水天宮で安産祈願!知っておくべき料金とご祈祷の手順
安産祈願といえば全国的に有名なのが東京・日本橋の「水天宮」です。免震工事などの大掛かりなリニューアルが行われ、2016年4月に近代的な新社殿が完成しました。
従来の古い建物のイメージとは違い、近代的なコンクリートの作りになっており、一見神社には見えない洗練された外観です。しかし一歩中に入ると、木の香りと大きな窓ガラスから差し込む光によってあたたかみのある内装になっており、妊婦さんが座って待てる待合室も明るく開放的な雰囲気になっています。
リニューアルされて綺麗になった水天宮でも、従来のまま多くの安産祈願をする夫婦やご家族で毎日にぎわっています。ここでは、水天宮で初めて安産祈願をする際に知っておくべき「初穂料(料金)」や「ご祈祷の具体的な手順」「意外と知らない参拝マナー」について詳しく紹介していきましょう。前もって全体の流れを知っておくことで、「次はどこに行けばいいの?」と迷うことなくスムーズに安産祈願を行い、赤ちゃんの誕生を穏やかな気持ちで迎えたいですね。
安産祈願とは
安産祈願とは、戌(いぬ)の日のお祝い(帯祝い)のことでもあります。お腹に新しい命を授かったことに感謝し、母子の健康と赤ちゃんが無事生まれてくることを神様にお願いして、大きくなってきたお腹に「腹帯」を締める、日本独自の美しい習わしです。一般的に、安産祈願は妊娠5ヶ月目(安定期に入る頃)の最初の「戌の日」に行うとされています。これは、犬が一度にたくさんの子犬を産むにもかかわらず、お産が非常に軽く安産であることに古くからあやかっているためです。
戌の日は12日に1度巡ってくるため、月に2〜3回あります。自分の妊娠5ヶ月目がいつにあたるのか、カレンダーをチェックしてスケジュールの目安を立てておきましょう。
| 戌の日の安産祈願・事前チェックリスト | 確認ポイントと準備のコツ |
|---|---|
| 日程の候補出し | 妊娠5ヶ月目に入る「戌の日」をカレンダーで確認。平日の場合は、パパの仕事の都合や、大安などの六曜も合わせてチェック。 |
| 体調の確認(最優先) | 安定期とはいえ、つわりが残っていたりお腹が張りやすかったりすることも。戌の日にこだわらず、ママの体調が良い日を優先する。 |
| 同行者の調整 | パパだけでなく、両家の祖父母(義両親・実両親)を呼ぶかどうかの相談。水天宮は混雑時に「昇殿は妊婦のみ」の制限がかかるため注意。 |
| 食事会の予約 | 参拝後に両家で食事会をする場合は、水天宮周辺(人形町など)の個室があるお店を早めに予約しておく。 |
安産祈願が水天宮で行われる理由
日本全国に数ある神社の中で、なぜ特に安産祈願が水天宮で行われるのでしょうか。それは、水天宮でお祀りしている四柱の神様のうち、天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)が天地創造の神であり、宇宙のすべてを生み出す神として、安産や子授けなどに絶大なご神徳があるとされていることから、江戸時代より安産祈願の信仰が非常に厚くなったからだと言われています。
もともとは、インドの水の神ヴァルナ神を祀ったことから「水天宮」となりました。福岡県久留米市にある水天宮が総本宮で、現在、北は北海道札幌市から南は熊本県山鹿市まで全国に20か所以上あるほか、ハワイにも分社があるなど、日本中・世界中の安産を願う人たちに深く愛されています。
ご祈祷は絶対に「戌の日」でなければならないの?
安産祈願は、伝統的には妊娠5ヶ月目の戌の日に行うことになっています。しかし、水天宮では「戌の日」に加えて、「土日祝日」や「大安」が重なる日は境内が身動きできないほど大変混雑します。そのため、近年では戌の日にこだわらず、あえて混雑しない平日や別の日を選んで、ゆっくりとお参りする夫婦が増えています。
「戌の日じゃないとご利益が減るのかな…」と心配する必要は全くありません。神様はいつお参りしても等しく見守ってくださいます。一番に考慮すべきは妊婦さんの体調であり、長時間の立ちっぱなしや人混みでの待ち時間が、ママの体とお腹の赤ちゃんへの負担にならないように日程を柔軟に調整しましょう。
安産祈願の「予約」は可能なの?
土日祝日の戌の日は、テーマパークのアトラクション並みに長蛇の列ができることもありますが、水天宮では基本的に事前の予約を受け付けていません。当日、直接足を運んで申込み用紙を提出することで、ご祈祷の受付をするシステムになっています。
【つまずきポイント】混雑時のご祈祷(昇殿参拝)には厳密な人数制限が設けられ、戌の日は「妊婦さん本人のみ」しか本殿に入れない規制がかかることがよくあります。「パパや上の子、おじいちゃんおばあちゃんも一緒にご祈祷を受けたい!」と考えているなら、混雑する戌の日を意図的に外して参拝することを強くおすすめします。
料金(初穂料)はいくら?どのように支払うの?
神社でご祈祷を受ける場合には、ご祈祷料として、のし袋に「初穂料」「玉串料」「御礼」「祈祷料」などと表書きを書いたものにお金を入れて納めるのがマナーです。そのうち、安産祈願では「初穂料(はつほりょう)」と書き添えるのが一般的なのですが、「玉串料(たまぐしりょう)」と迷って調べる人も多いようですね。
初穂料と玉串料の決定的な違い
初穂料も玉串料も、「神様にお供えするもの」という意味としては同じです。しかし、ご祈祷と共に神様から御札や御守を「受け取る」慶事の場合には、玉串料という表書きは使用しません。安産祈願では、ご祈祷の後に御札や腹帯などを受け取るため、「初穂料」と書くのが正解です。
水天宮の安産祈願の初穂料(ご祈祷料)は、時代や時期によって改定されることがあるため、お出かけ前に必ず水天宮の公式サイトで最新の金額を確認しましょう(※ご祈祷料のほかに、腹帯のセットを購入する場合は別途料金がかかります)。
料金の支払い方法と「のし袋」のマナー
ご祈祷の料金というのは、単なるサービスへの対価ではなく「神様に捧げるお供えのお金」なので、しっかりと大人のマナーを知っておきたいですよね。
水天宮のように受付システムが近代化されている神社では、お財布から直接お札を出して支払う人も増えていますが、本来は「初穂料」という表書きをしたのし袋、または無地の白い封筒(郵便番号枠のないもの)に入れて渡すのが丁寧で確実です。表書きの下段には、ご祈祷を依頼する人の氏名を書くので、安産祈願では「夫婦の連名」または「妊婦さんのフルネーム」を書きましょう。
のし袋を使用する場合は、水引きは「蝶結び(花結び)」で紅白のものにしましょう。出産や安産祈願など、「何度あってもおめでたいこと(繰り返してよいこと)」に対する神社への謝礼をのし袋に入れる場合は、蝶結びのものが一般的です。
神札所(受付)にご祈祷の申込をするときに、記入した申込用紙と合わせて先にスッと支払うのがスマートです。お金は新札(ピン札)を用意しておくのが理想的ですね。
ご祈祷当日の服装は?
戌の日の服装は、気合いを入れてガチガチのフォーマルスーツなどで行く必要はありませんが、神様にお会いする場ですのでカジュアルになりすぎない(清潔感のある)服装に注意しましょう。派手な色の服装や、肩出し・ミニスカートなど肌の露出の多い恰好、ダメージジーンズ、Tシャツ、素足にサンダルなど、ラフ過ぎる恰好は神聖な場にふさわしくないためNGです。
ママは締め付けのないマタニティ用のワンピースに歩きやすいローヒールのパンプス、パパは襟付きのシャツにスラックス(チノパン)にジャケットを羽織るくらいの、少しきれいめな「オフィスカジュアル」程度の恰好が無難です。冬場は足元が冷えるので、厚手のタイツや腹巻きでしっかり防寒対策をしていきましょう。
ご祈祷の具体的な手順(水天宮での流れ)
神社など神聖な場所に行くときは、「作法を間違えたら恥ずかしい」となんだか緊張してしまいますよね。水天宮での安産祈願のご祈祷は、どのような手順で進むのか、前もって流れを知りイメージしておくと当日慌てませんよ。手水舎での正しい清め方など、意外と知らない参拝マナーについても詳しくおさらいしておきましょう。
1手水舎(てみずや)で手と口を清める
安産祈願に限らず、神社を参拝したときには、本殿に向かう前にまず手水舎で手と口を清め、日常の穢れ(けがれ)を落とします。手と口の清め方のマナーは、次のとおりです。特に、口を清めるときに、柄杓(ひしゃく)に直接口をつけるのはマナー違反ですので気を付けましょう。
- 右手で柄杓を持ってたっぷりと水を汲み、まず左手を洗う
- 左手に柄杓を持ち変えて、右手を洗う
- 再び右手に柄杓を持ち変え、左の手のひらに少量の水を受けて口をすすぐ(※音を立てずに静かに吐き出す)
- 口をつけた左の手のひらをもう一度サッと洗う
- 最後に、残った水で柄杓を立てるようにして、自分が持っていた柄(え)の部分に水を流して洗い、元の位置に伏せて戻す
2申込用紙に記入する
境内に入るとご祈祷の申込をするための記入台があり、そこに申込用紙が置かれています。備え付けのペンで住所や氏名、何のご祈祷を受けるのか(安産祈願)などを記入します。神様にどこの誰かをお伝えするためのものなので、住所や氏名は妊婦さん本人のものを正確に記入しましょう。
受付は通常8時から15時すぎまでとなっていて、最初のご祈祷は9時から始まります。「パパ、こっちの欄も書いてくれる?」と二人で協力して準備を進めましょう。
3申込用紙と初穂料を神札所(受付)に収める
記入した申込用紙と、あらかじめ用意してきた初穂料(のし袋または現金)を、神札所の窓口で巫女さんや神職の方に渡すことで、ご祈祷の正式な受付が完了します。ご祈祷のマナーや、御守りの授かり方など何か分からないことがあれば、遠慮せずにこのときに質問しておきましょう。
【つまずきポイント】大安の戌の日など大混雑する日は、この受付窓口にたどり着くまでの行列で、すでに1時間以上立ちっぱなしになってしまうこともあります。パパが列に並び、ママは日陰やベンチで座って待機するなど、パパの優しさと気遣いの見せ所です!
4名前の札と授与品を受け取る
ご祈祷の受付ができたら、名前が書かれた札や授与品(おさがり)が入った紙袋をいただくことができます。授与品の中には、御子守帯(みすずおび)と呼ばれる生成り(無漂白)のさらしの腹帯が入っています。
これは江戸時代から、水天宮の鈴の緒(お参りするときに鳴らす鈴の縄)に使っていた晒(さらし)のお下がりを妊婦さんが腹帯として巻いたところ、非常に安産であったという言い伝えから、現在でも安産の象徴として生成りの晒を腹帯として分けてくださっているのです。とても縁起の良いものですね。
5近代的な待合室で順番を待つ
受付が完了したら、自分のご祈祷の順番(グループ)が呼ばれるまで、空調の効いた綺麗な待合室の椅子に座って待ちます。前述の通り、本殿に入れるのは混雑時は妊婦さん本人のみ、または代理人1人と厳しく決められている日があるため、パパや祖父母などの家族はこのまま待合室で待つようになります。
水天宮の待合室はとても広く快適で、大きなデジタルサイネージで昭和初期の水天宮大祭の貴重な映像などを観て過ごすことができます。上の子を連れている場合でも、清潔な授乳室やおむつ替えスペースが完備されているので、急な「おしっこ!」やグズリにも安心して対応できますよ。
6祈祷の順番がきたら本殿に向かう
自分の番号やグループが呼ばれたら、いよいよ本殿に向かいます。係りの人の案内に従って進みましょう。本殿でのご祈祷自体は15~20分程度で、厳かな雰囲気の中、神職の方が祝詞(のりと)を読み上げ、数人〜数十人の妊婦さんがまとめてご祈祷を受ける仕組みになっています。自分の名前が読み上げられると、「ああ、本当にお腹に赤ちゃんがいるんだな」と神秘的な感動と親になる実感が込み上げてきますよ。
ご祈祷が終わったら「子宝いぬ」と「安産子育河童」にもお参り
無事にご祈祷が終わって「あー終わった!」とすぐ帰るのではなく、境内にある有名なパワースポット、「子宝いぬ」と「安産子育河童(かっぱ)」の銅像にも忘れずにお参りしてから帰りましょう。
愛らしい「子宝いぬ」の銅像は、母犬と子犬の頭を優しくなでると安産になると言われています。さらに、親子の周囲にぐるりと丸く配された「十二支の半球」のうち、自分(妊婦さん)の干支をなでると効果はさらにアップすると言われています。「元気に出ておいでね」とお腹に手を当てながらなでてみてください。
さらに、足元に赤ちゃん河童がしがみついている「安産子育河童」の銅像にもお参りしましょう。犬が安産の象徴であることは有名ですが、「なんで神社に河童なの?」と不思議に思う人もいるでしょう。実は、水天宮の神様の使徒(お使い)である河童には、水難除けや魔よけの強いご利益があるとされているため、安産祈願と一緒にお参りして撫でておくと、赤ちゃんを悪いものから守ってくれてさらに安心なのです。
無事に出産した後はお礼参り(初宮参り)を忘れずに
十月十日を乗り越え、無事に赤ちゃんを出産して「無事に生まれてきてくれますように」という願いが叶ったら、神様へのご報告とお礼を兼ねて、いただいた御神札や御守、使い終わった腹帯をお返しする「お礼参り」を忘れずに行う必要があります。願いを叶えてくれた神様にお礼することはもちろんですが、夫婦にとって「これから新たな気持ちで、親として子育てに励んでいく」という心理的な一つの区切りとしても、お礼参りはとても大切な節目になります。
お礼参りの時期としては、出産後1年以内であればいつでも良く、安産祈願のような「この日に行かなければならない」という明確な決まりはありません。産後のママの体が回復し、育児のペースもつかめてきて、親子共に体調が良い晴れた日を選んで行くのが一番です。
のし袋の表書きは「御礼」とし、下段には新しく名付けた「赤ちゃんの名前」を書き、数千円くらいのお気持ちを納めます。水天宮では、生後1ヶ月頃に行う赤ちゃんの「お宮参り(初宮詣)」のご祈祷を受ける際に、安産祈願のお礼参りも同時にすませて古いお札をお返しするご家族が非常に多いですよ。
水天宮(すいてんぐう)の基本情報
TEL: 03-3669-7195
時間: 7:00~17:00 (※ご祈祷の受付時間や境内開門時間は、祭事等により変更になる場合があるため公式サイトで確認してください)
住所: 東京都中央区日本橋蛎殻町2丁目4−1
- 東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」(5番出口)より徒歩1分
- 都営地下鉄浅草線「人形町駅」(A3出口)より徒歩8分
- 東京駅八重洲口よりタクシーで15分ほど(※妊婦さんは無理せずタクシーの利用もおすすめです)



