新生児なのによく寝るけど大丈夫?赤ちゃんに必要な睡眠時間
新生児がよく寝る子だとママのお世話は楽ですが、命を預かっている親の立場としては大丈夫か心配になってしまいます。
いつまでも起きずにミルクを飲まないと授乳回数も減るため成長が心配ですし、病気や発達の問題を気にするママもいるでしょう。
まずは新生児~満1歳までに必要な赤ちゃんの睡眠時間からや心配なケース、発達の問題や親がすべき対応について、確認しておきましょう。
新生児に必要な睡眠時間はおよそ16~18時間
新生児の頃はよく寝るもので、一日のおよそ7割を寝て過ごし、起きて授乳して寝るという2~3時間のサイクルを昼夜問わずに繰り返しています。
新生児の頃は昼と夜の区別がないだけでなく、まとめて寝ることもできません。そのため7割の睡眠時間も寝ている時間の合算です。
16~18時間の睡眠と聞いて「うちの子はもっと寝るし、4~5時間まとめて寝る」と焦るママもいるでしょう。どれくらいよく寝る新生児を「寝過ぎ」と考えればよいのか、先輩ママの体験談もみながら、新生児の平均睡眠時間をチェックしてみましょう。
赤ちゃんってこんなに寝るものなんだ!
うちの子は、出産直後からよく寝る子でした。産院でも他の赤ちゃんはお腹が空くと泣いていたのに、うちの子だけ起きずにスヤスヤ。看護師さんが足の裏をくすぐって無理やり起こすことも多々ありました。
退院してからもあまり変わらず、一日20時間は寝ていました。夜中もよく寝るので、他のママたちみたいに寝不足の心配はなかったのですが、夜中「この子、息してるのかな⁉」と気になって目覚めてしまうこともよくありました。
まとめてよく寝る新生児の睡眠時間はおよそ20~22時間
赤ちゃんにとって必要な睡眠時間には個人差が非常に大きく、何も知らずに他の赤ちゃんと比べているママは、「うちの子はよく寝るけど大丈夫?」と心配になってしまうでしょう。
16時間しか寝ない赤ちゃんと22時間寝る赤ちゃんではかなり違いますので、新生児の睡眠時間の幅を知らないママが不安になるのも当然ですが、睡眠時間だけで発達の問題を疑う必要はありません。
だんだんと睡眠のサイクルも整ってきますが、昼夜関係なく一度によく寝て数時間起きているという子もいるため、赤ちゃんの睡眠時間はトータルで考えましょう。
新生児がよく寝るのはいつまで?生後1ヶ月を過ぎる徐々に減る
新生児がよく寝る状況はいつまでも続くわけではありません。生後1ヶ月を過ぎた赤ちゃんは急激に起きている時間が増え始めますので、その子なりのペースで徐々に変化していきます。
新生児は眠りが浅いため物音に敏感ですぐに起きて泣く子が多いため、自分の子供が寝てばかりの赤ちゃんだとママは心配になるでしょう。
ただし赤ちゃんの睡眠時間には成長してからも個人差があり、生後1~2ヶ月で16~18時間寝る子もいますので、引き続き赤ちゃんがよく寝るという理由だけであまり心配し過ぎる必要はありません。
赤ちゃんに必要な睡眠時間
・生後1~ 2ヶ月…14~15時間
・生後3~ 6ヶ月…13~14時間
・生後6~11ヶ月…11~13時間
楽しい育児にはママの体力回復が不可欠!赤ちゃんが寝ている間にママも昼寝をするなどして、睡眠時間の確保に努めましょう。
寝るのも個性!
新生児の頃からよく寝る娘でした。生後3ヶ月を過ぎた頃には、夜もまとめて寝てくれるようになり、私は寝不足知らずで(笑)、昼間も起きているときと寝ているときがはっきりしていましたが、やはりよく寝ていて結局トータルで一日15時間くらいは寝ていたと思います。
最初は寝てばかりで心配だったけど、体重もしっかり増えていたし、そのうちこの子の個性かなと思えるようになりました。よく寝る子ならではの、天使のような寝顔と寝相アートを存分に楽しみましたよ!
「寝る子は育つ」って本当?新生児の睡眠と成長の関係
人間にとって睡眠はとても大切なものですが、特に乳幼児期は寝ることによって体の傷を回復するだけでなく、成長に欠かせないホルモンが分泌されるため欠かせません。
中でも記憶をつかさどる部分の発達は、睡眠時間に大きく影響を受けると言われ、睡眠不足が集中力や記憶力の低下につながることはママやパパも経験済みでしょう。「寝る子は育つ」は先人の知恵でもあります。
新生児や赤ちゃんがよく寝る場合は体重に注意!
新生児がよく寝る場合、ママが心配になるのは授乳の回数が減ること。よく寝ればその分だけ授乳間隔が空いてしまい、ミルクを飲む量も減ってしまう恐れがあります。
ミルクの場合は一日に飲む量のトータルの量で栄養が摂れているかを判断できますが、母乳の場合は飲んだ量が分からないので不安が募ります。
新生児がよく寝るため成長が心配な場合は、赤ちゃん用の体重計をレンタルして体重の増加量をチェックしましょう。
赤ちゃんの体重は、一日あたり25g以上増えていればOKです!また、多少の増減はありますので、「今日は24gしか増えてなかった」という場合、退院してからの平均値が一日あたり25g以上であればあまり心配しなくても大丈夫です
新生児の体重が増えていないのによく寝て起きない場合は、定期的に起こしてミルクや母乳を飲ませる必要があります。
起きない新生児の起こし方にはいくつかのやり方やタイミングがありますが、助産師さんがよく行うのは足の裏をくすぐる方法です。
夏場に新生児がよく寝る場合は水分不足に注意
夏場に新生児が汗をかいて長時間寝ていると、水分不足になる恐れがあります。赤ちゃんのためのエアコンの使い方や室温管理はしっかりと行い、もし空調管理が困難で汗をかいて寝ている場合は、定期的に起こして授乳で水分補給をさせましょう。
授乳だけでなく、一日のおしっこの回数やおしっこの色の濃さ、唇の乾燥もチェックして下さい。新生児が水分不足になっている場合はおしっこの回数が減り、色が濃くなります。
水分補給のために新生児に白湯を飲ませようとするママもいますが、飲まない場合は無理に白湯を飲ませる必要はありません。よく寝る赤ちゃんにはミルクや母乳で充分ですのでこまめに与えて水分不足を防いでください。
新生児がよく寝るのは体調が悪いから?うんち・顔色・おしっこを観察
赤ちゃんの体調の良し悪しには機嫌の観察が大切ですが、新生児がよく寝る子だと機嫌をチェックすることもできません。
心配だから3時間ごとに無理に起こし、機嫌が悪くなって泣き寝入りさせてしまうという悪循環を繰り返すママもいますが、無理に起こす前に赤ちゃんの一日の様子を観察してみましょう。
新生児がよく寝る場合の観察ポイント
- うんちの色が白っぽくないか?
- 目や肌が黄色っぽくないか?
- おしっこの色が濃くないか?
これらは母子手帳にも記されているチェック項目で、うんちの色を比較できるシートもついていますので、よく寝る赤ちゃんのうんちや顔色・尿に明らかな異常が見られる場合はスマホで写真を撮影し、小児科を受診して医師に相談してください。
新生児がよく寝るのは発達の問題が原因?赤ちゃんの個人差を受け入れて
新生児がよく寝るのは、睡眠に関する何らかの問題があるからでは?と心配になるママの中には、発達の極端な偏りが睡眠トラブルを引き起こすことを知っている人もいるでしょう。
知っているからこそよく寝る子の発達の問題を疑ってしまうのかもしれませんが、新生児がよく寝るのはごく当たり前のことですので、睡眠の長さだけで発達の問題を心配する必要はありません。
発達に極端な偏りがある赤ちゃんは感覚が敏感で取り込む刺激が多く、非常に疲れやすいためよく寝たり、不安でなかなか眠れず寝かしつけに何時間もかかったりすることがあると言われていますが、発達に問題がない赤ちゃんにもよく寝る子はいますし、寝るのが苦手も子はいます。
育てにくい子だと感じたら睡眠時間以外の様子を観察!
新生児の頃からよく寝る赤ちゃんの発達の問題を心配しているママは、生後3ヶ月になってからあやすと笑うようになったか、目を合わせるかをチェックしてみましょう。
そうした様子が全く見られない場合は、3~4ヶ月の乳児健診で発達に関するチェックが行われますので、保健師や小児科医に相談してください。
要観察となり、幼児になってもママが「育てにくい子だなぁ」と感じている場合は、睡眠時間以外に発達の極端な偏りを示す兆候がないのか、成長過程でじっくり様子を観察し、該当する行動が多い場合は1歳半健診の内容にも発達のチェックが入っていますので相談してみましょう。
発達に極端な偏りがある幼児の特徴的な行動
- ずっとものの匂いを嗅ぐ
- 家電、乗り物、咳などの生活音に敏感に反応して耳をふさぐ
- 顔の近くで手をひらひらさせる、指をねじらせるなど特徴的な行動をとる
- 天井を見る、雲を見るなど目的がわからない行動に没頭する
- 手を繋ぐ、抱っこなどのスキンシップを嫌がる
- 道路標識やマークなど、決まったものへの異常な関心を示す
- いつもと違うことに腹を立てて癇癪をおこす
- 1~2秒以上、ママと目を合わせられずそらしてしまう
- 赤ちゃんの頃から人見知りをしない
- 一人遊びに没頭して、他の子に興味を示さない
- ママのマネをほとんどしない
二人目三人目はよく寝る?ママのゆとりと新生児の睡眠
二人目や三人目の赤ちゃんは、一人目よりもよく寝るというママの声を耳にしますが、実際に筆者の場合も一人目はあまり寝てくれませんでしたが、二人目は新生児の頃からよく寝る子でした。
よく言われる理由に、ママのゆとりが挙げられています。胎児はママのストレスをダイレクトに感じますが、新生児も生後しばらくすると協調性を発揮し始めますので、ママの不安が伝わってあまり寝なくなるという助産師さんもいます。
また、育児の要領がよくなったためリラックスして眠りやすい環境をママやパパが用意し、赤ちゃんをササっと寝かしつけられるようになったことも、一因として挙げられます。
新生児がよく寝るのは二人目でこだわりが減ったから!?
一人目の新生児を育てるママの多くは、おしゃぶりを使わない、パパにお風呂に入れてもらう、あまりエアコンを使わず自然な風で育てる、お金をかけず将来のために貯金してあげるなど、それぞれこだわりを持って育児をしていることが多いです。
そのため一人目の新生児は快適な睡眠環境が得られにくいことが多いです。もちろん新生児の睡眠には個人差があり、性格がおっとりしたことそうでない子では違いがありますが、環境が良ければ当然眠りやすくなります。
一方二人目の新生児を育てる場合は、一人目の赤ちゃん返りや育児の問題もあり、二人目よりも一人目に気を遣って育てる家庭が多く、とにかく寝てもらえるようにおしゃぶりでもエアコンでも使えるものは使い、パパに構わず要領よく家事育児をこなすようになります。
そのため、二人目の新生児の方が結果的に早いうちから快適な睡眠環境が得られ、その結果よく寝るのだと感じている先輩ママも少なくありません。
子育て漫画:新生児なのによく寝る!これって問題?
新生児がよく寝ることを、永岡さくらさんの子育て漫画のようにポジティブに捉えられるママは少ないでしょう。
命の重みを感じる妊娠や出産、育児を初体験のママは特に不安になるものですが、赤ちゃんって可愛くていくら見ても飽きないですよね。
赤ちゃんは誰かに依存しないと生きられないので、可愛さで親や周囲の人を魅了し、自分を見つめる大人に不調を察知させて自らを守ることができる、大人が考える以上に能力が高い存在。
お腹が空いたり痛かったりすれば泣きますし、体調が悪ければ顔色や肌の色、便の色が激変して大人にお知らせしてくれます。
暫くすると赤ちゃんの育児と家事の両立が困難な時期が訪れますので、スヤスヤ寝ていて体重もしっかり増えているのであれば、「新生児なのによく寝る子で良かった」と喜び、ママも側でたっぷりと寝て体調を回復させたり、可愛い寝姿を今のうちにたっぷり目に焼きつけたりしておきましょう。