくときが必ずきますので、それまでは思う存分甘えさせてあげてください。後は息子さんの成長にあわせて時期がきたらそっと背中を押してあげれば自分からさっと自立していくときが必ず訪れますよ。
「自信をもたせること」でしょうか
息子は今春から高校3年生になりました。一人っ子です。幼稚園にあがるまで母親の私にべったりでしたので、幼稚園に入ったときも毎朝園の入り口で私と別れるのがつらくて泣いていました。「マザコンになってしまうのではないか」と心配していました。
しかし、特別な対策はしませんでした。子育ての先輩から「ありのままに育てていくべき」とアドバイスを受けたからです。
息子が友達に顔を引っかかれて泣いて帰ってきたことがありましたが、特に心配しませんでした。そういうことへの耐性も必要だと思ったからです。運動会の障害物競走で1位になったときは心から褒めてあげました。自信をもたせ、自立させるということを意識しながら育ててきました。
小学校3年のときに息子は地域のサッカーチームに入りました。チームへの行き返りは一人で、練習着等、用具の準備等を一人でさせました。そのころから息子は、急速に私から離れて自立していったように思います。周りのたくましい友だちのことを見て、自分も親から離れようと思ったかもしれません。
今、息子は、幼稚園の頃がうそのように、たくましく成長し、私たち親からの干渉をいやがるようになりました。「自信をもたせる」ということが大切ではないかと思います。そのためには、褒めるべきところはしっかり褒めるということかと。叱るべきところはしっかり叱るけじめも大事だと思います。
マザコンからシスコンに。
現在中学校3年で受験生の息子ですが、今から4、5年前の小学校高学年の頃は「この子はマザコンになるのではないか」と心配していました。それは、私の再婚が決まり息子にも父親と言う存在ができた時でした。
いつもママと手を繋ぎたがってベタベタくっついてくるし、お風呂も「絶対にママと一緒じゃなくちゃ入らない」と大泣きし、四六時中「ママママ〜」と言われていました。
今まで独り占めしていたママを見知らぬおじさんに取られる寂しさもあったと思うので、甘えたい時は思い切り甘えさせました。今振り返っても、その対策は間違っていなかったと思っています。「男の子だし、いつか母親より父親と体使って遊ぶ楽しさをわかるまでは仕方ない」と主人と話して、あまり心配はしなかったです。
息子には年の離れた妹が2人も出来て、現在はマザコンの心配は一切なくシスコンになりつつありますが、優しいお兄ちゃんがみんな大好きなので、このまま優しい男性に育っていってくれれば嬉しいです。
自然と親離れしていきました
息子は現在14歳中学2年です。息子がマザコンになってしまうのでは?と不安だったのは息子が小学校5~6年生くらいの頃。その当時、息子は私の指示がないと自分で判断して動くのが苦手な子でした。また休日はいつも私とべったり過ごし、お風呂も一緒に入りたいと言い、なかなか母離れできませんでした。
そんな息子を見てこのままでは息子のためにも良くない!と思った私は、自分のことは自分でやらせるようにしたり、失敗を恐れず自分の考えで行動することの大切さを教えました。休日は主人の趣味のサイクリングを共有させ、私とというよりも主人と行動することの楽しさを教えました。お風呂も平日は一人で入らせ、休日は主人と入らせるように仕向けて行きました。
確かにこれらのアクションは息子を母離れする意味ではよいきっかけになったと思います。とは言っても、息子も中学生に入った頃から心身とも急な成長を遂げ、そんな心配が不要なほど急速に親離れしていきました。
息子がマザコンにならず親離れした今だから言えるのですが、男の子は体の成長と共に心も急に成長します。その成長で自然と親離れしていくものなので、あまりナーバスに捉えることなく、その時期を待ってもよいのではないでしょうか?
慌てず成長するのを待ちましょう!
14歳と10歳の兄弟の母です。14歳の長男は小さい頃からママっ子で、私の誕生日には手紙とともに私がお姫様になった絵を描いて渡してくれていました。それを5年生くらいまで続けてくれたのです。そしてお風呂もそうで一緒に入りたがるので、6年生の夏頃までは家族みんなで入浴していました。寝室も家族全員一緒でした。
来年は中学生ということで、こんなに母親と仲良くて小さい頃と同じように接していて大丈夫か、マザコンになってしまわないかと心配しました。
そこでまずお風呂を別々に入るようにする対策として、家族みんなではもう狭いから弟と二人で入るようにお願いしました。狭いことは感じていたらしく、それからは弟と二人で入っていました。その後自然に一人で入るようになったので、慌てなくても良かったかなと思いました。
そんな息子も小学校を卒業し、中学生に。母親に反抗一つしなかった素直でママ大好きな息子も、成長とともに変わってきました。自分の部屋でひとり寝することも自分から言い出し、ちょっと私が口うるさくしてしまった時には自分なりに意見も言います。母親より友達を優先しますし、誕生日には何もくれなくなりました(笑)
何もしなくても子どもは成長します。小さいうちはママにべったりでも大丈夫です。今だけだと思って思いっきり甘えさせてあげてくださいね!
懐かしい息子のマザコン時代
私には現在16歳高校2年生の息子がいます。息子は赤ちゃんの頃こそパパが大好きでしたが、1歳半頃から私にべったり。第一次反抗期も感じられない程私に従順で、寝る時も私がいないと駄目。私の首に手、体に足を巻き付けて寝る程で、私は首が回らず手も挙げられなくなりました。
幼稚園の先生にもマザコンぶりを心配して相談しましたが「今にくそババアとか言うようになるから、今を楽しんだ方がいいですよ」とアドバイスを受けましたが半信半疑。優しい息子が私にそんな口をきくはずないと思い込んでいました。
ところが小学校高学年になる辺りから様子は少しずつ変化し、外出時に繋いでいた手もつながなくなり、中学になると部屋に籠ってろくに会話をせず、反抗がひどくて「くそババア」以上の罵声。壁に穴も開けていました。嬉しい反面、悲しみ大きかったのですが、息子を信じて見守り続けました。
今ではようやく反抗期を脱し、あのマザコン時代が信じられない程頼りになる男の子に成長しました。息子は本好きなのでたまに私が相談すると的確な答えを返してくれたり、困っているとアドバイスしてくれたりするほどです。男の子のマザコンは思春期に向けての蓄え。今のうちに思う存分可愛い息子さんを楽しんだ方がいいですよ。