旦那が入院して困ったことに関する記事

夫が入院したら:お見舞いの頻度と生活費の不安への備え

夫が入院したら:お見舞いの頻度と生活費の不安への備え

お見舞いに毎日行かないと決めてよいのか、生活費はどうなるのか、疲れたときに何を手放すか。夫の入院で先輩ママが一番困ったことを15人分紹介しながら、会社への連絡の伝え方、書類の探し方、家事の水準の下げ方を整理しています。

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夫が入院したら困ることと備え:体験談15

もしも旦那様が突然入院したら、どうなるのだろうと考えたことはありますか。家事や育児、生活費、保険の手続き、旦那様の仕事の連絡など、やることが一度に押し寄せてきます。順番が分からないまま動き出すと、大切な手続きが後回しになってしまうこともあります。

もしもの時のために日頃から備えておくことはとても大切です。ここでは、先輩ママから旦那様が入院して一番困ったことを教えていただきました。皆様も、これらの体験談を参考に、できることから備えを始めてみましょう。

まず押さえておきたい三つのこと

体験談を読む前に、多くの家庭で共通していた要点を三つだけ先に挙げます。

ひとつめは、やることには順番があるということです。全部を同時にやろうとすると必ず疲れます。当日は入院手続きと会社への連絡だけ、お金の手続きは翌日以降、と分けるだけで負担がぐっと軽くなります。

ふたつめは、お見舞いは毎日行かなくてもよいということです。実際に体験談でも、回数を減らしたり、洗濯物のやりとりだけにしたりした方が多くいます。頻度は家庭の事情で決めてよいものです。

みっつめは、お金の不安は先に情報を集めると小さくなるということです。公的な仕組みには、窓口での支払いを抑えられるものや、給与が支払われないときの生活を支えるものがあります。仕組みを知っているかどうかで、手元の資金の心配は大きく変わります。

旦那さんが入院した体験談

はるゆう

32歳

一人での家事・育児

妊婦さんと母親

我が家は、夫36歳、私32歳、長女4歳、次女1歳の4人家族です。夫が入院したのは、次女を妊娠中の2015年1月1日、お正月のことです。

この日は朝から雪が降っており、雪に慣れていない夫はゴミ捨て場で滑って転び、足を骨折してしまいました。長女はまだ2歳で、お腹には赤ちゃんがいたため、とにかく一人で家事と育児をこなすのが大変でした。仕事もしていたため、保育園の送迎なども全て一人で対応しました。

そこで、遠方ではありましたが私の母に来てもらい、家のことをお願いしました。そのおかげで、私は病院に着替えを持って行くなどの対応に集中することができました。

二週間お世話になり、本当に助かりました。もし旦那様が入院したら、一人で抱え込まず、周りの人に協力を求めてみるのが良いと思います。

めいさん

52歳

退院後の力仕事

夫と高校生の娘、小学生の息子の4人家族です。夫が入院したのは2014年の2月で、アキレス腱を切ったため、一週間ほど入院しました。本当は3週間くらい入院するのが一般的だったようですが、夫は一週間で退院し、松葉杖で電車に乗って出勤していました。

入院中は、手術の日だけ付き添い、子どもたちの食事の世話などが少し面倒だったくらいで、怪我での入院だったので比較的楽でした。しかし、退院してからが大変でした。家の二階に登れないため、着替えの場所を1階に変更したりと、私が力仕事をしなければならないことが多くありました。

入っていた共済の保険から給付金が支払われ、経済的な負担は軽減されました。欠勤も有給休暇で賄うことができました。日頃からあまり家にいない夫だったので、特に困ることはありませんでした。子どもたちは、母親が困っていなければ困らないと思うので、母親があまり大変だと騒がないことが大事かと思います。

きくりん

40代前半

保険の制度や手続きの仕方

5歳の娘がいる3人家族です。入院したのは去年2015年の秋のこと。突然パパが網膜剥離で手術をすることになり、その日のうちに入院となりました。結婚してから10年以上経ちますが、風邪ぐらいしかひいたことのない人だったので、本人がかなり動揺していました。入院期間はちょうど一週間くらいでした。

とにかく一番困ったのは、お金のことです。まず、緊急の入院だったので大部屋が空いておらず、個室になってしまいプラスの料金がかかりました。医療保険には2件ほど入っていましたが、診断書の発行にも費用がかかりますし、どの保険会社にどんな書類が必要なのか調べるのも大変でした。

また、すぐにお金が振り込まれるわけではないので、一旦は医療費を全額支払うことになり、手持ちの資金を準備するのも大変でした。退院後に知ったのですが、手続きをすれば医療費の自己負担額を抑えられる高額療養費制度もあったようです。

よく言われていることですが、普段から保険の制度や公的な手続きの仕方を確認しておくことが、もしもの時のために必要だと痛感しました。

ゆうママ

38才

小さい子供連れでの付き添い

運転をしているお母さん

我が家は主人、私、子ども2人の4人家族です。結婚して9年になります。主人が入院していたのは2014年1月の一週間でした。咳と熱が続いたため病院に行ったところ、肺炎の疑いがあるため入院するように言われてしまいました。

急に入院が決まってしまったので、入院に必要な荷物を準備して持って行くのが大変でした。当時、子どもは4才と1才で、入院は大部屋だったので、周りの患者さんに迷惑になってしまうと思い、付き添いはほとんどできませんでした。付き添いをしたときは、子供をおとなしくさせるのが大変でした。

入院は一週間だったので、有給を使うことで済みました。病院が自宅から少し遠かったので、荷物を運んだり子供たちを病院に連れていくのに車があって助かりました。もしペーパードライバーのママがいたら、もしものときのために運転を練習しておくと安心かもしれません。

ミミっち

30代半ば

旦那に任せていた家事と書類手続き

私と旦那、小学生の子供二人という四人家族です。旦那が入院したのは2015年2月でした。扁桃腺炎で熱が下がらず、一週間ほど入院が必要だと診断されましたが、実際には五日程度で済みました。

しかし、たった数日でも、日頃から旦那に任せていたゴミ出しや、子供のお風呂など全てを一人で行い、合間に必要なものを旦那に届けたため、結構大変でした。

特に入院書類については、私だけではどうしていいのかわからず困り、結局実家の兄に手伝ってもらいました。こんなときに頼る人がいて本当に良かったです。

いつ何があるかわからないことを想定し、旦那様に銀行通帳の場所や保険書類のまとめ方などを聞いておくといいですよ。普段から家事や手続きを任せきりにしないように心がけることも大切だと感じました。

blue1

40代前半

子供のお迎えとお見舞い

家族構成は、夫・私・子供2人(小学生)です。夫が入院していたのは、2013年11月、期間は1週間くらいです。

夫が入院して困ったことは、しいて言えば子供たち(当時未就学児)を連れてお見舞いに行くのが少し大変だったことですね。午前中に1回、そしてまた午後に子供たちを連れてもう1回とお見舞いをしたので、病院までの往復がちょっと大変でした。

そこで、子供たちは毎日でなくてもいいかなと判断し、入院中何日かは義両親に子供たちのお迎えをお願いし、お見舞いを1回で済ませたりしました(お昼過ぎに行って夕方頃帰るなど)。

私の場合は、入院費等は生命保険で全てまかなえたので金銭面は問題ありませんでしたが、やはり入院が短期間だったので何とかなったと思います(一ヶ月とかになったら大変ですよね)。

やはり、経済的な備えは大切だと思います。あとは万一の際の子供の預け先を確保しておくことも重要だと感じました。

チタン

42歳

人とのつながり(助け合い)

談笑する主婦たち

主人が海外駐在になり、5歳の子供と共に海外で生活していた時の話です。主人は一度も大きな病気をしたことがない人でしたが、突然会社から電話があり、病院に来てくださいと言われた時はパニックになりました。

結局、腸の病気で安静が必要だと言われました。入院は2015年の7月で2週間ほどでした。家族は3人で大人は私だけだったので、入院中に必要な備品等はタクシーで毎日運びました。会社のフォローもありましたが、主人はまだ慣れていないためか私に頼りっきりでした。

入院して一番困ったのは、子供も同時期に熱を出してしまい、現地の幼稚園に行けなかったことです。その時は本当に悩みましたが、同僚の奥様にお願いして解決することができました。

家族の入院は急に発生します。私は人付き合いが苦手で、なるべく避ける方でしたが、やはり人とのつながりは大事です。普段から心の許せる信頼できる人を作っておくべきだと痛感しました。

みおん

30代後半

2人の子供達の世話と家事

夫と2人の子供がいるママです。結婚して11年目になります。夫が入院したのは2015年の10月で1週間位です。夫は以前骨折して足首に金具が入っている状態なのですが、また痛みが出てしまい、病院でレントゲンを撮ってみると足首に膿が溜まっていたようで、もう一度入院して手術することになりました。

夫が入院して困ったことは、家事や2人の子供達の世話を、全て一人でやらなければならなかったことです。子供の保育園への送迎を義母に手伝ってもらえたのがすごく助かりました。

夫が入院してしまうと、家事や子供達のお世話に追われて大変になってしまうので、頼めるのであれば実家や義両親、友人等に遠慮せずに頼んでみることをおすすめします。

あおママ

34歳

生命保険の手続きと書類管理

電話を操作するママ

夫とは今年で結婚して8年目。4歳の息子・2歳の娘と四人家族です。息子が1歳半くらいの時、夫が病気で入院したことがありました。入院したのは、2013年の9月半ば。手術の前後を含め、入院期間は10日間に及びました。

病名は「肺気胸」でした。仕事中に胸に違和感を覚えた夫は、その日の夜に救急病院を受診。そのまま入院することになったのです。突然の入院で、入院の手続きはもちろん、夫の会社への連絡など、全て私がやらなくてはなりませんでした。しかも息子はまだ小さく、全然言うことを聞かない時期。病院の待合室で床に寝そべって遊んだり、とにかく大変でした。

夫の入院中は、息子と一緒に実家に泊まっていました。母に息子の世話を手伝ってもらい、私は病院に見舞いに行くなど身軽に行動することが出来たので、とても助かりました。

一番大変だったのは、入院・手術に関する保険の手続きでした。夫は数種類の生命保険に入っていたため、どの保険会社からいくら保険金が出るのか、一社ずつ電話をして確認していきました。夫はもちろん、自分がどんな生命保険に入っているのか、きちんと一覧を作り、保険証書もまとめて保管しておくべきだったと反省しています。

入院は短期間だったものの、その月は夫の給与も少し減ってしまいました。夫が突然働けなくなったときのためにも、貯蓄は大事だと実感しました。夫の入院は、色々と勉強させられる良いきっかけになりました。

ぴーたん

30代後半

車の運転と子供の預け先

子どもが2人と夫婦の核家族です。夫が入院したのは2010年の10月、1週間でした。夫が入院して困ったのは、病院にほぼ毎日通う必要があったことです。

普段あまり運転をしない私が、一歳の子どもを乗せて運転するのは神経を使いました。最初は一時保育に預けましたが、結構な出費になる上に、子どももストレスを感じたのか、夜泣きがひどかったのでやめました。私も疲れていたので夜泣きはしんどかったです。

仕方がないので毎日病院に連れて行きました。こんな時に両親に頼れると良いなと思いましたが、実家は遠い上に、両親もその頃働いていたので頼れませんでした。

子どもがいるママは、一時保育の施設などをあらかじめ登録しているとスムーズです。当日からの急な預かりは難しい場合があります。車の運転もできるに越したことがないなと思います。

にいまま

20代後半

仕事・子育て・お見舞いの両立

結婚して3年。3歳の女の子と夫の3人で暮らしております。生活のため、貯蓄のために共働きをしていて、昼間子供は保育園に通っています。それでなくても毎日目が回るほど忙しい中、突然の夫の入院でした。

当時は、共にフルタイムで働いていたため、本当に忙しい毎日だったのです。去年の11月、2週間の入院だと言われました。長年勤めている会社だったので、有給休暇をフルで使うことができました。保険も見直した後だったので、お金の心配はそれほどありませんでした。

しかし、まだ小さい子供をかかえて仕事をしながら夫の世話をするのは、正直大変でした。疲れが溜まり、どんどん限界に近づいていました。そんなわたしを見かねてか、夫自らわたしの母へ連絡をしてくれました。謝罪をしながらも、色々手伝ってほしい、と。

普段からめったに人に頼らずにいたので、夫が言ってくれて助かりました。こういうときは、少しくらい周りに頼るのも良いかもしれません

まなママ

30代後半

病院と家の移動と子供の寂しさ

泣いている女の子

結婚して15年になる主婦です。サラリーマンの主人と小学生、幼稚園の二人の子供の4人家族です。主人が肺炎になって入院したのは2013年の10月で、期間は1週間ほどでした。咳がずっと続いていて熱も出てしまったので病院を受診したら、そのまま入院になってしまいました。

私は入院した主人の代わりに会社に電話をかけ、家に帰って入院に必要なものをそろえて、また病院に持っていかなければなりませんでしたが、子供のお迎えの時間などがあり、小さい子と入院のための荷物を持って移動するのは本当に大変でした。

主人は普段から残業であまり家にいないので、育児の面ではあまり不自由さは感じませんでしたが、子供たちを連れてお見舞いに行くと、帰り際に子供が寂しくて泣いてしまったりして、やはり、いつも主人の存在に支えられて安心している部分があるんだなと思いました。子供たちには主人の病気がすぐに治ること、退院の日などを伝えてなるべく安心させるように努めました

主人が入院してありがたみが分かったのが健康保険です。たった1週間の入院でも給付金がおり、会社の保険と合わせると結果的に経済的な負担が少なくて済みました。我が家は掛け捨ての医療保険ですが、若いうちから入院費の備えとして医療保険の検討が役立ちます

まおママ

20代後半

手術費用の準備

我が家は私と夫、2歳の息子の3人家族です。夫が3日間入院したのは今年の7月頃です。尿管結石になって、手術をすることになったからです。夫も20代なのですが、この歳でもそんな病気になるんだとびっくりしました。

夫が入院して困ったことは、手術代のことでした。まだ若いから…と、手薄な保険にしか入っていませんでした。すぐに保険の契約書を確認して、いくらお金が支払われるか等を調べました。その後しっかりと保険会社に請求をして、手術代や入院費はほぼ戻ってきました。

我が家は最低限の保障の共済の保険に入っていたのですが、それでも結果的に本当に安心できました。もしもの時のことを考えて、医療保険への加入を検討しておくことをおすすめします。

たかママ

30代後半

自営業の家計への影響と看病

旦那と子ども2人の4人家族です。旦那が子どもと追いかけっこしているときに、大きな岩へジャンプしたらアキレス腱を断裂し、2014年の8月に3日間入院しました。

我が家には子どもが2人いたので、そのお世話だけでも大変なのに、旦那の病院先まで通うのが大変でした。しかも自営業なので、旦那の穴埋めを家族がしなければならない状況でした。

その解決策として、私は子どもの世話や旦那の代わりの仕事などもあるため、入院先に通って洗濯物などの世話をするのは義母に任せることにしました。そして、社員みんなにいつもより残業してもらいました。その分お給料を払わないといけないので、後々大変でしたが助かりました。

旦那が入院したことでかなり大変な目に合いましたが、同時に得た教訓もあります。本当に基本的なことですが、日ごろから体を動かして、健康を保つことが大切だということです。また、退院後もすぐに仕事に復帰はできないので、自営業の場合は特に家計に響いてきます。日ごろからの心の準備やお金の蓄えが必要だと痛感しました。

りこ

20代後半

保険会社の対応と仕事の連絡

主人、私、娘の3人家族です。結婚してすぐの2012年11月に2週間ほど入院をしました。原因は、主人が自転車に乗っていた時に車と交通事故に遭ったからです。2週間は会社を休まなければならなかったので、その連絡等が大変でした。

また保険会社の対応にも時間がかかり、手続きもスムーズにいかなかったのでイライラしました。主人には治療に専念してほしかったので、私が冷静になって処理をするように心がけました。

私のように事故などで突然入院せざるを得ない状況に陥るかもしれないので、対策はしっかりとしておく方がいいと思います。保険内容を再度見直してみることも一つですし、主人の会社の連絡先や、上司の話をしっかり聞いておくことも大事だと思います。

体験談から見えた、困りごとの内訳

15人の話を並べてみると、困ったことは大きく四つに分かれていました。単なる感想ではなく、どこに手を打てば楽になるかが見えてきます。

もっとも多かったのは、一人で家事と育児を回すことでした。はるゆうさん、ミミっちさん、みおんさん、にいままさんの話に共通しています。特に、普段夫が担当していた作業が抜けることの影響が大きく、ゴミ出しや子どものお風呂といった、名前のつきにくい役割ほど代わりがききませんでした。

次に多かったのが、お金と手続きです。きくりんさん、あおママさん、まおママさん、りこさん、たかママさんが挙げています。内容は「支払いの資金をどう用意するか」「どの保険にどんな書類を出すか」「どの制度が使えるか」の三つに分かれていました。

三つめは、病院への移動と子ども連れの付き添いです。ゆうママさん、blue1さん、ぴーたんさん、まなママさんが挙げており、移動手段と預け先の有無が負担を左右していました。

四つめは、退院してからの生活です。めいさんとたかママさんが触れています。入院中よりも退院後の方が大変だったという声は、事前には想像しにくい点です。

この四つのうち、あらかじめ手を打てるのはお金と手続き、そして預け先の登録です。家事の負担と移動は、その場になってから調整するしかない部分があります。だからこそ、先に準備できるところを片づけておくと、当日の混乱が減ります。

入院が決まった当日は、この順番で動く

急な入院では、思いついたことから手をつけたくなります。ですが、締め切りのあるものから順に片づけた方が確実です。当日にやることは四つに絞れます。

  1. 入院の手続きと、当日の必要物の確認(病院の窓口で案内があります)
  2. 夫の勤務先への連絡(本人が難しい場合は代わりに)
  3. その日と翌日の子どもの受け入れ先の確保(送迎を誰がするか)
  4. 手元の現金と、支払いに使えるカードの確認

逆に、当日はやらなくてよいこともはっきりしています。加入している保険への請求、公的な制度の申請、必要な物をすべてそろえること。これらは翌日以降でも間に合います。パジャマやタオルは病院で貸し出しや販売がある場合が多く、まずは当日必要な最小限だけを持って行けば足ります。

子育ての現場では、こんな場面がよくあります。

「今日から入院って言われて、何を持って行けばいいのか分からなくて」
「まず看護師さんに、今日いるものだけ聞いてみましょうか」
「はい、それなら聞けます」

その場の判断を全部自分でしようとすると疲れます。病院の窓口や看護師に「今日必要なものだけ教えてください」と聞くのは、まったく遠慮のいらないことです。

夫の会社への連絡は、どこまで伝えればよいか

体験談で複数の方が挙げていたのが、勤務先への連絡です。りこさんは「連絡等が大変でした」と振り返っており、あおママさんやまなママさんも代わりに電話をしています。

伝える内容は、次の三つで足ります。

ひとつめは、入院したという事実と、いつから休むか。ふたつめは、休む見込みの長さ。分からない場合は「見込みが分かり次第ご連絡します」で構いません。みっつめは、連絡の窓口を誰にするかです。妻の携帯に連絡してよいのか、本人の携帯でやりとりできるのかを最初に伝えておくと、その後の連絡が減ります。

実際の電話は、こんな流れで十分です。

「お世話になっております。○○の家内です。本日から入院することになりまして、しばらくお休みをいただくご連絡です」
「休む期間の見込みは、明日以降に分かり次第ご連絡いたします。ご連絡は私の携帯にいただければ対応できます」

細かい経緯や状況を説明する義務はありません。伝える範囲は自分で決めてよいと考えてください。休んだ分の扱い、有給休暇の残り、給与の締めの関係については、勤務先の担当部署に確認するのが確実です。

生活費が減るかもしれないときに確認する仕組み

「生活費はどうなるのか」という不安は、多くの家庭が最初にぶつかるところです。体験談でも、あおママさんが「その月は夫の給与も少し減ってしまいました」と書いています。まずは、支払いを抑える仕組みと、収入を支える仕組みを分けて考えます。

仕組み役割確認先
高額療養費制度同じ月の医療費の自己負担が上限を超えた分が戻る加入している健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、市町村の国民健康保険)
限度額適用認定証などあらかじめ手続きすると、窓口の支払いを上限までにできる同上。マイナンバーカードを保険証として使える医療機関では認定証がなくても対応できる場合がある
傷病手当金働けず給与が支払われない期間の生活を支える健康保険の保険者(勤務先の担当部署経由でも案内あり)
加入している医療保険や共済入院や手術に応じた給付金契約している会社(証券に記載の窓口)
医療費控除年間の医療費が一定額を超えたとき、確定申告で税の負担を調整所轄の税務署

厚生労働省が示している高額療養費制度は、同じ月の自己負担が所得区分ごとの上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される仕組みです。上限額は年齢や所得によって定められています。ここで大事なのは、あらかじめ手続きをしておけば、窓口での支払い自体を上限までに抑えられるという点です。きくりんさんが「一旦は医療費を全額支払うことになり」と書いていた負担は、この手続きで軽くなる可能性があります。

ただし、対象外になるものもあります。個室などを希望した場合の差額の室料、入院中の食事代の一部、保険が適用されない診療は、高額療養費の対象には含まれません。きくりんさんのように大部屋が空いていない事情で個室になった場合の扱いは、病院の窓口で確認してください。

収入を支える方の仕組みが、傷病手当金です。全国健康保険協会の案内によれば、業務外の理由で働けず、連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかった場合に、給与の支払いがない期間について支給の対象になります。支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。待期の3日間には土日や有給休暇も含まれる扱いになっています。

注意したいのは、この仕組みは勤務先の健康保険に入っている場合の給付だという点です。たかママさんのように自営業で市町村の国民健康保険に加入している場合、傷病手当金は原則として用意されていません。自営業の家庭では、収入が止まる期間を自分たちで埋める必要があるため、日ごろの蓄えと、仕事を代わってもらえる体制づくりの重みがより大きくなります。

手続きを進めるときは、領収書を月ごとにまとめて一か所に置くことをおすすめします。診断書の発行にも費用がかかるため、複数の保険に請求する場合は、どの会社にどの書類が必要かを先に電話で確認してから発行を依頼すると、余計な出費を防げます。

お見舞いの頻度は、家庭の事情で決めていい

「毎日行くべきなのか」「行かないと冷たいと思われないか」と悩む方は少なくありません。結論から言えば、頻度に正解はなく、行かない日があってもかまいません

体験談でも、判断はまちまちでした。ゆうママさんは大部屋であることを考えて「付き添いはほとんどできませんでした」と書き、blue1さんは「子供たちは毎日でなくてもいいかな」と判断して回数を減らしています。それぞれの家庭で成り立つ形を選んでいます。

頻度を決めるときの目安は、二つだけです。

ひとつは、持って行く必要があるものがあるか。着替えや洗濯物の入れ替えは、二日から三日に一度で足りることが多く、洗濯サービスを利用できる病院なら回数はさらに減ります。もうひとつは、行ったあとに自分と子どもの生活が回るかです。往復に二時間かかる病院に毎日通えば、家のことは確実に後ろにずれます。

お見舞いに行かない日にできることもあります。

「今日は下の子が寝ちゃったから行けない」
「大丈夫。売店で買えるものはこっちで買っておくよ」
「じゃあ足りないものだけメッセージで送って」

必要なもののやりとりをメッセージで済ませ、売店で買えるものは本人に任せる。これだけで通う回数は半分になります。面会の時間や人数、子どもの同伴について決まりを設けている病院もあるため、通い方を考える前に、その病院の案内を確認しておくとむだが出ません。

子どもを連れて行くかどうかも、無理のない範囲で決めてよいことです。まなママさんの話にあるように、帰り際に子どもが泣いてしまうこともあります。会わせることが子どもの安心につながる場合もありますし、写真や電話の方が落ち着いて過ごせる場合もあります。試して合わない方法は変えていいと考えてください。

家事は「減らす」より「先に決めておく」

一人で家事と育児を回す期間は、頑張りで乗り切ろうとすると続きません。おすすめしたいのは、量を減らすことより、やらないことを先に決めておくという考え方です。

具体的には、次のように区切ります。

  • 三日単位で回すものにする(献立は同じものが続いてよい、洗濯は二日に一度でよい)
  • 掃除は玄関と食卓の上だけにする(他は入院期間中はやらないと決める)
  • 子どもの持ち物の準備は、前の晩に一度だけまとめる
  • お風呂は、時間が取れない日はシャワーだけにする

ミミっちさんの話にあった「日頃から旦那に任せていたゴミ出しや、子供のお風呂」のように、抜けた役割ほど負担になります。事前に紙に書いてこの期間はここまでしかやらないと決めておくと、できていないことへの気持ちの重さが減ります。

周りに頼むときは、内容を具体的にすると相手も動きやすくなります。「手伝ってほしい」ではなく「水曜と金曜の保育園のお迎えだけお願いしたい」と伝える。にいままさんの話では、夫の方から実家に連絡をしてくれたことで助けを頼めたとあります。誰かに言われて初めて頼めるようになることもあるので、頼む言葉を先に用意しておくと動きやすくなります。

子どもの預け先は、事前の登録が効く

ぴーたんさんが「当日からの急な預かりは難しい場合があります」と書いているとおり、預け先は当日に探しても間に合わないことがあります。仕組みとしては、次のようなものが各自治体に用意されています。

一時預かり事業は、保育所や認定こども園などで、日単位や時間単位で子どもを預かるものです。多くの場合、利用の前に登録や面談が必要になります。

ファミリー・サポート・センター事業は、地域の会員が送迎や短時間の預かりを担う仕組みです。こちらも事前の会員登録と、支援する側との顔合わせが必要になるため、必要になる前に登録を済ませておく意味が大きい制度です。

子育て短期支援事業は、こども家庭庁が示している仕組みで、保護者の疾病その他の理由により家庭で子どもを養育することが一時的に困難となった場合などに、児童養護施設等で一定期間の養育や保護を行うものです。宿泊を伴う預かり(ショートステイ)と、夜間や休日の預かり(トワイライトステイ)があり、実施している施設や利用料、申請の流れは市町村ごとに異なります。家族の入院や看護が理由として挙げられている自治体も多く、頼れる親族が近くにいない家庭にとって選択肢になります。

いずれも、窓口はお住まいの市町村の子育て支援を担当する課です。今すぐ必要でなくても、登録できるものは先に済ませておく。これが、体験談から引き出せるもっとも実務的な備えです。保育園や幼稚園に通っている場合は、送迎を別の人に任せられるか、その人の登録が必要かも、あわせて確認しておくと安心です。

子どもの寂しさには、見通しを渡す

まなママさんは、子どもたちに退院の日を伝えて安心させるように努めたと書いています。これはとても実用的な工夫です。子どもが不安になるのは、状況が分からないときだからです。

伝えるときのこつは、期間と再会の予定をはっきり示すことです。「パパは病院でお休みしてるよ」だけでは、いつ帰るのか分かりません。

年齢によって伝え方は変わります。二歳から三歳ごろなら、日数よりも生活の目印で伝えた方が届きます。

「パパはね、お家に帰るまでおやすみするの。あと三回、保育園に行ったら会えるよ」
「かえってくる?」
「帰ってくるよ。カレンダーにシール貼って数えようか」

四歳から小学生なら、カレンダーに退院予定の日に印をつけ、毎日ひとつ塗る形にすると、自分で見通しを持てます。日にちがずれる可能性があるときは「変わったら一番先に教えるね」と添えておくと、変更があっても不安になりにくくなります。

もうひとつ大切なのが、子どもに役割を渡すことです。パパへの手紙を書く、洗濯物を袋に入れる、電話で今日あったことを話す。手伝いを頼まれた子どもは、待つ時間を自分から埋められるようになります。

面会から帰るときに泣いてしまう場合は、帰る時間を先に伝えておく方法があります。「時計の針がここに来たら帰るよ」と最初に言っておくと、突然終わるより落ち着いて別れられます。

疲れたと感じたら、荷物をひとつ降ろす

入院が数日でも、家のことと病院のことを一人で担えば疲れます。にいままさんの「疲れが溜まり、どんどん限界に近づいていました」という言葉は、多くの家庭で起きていることです。

疲れが出てきたときの合図は、自分でも分かりやすいところに現れます。同じことを何度も確認してしまう、食事を作る気力が出ない、子どもの話を聞き流している。こうした状態は、頑張りが足りないのではなく、持っている荷物が多すぎるという合図です。

そのときに手放しやすい荷物を、あらかじめ順番にしておきます。

一番手放しやすいのは、家事の完成度です。食事は買ってきたものでよく、掃除は止めてかまいません。次に手放せるのが、通う回数です。三日に一度でも困らないなら、そうします。その次が、自分でやると決めていた手続きです。書類の記入や電話は、実家の家族や兄弟に代わってもらえるものが含まれています。ミミっちさんは入院書類を実家の兄に手伝ってもらったと書いています。

そして、気持ちを話す相手を一人だけ確保しておくことも荷降ろしになります。解決してもらう必要はなく、状況を言葉にするだけで整うことがあります。チタンさんが「普段から心の許せる信頼できる人を作っておくべき」と書いていたのは、この意味でも実感のこもった言葉です。話せる人が見つからないときは、自治体の子育て相談の窓口も使えます。家事の負担が重い場合は、家事支援を行う事業を実施している自治体もあるので、担当課に聞いてみると選択肢が増えます。

退院してからの方が忙しいことがある

意外に語られないのが、退院後の生活です。めいさんは「退院してからが大変でした」と書き、二階に上がれない夫のために着替えの場所を一階に移し、力仕事を担うことになりました。たかママさんも「退院後もすぐに仕事に復帰はできないので、自営業の場合は特に家計に響いてきます」と振り返っています。

退院前に確認しておくと役立つのは、次の点です。

家の中の動線。寝る場所、着替える場所、お風呂とトイレへの行き方を、無理のない形に組み替えておきます。二階を使わない生活にするなら、必要な物を先に一階へ下ろしておくと、退院初日から落ち着きます。

仕事の戻り方。すぐにもとの働き方に戻れない場合、勤務先に相談できる制度があるか、担当部署に確認します。厚生労働省は、治療と仕事の両立を支援する取り組みについて事業者向けの情報を示しており、勤務先に相談の窓口が置かれている場合もあります。

家族の分担のやり直し。入院中に妻が引き受けた役割を、いつどこまで戻すかを話しておきます。全部を一度に戻すと、退院した本人も無理をします。

そして、めいさんの「子どもたちは、母親が困っていなければ困らない」という言葉には、続けて考えたいことがあります。心配させないよう振る舞うことは支えになりますが、大変さを一人で抱え込む必要はありません。子どもに見せる顔と、誰かに話す本音は分けてよいものです。

今日から始められる備え

最後に、体験談から見えた備えを、手間の少ない順に並べます。全部やる必要はなく、今日ひとつ進めるだけで十分です。

  • 健康保険証、加入している保険の証券、通帳と印鑑の置き場所を、夫婦で共有する
  • 加入している保険の会社名と連絡先を、一枚の紙かスマホのメモにまとめる
  • 夫の勤務先の連絡先と、担当部署の名前を控えておく
  • お住まいの市町村の一時預かりとファミリー・サポート・センターに登録しておく
  • 子育て短期支援事業を実施しているか、担当課に確認しておく
  • 普段どちらか一方だけがやっている家事を、書き出して共有する
  • 手元にすぐ動かせるお金をいくら置いておくか、目安を決めておく

ミミっちさんが「銀行通帳の場所や保険書類のまとめ方などを聞いておくといいですよ」と書いていたのは、この一覧の核心です。どこに何があるか分かっていれば、探す時間がそのまま余裕になります。あおママさんが「一覧を作り、保険証書もまとめて保管しておくべきだった」と反省しているのも、同じ点を指しています。

備えの中心は、探さなくて済む状態をつくること

夫の入院で本当に大変なのは、家事の量そのものよりも、判断と探し物が同時に増えることです。書類がどこにあるか分からない、どの制度が使えるか分からない、誰に頼めるか分からない。この三つの「分からない」を減らしておけば、同じ状況でも動きやすくなります。

今日できることは多くありません。保険の証券と通帳の場所を共有する。加入している保険の連絡先を一枚にまとめる。預け先に登録しておく。この三つで、当日の混乱はかなり小さくなります。

そして、そのときが来たら、お見舞いは行ける日に行けばよく、家事は止めてよく、周りには具体的に頼んでよいのです。15人の体験談が共通して伝えていたのは、乗り切った家庭ほど誰かに何かを任せていたという事実でした。頼ることは準備の一部だと考えて、頼れる先を今のうちに増やしておきましょう。

この記事を書いたライター
木村さくら

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。