赤ちゃんがつねる理由は?気持ちを知って怒らずにやめさせよう!
赤ちゃんの成長は毎日幸せで嬉しいものですが、赤ちゃんにつねられて思わず悲鳴を上げることが多いママにとっては「つねるのだけはやめて欲しい」と日々切実。成長過程だから仕方ないとあきらめて我慢しがちですが、そのまま何もしないと癖になってしまうこともあるので注意が必要!
そこで今回は、赤ちゃんがつねる理由やつねる行動に隠された気持ち、止めさせる方法など赤ちゃんがつねることについて詳しく解説します。「怒っても良いの?」と言ったしつけへの疑問にもお答えします。
赤ちゃんがつねるのは成長過程?
赤ちゃんがつねる理由の一つは、手や指の機能の発達です。生まれた直後から意識してつねることができる赤ちゃんはおらず、成長と共に自分の意志に従って上手に手や指を使ってつねることができるようになっていきます。
4ヶ月頃から物を握ることが上手くなってくると赤ちゃんはつねる行動を繰り返し始めますので、生後5~7ヶ月頃になるとつねられる痛みに悩むママが増えてきます。中には「私のこと嫌いなの?」と内心たまらない気持ちになるママもいますが、「これも成長の証だ」と思えば少し優しい気持ちになれます。
把握反射をつねっていると思ってない?
授乳中はおっぱいをつねられることが多いのですが、月齢によっては把握反射の可能性もあります。新生児からあり生後5~6ヶ月に消失する原始反射ですが、手のひらに触れた物を反射的にギュッと握ってしまうのです。
おっぱいを捜して手をおっぱいに移動したものの、意図せずギュッとママのおっぱいや乳首をつねって(握って)しまった可能性もあることを知っておきましょう。
つねる理由は赤ちゃんの気持ちにもある?
「握れるようなったからって何故つねるの?わざとじゃないの?」と、つねられた痛みにイライラするママやパパもいますが、赤ちゃんがつねる理由には大きく4つの赤ちゃんの気持ちも関係していると言われています。
1ママの体を触ると気持ちいい
赤ちゃんはママの二の腕や首などをつねることで、無意識にママの体を触り愛情ホルモンを分泌して安心感や幸福感を得ていると考えられます。
「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンは、スキンシップやアイコンタクトによって分泌され、赤ちゃんや私達人間だけでなくペットの犬までも幸せな気持ちにしてくれることで知られています。
2ママに振り向いて欲しい
赤ちゃんはママが大好き!だからこそママがテレビやスマホに夢中になっている、他のことを考えている、長電話をしているなど、気持ちが自分に無いことをお見通しなのです。そんな時にはつねつねして「ママ注目して!私を見て!」と訴えていることもあると考えられています。
赤ちゃんにとってアイコンタクトは愛着形成をする上でとても大切な行為。乳幼児期にしっかり愛着形成できないと、他者との人間関係に支障をきたしてしまうこともあります。つまり赤ちゃんがつねることでママの注目を引くことは、正常な発達に必要な要求なのです。
3遊びの一環
赤ちゃんは玩具の代わりにママをつねることで、その反応を楽しんでいるのだとも言われています。
「赤ちゃんにつねられ、痛くて思わず顔をしかめてしまった」という経験、多くのママやパパが味わっていることでしょう。そんなママやパパの表情や騒ぎ立てる様子を見て「何だか楽しそう。ママやパパの顔が変わった!」と思う赤ちゃんもいるのです。
赤ちゃんが飽きた時につねると場合は、にぎにぎ・ガラガラを渡す等、おもちゃを握らせるとよいでしょう。特に比較的短時間で簡単に作れるにぎにぎは、手作りにもおすすめです。
4おっぱいをゴクゴク飲みたい
赤ちゃんはおっぱいを押すことで、母乳の出をよくしているとも言われています。おっぱいをゴクゴク飲みたくてママの胸に手を持って行き、そのまま手で押すつもりだったのにつねってしまった可能性もありますので、授乳量が不足している可能性がある場合は妊娠中だけでなく産後にもいいハーブティーを調べてみましょう。
母乳育児中におすすめの出を良くする種類もあれば、過剰分泌を抑えるハーブティーなど種類が豊富です。
つねりは癖になるから注意して!
赤ちゃん側の理由を知ると「発達段階で必要なことだから」とついそのままにしてしまいがちですが、つねりは癖になります。赤ちゃんのおしゃぶりが癖になって取れないのと同じです。
2,3歳になり言葉のキャッチボールがしっかりできる頃になれば、確かに直すことは今より容易になります。しかしママの身体を青アザだらけにするだけでなく、抱っこしてくれたパパや兄姉、周囲の人やお友達にまで痛い思いをさせてしまう恐れもありますので、癖になる前に止めさせるに越したことはありません。
赤ちゃんにつねるのを止めさせる方法4つ
ここでご紹介するいくつかの方法を1回試しただけでは、赤ちゃんに伝わらず改善しないでしょう。赤ちゃんは言葉や意味を正確に理解できるのではなく、漠然とママの表情を読み取っているだけ。ですから言葉が通じない赤ちゃんにつねるのを止めてもらうのは至難の技。
つねることに限らず子供のしつけには親の根気が大切ですので、赤ちゃんに繰り返し伝えていくことで焦らず気負わずコツコツと対処していきましょう。また、しつけは家族全員で行うことが大切ですので、パパや兄姉にも正しい接し方を伝えておくことが大切です。
1一旦手を止めて赤ちゃんを見る
日頃から赤ちゃんの求めにはできるだけ手を止めて答えた方がよいのですが、赤ちゃんがつねるからといっていつも手を止めていては家事ができません。ですから赤ちゃんが寂しがってグズっている時は、一旦手を止めて赤ちゃんと向き合い、目を見て穏やかな表情で「ママはいつでも○○ちゃんを見ているよ。待っていてね。」と伝えましょう。
こうすることで赤ちゃんは少し安心しますし、ママも少し気が楽になります。
その後手早く家事を済ませて「待っていてくれてありがとう」と赤ちゃんをしっかり褒め、スキンシップすることを忘れないようにしましょう。ママが歌いながら家事をするのも、赤ちゃんの気持ちを落ち着かせる効果があります。
2つねる以外の愛情表現を提示する
日頃から「大好き」とハグしたり、ホッペをくっつけたりといったスキンシップでしっかり可愛がり、正しいスキンシップの仕方を教えてあげましょう。
もし赤ちゃんがつねってしまった時は、「ママはつねられると痛いからイヤだよ」と赤ちゃんの目を見て落ち着いて気持ちを伝えましょう。その後「こうするんだよ」とつねった赤ちゃんの手を握ることで愛情の示し方を体験させましょう。
「スキンシップはつねらない方が良い」「こっちのやり方にすれば気持ちを満たしてもらえる」と学習すれば、人をつねる行為は赤ちゃんにとって不要な行為となっていきます。
3穏やかに伝える
ただし、つねられるのは嫌だという気持ちは落ち着いて穏やかに伝えることが大切です。感情的になって怒ったり、過剰に騒いだり、つねられたのにニコニコ注意したりすると、赤ちゃんは「つねることで振り向いてくれた」「つねると構ってもらえる」と間違った学習をしてしまうことがあります。
つねられた痛みでつい怒って大惨事に…
上の子が生後7ヶ月の頃、実家からは離れたところに住んでいたため、よく同じ時期に出産した友達と電話で話していました。電話をする時は上の子をおんぶしてソファーに腰掛けたり、ぐずったら立ち上がってゆらゆらしたりしていたのですが、ある日ギューっとつねられてしまいました。
あまりの痛みに思わず「痛っ!痛~い!離して~」と、まるでお笑い芸人のように大声で叫んでしまいました。一瞬、息子は手を緩めて固まってしまったのですが、次の瞬間またつねり出したため、すぐに電話を切りました。
その日から息子のつねりがひどくなり、心なしか面白そうにやたらとつねって来るので失敗した~と大反省。それからしばらくは電話を控えておんぶも止めて、つねられてもあまりリアクションせずにおもちゃを見せるようにしました。
4面白くないことを表情で伝える
「つねられてママは悲しい」という気持ちをしっかり伝えましょう。少し大げさに悲しい顔をして表情で伝えると伝わりやすくなります。
赤ちゃんには表情を読み取る能力があるため、不快な表情を見せることで「楽しいことじゃないみたい」と伝わりやすくなります。何度か再チャレンジしたり忘れた頃につねってきたりはしますが、そのうち直ります。
繰り返し伝える事で赤ちゃんのつねり克服!
子供がつねりだしたのは、5ヶ月頃でした。おっぱいを飲み終える頃になると、二の腕やおっぱいをつねるようになりました。今思うと、おっぱいでお腹がいっぱいになって遊んでいたのです。
「甘えているのかな?」と最初はそんなに力も強くなかったので、あまり注意もしませんでした。しかし、子供が成長するにつれて子供のつねりによる青あざが増えてきて、笑って見ていたくても痛すぎて笑えません。
そこで、子供に悲しい顔で「痛い。止めて。」と伝えてみました。勿論、最初はきょとんとした顔をしましたが、これを毎回繰り返し「ママはつねられるのが嫌だよ。」と伝えました。根気よく続け、1歳頃にはこの癖は治っていました。
つねる赤ちゃんを怒っても良いの?
あまりの痛さに声を荒げて怒りたくなる気持ちも、おもわず赤ちゃんの手を振り払いたい気持ちもよくわかります。しかも何回も注意しているのに聞いてくれないとなれば、いつまで続くのかと不安になることでしょう。
けれど赤ちゃんのつねる行為は大人が本気で怒ってしつけるべき危険な行為ではありません。
怒鳴ったり手を振り払ったり叩いたりしても、赤ちゃんは何がいけなかったのか理解できませんし、怒ることが多すぎると、本当に悪い“危険なこと”を学べなくなってしまう恐れがあります。この時期の赤ちゃんは「快」「不快」の感情を基本として、月齢や発達状況に応じて「怒り」「恐れ」「嫌悪」「愛情」「得意」といった感情があるだけです。
また怒ることで恐怖により一時的につねる行動を止めても、やめることを学ぶどころかエスカレートする恐れすらあり、やめた方が得であることやつねられた人の気持ちなどの学ぶべきことを学ぶチャンスを逃してしまいます。
思わず怒鳴ってしまったら?
もしとっさに怒鳴ったり、手を振り払ったり、叩いたりしてしまっても、きちん「ごめんね」と伝えてしっかり抱きしめてあげれば、赤ちゃんは落ち着くことができます。次からは一旦深呼吸し、落ち着いて注意してあげましょう。
小さい頃から善悪の価値観を育てよう
未就園児はママやパパ、兄弟等身近な人に影響されやすく、口調、口癖、思考を真似て善悪の価値観の芽を育みます。
ですから「つねることは悪いこと!」という大切なことを、赤ちゃんだから伝えても分からないと決めつけて注意しないと、せっかくの善悪の価値観を育てるチャンスを逃してしまいます。
赤ちゃんは入園入学によって様々な価値観に触れ、やがて善悪の価値観を含めた自我を確立していきますが、道徳性や社会性を形成する重要な乳幼児期に家庭教育が疎かになると、学童期には親の手に負えなくなって後悔することもあります。
親の影響をダイレクトに受ける乳幼児期だからこそ、“人を傷つけることは悪いこと”という価値観を学ばせ、親の背中で“相手に伝えるには根気強く接する”ということを自然に吸収させてあげましょう。