赤ちゃん返りの原因と対応の仕方
子供が、最近ベタベタと甘えてくる、今まで一人でできていたことができなくなることが続くと、ママは心配になります。それは、もしかしたら「赤ちゃん返り(赤ちゃんがえり)」かもしれません。
「下の子が生まれた」などの環境が変わると、上の子が赤ちゃん返りをすることはよく聞きますよね。出来ることも増えて落ち着きつつあったのに「また逆戻り?!」とママのストレスとなってしまうことがあります。
今回は、どうして赤ちゃん返りしてしまうのか、また赤ちゃん返りしてしまった時の対処法について詳しくご紹介していきます。これって赤ちゃん返りなのかな?と不安なママも症状をチェックしてみてくださいね。
赤ちゃん返りの原因
赤ちゃん返り(赤ちゃんがえり)は、どういったことが原因で起こるのでしょうか?すぐに思いつくのは、下に弟や妹ができたときですよね。下の子が生まれたことで上の子が、今まで独り占めしていたパパママを取られた気になってしまい、赤ちゃん返りするというのがよく聞くパターンではないのでしょうか。
これは、「注目要求行動」といって自分に注目してほしい、愛情を取り戻したいという理由から起こることです。年の差が近いほど、赤ちゃん返りは起こりやすいとされています。
他にも、赤ちゃん返りの原因として考えられることは、幼稚園に入園した、引っ越しをした、ママが仕事を始めたなどの、環境の変化もあります。
幼稚園の発表会の前などのプレッシャーを感じる場面でも、赤ちゃん返りすることがあります。子供の感受性はとても強いので、親からしたら些細なことでも、ストレスを溜めていることもあるのです。
また、自立への不安感から赤ちゃん返りをすることもあり、子供の成長過程で通る道と言えるでしょう。
出産の前に二人目出産時の上の子のケアをチェックしておくことをオススメします。
赤ちゃん返りの年齢と症状
赤ちゃん返りでよく見られる症状は次の通りですが、年齢によっても症状は違ってきますので、年齢別に詳しく見ていきましょう。
- 今までできていたことができなくなる
- 以前よりも、甘えてくる/ベタベタしてくる
- 赤ちゃんと同じようなことをしたがる
- 自己主張が強くなる
- 反抗的になる/不機嫌になる
- 夜泣きがひどくなる
- 叩く、物を投げるなど、暴力的な行動に出る
乳幼児期 (1歳~2・3歳くらい)
下に赤ちゃんが生まれたからといっても、1~2歳の場合は、あまり赤ちゃんと変わらず、赤ちゃんが2人いるような状態になる場合も少なくありません。理解もよく出来ていないながらにも、赤ちゃんが生まれることで「ママが取られた」と寂しさを感じたり、何かしら不安を感じてママにべったりになることもよくあります。
幼児期 (3歳くらい~6歳くらいまで)
3歳を過ぎるころには、おしゃべりも上手になっていて、意志疎通もできるようになってきます。「赤ちゃんが生まれる」「赤ちゃんは大事」ということはわかりますが、ママを取られた気がして甘えてしまうのも仕方がない年齢といえるでしょう。
着替えなど、今までできていたことができなくなるという話はよく聞きますよね。他にも、4歳、5サイトなると幼稚園へ行きたくないとぐずったり、赤ちゃんのミルクを横取りしたり、癇癪を起こしたり、という症状が出る子もいます。
ママにとっては、今までできていたものができなくなるので、イライラしたり、怒ってしまうことも増え、大変に感じることも多いようです。
学童期 (6歳くらい~)
大きくなったと思っていても、年が離れて下の子が生まれることで、赤ちゃん返りをすることもよくあります。弟や妹はかわいいんだけど、今までは親の愛情を独占していた分、自分が一番じゃなくなった…と感じる子供も多いのです。
自分の状況もよくわかっているだけに、ママに甘えてはいけない、甘えたくても言いだせない、という気持ちもあるでしょう。ママに認めてもらいたくて、赤ちゃんのお世話を無理して頑張っていたり、今までに見られなかった爪噛みや、まばたきの回数が増えるチック症状が出たり・・・と違う形で現れることもあります。
赤ちゃん返りはいつまで?先輩ママの体験談
赤ちゃん返りはママの対応だけでなく、子供の個性によっても期間が違います。妊娠中から赤ちゃん返りをする子もいれば、生後6か月を過ぎたくらいから赤ちゃん返りが始まる子まで、始まる時期も終わる時期も様々で個人差があります。そのため厳密に赤ちゃん返りは「いつからいつまで」とは言えません。
でも、前向きにこれも成長の証と捉えてみませんか?赤ちゃん返りをしてくれるお蔭で、ママが上の子の気持ちにも気づくことができ、心配りができるようになります。言いたいことを言える環境、甘えたいときに甘えさせてもらえることは、結果的にいい子症候群などを回避することにもつながります。逆に良い機会なんだ!と考えると、イライラも軽減するかもしれません。
A下の子が生まれて赤ちゃん返り
上の子が2歳の時に弟が誕生しました。本能的にわかっているのか、妊娠中からやたらとべたべた甘えてくるようになりました。ちょうど魔の2歳児に突入した頃でイヤイヤばかりだし、赤ちゃんのお世話で寝不足だし、と私もかなりストレスも溜まり、イライラ寸前!でも、「急にお姉ちゃんにはなれないよね」と母に言われてハッとしました。なりたくてお姉ちゃんになるわけでもないのに、色々求め過ぎていたのかなと反省もしました。上の子には毎日「大好きだよー」を言うようにし、赤ちゃんは最低限にして、上の子と遊ぶ時間を増やすようにしたらだんだんと落ち着いてきました。イヤイヤはまだ続いてますが、そこまでベタベタしてこなくはなりました。
Aベビーバスに入ってました!
3つ違いで、下の子が生まれたときに、お兄ちゃんが赤ちゃん返りをしました。赤ちゃんを抱っこしていたら「ぼくもだっこ!」トイレトレーニングが完了したばかりだったのですが、わざと?おもらしをしてオムツを履きたがったりと、典型的な感じでした。イライラすることもありましたが、沐浴の準備をしていて、赤ちゃんの服を脱がせている間に、先にベビーバスにお兄ちゃんが入っている時は、思わず「そうきたか」と笑ってしまいました。他にも、赤ちゃんのミルクを飲もうとしてみたり、自分でミルクを作ろうとしてぶちまけたり、と一通りのことをやって納得したのか、しばらくすると治まってきましたよ。
赤ちゃん返り6つの対応・対処法
赤ちゃん返りをしてしまうのは、パパやママに構ってほしい、甘えたいという欲求から来るものです。そんな時の対処法をご紹介します。
1なるべく叱らない!
赤ちゃん返りしている時は、なるべく叱らないようにしましょう。ママも、どうしてできるのにやらないの!と叱りたくもなりますが、ここはグッと我慢です。
注意をひきたくてしているのに、叱られると余計に不安になります。そして、ワガママが更にひどくなり、赤ちゃん返りがひどくなる子もいます。
2一日一回はギュッ!愛情を伝える
赤ちゃんが生まれてから、ママを取られたようで不安になっている場合は、「あなたも大事」ということをたくさん伝えてあげましょう。
ギュッと抱きしめて「大好きだよ~!」と言葉や態度でわかりやすく伝えてあげることが大切です。一日1回でなく、できるタイミングで何度も抱きしめてあげると、子供の気持ちも安定してきます。抱っこをせがんでくる時は、どんどん抱っこしてあげましょう。
3「お姉ちゃん/お兄ちゃんだから」は禁句!
赤ちゃん返りしているということは、赤ちゃんに戻りたいということ。そんな時に「お姉ちゃんなんだから、しっかりしてよ」「お兄ちゃんはできるでしょ」なんて言われると、ますますイヤになってしまいますよね。
ここは「お兄ちゃんだからできるんだね!」「さすがお姉ちゃんは頼りになるね!」と褒めるよう対応しましょう。自分が認められていると感じると、下の子にも優しく出来るようになるかもしれません。
4赤ちゃんのお世話を手伝ってもらう
赤ちゃんのお世話を手伝ってもらい、うんと褒めるのも効果的です。お手伝いすることで、「赤ちゃんにはお世話が必要なんだ」と実感することもできますし、そのお世話を自分がしてあげることで自信もつき、もっとお手伝いをしたい!と思うようになります。
「○○がいてくれて助かるな~ありがとう!」「頼りになるね」と言って褒めてあげましょう。また、「赤ちゃんが起きたら教えてね」とお願いをすることで、自分は赤ちゃんとは違い、「ママの役に立っている」と感じるようになると、赤ちゃん返りもおさまってくることが多いようです。
5パパやおばあちゃんにもヘルプを!
しっかり甘えさせて、子供と向き合う時間を作るためには、パパや周りの人の助けも必要です。パパがお休みの日に赤ちゃんを見てもらって、上の子と二人ででかける、思いっきり甘えられる時を作ってあげるという対応をすると、子供の不安な気持ちも落ち着いてくるでしょう。
また、ママが赤ちゃんの世話をしている時に、パパが上の子とたくさん遊んであげたりといったフォローをしてもらうことも重要です。
旦那の赤ちゃん返りで悩むママも少なくなりませんが、パパの協力を得て二人で乗り切ることが大切です。
パパが赤ちゃんのお世話を中心になって、ママが上の子と遊ぶという風にするのもおすすめです。
6不安感を取り除いてあげよう!
入園や引っ越しなどの環境の変化や、トイレトレーニング中に起こった赤ちゃん返りの場合には、不安な気持ちを取り除いてあげることが重要になります。
「周りはすっかり幼稚園にもなじんでるのに、なぜ?」「うちだけオムツが取れていないけど、どうしよう」とママも焦ってしまい、子供にプレッシャーをかけることはよくありません。子供は余計に不安になってしまい、悪循環になってしまいます。「焦らなくてもいつかはできる」という気持ちで見守り、追いつめないように、安心させてあげることが大切です。