ペープサートは作り方がとっても簡単!幼児の知育に役立つ教材
小さな子供に絵本の読み聞かせをしているパパやママも多いのですが、絵本から一歩進んで、ペープサートを取り入れてみませんか?
幼稚園や保育園などの保母さん達がお楽しみ会などで取り入れていて、子供が入園すると大人でも目にする機会が多いペープサート。簡単に自宅でも作ることができますし、子供へ知識を授ける教材として使うこともできるのです。
今回はペープサートのメリットや基本的な作り方、遊び方のヒントなどについて、詳しく解説していきます。親子で一緒に作って、歌やお話を楽しみましょう。
幼児が喜ぶペープサートとは?保育園や幼稚園で大活躍の紙人形劇
「ペープサート」とは、棒をつけた紙製のキャラクターを手で動かしてお話や歌で物語を進めていく、人形劇の一種です。英語の「paper puppet theater(ペーパー・パペット・シアター)」からできた和製英語で、第一人者である永柴孝堂氏(1908-1984)が、保育に取り入れる際に紙芝居と区別させるためにこの呼び名をつけたといわれています。
日本では古くから紙芝居が子供の人気を集めてきましたが、ペープサートは戦後に紙芝居を立体的にして、進化させたもの。歌を取り入れたり、キャラクターや背景を演じ手が面白おかしく動かしたりすることで、よりリアルな読み聞かせができると、現在も幼稚園や保育園などの幼児教育の場で活用されています。
ペープサートが幼児の遊びにもたらす5つのよい影響
ペープサートを「幼稚園や保育園などのレクリエーション」と、子供の楽しませるための演出の一つとして漠然と捉えているパパやママも多いかもしれません。
ですが実はペープサートが幼児の知能や発達に及ぼす影響は大きく、次のような5つのメリットが期待できると言われているのです。
1幼児の発想力や表現力を育む
声やキャラクターの動きをつけることができるペープサートには、絵を見るだけでは味わえない劇場型の臨場感があります。字が書いてあるわけではないので、お話の進行は自由自在。筋書きを子供が予想して楽しむという面白さが、子供の発想力を育てます。
演じ手が子供の反応や希望を取り入れて物語を進めていけるのも、魅力の一つ。子供が自分で声をだして参加できるので、言葉の発達を促がし、表現力を身につけるのにも役立ちます。
2幼児の考える力や知力を伸ばす
ペープサートは絵やイラストを使うので、小さな幼児には言葉だけで伝えるよりも理解しやすいという特徴があります。簡単に子供の知識を豊かにすることができますし、クイズや謎かけに活用すれば知育にも応用ができます。
子供がペープサートに引き込まれる理由には、演じ手が棒をくるくると回して表裏を入れ替え、キャラクターの表情や行動の変化を楽しむことができることが挙げられます。
こういった意外性は子供が喜ぶポイントの一つ。「これは何かな?」「次はどんな風に変わるのかな?」とドキドキしながら見ることで、推理力や直感力も身につきます。
3絵本やお話に興味がない幼児も集中力を養える
幼児期の子供は、動くものに興味を惹きつけられるという特徴があります。絵本では飽きてしまって続かないという子も、キャラクターが目の前で動くペープサートなら、集中力が途切れずに最後まで楽しめるでしょう。
これはアニメや漫画にも共通することですが、ペープサートはお話を通して伝えたいことや言葉、生活習慣などのメッセージをダイレクトに伝えることができる教材ですので、幼児への学習への良い影響力があります。
4子供の年齢や発達に合わせやすい
子供の発達は個人差が大きく、同じ絵本を読み聞かせても理解できる子と楽しめない子が出てしまいます。こういったとき絵本を使った読み聞かせでは応用が利きにくいのですが、ペープサートを使えば子供との会話を挟んだり、簡単な言葉に置き換えたりしても話の流れを損なわないので、子供の成長や発達のレベルに合わせるのもスムーズ。
難しい内容のお話でも、子供の好む可愛いキャラクターに置き換えて分かりやすくメッセージを伝えることができるので、幅広い年齢の子供を楽しませながら学ばせることができます。
5幼児がアイデアを出し、自分自身で手作りできる
ペープサートの作り方は簡単なので、鉛筆やハサミが使えるようになった幼児期から、子供自身がアイデアを出して工作することができるのも魅力です。
工作は手指を器用に動かす訓練になりますし、「どんなお話にしようかな?」とか、「どんなお顔やポーズにしようかな?」と考えながら作ることで、想像力や考える力をより高めることができます。
自分が書いたイラストがリアルに動くのは子供にとって大きな感動ですし、周りに褒められることで自己肯定感を高めるチャンスにもなります。
ペープサート作りに必要な道具や材料|アイスの棒は100均で買える
- 画用紙
- アイスの棒(割りばしでも良い)
- 色紙
- 両面テープ
- ノリ
- サインペン
- 色鉛筆
- ハサミ
ペープサートの持ち手の部分は割りばしでも良いのですが、子供でも持ちやすく危険がないように、割り箸を使う場合は長さを短くして作ってください。
おすすめはアイスの棒。厚みがあって画用紙を貼り付けるのも簡単です。
複数のペープサートを作る場合は用意するのが大変ですので、100均で購入できる50本入りで100円(税抜き)のアイスの棒(木製スティック)などを利用するとよいでしょう。
余ったアイスの棒はつくねやバナナアイス作り、子供のお人形遊びのテーブルや椅子などが作れるアイス棒工作に使うこともできます。
幼児だって自分で作れる!とっても簡単なペープサートの作り方
どんなお話を作るかを決めたら、ペープサートを作っていきましょう。幼児向けなら小さな子供もでも歌える童謡や、人気の絵本などをモチーフにするのがおすすめです。
今回は童謡「いぬのおまわりさん」のキャラクターで作ってみます。
- まずは画用紙に作りたいキャラクターの絵を描きます。登場するキャラクターは、表面と裏面で表情や様子が変わるように作りましょう。
- 色紙を切って二つ折りにし、アイスの棒を挟んで両面テープで貼り合わせてペープサートの土台を作ります。アイスの棒を下の方に付けると動かす時にクタッと倒れてしまいますので、写真のように上の方までつけてください。
- イラストの周りを切り、ノリで色紙に貼り合わせます。裏面のイラストも同じ要領で貼り付けますが、日に透かしながら表裏でイラストができるだけ重なるように調整して貼り付けましょう。
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表裏を透かしながら、色紙の余白を切り落とせば完成です。
面倒であれば余白は切り取らなくても良いのですが、切り取ってしまった方が画一的にならず、キャラクターらしくなって見栄えがします。
完成したペープサートは手に持って上下・左右に揺らしてみたり、トコトコと歩かせたり、スーッと滑るように動かすことで、言葉とは違った臨場感が演出できます。「迷子の、迷子の、子ネコちゃん~」と子供と一緒に歌ったり、お話を読み聞かせたりして遊びましょう。
応用編:動かせるパーツのついたペープサートの作り方
ペープサートの一部に動かせるパーツをつけておくと、より意外性がでて見ている子供達を「あっ」と驚かせることができます。今回はネコの右手を動かすことができる、動かせるパーツがついたペープサートの作り方をご紹介しましょう。
- 右手のパーツを別に作り、厚紙を貼って切り抜きます。
- ビーズに縫い糸を結び付けて、針で穴をあけて手と体のパーツを結びます。余った糸は、体のパーツの裏面にセロハンテープで止めておきましょう。
- そのままイラストをペープサートに貼って余白を切り取れば、場面によって動くパーツができあがりです。
一風変わったペープサートの作り方アイデア
ペープサートはキャラクターを動かしたりひっくり返して表情や場面を変えたりすることで、テンポよくお話や歌を進めていくことができるので、そのままでも幼児が喜び知育になるのですが、もう一工夫することで一風変わったペープサートにすることができます。
表と裏でシルエットクイズができるペープサート
裏と表でイラストを瞬時に変えることができるペープサートは、クイズ遊びにも使えます。
例えば、シルエットクイズ。
この影は、クマかな?ねずみかな?ひっくり返すと、カエルさん!
クイズは子供が楽しみながら、考える力を養うことができるおすすめの幼児遊びです。
物語や歌の合間にこんなクイズを挟むと子供は大喜びですし、集中力もとぎれません。
シルエットクイズをモチーフにした「これなあに?」や「くらいくらい」、「やさいのおなか」などの絵本も参考にして、オリジナルなペープサートを作ってみましょう。
イメージが掴みやすく数字や文字に親しみやすいペープサート
数字や文字に親しむための知育玩具になるペープサートを作るのも良い方法です。
例えば数の勉強。表には大きく数字を書いたペープサート。裏には「いっぽんでも、にんじん」の数え歌をモチーフにしたイラストを描いておきます。
「一本でも、ニンジン。二足でも、サンダル。」と歌いながらペープサートを出して、ひっくり返してイラストを見せていけば、幼児でも楽しく数字を覚えることができるでしょう。
こういった学習教材になるペープサートなら、足し算や引き算、九九なども楽しく学べるので、勉強に苦手意識をもってしまった小学生の自宅学習にも重宝します。
ペープサートの舞台を作れば、ストーリーの幅が広げられる!
ペープサートが1本か2本だったら良いのですが、本数が多いと手に持ちきれませんし、差し替えが大変になってしまいます。そんな場合はペープサートを挿して立たせておける舞台を作っておくと便利。
背景や出待ちのペープサートも飾っておくこともできるので、ストーリーの幅が広がります。遊んだ後は挿しこんで、お片付けにも使えます。
ペープサートの舞台の材料
- プラスチック容器
- カッター
- 折り紙
- 色紙
- セロハンテープ
プラスチック容器は生鮮食品などが入っている浅いものだと、ペープサートを立てることができません。カップ焼きそば等、ペープサートの持ち手部分よりも深さがあるプラスチック容器を使用してください。
ペープサートの舞台の作り方
- プラスチック容器の底に、カッターで5~10個程度の小さな穴を開けます。カッターは幼児には危険ですので、この作業はパパかママが行いましょう。
- ひっくり返して、プラスチック容器の側面に色紙などをテープで貼って飾ります。
- 色紙の部分に草の絵などを挟み込むと、場面にあわせた背景も作ることができます。
開けた穴の部分にペープサートを差しておけば、手に持つ必要はありません。容器が深い場合は、中にクシャクシャに丸めた新聞紙などを入れて、高さを調整してください。
手作りしたペープサートで遊んでみよう!遊び方の事例
それでは作ったペープサートの簡単なストーリーの作り方の事例として、動かし方や上手に演じるコツをご紹介していきましょう。
「えーん、えーん!」(上下や左右に大きく動かす)
おやおや、子ネコちゃんが泣いています。どうしたのかな?
「ピーポー、ピーポー・・・」(子ネコの周りをグルグルと回るようにパトカーを動かす)
そこにパトカーがやってきました。
「やあ、子ネコちゃん!どうして泣いているの?」(トコトコと歩かせて、おまわりさんを子ネコに近付ける)
イヌのおまわりさんが、子ネコを助けに来てくれました。
「お家がわからなくなったよう、ママにあいたいよう!えーん、えーん!」(子ネコは大きく上下に動かす)
「それは困ったね。そんなに泣かないで、僕も悲しくなってしまうよ。わーん、わーん!」(話しかけるときは左右に揺らしながら、ひっくり返して、泣くときは大きく上下に動かす)
「そうだ、子ネコちゃんのお家とママを探しに行こう。」(ひっくり返したおまわりさんと子ネコを、一緒にトコトコと動かして、歩く場面を演出する)
「茶色い屋根のお家があったよ。子ネコちゃんの毛皮の色に似ているね。トン・トン・トン!子ネコちゃんのお家を知っていますか?」(手の動作も加えて、見ている子供達にも「トン・トン・トン!と手ぶりを誘う)
「まあ、おまわりさん。ここはスズメのおうちですよ。子ネコちゃんのお家は知りません。」(家をひっくり返してスズメを出し、左右に大きく振る)
「えーん、えーん!」(子ネコを上下に動かす)
「わーん、わーん!」(イヌを上下に動かす)
「ありがとうスズメさん、さあ、子ネコちゃん、君のお家を探しに行こう」(ひっくり返して、子ネコと一緒にトコトコと歩かせる)
「赤色の屋根のお家があったよ。子ネコちゃんの洋服の色に似ているね。トン・トン・トン!子ネコちゃんのお家を知っていますか?」(手の動作も加えて、見ている子供達にも「トン・トン・トン!」と手ぶりを誘う)
「まあ、おまわりさん。ここはカラスのおうちですよ。子ネコちゃんのお家は知りません。」(家をひっくり返してカラスを出し、左右に大きく振る)
「えーん、えーん!」(子ネコを上下に動かす)
「わーん、わーん!」(イヌを上下に動かす)
「困ったなあ、子ネコちゃんのお家が見つからない」(イヌも子ネコも左右に動かして、近づけたり遠ざけたりする)
「おやおや、向こうにもお家がありますよ」(ヒヨコをトコトコと動かして近付け、話しかけるときは上下に動かす)
「ありがとうヒヨコさん、さあ、子ネコちゃん、君のお家を探しに行こう」(ひっくり返して、子ネコと一緒にトコトコと歩かせる)
「赤色の屋根のお家があったよ。ここに子ネコちゃんのママはいるかな?トン・トン・トン!子ネコちゃんのお家を知っていますか?」(手の動作も加えて、見ている子供達にも「トン・トン・トン!と手ぶりを誘う)
「まあ、おまわりさん。まあ、心配していたのよ、子ネコちゃん。」(家をひっくり返してネコのママを出し、左右に大きく振る)
「あ、ママだー!」(子ネコを上下に動かす)
「わーい、よかったね!」(イヌを上下に動かす)
「お家とママが見つかってよかったね。子ネコちゃん、もう迷子になっちゃダメだぞ」(イヌもパトカーも左右に動かす)
「ありがとう、おまわりさん。バイバーイ!」(子ネコの手を振る)
はい、おしまい。
話すときや歌う時には、必ずペープサートを手で持って動かしてください。これがペープサートを上手に演じるコツです。
見ている子供に話しかけたり、手ぶりや声掛けで参加させたりするとより盛り上がりますので、いろいろなストーリーを作って、子供と楽しく遊びましょう。
ペープサートは大人の目の届くところで使わせて!使い方や保管への注意
ペープサートは子供が手作りして楽しく遊べるおもちゃですが、細い棒を使っているという面では使い方に注意が必要です。ペープサートは座って遊ぶこと、手で持って走り回らないよう、事前に子供に教えておきましょう。
兄弟やお友達何人かと一緒になって遊んでいると、興奮して棒の部分でつつき合うこともあるので、幼児の場合はパパやママが身近で見守ってあげてください。
紙製のペープサートは端が折れやすいので、舞台に立てるか平らに重ねて置ける保管場所を作っておくと、繰り返し遊べます。
舞台にしたインスタント食品のパッケージは、裏返せばそのままペープサートを保管する入れ物になりますので、遊ぶだけでなくお片付けの習慣も養いましょう。
子供のお片づけは幼児期から楽しく教えて習慣化させることが大切です。