ペープサートの作り方:0歳児から楽しめる簡単な手作り保育教材と歌の演じ方
小さなお子さまに絵本の読み聞かせをされている保護者の方も多いと思いますが、絵本から一歩進んで、ペープサートを取り入れてみませんか。
幼稚園や保育園などのお楽しみ会などで用いられ、お子さまが入園すると目にする機会が増えるペープサートは、ご自宅でも簡単に作ることができます。お子さまへ知識を授ける知育教材としても活用できるのです。
今回は、ペープサートのメリットや基本的な作り方、遊び方のヒントなどについて詳しく解説していきます。年齢に合わせた演じ方や、歌に合わせて動かすコツもあわせてご紹介しますので、親子で一緒にペープサートを作って楽しんでみましょう。
幼児が夢中になるペープサートとは?保育や教育の場で活用される紙人形劇
「ペープサート」とは、棒をつけた紙製のキャラクターを動かし、お話や歌に合わせて物語を進めていく人形劇の一種です。この名称は、英語の「paper puppet theater(ペーパー・パペット・シアター)」から生まれた和製英語とされています。
ペープサートの第一人者である永柴孝堂氏(1908-1984)が、保育の現場で紙芝居と区別して取り入れる際に、この呼び名をつけたと伝えられています。
戦後に紙芝居を立体的に進化させたペープサートは、歌を取り入れたり、演じ手がキャラクターや背景を面白く動かしたりすることで、より臨場感のある読み聞かせができます。現在も幼稚園や保育園などの幼児教育の現場で広く活用されている教材です。
紙芝居やパネルシアターとの違いを知ると、使いどころが見えてきます
「紙芝居があるのに、わざわざペープサートを作る必要があるの?」と思われるかもしれません。それぞれ得意なことが違うので、伝えたい内容によって選び分けると、どちらも生きてきます。
| 教材 | 得意なこと | 準備の手間 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ペープサート | キャラクターを自由に動かす。表裏で場面転換 | 1体ずつ作る。少数から始められる | 歌に合わせる、掛け合いのあるお話 |
| 紙芝居 | 決まった物語を順序どおりに伝える | 市販品をそのまま使える | じっくり聞かせたい昔話や絵本 |
| パネルシアター | 複数を貼って残す。並べて比べる | 専用の布と板が必要 | 数の増減、貼り絵のような展開 |
ペープサートの一番の強みは、演じながら順番を変えられることです。お子さまが「もう1回、ネコさん!」と言えば、その場で登場させ直せます。この融通のきく点が、家庭でも保育の場でも長く使われ続けている理由です。
ペープサートが人気を保ち続けている理由
手作り教材にはさまざまなものがありますが、ペープサートは今も定番として支持されています。理由は大きく3つあります。
- 材料が身近で、失敗してもやり直しがきくこと。画用紙1枚から始められます
- 作る側の絵の腕前に左右されにくいこと。輪郭がはっきりしていれば、幼児にはちゃんと「イヌさん」に見えます
- 一度作れば繰り返し使えること。季節や行事ごとに数体ずつ足していけば、いつの間にか手持ちのレパートリーが増えていきます
「絵が下手だから」と尻込みされる方は多いのですが、幼児が見ているのは絵の巧拙ではなく、動きと声です。丸に点を2つ描いただけの顔でも、上下に揺らしながら「えーん」と言えば、しっかり泣いているように見えます。まずは1体、いちばん描きやすいキャラクターから始めてみてください。
ペープサートが幼児の成長にもたらす5つの教育的な利点
ペープサートを「幼稚園や保育園でのレクリエーション」と、お子さまを楽しませるための演出の一つとして捉えている方も多いかもしれません。
しかし実際には、ペープサートはお子さまの知的な成長や表現力の発達に大きな利点をもたらすことが期待されています。具体的に、次の5つのメリットが挙げられます。
1発想力や表現力を育むことができる
声とキャラクターの動きを伴うペープサートは、絵を見るだけでは得られない劇場型の臨場感を生み出します。台本にとらわれずにお話を進められるため、筋書きを予想する楽しさがお子さまの発想力を育てます。
演じ手がお子さまの反応や希望を取り入れながら物語を進められるのも魅力の一つです。お子さまが自ら声を出して参加することで、言葉の発達が促され、表現力を身につける助けにもなります。
2考える力や知識の理解を深める
ペープサートは絵やイラストを使うため、小さなお子さまにも言葉だけで伝えるよりも内容を理解しやすいという特徴があります。遊びを通して自然に知識を豊かにすることができ、クイズや謎かけに活用すれば知育にも応用が可能です。
ペープサートがお子さまを惹きつける理由の一つに、棒を回して表裏を入れ替え、キャラクターの表情や状況の変化を楽しむことができる点が挙げられます。
このような意外性はお子さまが喜ぶポイントです。「これは何かな?」「次にどう変わるのかな?」とワクワクしながら見ることで、推理力や直感力を育むことにつながります。
3動くものへの興味で集中力を養える
幼児期のお子さまは、動くものに興味を惹きつけられやすいという特性があります。絵本では途中で飽きてしまうお子さまでも、キャラクターが目の前で動くペープサートなら、集中力を途切れさせずに最後まで楽しむことができるでしょう。
ペープサートは、お話を通して伝えたいメッセージや、生活習慣などの学習内容を直接的に伝えることができる教材です。動的な要素がお子さまの関心を引きつけ、学習への良い影響が期待されます。
4お子さまの成長や発達のレベルに合わせやすい
お子さまの成長には個人差があり、同じ絵本を読み聞かせても理解度に差が出ることがあります。絵本だけの読み聞かせでは応用が利きにくい場合もありますが、ペープサートならお子さまとの会話を挟んだり、簡単な言葉に置き換えたりしても話の流れを損ないません。
そのため、お子さまの成長や発達のレベルに合わせた柔軟な対応がスムーズに行えます。難しい内容のお話でも、親しみやすい可愛いキャラクターに置き換えて分かりやすくメッセージを伝えることができるため、幅広い年齢のお子さまを楽しませながら学ばせることが可能です。
5自分自身で手作りすることで創造性を育める
ペープサートの作り方はシンプルなので、鉛筆やハサミが使えるようになった幼児期から、お子さま自身がアイデアを出して工作できるのも大きな魅力です。
工作は手指を器用に動かす訓練になりますし、「どんなお話にしようかな?」「どんな顔やポーズにしようかな?」と考えながら作ることで、想像力や考える力をより高めることができます。
自分で描いたイラストが実際に動くことはお子さまにとって大きな感動体験であり、周りの人に褒められることで自己肯定感を育む機会にもつながります。
ペープサート作りに必要な道具と材料|アイスの棒は100円ショップでも購入可能
- 画用紙
- アイスの棒(割りばしでも代用可能)
- 色紙
- 両面テープ
- ノリ
- サインペン
- 色鉛筆
- ハサミ
ペープサートの持ち手には割りばしを使うこともできますが、お子さまの小さな手でも握りやすいように、割りばしを使う場合は長さを短くして調整してください。
特におすすめなのはアイスの棒です。適度な厚みがあり、画用紙を貼り付ける作業も簡単です。
複数のペープサートを作る場合は、100円ショップで販売されている50本入りなどのアイスの棒(木製スティック)を利用すると便利でお得です。
余ったアイスの棒は、竹串やバナナアイスの持ち手として使ったり、お子さまのお人形遊びのテーブルや椅子などを作る工作の材料としても活用できます。
持ち手の長さと太さで、動かしやすさが変わります
意外と見落とされがちなのが、持ち手の寸法です。作ってから「うまく動かせない」と感じる原因の多くは、ここにあります。
| 持ち手 | 長さの目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| アイスの棒 | 約11cm | 平らで貼りやすい。片手で数本まとめて持てる |
| 割りばし(短く調整) | 10cm前後 | 丸みがあり、くるりと回しやすい |
| ストロー | 12〜15cm | 軽くて扱いやすいが、大きな絵だと倒れやすい |
表裏をくるりと返して見せる演出を多用したいなら、指の腹で回しやすい丸い棒が向いています。逆に、複数のキャラクターを片手にまとめて持ちたい場合は、平らなアイスの棒のほうが束ねやすく、必要なものだけを親指で押し出せます。
保育教材としてまとめて作るときの、下準備と時短のコツ
クラスの人数分や、一つのお話に登場する何体ものキャラクターをまとめて作るとなると、1体ずつ描いていては大変です。手を抜かずに時間だけ縮める工夫を挙げます。
- 先に土台だけを量産する。色紙を二つ折りにして棒を挟んだ状態のものを、必要数まとめて作っておきます
- 輪郭を型紙にする。1体目の絵ができたら厚紙に写して型紙を作り、2体目以降はなぞって切ります
- 表裏を同時に描く。画用紙を二つ折りにして重ねたまま切ると、表裏がぴったり同じ大きさになります
- 色は面で塗らずに輪郭を太く。遠くから見せる教材ほど、細かい塗り分けより輪郭のはっきりさが効きます
型紙を1枚残しておくと、翌年や別のお話でも同じキャラクターを作り足せます。封筒に入れてお話ごとにまとめておくと、次に使うときの支度がぐっと楽になります。
幼児でも自分で作れる!基本的なペープサートの作り方
どのようなお話を作るか決めたら、さっそくペープサート作りを始めましょう。幼児向けであれば、小さな子でも歌いやすい童謡や人気の絵本などをモチーフにするのがおすすめです。
ここでは童謡「いぬのおまわりさん」のキャラクターで作成する手順をご紹介します。
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まず、画用紙に作りたいキャラクターの絵を描きます。裏面と表面で表情や様子が変わるように描くと、劇がより面白くなります。 -
色紙をキャラクターの形に合わせて切り、二つ折りにします。二つ折りにした色紙の間にアイスの棒を挟み、両面テープで貼り合わせてペープサートの土台を作ります。棒を下の方に付けるとキャラクターが倒れやすくなるため、写真のように上の方までしっかりと付けてください。 -
描いたイラストの周りを切り取り、ノリで色紙の土台に貼り合わせます。裏面のイラストも同様に貼り付けますが、光に透かしながら、表裏のイラストができるだけ重なるように位置を調整して貼りましょう。 -
裏面のイラストも貼ったら、表裏を透かしながら色紙の余白部分を切り落とせば完成です。
余白を切り取らなくても遊べますが、切り取った方がキャラクターの形が際立ち、見栄えが良くなります。
完成したペープサートは、手に持って上下・左右に揺らしたり、トコトコと歩かせたり、スーッと滑るように動かしたりすることで、言葉だけでは伝えられない臨場感を演出できます。「迷子の、迷子の、子ネコちゃん~」とお子さまと一緒に歌ったり、お話を読み聞かせたりして遊びましょう。
年齢別に見る、お子さまに任せられる工程
「一緒に作る」といっても、全部の工程を任せるのは年齢によって難しさが違います。どこを任せ、どこを引き受けるかをあらかじめ決めておくと、途中でつまずかずに完成まで進めます。
| 年齢の目安 | お子さまが担当できること | 大人が引き受けること |
|---|---|---|
| 2歳前後 | 好きな色を選ぶ、シールを貼る、なぐり描きを加える | 描く、切る、貼り合わせる |
| 3〜4歳 | 顔を描く、ノリで貼る、大まかに切る | 輪郭の切り出し、棒の取り付け |
| 5歳〜 | 表裏の絵を考えて描く、切る、貼る | 型紙づくり、細かい部分の仕上げ |
2歳前後のお子さまなら、大人が描いた輪郭の中に自由に色を塗ってもらうだけでも十分です。「ここ、まっかにする!」と塗りつぶされてしまっても、そのまま完成にしてしまいましょう。自分の手が入ったものは、遊ぶときの熱の入り方がまったく違います。
刃物を使う工程は、切り口をそろえて仕上がりをきれいにするためにも大人が担当し、お子さまには「どんな形にする?」と相談役をお願いすると、待つ時間も参加している気持ちで過ごせます。
表裏の絵は「変化がひと目でわかる」ように描き分けます
裏返したときに「変わった!」と伝わるかどうかで、盛り上がりが大きく変わります。効きやすい描き分けは次のとおりです。
- 口の形を変える。笑顔と泣き顔は、口の弧の向きを逆にするだけで伝わります
- 目を変える。丸い目と、閉じた線の目。この2つでほとんどの感情が表せます
- 体の向きを変える。右向きと左向きにすると、行きと帰りの場面が作れます
- 背景の色を変える。同じキャラクターでも、裏を夜空にすれば時間の経過が表現できます
細かい表情の描き込みは、離れた場所から見ると意外と伝わりません。「遠くから見ても違いがわかるか」を基準に、思い切って大きく変えるのがコツです。
応用編:動かせるパーツをつけたペープサートの作り方
ペープサートの一部に動かせるパーツをつけておくと、意外性が生まれて、見ているお子さまを「あっ」と驚かせることができます。ここでは、ネコの右手を動かせるようにするペープサートの作り方をご紹介します。
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ネコの右手のパーツを別に作り、厚紙を貼って切り抜きます。 -
ビーズに縫い糸を結び付け、針で穴をあけて手と体のパーツを糸で結びます。余った糸は、体のパーツの裏面にセロハンテープでしっかりと止めておきましょう。 -
そのままイラストをペープサートの土台に貼って余白を切り取れば、場面によって動かせるパーツがついたペープサートの完成です。
動くパーツをうまく働かせる、3つの調整ポイント
作ってみると「動きが渋い」「勝手に垂れ下がる」といったことが起こります。原因はだいたい決まっていますので、次の3点を見直してみてください。
- 結び目がきつすぎる。糸を締めすぎると回りません。パーツを指ではじいてクルンと動く程度に緩めます
- パーツが重すぎる。厚紙を重ねすぎると自重で下がります。動かす部分は1枚の厚紙までに抑えます
- 支点の位置が端すぎる。付け根から少し内側に穴をあけると、動きの幅が自然になります
手を挙げる、しっぽを振る、口を開ける。この3つが作れれば、たいていの場面に対応できます。最初から全身を動かそうとせず、いちばん見せたい部分だけを可動にするほうが、演じるときも扱いやすくなります。
一風変わったペープサートの作り方アイデアと活用法
ペープサートは、キャラクターを動かしたりひっくり返して表情や場面を変えたりすることで、テンポよくお話や歌を進めることができる、それだけでも知育に役立つ教材です。もう一工夫することで、さらにユニークなペープサートにすることができます。
表と裏でシルエットクイズができるペープサート
裏と表のイラストを瞬時に変えられるペープサートは、クイズ遊びにも活用できます。
例えば、シルエットクイズです。「この影は、クマかな?それともネズミかな?」と尋ね、ひっくり返すと「カエルさん!」というように使えます。
クイズは、お子さまが楽しみながら考える力を養うことができる、おすすめの幼児遊びです。物語や歌の合間にこのようなクイズを挟むと、お子さまは大喜びし、集中力も維持しやすくなります。
シルエットクイズをモチーフにした「これなあに?」「くらいくらい」「やさいのおなか」などの絵本も参考にしながら、オリジナルのペープサートを作ってみましょう。
シルエットは、輪郭に特徴のあるものほど当てやすくなります。長い耳のウサギ、丸い体のブタ、しっぽの長いキツネなど、影だけで見分けられる形を選ぶと、初めてのお子さまでも当てる喜びを味わえます。逆に、なかなか当たらないと途中で興味が離れてしまうため、最初の2、3問はやさしいものから始めるのが進め方のコツです。
イメージが掴みやすく数字や文字に親しみやすいペープサート
数字や文字に親しむための知育玩具としてペープサートを作るのも良い方法です。
例えば、数の勉強です。表には大きく数字を書いたペープサートを用意し、裏には童謡「いっぽんでも、にんじん」の数え歌をモチーフにしたイラストを描いておきます。
「一本でも、ニンジン。二足でも、サンダル。」と歌いながらペープサートを出し、ひっくり返してイラストを見せていけば、幼児でも楽しく数字を覚えることができるでしょう。
このような学習教材になるペープサートは、足し算や引き算、九九なども楽しく学べるため、小学校入学後の家庭学習にも役立てることができます。
歌に合わせて動かすなら、繰り返しの多い曲を選びましょう
ペープサートと歌の相性は抜群ですが、どの曲でも同じように盛り上がるわけではありません。選ぶ基準は「繰り返しがあるか」「登場するものが目に見える形か」の2点です。
| 歌のタイプ | 向いている理由 | 用意する枚数の目安 |
|---|---|---|
| 数え歌 | 数が増えるたびに1枚ずつ出せる | 10枚前後 |
| 動物が次々出てくる歌 | 登場のたびに交代させられる | 4〜6枚 |
| 掛け合いのある歌 | 2体を向かい合わせて会話にできる | 2〜3枚 |
| 季節や行事の歌 | 背景を差し替えるだけで使い回せる | 3〜5枚 |
歌に合わせるときは、歌詞に出てくるタイミングちょうどでペープサートを出すのがポイントです。少し早めに構えておき、その言葉が出た瞬間にサッと持ち上げると、お子さまの視線が一斉に集まります。
また、同じ曲を何度も繰り返すことを恐れなくて大丈夫です。幼児は先の展開を知っているからこそ安心して参加できます。3回目くらいから、お子さまのほうが先に「つぎ、ネコさん!」と教えてくれるようになり、それが言葉のやりとりの練習にもなっていきます。
ペープサートの舞台を手作りし、ストーリーの幅を広げましょう!
ペープサートが1本や2本であれば手に持って演じられますが、本数が多いと持ちきれませんし、キャラクターの差し替えも大変になります。そんな場合は、ペープサートを挿して立たせておける舞台を作っておくと便利です。
舞台があれば、背景や出番待ちのペープサートも飾っておくことができるため、ストーリーの幅が広がります。遊び終わった後も舞台に挿しこんでおけるので、お片付けにも活用できます。
ペープサートの舞台の材料
- プラスチック容器
- カッター
- 折り紙
- 色紙
- セロハンテープ
プラスチック容器は、生鮮食品などが入っている浅いものだとペープサートを立てることができません。カップ焼きそばのように、ペープサートの持ち手部分よりも深さがあるプラスチック容器を使用してください。
ペープサートの舞台の作り方
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プラスチック容器の底に、カッターで5~10個程度の小さな穴を開けます。穴の大きさをそろえるときれいに立つので、この作業は大人が担当しましょう。 -
プラスチック容器をひっくり返し、側面に色紙などをテープで貼って飾ります。 -
色紙の部分に草などの絵を挟み込むことで、場面に合わせた背景も作ることができます。
開けた穴の部分にペープサートを差しておけば、手に持たずに演じられます。容器が深い場合は、中に丸めた新聞紙などを入れて、高さを調整してください。
穴の配置を工夫すると、演じる順番どおりに取り出せます
穴をランダムに開けてしまうと、いざ演じるときに探す手間が生まれます。おすすめは、手前と奥の2列に分けることです。
- 手前の列:今の場面に登場しているキャラクター
- 奥の列:これから出てくるキャラクターを、登場順に左から並べておく
この並べ方にしておけば、左から順に抜き出すだけでお話が進みます。演じることに集中できるようになり、視線が手元に落ちる時間が減るので、お子さまとの目の合う時間も自然と増えます。
背景を差し替えたい場合は、容器の奥側に切り込みを1本入れて、画用紙を差し込めるようにしておくと便利です。昼と夜、家の中と外など、2枚用意しておくだけでも場面の切り替えがぐんと分かりやすくなります。
手作りしたペープサートで遊んでみよう!具体的な遊び方の事例
それでは、作ったペープサートを使った簡単なストーリーの作り方と、上手に演じるコツをご紹介していきましょう。
「えーん、えーん!」(子ネコを上下や左右に大きく動かす)
おやおや、子ネコちゃんが泣いています。どうしたのかな?
「ピーポー、ピーポー・・・」(パトカーを子ネコの周りをグルグルと回るように動かす)
そこにパトカーがやってきました。
「やあ、子ネコちゃん!どうして泣いているの?」(おまわりさんをトコトコと歩かせて、子ネコに近付ける)
イヌのおまわりさんが、子ネコを助けに来てくれました。
「お家がわからなくなったよう、ママにあいたいよう!えーん、えーん!」(子ネコを大きく上下に動かす)
「それは困ったね。そんなに泣かないで、僕も悲しくなってしまうよ。わーん、わーん!」(話しかけるときは左右に揺らしながら、泣くときはペープサートをひっくり返し、大きく上下に動かす)
「そうだ、子ネコちゃんのお家とママを探しに行こう。」(ひっくり返したおまわりさんと子ネコを、一緒にトコトコと動かして、歩く場面を演出する)
「茶色い屋根のお家があったよ。子ネコちゃんの毛皮の色に似ているね。トン・トン・トン!子ネコちゃんのお家を知っていますか?」(手の動作も加えて、見ているお子さまにも「トン・トン・トン!」と手ぶりを促す)
「まあ、おまわりさん。ここはスズメのおうちですよ。子ネコちゃんのお家は知りません。」(家をひっくり返してスズメを出し、左右に大きく振る)
「えーん、えーん!」(子ネコを上下に動かす)
「わーん、わーん!」(イヌを上下に動かす)
「ありがとうスズメさん、さあ、子ネコちゃん、君のお家を探しに行こう」(ひっくり返して、子ネコと一緒にトコトコと歩かせる)
「赤色の屋根のお家があったよ。子ネコちゃんの洋服の色に似ているね。トン・トン・トン!子ネコちゃんのお家を知っていますか?」(手の動作も加えて、見ているお子さまにも「トン・トン・トン!」と手ぶりを促す)
「まあ、おまわりさん。ここはカラスのおうちですよ。子ネコちゃんのお家は知りません。」(家をひっくり返してカラスを出し、左右に大きく振る)
「えーん、えーん!」(子ネコを上下に動かす)
「わーん、わーん!」(イヌを上下に動かす)
「困ったなあ、子ネコちゃんのお家が見つからない」(イヌも子ネコも左右に動かして、近づけたり遠ざけたりする)
「おやおや、向こうにもお家がありますよ」(ヒヨコをトコトコと動かして近付け、話しかけるときは上下に動かす)
「ありがとうヒヨコさん、さあ、子ネコちゃん、君のお家を探しに行こう」(ひっくり返して、子ネコと一緒にトコトコと歩かせる)
「赤色の屋根のお家があったよ。ここに子ネコちゃんのママはいるかな?トン・トン・トン!子ネコちゃんのお家を知っていますか?」(手の動作も加えて、見ているお子さまにも「トン・トン・トン!」と手ぶりを促す)
「まあ、おまわりさん。まあ、心配していたのよ、子ネコちゃん。」(家をひっくり返してネコのママを出し、左右に大きく振る)
「あ、ママだー!」(子ネコを上下に動かす)
「わーい、よかったね!」(イヌを上下に動かす)
「お家とママが見つかってよかったね。子ネコちゃん、もう迷子になっちゃダメだぞ」(イヌもパトカーも左右に動かす)
「ありがとう、おまわりさん。バイバーイ!」(子ネコの手を振る)
はい、おしまい。
話すときや歌う時には、必ずペープサートを手に持って動かしてください。これがペープサートを上手に演じるための重要なコツです。
見ているお子さまに話しかけたり、手ぶりや声掛けで参加させたりすると、劇がより一層盛り上がります。いろいろなストーリーを作って、お子さまと楽しく遊んでみましょう。
0歳児に向けた、短くて動きの大きい演じ方
0歳のお子さまにはまだ早いと思われがちですが、ペープサートは月齢の低い時期からじゅうぶん楽しめます。ただし、物語を追うのではなく、動きと音を楽しむ遊びとして組み立て直すことが必要です。
- 1回は30秒から1分程度。同じ動きを何度も繰り返します
- 登場するのは1体か2体。次々に変わると、目で追いきれません
- 顔の大きさは、赤ちゃんの顔と同じくらいまで大きく。細かい絵より、はっきりした輪郭を優先します
- 「ゆらゆら」「ぴょーん」など、音の響きが楽しい言葉を添えます
東京都教育庁が示している0歳児から2歳児の発達過程の資料では、この時期に大人と一緒に触れ合って遊ぶことを喜び、指差しやしぐさで気持ちを伝えようとする姿が挙げられています。ペープサートを動かしながら「ワンワン、いたね」と声をかけると、赤ちゃんが指をさして応えてくれることがあります。物語を理解させることよりも、そのやりとり自体が目的だと考えると、気持ちが楽になります。
抱っこしたまま、赤ちゃんの目線の高さでゆっくり左右に動かすところから始めてみてください。視線がついてきたら、それだけで成功です。
2歳児に向けた、参加できるすき間を作る演じ方
2歳ごろになると、言葉が増え、大人のまねをしたがるようになります。この時期は「見せる」から「一緒にやる」へ切り替えると、ぐっと食いつきが良くなります。
おすすめは、お話の中に返事をする場所を作っておくことです。「トン・トン・トン!」の場面のように、お子さまが手を動かして参加できるすき間を1分に1回ほど挟みます。
- 「だれかな?」と問いかけて、答えを待つ間を3秒とる
- 「一緒に呼んでみよう、ネコさーん!」と声を合わせる
- 「バイバイしようね」と手を振る動作を促す
- お子さまにも1本持ってもらい、返事役をお願いする
答えが違っていても訂正せず、「そうかな、見てみようね」と受けてから裏返すと、外れたこと自体が楽しい出来事になります。この年齢では正解することより、声を出して関われたことのほうが記憶に残ります。
途中で立ち歩いてしまっても、そのまま続けて大丈夫です。離れた場所からちらちら見ていることは多く、気に入った場面になると戻ってきます。最後まで座らせることを目標にしないほうが、次も「やって」と持ってきてくれるようになります。
ペープサートで遊ぶ際の注意点と保管方法
ペープサートは、座って遊ぶと絵がよく見え、動かす手元も安定します。演じる前に「みんなでここに座って見ようね」と場所を決めておくと、お子さまも落ち着いて楽しめます。
兄弟やお友達と一緒に遊ぶときは、1人1本ずつ持てるように用意しておくと、取り合いにならずに済みます。同じキャラクターを2体作っておくと、掛け合いのやりとりも生まれやすくなります。
紙製のペープサートは端が折れやすいため、舞台に立てるか、平らに重ねて置ける保管場所を作っておくと、繰り返し長く遊べます。
舞台にしたプラスチック容器は、裏返せばそのままペープサートを保管する入れ物としても使えます。遊びだけでなく、お片付けの習慣も楽しく身につけさせてあげましょう。お子さまのお片付けは、幼児期から楽しく教えて習慣化させることが大切です。
繰り返し使うための補強と、傷みやすい場所の直し方
気に入ったペープサートほど、毎日のように持ち出されて傷んでいきます。よく壊れる場所は決まっているので、先回りして手を打っておくと寿命が延びます。
| 傷みやすい場所 | 起こること | 先回りの対処 |
|---|---|---|
| 棒の付け根 | ぐらついて外れる | 両面テープに加え、裏から幅広テープを1枚重ねる |
| 紙の外周 | 角から折れ、毛羽立つ | 透明テープを縁に沿って貼る、または全体をラミネートする |
| 細い部分(耳、しっぽ) | ちぎれる | 設計の段階で太めに描いておく |
| 表面の絵 | こすれて色が薄くなる | 油性ペンで輪郭を描いておく |
全体をラミネートすると格段に丈夫になりますが、ツヤが出て光を反射しやすくなるため、明るい部屋で見せるときは角度に気をつけてください。手軽に済ませたい場合は、外周に透明テープを貼るだけでもかなり持ちます。
それでも破れてしまったら、その場で直してしまいましょう。裏からテープを貼るだけで復活します。「壊れたら直せばいい」と分かると、お子さまも安心して思い切り遊べるようになります。
お話ごとにまとめておくと、次に使うときが楽になります
作りためたペープサートは、キャラクター単位ではなくお話単位でまとめておくのがおすすめです。透明の袋やクリアファイルに1話分をまとめ、表に「いぬのおまわりさん」「かずのうた」などと書いておきます。
この整理をしておくと、「今日はこれをやろう」と決めた瞬間に取り出せます。準備に手間がかかると、だんだん出番が減ってしまうものです。すぐ始められる状態にしておくことが、長く使い続けるいちばんの秘訣です。
お子さまと一緒に片づけるときは、「このお話のお友達は、こっちの袋に帰るんだよ」と伝えると、仕分けそのものが遊びになります。並べながら「これ、だれだっけ?」とやりとりするうちに、いつの間にか次のお話が始まっていることもあります。





