離婚する事で子供に良い影響があるなら考えるべき
「子供がいるから離婚だけはしない」一昔前にはよく耳にしたフレーズですが、最近は「子供のために離婚する」という言葉も耳にします。
離婚する夫婦に子供がいる場合、離婚すること自体の是非よりも、子供のことをどうするか、子供のためにはどうするのが良いのかと悩むことが多いと思います。
夫婦に愛が全くなくなってしまった場合や毎日夫婦喧嘩が絶えない、将来的に子供に悪影響があると判断した時は考えるべきかもしれません。
子供のために離婚しないのか、それとも子供のために離婚するのか、そこで子供にどんな影響がでるのかをまとめてみました。
離婚後に考えられる子供が受ける6つのデメリット
- 経済的な困窮
特に母親が子供の親権をもつ場合は、収入の面で苦労することが多いです。 別れた夫から養育費をもらえないケースでは、生活保護などに頼る人も少なくありません。 - 親とのコミュニケーション不足
親が生活を支えるために忙しく、子供と過ごす時間や会話など親子のコミュニケーションが離婚前よりも減ってしまい、子供が寂しさを感じる場合があります。 - 自分のルーツであるふたりが別れることによる心的痛み
なぜお父さんがいないのか?お母さんがいないのか?幼いうちはそんなに気にならないかもしれませんが、思春期になると大きな心の痛みを感じる場合があります。 - 友達や近所の人、親戚など知り合いからの偏見
昨今ではだいぶ少なくなりましたが、いまだに片親というだけでバカにしたり、名字が変わることをからかう人もいます。 - 家事の手伝いやアルバイトによって勉強時間が確保しにくくなる
親の仕事がハードだったり、親が子供に頼り過ぎる性格、または子供が親を気遣い過ぎる性格の場合など、子供の家事負担が極端に多くなり、子供によっては友達と遊ぶ時間を持てないケースもあります。
また高校生になると生活のためにアルバイト三昧になり、勉強する時間が減るケースもあります。 - 母親(父親)の再婚相手との関係に悩む
離婚後に親が再婚した場合、子供と再婚相手とのコミュニケーションが難しく、精神的負担を抱えて苦しむ子供も少なくないようです。
離婚は当たり前になりつつある
離婚がまだ珍しかった頃には、他人の目は現代以上に気になったはずですが、厚生労働省の調べによると昨今は過去に比べると増加傾向にあり学校の友達にも片親の家族は多くいます。 そのような意味では、20年前くらいに比べて、子供が学校などでつらい思いをすることは減っています。(注1)
また、現代では女性も仕事を持っている場合が多く、フルタイムでそのまま勤務している場合はすぐに生活に困るということもないかも知れません。
環境により両親の離婚によって子供が受ける4つのメリット
両親の離婚は全てデメリットではありません。 環境により離婚して生活が楽になったというメリットもあります。
- 怒鳴り合ったり憎しみ合ったりしている両親がいる家庭よりも家庭内の雰囲気が明るく、気楽で楽しい
毎日が喧嘩の日々、夫婦喧嘩が絶えないなどの環境が一変し雰囲気が良くなるなどのメリットも環境により考えられます。 - 両親どちらもから小遣いをもらえる
今までは母、父あわせての小遣いが離婚した事によって両方から貰えるというメリットもあり、別れた父、母に合うときは必ずごちそうにありつける。お金を貰えるという事も子供にとっては大きなメリットと感じるかもしれません。 - 自分で考えて行動する癖がついているため、精神的な自立が早い
精神的に間違いなくダメージはありますが、多くの困難を乗り越える事により、普通の子供より、自分で解決する能力が身に付きます。 - 進学や就職に対して親があまり口出ししないため、自分の道を決められる
親の指示で学校や就職まで決められて自由がない人に比べ、自分で将来の道筋を決めることが可能になります。
子供が離婚前の家庭内の状況を覚えている年齢に達してから両親が離婚した場合「親が怒鳴り合うのが嫌だった。離婚したら家庭が明るくなって良かった」と比較するため、メリットを感じやすいようです。
子供幸せを第一優先に考える
両親が離婚した子供達が大人になって口にするのは「母親が、父親の浮気について話をするのがつらかった」「母も父も、離婚してから相手の悪口を言わなくなったので良かった」というように、物質や金銭面のことではなく、家族のあり方についてです。
離婚をしても、子供の前で別れた夫(妻)を悪く言っているのでは別れた意味がありませんし、離婚せずにどうにか我慢していても、暗くて嫌な雰囲気の家庭では子供は幸せを感じません。
子供が育つ環境を明るく楽しくできるかどうか、そのことを基準に離婚について考えることはとても大切です。
参考文献
- 注1:厚生労働省離婚の年次推移