3~4ヶ月健診はいつ?どこで?目的や持ち物/服装/費用/内容
赤ちゃんが生後3ヶ月頃になると、授乳やおむつ替えなどの日々のお世話が少し落ち着いてきたというママも多いのではないでしょうか。そんな頃に受けるのが、「3ヶ月健康診査」または「4ヶ月健康診査」です。「乳幼児健康診査」のうちの1つで、赤ちゃんの発育の大事な節目にほとんどの自治体(98.8%)が実施しています。
今回は、そんな3ヶ月健診及び4ヶ月健診について、その受け方や持ち物、健診の内容などを詳しくご紹介したいと思います。
乳幼児健康診査の目的
乳幼児健康診査の目的は、赤ちゃんや幼児の発育を見るということももちろんですが、自治体の子育て支援機関と各家庭をつなぐ意義もあります。多くの赤ちゃんとママは、この健診の時に初めて自治体の子育て支援機関を訪れ、地域の子育て情報を収集します。
また、同じくらいの月齢の赤ちゃんとママが一堂に会しますので、ママ友ができる機会にもなります。赤ちゃん本人だけではなく、ママにとっても貴重な機会というわけなのですね。
3~4ヶ月健診はいつ?どこに行くの?
3ヶ月健診か4ヶ月健診かは、各自治体によって異なります。また、実施日は、赤ちゃんの生年月日に応じて決められています。健診では、首がすわっているかどうかを中心に診ますので、3ヶ月になってすぐの時期に受けるとまだ首がすわっておらず、再健診になってしまうこともあり、生後3ヶ月後半~4ヶ月に入った頃に受ける場合が多いです。
日程が選べる場合は、お子さんの首のすわりを考えて、「あともうちょっとなんだけど…」と思ったら、後ろの日程を選ぶといいかもしれませんね。
実施時期が近づいたら自治体から受診票やお知らせが届きますので、実施日や場所はそれでわかります。自治体にある保健センターなど、子育て支援機関のある施設などを実施場所にして集団健診の形をとるケースが多いですよ。まれに、近隣の小児科へ受けに行くように指示される自治体もありますので、自治体からのお知らせを確認しましょう。
3~4ヶ月健診に行くときの服装は?
赤ちゃんは身体測定や医師の問診があるため、頻繁に裸になったりおなかを出したりします。そのため、3~4ヶ月健診の服装は、さっと脱がせることができる前あきのカバーオールがおすすめです。寒い時期は、中の肌着も前開きのものにして、重ねたままで一度に着せたり脱がせたりが簡単にできると便利ですよ。
ママの体の健診は基本的にはありませんが、自治体によっては出産の際に出血量が多かった人などが、念のため血圧を測られることもあります。また、母乳相談をする場合もありますので、授乳しやすい、脱ぎ着しやすい服がいいですね。
3~4ヶ月健診の持ち物とあると便利な物
基本的な持ち物は、以下の通りです。自治体によってほかにも指定される場合があるので、必ずお知らせで確認してくださいね。
・母子手帳(「保護者の記録」ページは、事前に記入しておく)
・自治体から来た受診票などのお知らせ
・オムツ
・赤ちゃんの着替え
・タオル
・飲み物(ミルク育児の場合、哺乳瓶など)
・ビニール袋(汚れたオムツなどを持ち帰る用)
・授乳ケープ(必要なら)
他にもあったら便利なものを、体験談とともにご紹介します。健診会場が寒い、暑い場合に体温調整ができるものや、混んでいて長時間になる場合にあると楽なものを用意しておくといいですね。
A冬の健診はブランケットを持って行って!
先日4ヶ月健診だったんですが、9月生まれが多いのか、健診会場は大混雑。赤ちゃんはほとんど裸の状態で何度も待たされて。風邪ひかないか気になって、ベビーカーにつけていたブランケットで赤ちゃんをくるんでいました。途中寝てしまったときにも、そのブランケットをシーツ代わりにしいて寝かしていました。
A集団健診は抱っこ紐が必須!
子供の3~4ヶ月健診に行ってきたのですが、激混みでびっくり!「少子化なんて嘘なんじゃ?!」と思うくらいでした。市からのお知らせには2時間程度って書いてあったんだけど、実際には4時間くらいかかりました。
ベビーカーで行った私は抱っこ紐を持っていってなくて、待たされている間、手で抱っこして待つのが大変でした。抱っこ紐を持っていた人がうらやましかった~!
3、4ヶ月健診はパパも一緒に行った方がいい?
ほとんどのママが一人で赤ちゃんを連れてきています。長時間になる場合が多く、その間に赤ちゃんが泣いたりすると大変なので、パパが付き添ってくれるとだいぶ楽にはなるとは思います。ただ、男性をほとんど見ないので、行くとちょっと浮いてしまうかもしれません。
長時間待たされるので、ママがあちこちで授乳していたりもします。それに、ママ一人で子供を連れていったほうが、同じ月齢のママ同士の会話がしやすいかもしれませんよ。
3~4ヶ月健診にかかる費用
乳幼児健診は、受けるタイミングが自治体によって設けられていますが、3~4ヶ月健診は国が各自治体に実施を義務付けている健診のため、どの自治体でも自己負担なしで受けられます。ただし、自治体での実施に行けず、個人的に小児科で健診を受ける場合は、2000円~4000円程度の自己負担になることがありますので注意が必要です。
3~4ヶ月健診の流れ
3~4ヶ月健診は、小児科の医師に栄養士さん、保健師さんに助産師さん…というふうに、順番に色々な専門家が待機するブースに行き、赤ちゃんをみてもらいながら、お話をするという流れで進んで行く場合が多いです。混雑している自治体では、参加者をいくつかの班に分けて、班ごとに別の順番で回るように指示されたりしますので、回る順番はバラバラです。
実施項目も自治体によって多少の違いがあります。大きな違いは予防接種の有無です。同じ日に予防接種のBCGを行う自治体と、別の日程であらためて接種になる自治体とがあります。こちらでは、東京都のある地域の健診の流れとその内容をご紹介します。この地域では、BCGは別の日に実施しています。
1保健師による面談
事前に記入して持参したアンケートをもとに、育児で困っていること、今日特に解決したい悩みはどんなことか、気になること全般を保健師さんからヒヤリングされます。ここで伝えておくと、「その件はここで相談してください」と具体的に指示がもらえます。
ママが毎日楽しく育児ができているか、困ったときに頼れる人がいるかなど、育児環境に関しても話を聞いてくれます。子育ては、ママ一人ではなく地域社会全体で行うものです。子どもや家族の明るい未来のためのも、心配なことは遠慮せずに相談しましょうね。
2栄養士による面談、授乳育児の状況等の聞き取り
赤ちゃんの1日の授乳量とペースを、時間軸に沿って記載する欄が事前のアンケートにありました。そこに書いた内容を見ながら、この時期の授乳量として適切かどうか、混合の場合は母乳とミルクのバランスが適切かどうかなど、具体的なアドバイスがもらえますよ。
3計測
赤ちゃんの体重、身長、胸囲、頭囲を測ります。赤ちゃんの泣き声が響きます…。ここから医師による診察が終わるまで、赤ちゃんはオムツだけの状態になるように言われます。待ち時間が長くて風邪をひかないか心配な場合は、タオルケットなどでくるんであげるとよいでしょう。
4医師による問診、診察
赤ちゃんの体の発達の状況や、先天性の病気が潜んでいないかを確認します。具体的な項目は自治体によって異なりますが、一般的な内容をのちほど詳しくご説明しますね。
首のすわりを確認する際に赤ちゃんをうつぶせにするので、この診察の前30分くらいの間は、授乳しないようにしましょう。
5必要な人のみ育児相談・母乳指導
体重の増えが少ない場合や解決したい母乳トラブルがある場合は、別室で助産師さんに母乳を直接チェックしてもらいながら、相談することができます。心配なことは漏らさず相談できるように、日頃から育児日記や母子手帳に心配事や授乳量、回数、間隔などをメモ書きしておくと便利ですよ。
6終わった人から離乳食、虫歯予防の講義
これから知っておいたほうがいいこととして、離乳食の始め方と、歯のケアの始め方等の講義が用意されている場合があります。離乳食や歯磨きについて予習しておくと、講義の後に質問もできますので、健診前に少しネットなどで調べておくとよいでしょう。
3~4ヶ月健診の検査内容(問診の内容)
ではここから3~4ヶ月健診の検査内容をご説明していきますね。まずは、お医者さんや看護師さん、保健師さんなどから聞かれる問診の内容です。自治体や医療機関によって、多少のちがいがありますが、おおむねこのようなことが聞かれます。
医師や保健師等から聞かれる問診内容
- 「首がすわりましたか?」
- 「あやすと笑いますか?」
- 「目つきや目の動きで気になることはありますか?」
- 「見えない方向から声をかけるとそちらを見ようとしますか?」
- 「外気浴(散歩など)をしていますか?」
- 「子育てへの不安を感じていますか?」
- 「子育てへの不安を相談できる人はいますか?」
あやすと笑うかの質問は、赤ちゃんの精神発達に遅れや問題がないかのチェックです。育児中は育児書通りでないと発達の問題を心配するママが多いので、3~4ヶ月健診を利用して相談しておきましょう。
母子手帳の「3~4ヶ月頃 保護者の記録」のページにも同じような項目が書かれていますので、そこで事前にチェックしておくとよいでしょう。赤ちゃんのありのままを答えるほうが、有益なアドバイスが得られることが多いですよ。
A杞憂でした
子供の4ヶ月健診の時、目の動きに心配がありました。1度だけですが、あやしていたら突然、黒目がスーっと動いて白目になったのです。すぐに元に戻りましたが、その後ぐずって寝てしまい、起きたら元気なので病院には連れていかず、健診の日を迎えました。
目について問診で聞かれた時、一瞬「大騒ぎして再受診も嫌だし…どうしよう」と悩んで間があったため、「目の様子で気になることがあったんですか?」とまた聞かれてしまいました。
腹をくくって子供の目の様子を聞くと、保健師さんに「あぁ。よくあるのよね。それ眠かっただけだと思うけど、一応先生に伝えとくわね」と言われました。そして医師からも、「1回だけでしょ。眠かったんでしょ」と言われて一安心。言われてみれば確かに、お腹も満たされて、散歩にも行って、遊んで、疲れるタイミングだったんです。思い切って相談して良かったです。
3~4ヶ月健診の検査内容(計測)
赤ちゃんが順調にすくすく育っているか、とっても気になりますよね。同じくらいの赤ちゃんが集まる健診に行くと、「ほかの赤ちゃんと比べてうちの子はどうなのだろう・・・」となおさら気になってしまうママも多いでしょうね。それぞれの項目が何を目安に診られているか、知って安心しておきましょう。
1体重
一般的に生後3ヶ月の体重は、出生体重の2倍近くになると言われていますが、出生時の体重や、週数、母乳育児かそうでないかなどによって、体重の増加はかなりの個人差があります。体重の増え方も、最初のうちはゆるやかで離乳食を始めるとどんどん増えるというケースも多いですよ。
体重のひとつの目安として便利なのが、母子手帳にも書かれている「乳児身体発育曲線」。「体重の数字そのものではなく、この曲線に沿うように体重増加がされている場合は心配しなくても良い」といわれることが多いので、今後の育児の参考に使うとよいでしょう。
2身長
栄養が足りていない場合、体重→身長→頭囲の順にその影響が現れると言われています。体重の伸びだけではなく、身長にも停滞が見られる場合は、栄養が不足していないか、低身長になる疾患にかかっていないか等、きちんと病院を受診する必要があります。
3頭囲・胸囲
看護師さんか保健師さんがメジャーを使って、寝ている赤ちゃんの頭や胸の周りを測り、脳や体の発達がその時期相応のものかを見るために測っています。
頭囲が大きすぎる場合には、水痘症、硬膜下血腫、硬膜下水腫など、頭囲が小さすぎる場合には、小頭症などの脳の病気が疑われ、検査や治療が必要になります。標準から3cm以上大きかったり小さかったりするときは要注意ですが、寝ながらの測定のため誤差が生じることも多く、医師の触診でも確認しています。
3~4ヶ月健診の検査内容(医師による診察)
3~4ヶ月健診の診察は、首すわりの様子や股関節の開き、あやすと反応するかなどを中心に確認します。それぞれの診察項目が具体的に何を診ていて、なぜ診る必要があるのかを理解しておきましょう。自治体によって多少のちがいもあります。
1聴覚、視覚の発達の確認
聴覚の検査として、音がなるおもちゃなどを用いて、音がなる方向を向くかどうかを診ます。あやすと反応するかどうかについては、問診で確認される場合が多いですよ。他にも斜視の有無、眼球運動の異常がないかを診ます。動かしたおもちゃを目で追う追視をするか確認したり、ペンライトをあてたりすることもあります。
2肛門や外性器の確認
男の子の場合、精巣が降りてこない停留睾丸や精巣周囲に水が溜まる陰嚢水腫などの病気はないか、女の子の場合、外性器が閉じていないかなど、性別に応じた外性器の発達や異常をチェックします。また、肛門に肛門周囲脳腫のしこりや、潜在性二分脊椎によるくぼみなどがないかなど、赤ちゃんに多い異常はないか診ます。
3胸部聴診
心臓の音を聞いて、心音のリズム不調がないか、心臓の疾患の疑いがあるような雑音が聞こえないかを診ます。あわせて呼吸の音も確認して、肺の機能が正常かも診ます。聴診をすると泣いてしまう赤ちゃんが多いので、ママが抱っこしたまま行うことが多いです。
4腹部の確認
お腹を触診し、お腹がおおきすぎないか、肝臓や脾臓などの腫れはないか、でべそ(腸ヘルニア)や鼠径ヘルニアになっていないかなどを確認します。鼠径ヘルニアは下腹部の太ももの付け根から上の当たりが腫れ、小児外科手術で一番多いとも言われる病気で、発症率はおよそ1~5%です。
5頭部の確認
頭頂部の骨に開いている穴、大泉門や骨縫合の開閉状況を診ることで、小頭症や脳腫瘍などの病気の可能性がないかを確認します。3~4ヶ月健診の時点では大泉門はまだ開いているのが普通です。赤ちゃんは脱水症状のときには大泉門がへこんで、発熱すると大泉門が膨らみますが、異常な膨らみがある場合は、注意が必要です。
6首すわりの確認
うつぶせにして寝かせたときに自分で頭をあげられるか、あるいは仰向けに寝かせ両手を引き上げた時に頭も一緒についてくるかで、首すわりの様子を確認します。これは、単に首だけをチェックするのではなく、どの程度体の運動能力が発達してきたかを見るためのものでもあります。
7股関節の確認
股を開いてみて、動きがスムーズか脱臼がないかなどを確認したり、膝を曲げて左右の高さがそろっているかなど赤ちゃんに多い股関節トラブルはないかチェックしたりします。また、股関節の確認の時に、おむつかぶれも確認します。
8皮膚の確認
赤ちゃんの時には、汗疹や脂漏性湿疹などの乳児湿疹を始め、サーモンパッチや血管腫、さまざまな母斑、外性器周辺の皮膚炎などができやすいですよね。年齢と共に徐々に改善するものもあれば、治療が必要なものもあり、医師は健診のときにこれらの皮膚のチェックも行います。
9口内の確認
生後3ヶ月頃見られるようになることが多い上皮真珠や、舌小帯短縮症、鵞口瘡(がいこうそう)などの口内の病気がないかを確認します。上皮真珠とは、歯茎にできる白い真珠のような腫れです。大抵は成長と共に治りますが、問診のときにつたえておくとよいでしょう。
無料でプロに相談できるチャンスを有効活用しましょう
3~4ヶ月健診の内容はおわかりいただけたでしょうか?赤ちゃんが生まれてからの3ヶ月は育児に追われていてあっという間ですが、その間に赤ちゃんの体は色々と成長をとげているのですね。ちょっと長い時間の健診になるとは思いますが、得るものはたくさんありますので、ママも体調を整えて参加してください。
赤ちゃんが小さいうちはママと赤ちゃんとの2人の時間が長くなり、ママ一人で子育ての悩みを抱えがち。「3~4ヶ月健診」は子育ての先輩やお医者さんに悩みを相談できる貴重な機会ですので、ぜひ有効活用しましょう。
同じ月齢の赤ちゃんのママと色々話せるチャンスでもありますので、気を張らずリラックスしてのぞんでください。
次は6ヶ月健診か自治体によっては7ヶ月健診になる人が多いので、それまでの期間の育児を安心して楽しめるように、3~4ヶ月健診に向けて日頃から相談したいことをメモしおき、当日はそれを持参して行きましょう。