【離乳食の開始時期】早すぎ遅すぎの悪影響と7つの目安
「そろそろ離乳食の開始時期だってお姑さんに言われたけど、病院ではゆっくりと言われたし…どうしよう」「お友達が離乳食を始めたから早く始めなきゃ!」なんてお悩みのママさん!焦って始める必要はありませんよ。実はアレルギーと離乳食の関係が少しずつ明らかになっていることにより、昔と今では離乳食の開始時期も違ってきているのです。
こちらでは厚生労働省がおススメする離乳食開始時期7つの目安や、各専門家が発表した離乳食開始時期とアレルギーとの関係に関する学説などをご紹介します。これらの情報を元に、お子さんに合った離乳食開始時期を選びましょう!
離乳食は早く始めすぎるとアレルギーに!?
「えっ!早いとアレルギーになるの?」とお姑さんや中高生のお子さんがいる先輩ママは驚かれるでしょうが、赤ちゃんの成長に合わせずに早くから離乳食を始めてしまうと、アトピーやアレルギーを引き起こしてしまう可能性が高くなると、免疫学の権威である医学博士西原克成氏が著書の中で紹介しいています。「西原式」と言う言葉を聞いたことがあるママもいらっしゃるのではないでしょうか?
西原式ではアトピーやアレルギーを防ぐために、一歳までは母乳やミルクを与えて、一歳過ぎてから離乳食を始める方法を勧めています。西原式で離乳食を進めてアトピーやアレルギーにならずに済んだという方も多いそうです。
離乳食開始時期が遅れるとアトピーや喘息に!?
離乳食を早く開始することでアレルギーになることが心配されていますが、その一方で、あまりにも開始が遅いと2歳になった時にアトピーや喘息になっている可能性が高まるという論文も学会で発表されています。米国小児科学会でも離乳食開始の遅れによる問題点が指摘されていますし、国立成育医療研究センターの大矢医長によると、離乳食開始時期を遅らせることは食物アレルギーの予防にならないのだそうです。
権威ある研究者が異なる発表をしている現状で、的確な離乳食開始時期を選ぶのは非常に難しいことですね。離乳食は早すぎず、遅すぎず、赤ちゃんの様子を見て適切な時期に開始することが大切でしょう。
離乳食開始と完了の時期が遅くなってきている!
厚生労働省が行ったアンケートの結果によると、生後4ヶ月で離乳食を開始したママは、平成7年には25.0%でしたが、平成17年には10.9%と約半数に減少し、逆に、生後6ヶ月で離乳食を開始したママは、平成7年には18.4%であったのに、平成17年には28.6%に増加していました。
つまり、ママ達が選ぶ離乳食開始時期は年々遅くなってきているのです!最近では生後6ヵ月から始めるママさんが非常に多くなりました!その理由として、開始時期は5ヵ月の頃は「赤ちゃんが食べ物に興味がない」「まだちゃんとお座りできない」という意見が多くみられます。
また、離乳食完了時期も、平成7年は生後12か月が60.8%でしたが、平成17年には47.9%と減少し、逆に生後16~18ヶ月が6%から15.5%と倍以上に増え、今は1歳半頃に完了を目指すというママが増える傾向にありあります。
離乳食の開始時期に関する厚生労働省ガイドライン
厚生労働省は2005年に「乳幼児栄養調査」を行い、その結果を元に、2007年3月に離乳食についてのガイドラインを改めました。先輩ママや実母、お姑さんの時代と比べ、一体どこが変わったのでしょう?
離乳食の準備が不要になりました
変更前は生後2~3ヵ月頃から果汁やスープをあげる離乳準備を行うことにより、スプーンや母乳以外の味になれさせるという指導がされていましたが、変更後は、離乳準備は不要となりました。
離乳食の開始時期/完了時期が変更
離乳食の開始時期に関しては、以前よりも離乳食の開始時期が遅くなって、適当とされる開始時期が5、6ヵ月となりました!
また、完了時期も変更前は12~15ヵ月でしたが、変更後は12~18ヵ月と完了の期間の幅が長くなっています。
調査の結果6ヵ月から開始しているママが増加し、完了時期も16~18ヵ月が増加傾向にあったことで見直されたと言われていますが、早期の離乳食開始に対するアトピーへの懸念を考慮したという声も聞かれます。
時期の区分がなくなりました
これまで離乳食を進める目安として「初期・中期・後期・完了期」と表されていた区分が、ガイドライン変更後はなくなりました。成長には個人差があるため、区分では分けられないと判断されたためです。
厚生労働相のガイドラインとしてはなくなりましたが、育児書やネット上ではまだまだ使われている区分ですね。あくまで目安と捉え、赤ちゃんの成長に合せて離乳食を進めるようにしましょう。
離乳食開始時期の摂取量が「グラム」から「さじ」へ
離乳食開始の摂取量は、従来の何gではなく、「1さじから少しずつ与え、離乳食の進み具合や成長をみながら徐々に増やしていきましょう」という方向性に変わりました。徐々に増やすというのもちょっと分かりづらいので、 離乳食開始時の目安量を確認しておきましょう。
欧米の離乳食開始時期は?whoのガイドライン
Whoとは「世界保健機構」のことです。ここでも離乳食開始時期についてガイドラインに定められています。欧米では開始時期を「生後6ヵ月以降に始めましょう」と指導しています。
離乳食開始時期は、国内でも欧米でも、生後6ヶ月をおススメしています!小児科医の指導でも生後6ヶ月とすることが多いようです
離乳食の開始時期7つの目安
生後6ヶ月がおススメとはいえ、赤ちゃんには個人差があります!赤ちゃんの様子を見ずに時期だけでスタートしてしまうことで、中々離乳食が進まないこともありますので、赤ちゃんの様子をしっかり見てスタート時期を決めましょう。
赤ちゃんからこんな行動が見られたら、離乳食開始のGOサインです!遅くても焦らずに見守りましょう。
1首がしっかり座っている!
3~4ヵ月頃には首が座る赤ちゃんが増えてきますが、まだ安定感もなくグラグラしてしまう赤ちゃんもいます。お座りが出来るようになると更にしっかりとしてきますのdで、日頃から成長をよく観察しておきましょう。
2支えるとお座りができる!
生後5~6ヵ月になると、お座りが出来るようになる子も増えてきますね。厚生労働相では支えるとお座りが出来ることを目安としていますが、悪い姿勢で誤って気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)を防ぐためにも、お座りがまだ不安定なうちは、慌てて進めず待ってあげるとより安全です。
3手に取るものを口に運び始めた!
玩具やタオルなど、手に取ったものは口に入れてみる動作が増えてきたら、哺乳反射がなくなってくる時期です。
スプーンもすんなり受け入れやすくなってきていますので、離乳食の開始を検討しましょう。
4食べ物に興味が出てきた!
家族が食事している時に、テーブルを一緒に囲んでみましょう。食べている姿をみて食べ物に興味を示し、何も食べていないのにお口がモグモグしていたら、そろそろ離乳食開始の時期です!しっかり観察してみましょう。
5口に入れたスプーンを舌で押し出すことが少なくなった!
生後5~7ヵ月になると、哺乳反射が減弱して口に入れたスプーンを外に押し出すことが少なくなってきます。「そろそろ離乳食を開始しようかな?」と思ったら、一度離乳食は与えずにスプーンで与えるマネをしてみましょう!
6よだれが増えた
これは昔からよく言われる離乳食スタートの目安です!よだれは生後6ヵ月頃の歯の生え始めに良くでます。また食べる姿をみてよだれを出す赤ちゃんもいます。
7歯が生えてきた!
生後6ヵ月になると初めての歯が生え始める子が増えてきます。歯がむず痒くて機嫌が悪くなったり、与えた歯ブラシをガジガジ噛む姿が見られたりもします。更に何かを口に入れたがり、歯固めを与えると夢中になって噛む子が増えてきます。このような様子が見られたら離乳食を始めるとよいでしょう。
早産や低体重のお子さんの場合
お子さんの発達状況に合わせて、医師からの指導がある場合には、医師の指導を守って離乳食を開始しましょう
離乳食前の果汁は不要!?
離乳食の準備として、2007年の厚生労働相のガイドライン変更までは、果汁を生後2~4ヶ月に与えるように指導がありました。
ところがガイドライン変更後は、果汁などを与えることにより、ミルクを飲む量が減ってしまうことで、栄養不足や発育障害との関連が報告されたこと、生後5~7ヶ月になればスプーンの練習をしなくても自然にスプーンを受け入れられるようになることが分かったため、果汁を与える指導はなくなりました。
現在では、果汁にもアレルギーの心配があるため、離乳食を開始し、お粥に慣れてきたら果汁を与えるように指導が変更されました。
離乳食開始時期でアトピーに?先輩ママの体験談
A西原式を試して良かった!
自分自身がアトピーなので、「初めての離乳食は遅らせたほうが良いのか?」と悩みました。色々な情報を探していた時に西原式の育児方法をネットで見つけて実行しました。
「1歳になるまでは離乳食は与えないようにしょう!」と決意しましたが…周りの同年代の赤ちゃんが離乳食を順調に進める中のミルクだけは、心苦しい部分があったのは正直な気持ちです。
でも3歳になった我が子はアトピーやアレルギーもなく育ってくれているので、今となっては西原式を試して良かったと思っています。
A小児科の先生に離乳食開始を促されました
友達の先輩のママ友に、「離乳食は6ヵ月を過ぎてからで大丈夫だよ!焦ることないよ!」と生後5か月の時に言われて、6ヵ月過ぎてからゆっくり始めようと思っていました。そんな6ヵ月を迎えた時に急な発熱で小児科にかかりました。
そこで小児科の先生に「まだ離乳食初めてないの?!のんびりなお母さんだね…」と言われたんです。「もっと早くから始めなくてはいけなかったの?!」と疑問に思い、いろいろ調べました。
すると「決して遅くはない」、かえって「早くから始める必要はない」「早くから開始するとアトピーやアレルギーの原因になる」と書かれている情報が多かったので、間違っていなかったと安心しました。
A早くに離乳食開始して後悔しています
義母と同居をしているのですが、果汁は2ヵ月位から飲めると言われて、時々赤ちゃんに与えていました。甘いからなのか、始めはスプーンに戸惑いがある表情を見せていましたが、順調に進めて離乳食も5ヵ月くらいには始めました。
しかし湿疹がひどくなり始め、小児科にかかると…「アレルギーあり」と診断されてしまいました!のちに喘息も発症しました。
義母は4人の子供を育てており、私も「食べている可愛い姿を見たい」と思っていたので義母の情報を疑いませんでした。アレルギーや喘息になった原因が離乳食や果汁とは断定できませんが、私が情報不足だったため、子供をアレルギーやぜんそくにしてしまったのではないか…と悔やんでも悔やみきれません。