オスグッドはサポーターで治る?使う意味は?選び方やおすすめ品
スポーツを頑張る子供達がかかりやすいオスグッド病。膝周りの腫れや痛みを伴う疾患ですが、一度なってしまうと強い痛みが繰り返しおきるため、親は対応に慌ててしまいますよね。サポーターで患部を守って過ごす子供達が多いのですが、色々な種類があり、効果の高いサポーター選びに悩んでしまうでしょう。
そこで今回は、オスグッド病へのサポーターやバンドの効果や特徴、値段の相場、選び方、売っている店、おすすめ商品、使用の注意点などについて、詳しくご紹介していきます。
オスグッドはサポーターで治るか
オスグッド病は、「オスグッド・シュラッター症」とも呼ばれ、10~15歳の成長期にジャンプやキックなど足を頻繁に使う激しい競技に打ち込む子供がなりやすい膝のスポーツ障害です。野球やバスケットボール、バレーボール、陸上競技などでなりやすいと言われていますので、打ち込む子供は特に注意が必要です。
オスグッド病がひどくなると、歩くだけで膝に痛みが走るようになります。そのため、階段の昇り降りなど学校生活や日常生活に支障をきたすため、オスグッド用サポーターを使う子供たちは多いです。
サポーターはあくまで膝の痛みが強い時に、ゴムのテンションを使って痛む部分をサポートするだけのものですので、オスグッド用サポーターをつけることで治ることはあまりなく、基本的にオスグッド病を治癒する効果はありません。あくまでも、日常生活を円滑に行うための一時的な医療補助具として使うもの。
むしろ、オスグッドサポーターをつけてスポーツを続け、オスグッド症が悪化して剥離骨折をする子供もいますので、誤解のないように注意しましょう。
オスグッドの子供達がサポーターを使う意味
オスグッド病は、スポーツによるヒザの曲げ伸ばしなどで、太ももの大腿四頭筋と接合している軟骨が強く引っ張られて盛り上がり、強い痛みを起こすヒザの疾病です。ひどい場合には、ヒザから軟骨ごと腱が剥がれる剥離骨折を引き起こしますので、基本的な治療法としては、ヒザを休ませ、ストレッチやマッサージなどでヒザ周りの筋肉の血行や柔軟性をよくし、ヒザに負荷がかかりすぎないようにして炎症をおさえていきます。
ところが、日常生活でもヒザを使いますので、完全に患部を休ませることはできませんよね。また、痛みで階段の上り下りなど学校生活などにも支障がでます。そこで、サポーターによって出っ張ってしまったヒザ回りの腱を圧迫し、軟骨が盛り上がろうとするのを抑えるのです。サポーターをつけることで、痛みはかなり軽減できますし、膝の曲げ伸ばしによる負荷を最小限に抑えることもできます。
ただし、サポーターをつけても動いていれば、膝に負担がかかることには変わりありません。また、サポーターで痛みがなくなることに安心して、無理に体を動かし、さらに過剰な負担をかけてしまうことも多いのです。
サポーターでオスグッドが悪化!
「サポーターをしているから大丈夫だろう」と判断し、子供がサポーターをしながら競技をしたり、激しい筋トレをしたりすることを許すと、オスグッド病の悪化を招きやすいです。サポーターをしていても、激しい運動で膝に負担がかかりますので、日常生活で最小限に使うようにし、頼りきりにするのは控えましょう。
オスグッド用サポーターのメリット&デメリット
オスグッド病になると膝が腫れたり変形したりするため、一般的な膝サポーターでは膝が締め付けられすぎてしまいます。そのため、二次的な痛みを引き起こす恐れがありますので、サポーターを使う場合はオスグッド病に適したオスグッド用サポーターを使いましょう。病院で販売していることもありますが、市販もされていますよ。
オスグッド用サポーターは、膝の腱をすっぽりと覆っていますが、膝の皿にあたる部分がO型に穴があいているため、膝の曲げ伸ばしができます。
オスグッド用サポーターのメリット
- ホールド感が高く安心感がある
- 動いてもズレにくい
最近のオスグッド用サポーターは、装着していても動きやすく改良されてきていますが、それでもオスグッドバンドに比べて締め付け感が強すぎるため、滑らかに動きにくいと感じる子供が多く、着脱が面倒、丸洗いできない物もあるというデメリットがあります。そのため、日常的な歩行の補助に使うとよいでしょう。
オスグッドバンドのメリット&デメリット
オスグッド病に使えるサポーターとしては、もう一種類、オスグッドバンドと呼ばれるものがあります。病院によってはこちらを販売していることもありますし、オスグッドバンドは市販もされています。
大腿四頭筋と足の骨を接合する部分の上を締め付けることで、締め付けた部分~接合部までの腱が伸縮しないように固定する装置で、膝周りにかかる衝撃や力などの負担を減らす効果がありますよ。
オスグッドバンドは細いベルトタイプで、大腿四頭筋と足の骨を接合する部分(オスグッド病で膝が出っ張ってしまった部分)の少し上に装着します。膝のお皿の中心から5cmほど下の部分です。出っ張って痛みのある箇所に当てると、症状が悪化しますので気をつけましょうね。
オスグッドベルトのメリット
- 簡単に装着できる
- 強いテンションをかけられる
- 動きやすい
- 蒸れにくい
メリットがある反面、動いているうちにズレるというデメリットもあります。そのため、ズレないように強く締めがちになりますが、強く締めすぎることで幹部の血行が停滞してしまうというリスクがあり、注意が必要です。オスグッドバンドは、強い痛みがある時や激しい運動をしなければならない時、一時的に使うようにするとよいでしょう。
オスグッドサポーターの値段の相場
一般的にオスグッドサポーターもオスグッドバンドも、メーカーや素材によって値段に違いがありますが、それほど高価な装具ではありません。
オスグッド用サポーターやバンドの相場
ただし、安い値段のものはそれなりの生地やゴムで作られていて、満足のいかないフィット感であったり、耐久性が悪かったりと、質の悪さや使いにくさを感じる子供もいます。大事な子供の身体を支える物ですので、オスグッド用サポーターを選ぶときには、値段で選ぶのではなく、できれば実際に触って質感を確かめて、耐久性の良い物を選ぶことをオススメします。
オスグッドサポーターの選び方
2タイプのあるオスグッド用サポーターですが、どちらを使うかは膝の症状や痛みや本人の使いやすさによって選ぶとよいでしょう。次の2点をチェックして、身体にピッタリのものを選びましょう。
1サイズは立って選ぶ
オスグッド用サポーターは、膝部分にしっかりフィットしないと効果が半減してしまいます。売り場にあるサンプルを使い、実際に膝に巻いてサイズを選びましょう。ただし、座ったままでは正確なサイズが測れません。必ず立った状態でサイズを確認しましょうね。
また、オスグッドバンドの場合は、一般的に膝ではなく膝蓋骨(ヒザの皿)の中心から5㎝程下の部分の足の太さを測って選びます。
2サイズが合わない時はオーダー
子供の足はまだまだ未発達。子供によって太さが結構違いますね。細すぎて市販のサポーターでは効果が出ない子もいますし、筋肉が張り過ぎで大人用のサポーターでも追いつかない子もいます。
そういった場合には、それぞれの足にピッタリと合わせることができる、オーダータイプのサポーターも検討してください。お値段が6,000円以上とやはりお高いのですが、値段以上のサポート効果が期待できますよ。
ザムスト(ZAMST)パターンオーダーサポーター
シグマックスダイレクト
大腿部と下腿部のサイズを測って注文すると、7~10日前後で手元に届けてくれるオーダーサポーターで、市販のサポーターではサイズがなくて困っていても、ピッタリの高品質なサポーターを作ることができます。
オリジナルのロゴもいれることができますので、スポーツを頑張る子供へのプレゼントにも最適ですよ。
オスグッドサポーターは薬局で買えるの?
オスグッドサポーターは医療用装具ですので、薬局などで購入することができます。薬局の他にも、大型スポーツ店などにも置いているケースがありますので探してみてくださいね。
子供の場合はサイズに個人差が大きいので、できれば実物を着用して選んだ方がいいのですが、近所で購入できない場合はamazonや楽天などネット通販でも購入できますよ。100均で購入する人もいるようですが、100均の膝用サポーターは耐久性、素材、締め付けの調節の点などで、成長期の子供はあまりおすすめできません。
その他、整形外科でも取り扱っています。医師の勧める物であれば安心感がありますので、薬局などで良いサポーターが見つからない場合には、相談をしてみるといいですね。
オスグッドサポーターのおすすめ商品
薬局やネットの商品検索をしてみると、さまざまなメーカーのオスグッド用サポーターが市販されています。実際に使った人からも評判の良いオススメ品を2つ紹介しますので、サポーター選びの参考にしてみてくださいね。
ザムストジュニアサポーターヒザ
ZAMST(ザムスト)
子供のスポーツ障害であるオスグッド病に使えるジュニア用サポーター。それほど圧迫が強くないので、子供の足を優しく保護して痛みを緩和してくれますよ。
筋肉が未発達なジュニア特徴に合わせて大腿・下腿のサイズを設定していますので、子供でも装着しやすく、違和感を与えずに使いやすいと評判です。
M414ニーストラップ
MCDAVID(マクダビッド)
オスグッド病やジャンパー膝など、ジャンプなどの激しいスポーツで痛めた膝を強力にサポートしてくれるバンドです。
滑り止め加工を施した半円形のチューブ状のリブ使っているので、バンドにありがちなズレを防いで、しっかり子供の膝をサポートしてくれます。UBLナイロンを使っているので耐久性が良く使いやすいですよ。
オスグッド用サポーターは治療しながらの着用が基本
スポーツをする子供のパパやママは、子供の頑張りにまるで自分のことのように入れ込んでしまう傾向がありますが、子供は「もっと頑張りたい!」「良い成績を残したい!」という気持ちで一杯になりやすく、自分の身体を大事にするという長期的な視点を持ちません。
そのため、「サポーターをつけさえすれば…」と無理をして、外した途端に剥離骨折を起こしてしまう恐れもありますので、パパやママが大人の責任で、しっかり監督し注意してあげましょう。
オスグッド用サポーターやオスグッドバンドは痛みを抑える万能の道具ではなく、一時的にしか効果のない、完全に負荷を排除できない道具です。サポーターを多用することで膝の症状が悪化することや、サポーターでかばった状態では良い成績が残せないこと、サポーターのためにフォームが崩れて将来のプレーにも悪影響が出ることをしっかり子供に教えて、使い方を一緒に考えてあげてくださいね。