子育てで話題の「ご褒美シール」とは?効果的な使い方と活用事例をご紹介します
子育て中のご家庭で、お子さんのやる気を引き出したり、習慣化を促したりするのに役立つアイテムとして注目されているのが「ご褒美シール」です。ママやパパの中には、ご自身の子ども時代に、好きなキャラクターのシールを集めて嬉しくなった思い出がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このシール集めのモチベーションや達成感を子育てに応用したものが、現在さまざまな通販サイトや文具店で販売されているご褒美シールです。使い方はとても簡単で、お子さんが目標とする行動を頑張って達成した時や、褒めるべき行動をとった時に、台紙やノートの上にシールを貼っていくだけです。
ご褒美シールは、お子さんの自主性や自己肯定感を育みながら、お手伝いや学習、トイレトレーニングなどの難しい課題に取り組むためのきっかけを与えてくれます。実際に多くの先輩ママさん・パパさんがこの方法を実践し、子育ての悩みが解消したという体験談を寄せています。ぜひ、ご褒美シールの基本的な考え方や、先輩方の具体的な活用事例を読み進めて、ご自身の子育てに取り入れるヒントを見つけてください。
また、ご褒美シールがなぜ効果的なのかについては、行動心理学でいう「強化の原理(オペラント条件づけ)」に基づいて説明されることがあります。これは、ある行動の直後に良い結果(この場合はシールという報酬)を与えることで、その行動を繰り返す可能性が高まるという考え方です。ご褒美シールは、この原理を子育てに応用した非常に有効な手段といえるでしょう。
ご褒美シールはどんな時に使うのが効果的?子育てへの活用事例
ご褒美シールを取り入れることで、お子さんを叱る回数が減り、褒める回数が増えたという変化を体感したという声が多く聞かれます。褒める機会が増えることで、親子関係も良好になりやすいというメリットもありますね。では、先輩ママさん・パパさんたちは、具体的にどのような行動に対してご褒美シールを貼っているのでしょうか。効果的な使い方を知るために、代表的な活用シーンをご紹介します。
ご褒美シールは、お子さんが「苦手だと感じていること」「積極的に取り組んでほしいこと」を促す際に特に有効です。具体的な例としては、以下のような場面があります。
- トイレトレーニングを頑張ったとき:成功だけでなく、「トイレに行こうとした」というプロセスも褒めることが大切です。
- 自分でお着替えや歯磨きなど、身の回りのことが出来たとき:自立を促すためのステップとして使われます。
- ママやパパのお手伝いをしてくれたとき:役割意識や責任感を育むきっかけになります。
- 勉強や宿題、習い事の練習などを頑張ったとき:学習への意欲を高めます。
- おもちゃのお片付けを自分から進んでやったとき:生活習慣を身につけさせるのに役立ちます。
これらの事例からわかるように、ご褒美シールは、つい叱りたくなってしまうような、お子さんのスムーズな行動を促す際に大変効果的です。褒めることの重要性や、お子さんの自主性を引き出すことの大切さに気がつくきっかけにもなりますね。
ご褒美シールの効果を最大限に引き出すための裏技・使い方(コツ)
せっかくご褒美シールを子育てに取り入れるなら、その効果を最大限に発揮させたいですよね。なかなか上手くいかないトイレトレーニングや、お手伝いを嫌がるお子さんの行動変容を促すために、先輩ママさん・パパさんたちが実践している裏技や効果的な使い方のコツをご紹介します。
ご褒美シールのやり方で最も重要なのは、「お子さんのやる気と興味を引き出すこと」です。以下のポイントを参考に、ご家庭に合った使い方を試してみてください。
- ご褒美シールは子供に貼らせる:自分で貼るという行為が、達成感と自己効力感を高めます。
- シールの種類は子供の好きなキャラクターにする:アンパンマンやディズニーなど、興味のある絵柄を選ぶことで、シール自体が大きなご褒美になります。
- 飽きさせないために、シールの種類や台紙を定期的に変える:マンネリ化を防ぎ、常に新鮮な気持ちで取り組めるよう工夫しましょう。
- 目標とご褒美を明確にする:シールを〇枚集めたら、次のステップ(お菓子、おもちゃ、特別な体験など)に進めることを具体的に示します。
- すぐに褒める(強化の即時性):行動が完了したら、時間を置かずにその場ですぐにシールを渡すことが重要です。
その他の具体的な裏技やご褒美シールの使い方についても、これからご紹介する先輩ママさん・パパさんたちの体験談で詳しく見ていきましょう。ご褒美シールを子育てに導入するだけで、お子さんの自発的な行動が増え、子育ての楽しさがより一層増していくかもしれません。
シールをあげると進んで絵本を読むようになりました。
うちの子どもは、おもちゃで遊ぶことが大好きで、なかなか絵本を手にとってくれませんでした。そこで、ご褒美シールが良いと聞き、試してみることにしました。大好きなトーマスのシールを用意し、絵本を2冊読むごとにあげるというルールにしました。また、本棚の横に線路を書いた台紙を貼り付けて、シールを貼るように工夫しました。シールが5枚溜まったら、大好きなラムネを一つあげるという最終的なご褒美も設定しました。
すると、今までおもちゃでばかり遊んでいた子どもが、自分から絵本を持ってきて「読んで欲しい」と言い始めました。何冊か読んでいるうちに、気に入った同じ本を何回も読んだりするようになり、読書への興味が湧いてきたようです。今ではおもちゃだけでなく、絵本にも関心が向くようになり、絵本を読んだあとに、その絵を真似てお絵かきするようにもなりました。ご褒美シールは簡単で、無理強いすることなく、親が言わなくても子どもが自分でやるようになるため、とても良かったです。
なかなかすすまないトイレトレーニングに。
うちの子は男の子でしたので、大好きなトーマスシリーズのシールをご褒美用として使いました。トイレトレーニングの際、おむつがはずれるのが遅く、焦る気持ちからうまく教えてあげられないことに悩んでいました。
そこで、「おしっこが出る前に教えてくれたら」シールを貼ってあげるというルールにしました。まだ3歳でしたので、シールがたまったらおもちゃをあげる、などといった物質的なご褒美の約束はしませんでした。物で釣ることに抵抗があったためです。ご褒美シールのおかげで、おしっこサインが上手になったかどうかはすぐにはわかりませんが、シールで視覚化することで、お子さんの励みにもなり、親子で一緒に楽しみながら取り組むことができたと感じています。シールを選ぶ過程も楽しい思い出になりますよ!
シールで頑張れる
私がご褒美シールとして使っているのは、子供が大好きなミッキーとアンパンマンのシールです。小学生の息子が勉強をしているとき、全部自分の力でがんばって出来たときや、問題が全問正解の時などにシールをあげています。
子供はシールを自分で貼りたいので、一生懸命頑張ってシールをもらおうとします。もらったシールは自分のおもちゃなど私物に貼っています。「頑張ったからおもちゃを買ってあげる」ということはまだありませんが、子供はシールをもらえるだけでも頑張ってくれます。シールがあるのとないのでは、やはり子供のやる気が違います。シール一枚のことで兄弟や友達と、一緒に競う姿も見られるようになりました。シールをあげるなら、子供の好きなものをあげるのがおすすめです。
シールのためなら頑張れる!
ご褒美シールは、子供が好きなアンパンマンのシールを使っていました。私たち夫婦は共働きなので、保育園から帰宅するといつもバタバタと忙しい日々でした。洗濯物を取り込む、夕飯の支度、お風呂掃除など、忙しい時に子供に口調がきつくなってしまうことが悩みでした。そこで、「お風呂掃除のお手伝いをしてくれたらご褒美シールをあげる」という決まりを作りました。シールをカレンダーに貼り付け、それが1ヶ月たまったらお小遣いがもらえるという目標を設定しました。
このルールを設けてから、自分から「そろそろお風呂掃除するね」と、こちらが言わなくても進んでやってくれるようになりました。以前は「早くしなさい!」「まだなの?」というのが口癖になっていましたが、お手伝いしてもらうことによって、今までうるさく言いすぎていた自分を反省する良い機会にもなりました。ご褒美シールは、親子間のコミュニケーションを円滑にする効果もあると感じました。
我が家のお利口さんチェックシート
我が家の4歳の娘と一緒に「お利口さんチェックシート」を作成しました。娘が洗い物やお片づけなど、家のお手伝いをしてくれた際に、アンパンマンのご褒美シールをチェックシートに貼ることにしています。30枚シートにシールを貼ることができたら、好きなおもちゃをひとつ買ってあげるという具体的な約束をしています。
チェックシートを使い始めてから、今まで遊んだら遊びっぱなしだった娘が、自分から積極的にお片づけなどをしてくれるようになりました。おもちゃが欲しいというよりも、シールを貼るのが楽しいみたいで、それもまた見ていて微笑ましいところです。子どものお片づけなどの習慣をつけるために、このようなご褒美シールを活用するのは、有効な方法のひとつだと考えています。
お利口さんシール!!
我が家で使用しているシールは、市販で売られているものではなく、私が画用紙で貼り絵のように作った小さい缶バッチ程の画用紙をシール代わりに使用しています。まん丸く画用紙を切っているので、アンパンマンやドラえもんなど丸い形だと可愛いキャラクターの物を作って使用しています。
我が家では、それを「お利口さんシール」として利用しています。後片付けを自分から進んでできたり、家事のお手伝いをしてくれたりと、日常生活の中で自分から進んで頑張った時にはシールを貼るようにしています。
シールの数は1ヶ月の半分の15個を目標の数にしていて、1ヶ月の内に目標を達成したら子供の大好物な手料理を作ってあげたり、好きなお菓子を買ってあげたり、家族で外食に行ったりしています。お利口さんシールを使用するようになってからは、子供が積極的に動くだけでなく、私の小さなイライラも軽減されました。親の精神的な負担を減らす効果もあると感じています。
自分でお着替えするようになった!
我が家では子供が好きな、アンパンマンのシールを使っています。ほぼ毎日使うものですから、子供が喜ぶキャラクターを自分で選ばせました。ご褒美シールは、子供が一人で着替えができた時に貼っています。シールがある程度貯まったら、子供が好きなお菓子(普段食べているお菓子より少しお値段高めのもの)を買ったり、一緒にフードコートでソフトクリームを食べにいきます。
以前は、着替えを自分からしたがらなかったのですが、シールを始めてからは少しずつ自分でお着替えできるようになりました。子供が好きなキャラクターのシールなので、貼ると喜びますし、お着替えへの励みになっているようです。シール選びは是非ともお子さんのお好きなキャラクターのモノを選んであげて、やる気を引き出すことをオススメします。
途中でシールのタイプを変えたらまたやる気を出してくれました
私が使用していたご褒美シールは、娘が大好きなアンパンマンのキャラクターが書いてある商品です。娘が部屋のお片付けをなかなかしてくれなくて悩んでいたので、片付けが上手にできたら言葉で褒めるだけでなく、台紙にお気に入りのシールを貼らせてあげていました。娘はシールを貼ることでも、十分に満足していた様子だったので、シールがたまってからのご褒美は特に設定しませんでした。
始めた当初はシールを貼りたくて、急いで片付けては私に嬉しそうに報告に来てくれていました。しばらくすると、少し飽きたのか片付けを自分から進んでやらなくなった時期もありましたが、キラキラしたシールや大きいシールなど、娘が興味を持ちそうなモノに種類を追加すると、またやる気を出して片付けを始めました。今ではシールを貼らなくても、気がついたら片付けをしていることもあります。ご褒美シールは子どもが興味を持つキャラクターで用意すると効果的です。途中でシールのタイプを変えてあげたり、台紙を変えたりして変化があると長く続きやすいと思います。
ご褒美シールでおもちゃのお片付けができるように
私は幼稚園の娘にご褒美シールをあげています。子供部屋のドアにシールを張る台紙を張り付けているので、シールをあげたときに娘が自分でその台紙に張っています。ご褒美シールを思いついたのは、娘がなかなか自分でおもちゃの片づけをしてくれなかったからです。
おもちゃで遊び散らかした部屋を見て、この後片付けは私がやるのかと思うと、さすがに疲れてため息が出ました。そこで、ご褒美シールを使って、自分で片付けをさせる習慣をつけてもらおうと考えました。遊び終わったときに、床に散らかったオモチャを元の場所に片付けて、部屋をキレイにできたら1枚です。30枚たまったら、娘の大好きな知育菓子(300円程度)を一つ買ってあげることになっています。回数制限は設けてないので、しょっちゅう片付けてはシールをねだりに来ますが、おかげで部屋が散らからないので助かっています。娘自身も遊んだら片付けるということを習慣に出来ているので、始めて良かったと思っています。
大好きなキャラクターが増えると大喜びです
息子は大の機関車トーマス好きなので、ご褒美シールはもちろんトーマスです。以前はトイレトレーニングに使っていましたが、今は「何をしたら」とは設定していません。成長を感じた時に私が「エライ!ご褒美シールだ!」とシールを渡していて、妹に優しくした時やお外でご挨拶ができた時など、自発的な良い行為を褒めるために使っています。
ご褒美シールが貯まると、大好きなトーマスラムネをプレゼントしています。シールのために頑張る、というよりも、普段褒めた時にシールをあげていて、シールが視覚的なご褒美として機能しています。ただ、ご褒美シールは印象に残るようで、兄らしくしっかりしてきました。キャラクターが揃うのが嬉しいみたいで台紙を大事にしています。ご褒美シールは、お子さんの自己肯定感を高めるツールとしても有効だと考えています。
シール集めが趣味なわが子!
ご褒美シールはディズニーシリーズを使っています。トイレが1人で出来るようになったり、ご飯をきちんと食べてくれたらシールをあげています。シールを貰うのも、貼るのも息子は大好きなので、嬉しそうにシールを貼っています。
ご褒美シールが貯まると、うちの家ではお菓子を買ってあげることにしております。もちろん、このやり方が全てという訳ではなく、お子さんによっては合わないかもしれません。うちの子はお菓子が凄く好きなので、積極的にお手伝いをしてくれるようになりました。
ご褒美シールを使う前と使った後では、子供が大きく変わりました。お手伝いを笑顔でやってくれるのは、本当に見ているこっちも嬉しくなります。ご褒美シールの効果はかなりあったと感じています。ご褒美シールは、子どものやる気を引き出すための有効な手段として、是非使ってみてください。
カーズが好きです。
家で使っているご褒美シールは、カーズのシールです。3歳の息子が、カーズに出てくる車が大好きなので、迷わずに購入しました。そのシールは息子のトイレトレーニングの時に、主に使用しています。シールを貼る台紙は、トイレの壁に付けています。
ちゃんとお漏らししないで、おしっこやウンチをする前に私に教えてくれて、トイレで出来たらシールを貼ることにしています。30個のシールが台紙にたまったら、トミカを一台買ってあげるという最終的なご褒美を設定しています。車が大好きなのですごく頑張ってくれます。
シールを貼るのも楽しいみたいで、頑張ってトイレに行くようになってきました。これからご褒美シールをされる方は、子どもが好きなキャラクターのシールを用意することをおすすめします。最初はただの丸いシールでやりましたが、あまり食いつきが良くありませんでしたので、子どもの好きなシールに変えて大正解でした。
【注意点】ご褒美シールを使い続けると動かなくなる?長期的な効果を持続させるための工夫
ご褒美シールは、即効性があり、お子さんのやる気を引き出すのに大変有効な方法ですが、使い続けるうちに、お子さんが「シールやご褒美がないと動かない」という状態になる可能性も指摘されています。これは、行動の動機が「内発的動機づけ」(やりたいからやる)から「外発的動機づけ」(ご褒美が欲しいからやる)に移行してしまうためです。
このマンネリ化やご褒美がないとやらないという状態を避けるためには、ご褒美シールの使い方に工夫が必要です。以下のようなポイントを意識して取り組んでみましょう。
ご褒美シールを卒業し、内発的な動機づけにつなげるためのコツ
- ご褒美を徐々に変化させる:最初はシールやお菓子などの物質的なご褒美から始め、慣れてきたら「特別な体験」(一緒に公園に行く、大好きな絵本を読んであげるなど)や「言葉による賞賛」といった精神的なご褒美にシフトしていくのが理想的です。
- 目標をステップアップさせる:最初は簡単な目標(例:靴を揃える)にシールをあげていたのを、徐々に目標の難易度を上げたり、頻度を減らしたり(例:3回成功で1枚だったのを5回成功で1枚にする)して、シールの価値を高めましょう。
- 行動の理由を言語化する:「シールがもらえて良かったね」だけでなく、「自分で片付けたから、部屋が綺麗になって気持ちいいね」のように、行動がもたらした良い結果を具体的に褒め、お子さんに達成感と自己肯定感を感じてもらうことが重要です。
- ご褒美の主体を変える:永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画にもあるように、ママやパパからのご褒美だけでなく、おじいちゃんやおばあちゃん、あるいは保育園の先生など、第三者に認めてもらえる機会を設けることも、お子さんのモチベーション向上に効果的です。
ご褒美シールは、あくまでお子さんの行動を習慣化するための「きっかけ」であり、「ツール」です。ご褒美シールという手札を子育ての手段の一つとして知っておき、最終的には、シールやご褒美がなくても、お子さんが「やりたい」「やった方が気持ちいい」と感じられるような内発的な動機づけにつながるよう、工夫して活用していくことが大切です。