マザリーズによる話しかけ方に関する記事

『マザリーズ~赤ちゃんのクーイングや喃語への話しかけ方』

マザリーズという私たちが普段何気なく使っている赤ちゃんへの話しかけ方は、世界中のママ達が使っている不思議な言葉だったのです。マザリーズをまだ知らないというママは、ここで紹介する話しかけ方や効果を参考に、今すぐ赤ちゃんに話しかけてみましょう。

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マザリーズ~赤ちゃんへの上手な話しかけ方とは?

ママが赤ちゃんに話しかけることは、言葉の発達や情緒の安定のために大切なことなので、どんどん話しかけた方がいいのですが、新米ママの中には、赤ちゃんにどのように話しかければいいのか分からない人もいます。

そんな新米ママにおすすめなのが、「マザリーズ」という独特の話し方です。マザリーズをマスターすれば、上手に赤ちゃんに話しかけることができるのです。

また、すでにマザリーズで赤ちゃんに話しかけていたというママも、その特徴や効果などを改めて知ることで、ますますマザリーズを使う機会が増えるはず。

ここで紹介するマザリーズの話し方を参考に、より積極的にマザリーズを取り入れることで、赤ちゃんの健やかな成長に役立てましょう。

マザリーズとは?

マザリーズ(motherese)とは、直訳すると「母親語」という意味で、大人が赤ちゃんに話しかける際に、無意識に発してしまう独特な話し方のことをいいます。

赤ちゃんに話しかける時に、声の大きさやトーンなど、気づいたら普段の話し方と違っていることってありませんか?

マザリーズは、対乳児発話(IDS:Infant-Directed speech)とも呼ばれ、さまざまな民族や言語圏で使われていて、男女の性別を問わず誰かに教わることなく自然に使われているという特徴があります。

通常の話し方に比べて、マザリーズで話しかけることによって、さまざまな効果があることが分かっています。

マザリーズを使った赤ちゃんへの話しかけ方の特徴

日本語や英語、フランス語、イタリア語などの言葉に関係なく、誰もが使っているマザリーズとは具体的にどのような話し方なのでしょう。マザリーズ初心者のママも、ここで紹介する特徴を意識すると自然とできるようになりますよ。

マザリーズの話し方には、主に次のような特徴があります。

マザリーズの特徴

  • 聞き取りやすいようはっきりと話す
  • ゆったりとテンポで抑揚をつける
  • 普段より声を高めにする
  • 単純で短めのフレーズにする
  • 繰り返しや質問を多用する

赤ちゃんに話しかける際は、声の調子やリズムに変化をつけることによって、赤ちゃんは言葉の意味が分からなくても、相手の発言の意図や感情が理解することができるようなります。

身振り手振りを交えたり、口をはっきりと動かすなど表情に変化をつけることによって、より赤ちゃんに伝わりやすくなるので、ぜひお試しください。

このように、マザリーズの話し方は、普段の話し方を少し工夫するだけで、赤ちゃんとママが親子関係の構築につながる、欠かせないコミュニケーションだといえます。

マザリーズによる赤ちゃんへの話しかけの効果

誰かに教えられるわけでもなく、自然とマザリーズを使って赤ちゃんに話しかけていたというママも、その効果まで知っているという人は少ないのではないでしょうか。

マザリーズが赤ちゃんにどのように影響するのかを知っていると、もっとマザリーズの話し方をしてみたくなるはず。ここからは、マザリーズの効果をみていきましょう。

赤ちゃんの関心を引くことができる

通常の大人に対する話し方に比べると、マザリーズで大きな抑揚や高いピッチで話すことは、赤ちゃんにとって注意を向けやすく、その関心が長時間持続します。

好奇心が旺盛な赤ちゃんは、大きな音や高いトーンで話しかけられることで、高い関心を持つようになるのです。

赤ちゃんにとって分かりやすい

いけないことをしてママから「めっ!」と少し強い口調で叱られたり、「お利口さんねー」と優しい口調で褒められたり、話す内容によって声のトーンを変えることで、相手の感情が分かりやすく伝わります。

ママがさまざまなバリエーションを使い分けることによって、赤ちゃんは相手の意図を理解できるようになり、親子のコミュニケーションの幅が広がるのです。

言葉の発達につながる

ママがはっきり口を動かしてゆっくりと話すことによって、赤ちゃんは視覚と聴覚の両方から、言葉を話す情報を得ることができます。

ママの口の形を真似たり、一緒に声を出したりするなどして赤ちゃんは相手を観察し、言葉を話す訓練をすることが言葉の発達につながります。

ママの声を聞いて安心する

赤ちゃんはお腹にいる時から、ずっとママの声を聞きながら過ごしているので、生まれてからもママの声を聞くとホッとするものなのです。

さらに、ママに話しかけられたり、言葉のやりとりをしたりすることによって、赤ちゃんとママの間に愛着が形成され、良好な親子関係の基礎が築かれていきます。

赤ちゃんの聴覚の発達はいつから?

聴覚の他、視覚・触覚・嗅覚・味覚の五感は、赤ちゃんがお腹の中にいる妊娠8ヶ月くらいには完成すると言われています。その中でも聴覚の発達は妊娠6ヶ月くらいから。赤ちゃんは早い段階から、お腹の外の音を聞いているのです。

水に浮かんでいる状態なので、赤ちゃんには周囲の音がこもったような感じで音が聞こえていますが、ママの声は他の音に比べてはっきりと聞こえるため、生まれて間もない新生児の頃からママの声をしっかり聞き分けられます。

さらに、生後4~6ヶ月くらいになると喃語を話すようになることから、自分の声を認識して、いろいろな声を出して遊ぶようになります。

産後うつのママは積極的に赤ちゃんに話しかけましょう

産後うつを発症しているママは、気分の落ち込みによって口調に抑揚がなくなるため、マザリーズが上手くできないことが知られています。

何となく気分が晴れずに、赤ちゃんに話しかける気になれないという場合は、家族やかかりつけ医に相談してみるといいでしょう。

産後うつとは?

産後うつとは、出産後のホルモンバランスの急激な変化によって、気分の落ち込みなどが起こることをいいます。1~2週間で症状が治まる場合もあれば、1年以上も続く場合もあるため、医療機関での治療が必要となることもあります。

2010年に発表された理化学研究所の研究によると、マザリーズを話すママは、単なる赤ちゃんへの話しかけにとどまらず、赤ちゃんに言葉を伝えようとすることで脳が活発化することが分かっています。

そのため、産後うつで赤ちゃんに話しかける気分になれない…と悩むママは、むしろ積極的にマザリーズを活用したほうが脳の活性化につながるのです。

月齢別の赤ちゃんへの上手な話しかけ方

いざマザリーズを使って話しかけるとなると、どのように話しかければいいのか悩みますよね。そこで、月齢別で赤ちゃんの成長に合わせた上手な話しかけ方を紹介していきます。

「習うより慣れろ!」の精神で、赤ちゃんにどんどん話しかけてみましょう。

新生児~生後4ヶ月

生まれて間もない頃は、赤ちゃんとのコミュニケーションが取りにくい時期ですが、生後1ヶ月くらいから、「あー」「うー」のような母音を、舌を使わずにのどの奥から出すクーイングと呼ばれる発声をして楽しみます。

赤ちゃんがクーイングをしたら、オウム返しのようにママも一緒に「あー」とか「うー」と言ってみるほか、クーイングに対して、「どうしたのかな?」とか「楽しいのー?」などのように、質問形にすると抑揚がつけやすくなりますよ。

生後5ヶ月~9ヶ月

生後5ヶ月前後になると、それまでのクーイングにみられなかったような、「バー」や「ダー」といった子音を使った喃語を話し始めます。

徐々に「ンマンマ」「バブバブ」などのように、同じ言葉を繰り返すような複雑な喃語を話せるようになるので、「上手に話せたねー」など、ママに褒められると赤ちゃんは喜んでもっと話すようになります。

生後10ヶ月~

生後10ヶ月を過ぎると、喃語が少なくなる代わりに、興味があることを指差ししたり、おもちゃなどを手渡したりすることで意思表示をするようになります。

「マーマ」や「ハイ」など意味のある単語を話すようにもなり、言葉がどんどん発達していく時期なので、ママはどんどん話しかけたいですね。

「それなあに?」「ちょうだい」など、遊びの中にコミュニケーションを取り入れることで、赤ちゃんの言葉の発達につなげていきましょう。

この記事を書いたライター

小笠原蓮香

趣味は野球観戦!カープ女子がライバルのアラフォー腐女子です。