二重まぶたは両親から遺伝する?遺伝の法則と構造&体験談4つ
一重まぶたか二重まぶたかで、表情や顔の印象は大きく変わります。お子さんのまぶたが、両親から遺伝する可能性は高いと言われていますが、成長とともにまぶたが一重から二重、または二重から一重に変わることもあります。
ここでは、まぶたの遺伝に関する基本的な考え方とまぶたの構造、日本人のまぶたの特徴、そしてまぶたの変化について、実際に子供のまぶたが変化した体験談を紹介します。
一重まぶた・二重まぶたは遺伝するのでしょうか?
まぶたの形は両親から遺伝する可能性が高いとされています。しかし、子供のまぶたがどちらになるかを現時点で正確に断言することは難しいです。
二重まぶたの遺伝に関する基本的な考え方
遺伝学の基礎を築いたグレゴール・ヨハン・メンデルの研究によれば、遺伝には親の性質が現れやすい「優性(顕性)」と、現れにくい「劣性(潜性)」の形質があります。両方の遺伝子がある場合は、優性の形質が優先されます。
一般的に、二重まぶたは優性(顕性)遺伝、一重まぶたは劣性(潜性)遺伝と見なされることが多いため、「両親のどちらか、あるいは両方が二重であれば、子供も二重になる確率が高い」と説明されることがあります。
しかし、まぶたの形は、単一の遺伝子ではなく、実際には複数の遺伝子が関わる「多因子遺伝」であり、単純に「優性」「劣性」の法則だけで決まるわけではないことが、近年の研究でわかってきています。そのため、以下の遺伝パターンはあくまで理論上のモデルケースとして参考にしてください。
二重まぶたの遺伝のパターン(モデルケース)
まぶたの形を決定する遺伝子には、便宜的に以下の3種類のパターンがあると考えます。
- 二重の遺伝子を2つ持つ「AA」の二重(ホモ接合型)
- 二重の遺伝子を1つと一重の遺伝子を1つ持つ「Aa」の二重(ヘテロ接合型)
- 一重の遺伝子を2つ持つ「aa」の一重(ホモ接合型)
このモデルに基づくと、両親が二重でも、遺伝子の組み合わせが「AA」タイプか「Aa」タイプかによって、子供が二重になる確率は異なります。
両親のどちらかが「AA」タイプの二重であれば、子供が二重になる確率は100%ですが、両親が二重でも「Aa」タイプの二重同士なら、子供が一重になる確率は25%あります。また、両親のどちらかが一重(aa)であれば、子供が一重になる確率は50%になります。
計算上はこのような確率になりますが、前述の通り、実際のまぶたの遺伝にはまだ解明されていない部分も多く、遺伝子の組み合わせや複数の要素が複雑に関わっている可能性があることをご留意ください。
両親のタイプ別 二重まぶたの遺伝ケース(モデル)
- 父「AA」×母「AA」の二重
子供も「AA」の二重になる - 父「Aa」×母「Aa」の二重
子供は「AA」か「Aa」の二重、または「aa」の一重になる可能性がある - 父か母「AA」の二重×父か母「aa」の一重
子供は「Aa」の二重になる - 父か母「Aa」の二重×父か母「aa」の一重
子供は「Aa」の二重、または「aa」の一重になる可能性がある
まぶたの役割
まぶたは、顔の印象を左右する美容的に重要なパーツですが、本来の役割は、外からの刺激や汗・汚れなどから眼球を保護し、眼球が乾燥しないように潤いを持たせることです。まぶたが閉じなくなると、眼球の乾燥や痛みが生じ、重大な問題となります。
そもそも一重と二重は何が違うのでしょうか?
大切な役割を担っているまぶたですが、一重まぶたと二重まぶたには構造的な違いがあります。お子さんのまぶたの変化に興味がある方は、こうした構造的な点もぜひチェックしてみてください。
まぶたの構造
まぶたには、まつ毛の生え際に沿った部分に「瞼板(けんばん)」という軟骨のような板状の組織があり、まぶたの奥からのびている筋肉「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」がそこにくっついています。この眼瞼挙筋が収縮して瞼板を引っ張ることで、まぶたは開いたり閉じたりすることができるのです。
一重と二重の違い
まぶたの形の違いは、主にこの眼瞼挙筋の一部が皮膚とつながっているかどうかにあります。
- 二重まぶた:眼瞼挙筋から皮膚に向かって繊維が枝分かれして伸び、皮膚と結合しています。この結合部分が、まぶたを開ける際に筋肉によって引っ張られ、皮膚に折り込み(二重のライン)を作るため二重になります。
- 一重まぶた:眼瞼挙筋から皮膚への繊維の結合がないため、皮膚に折り込みができず一重になります。また、一重まぶたは、まぶたの奥にある眼窩脂肪(がんかしぼう)が多い傾向にあるとも言われています。
まぶたの奥にある眼窩脂肪が多いと、まぶたが厚くふっくらとした一重まぶたになりやすいです。反対に脂肪量が少ないと、皮膚に折り込みができやすくなり、二重になることがあります。加齢や体型の変化で一重が二重になることがあるのは、このまぶたの脂肪量の変化が影響しているとも言われています。
そのため赤ちゃんが二重になる時期には個人差があります。
日本人のまぶたの特徴
日本人を含む東アジア系の人々のまぶたは、白人や黒人に比べて、眼窩脂肪が多く、まぶたの皮膚が厚くふっくらしているという特徴があります。これは、寒さから目を保護するための進化や、地域的な適応の結果であると考えられています。
日本人の二重の人の割合については、統計や調査によって3割や5割といった説がありますが、明確なデータは分かっていません。
隠れ二重?一重が二重になることもあります!
水分を多めに摂取したり、たくさん泣いたりした日の翌朝、目が腫れぼったくなった経験のある人も多いでしょう。まぶたの下にある眼窩脂肪は、体全体のむくみの影響を受けやすく、それが一時的に一重や二重に影響を与えることがあります。
特に赤ちゃんのまぶたは弾力が強く、脂肪も多いため、本当は二重になる要素を持っていても、脂肪の厚みで一重に見えることもよくあります。成長とともに顔周りがすっきりして脂肪が減ると、一重が二重になることもあります。もしかしたら今は一重のお子さんも、将来二重になる可能性があるかもしれません。
まぶたの変化に関する体験談4つ
子どものまぶたが実際に変化した体験談を4つご紹介します。
A生後半年くらいから二重に
私は奥二重、主人は片目だけ二重の夫婦です。うちの子は、生後すぐ〜生後5ヶ月くらいまでは一重で、ずっと一重かと思っていましたが、離乳食を始めたくらいから二重になりました。
はいはいをしだして体がしまってきたことも関係あるかも…寝起きだけ二重になっている日が時々あったのですが、気付いたらずっと二重のままになっていました!
A病気のときだけ二重に!
我が家の赤ちゃんは、熱があったり、体がだるい時だけ二重になります!二重になった時は体調チェックが欠かせません。元気になると一重に戻ります。分かりやすくて便利なんですけど、そのまま二重になってくれないかな〜と思っちゃいます。
私も赤ちゃんの頃は一重で、小学生の頃に気付いたら二重になっていたタイプなので、そのうち二重になることを期待してます★
Aぱっちり二重が一重に!
うちの息子は生まれた時は看護師さんたちに褒められるくらいのぱっちり二重でした。ですが、母乳の飲みがよく、3ヶ月くらいの時にムチムチになり、二重が一重に…。動き出したら活発で、体は締まってきましたが、まだ一重のままです。
A親は二重だけど子供は一重
旦那も私もぱっちり二重ですが、子供たちは二人とも生まれつき一重です。下の子は寝起きだけ片目がうっすら二重になることもあります。一重でも二重でも我が子はかわいいですよ〜