重曹を使った家庭でできる科学実験!親子で楽しむ幼児・小学生の理科体験4選
重曹とクエン酸を使った実験は、雨の日や休日の親子遊びにぴったりです。
実験から生まれる感動や驚きは、理科への興味や知的好奇心を育むきっかけになります。自由研究のテーマとして選ぶ小学生も少なくありません。
特に、実験後に使えるもの(お菓子や掃除、入浴剤)だと子どもの喜びはさらに大きくなります。ぜひ親子で一緒に、楽しく学びのある時間を作りましょう。
子育て4コマ漫画:おっかなびっくりの重曹実験!
実験の前に確認!重曹とクエン酸の選び方と安全上の注意点
今回ご紹介する実験には、重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸を使用します。
これらの材料には次の3つの種類があり、グレードによっては口にすることができませんので、特に食品に利用する実験を行う前に必ず種類を確認する必要があります。
重曹とクエン酸の主なグレード
- 医療用(最も高品質)
- 食品用(食品添加物として使用可能)
- 工業用(掃除用など、食品には使用不可)
重曹やクエン酸はドラッグストアやスーパーで購入できますが、食べたり飲んだりする実験を行う場合は、必ず「食品用」もしくは「医療用」を選んで使用してください。工業用(掃除用)は口にできない品質です。
重曹は安全性の高い物質ですが、塩の成分であるナトリウムを多く含んでいます。そのため、一度に多量に摂取すると体調に影響を及ぼす恐れがあります。
特にお菓子やサイダーを作る実験では、子どもが一度に大量に飲んだり食べたりする可能性があるため、必ず保護者の方が付き添って実験し、過剰摂取には十分注意してあげてください。
重曹を使った食品実験の注意点
重曹(炭酸水素ナトリウム)を水に溶かして摂取すると、体内で二酸化炭素を発生させ胃腸に負担をかけることがあります。また、ナトリウム(塩分)の過剰摂取にもつながります。
特に持病がある方や、妊娠中など塩分摂取に制限がある方は、実験で作ったものを摂取する前に、必ず医師や薬剤師に相談してください。
【理科実験1】ほんのりピンクで可愛い!ラムネ菓子づくり実験
ラムネ菓子は、口の中で重曹とクエン酸が反応し、二酸化炭素の泡が発生することで、シュワシュワとした独特の食感が楽しめるお菓子です。
ここではイチゴシロップを使って、ほんのりピンクのラムネ菓子を作ってみましょう。シロップはかき氷のシロップなどでも代用できます。
シロップで色づけ!重曹ラムネ菓子の材料(食品用を使用)
- 重曹(食品用)小さじ1/2
- クエン酸(食品用)小さじ1
- 粉砂糖 40g
- 片栗粉かコーンスターチ 40g
- イチゴシロップ 小さじ1
- 水 少々
- はかり
- 計量スプーン
家に粉砂糖がない場合は?
粉砂糖が無い場合は、上白糖やグラニュー糖をミルサーで粉末状にすれば作ることができます。すぐ使う場合はそのままで良いですが、作り置きする時は片栗粉を5%混ぜると固まりにくい粉砂糖が作れます。
混ぜて固めるだけ!重曹ラムネ実験のやり方
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ポリ袋に粉砂糖、コーンスターチ、クエン酸を入れて口を閉じてシャカシャカとよく振って混ぜます。 -
1にイチゴシロップを入れて塊を潰すように混ぜます。ギュッと握って固まる程度でOKです。固まらなければシロップを少しずつ足して生地の硬さを調整します。丁度良い硬さになったら重曹を入れてしっかり混ぜます。 -
計量スプーンや小さなシリコン型で形を作ったら、半日~1日冷蔵庫や冷暗所でしっかり乾燥させて固めれば完成です。
型は小さめのシリコン型でも良いのですが、複雑な型だったり乾燥が不十分だったりすると、取り出す時に崩れるので注意しましょう。
写真のラムネはシリコン型に詰めて1日置いた後、型から出したものです。底の方が乾燥していなかったため、取り出す時に崩れてしまいました。詰める際は厚みにも注意が必要です。
また、金属製の型抜きに詰めて乾燥させると、酸(クエン酸)で金属が傷む恐れがありますのでやめましょう。ペットボトルの蓋にラップを敷くと、型崩れしにくく取り出しやすいです。
【理科実験2】重曹とクエン酸で作れる!サイダーづくり実験
水と重曹とクエン酸のたった3つの材料で、サイダーが作れます!
クエン酸(酸性)と重曹(炭酸水素ナトリウム/アルカリ性)が水と出会うと、中和反応を起こして化学変化し、水、二酸化炭素、クエン酸三ナトリウムになります。
サイダーの泡は化学反応で発生した二酸化炭素。炭酸飲料のシュワシュワの正体を体験できる実験です。
ジュースで代用もOK!重曹サイダーの材料(食品用を使用)
- 重曹(食品用)小さじ1(約5g)
- クエン酸(食品用)小さじ1(約5g)
- 砂糖 50g
- 水 500ml
- 800ml以上の炭酸飲料のペットボトル
材料の割合は、水100:クエン酸1:重曹1が基本ですが、炭酸を強くしたい場合は水を減らします。
サイダーといえば透明な飲み物ですが、糖分を抑えたい場合は砂糖を使わず、水を果汁100%ジュースに替えても作れます。今回は子供用ということでオレンジジュースを使って作りました。
泡が楽しい!重曹サイダー実験のやり方
炭酸飲料の入っていたペットボトルにクエン酸と重曹と砂糖を入れ、そこに冷蔵庫で十分に冷やした水を入れます。水を入れたら素早く蓋をして、ペットボトルを振って溶かしたら完成です。
素早く蓋をしないと発生した二酸化炭素が抜けてしまうので注意してください。また、炭酸が抜けないように完成したらすぐにいただきましょう。
炭酸飲料のペットボトルが無い場合は、よく冷やした水に砂糖とクエン酸を入れて溶かし、そこに重曹を入れて混ぜても実験できます。
【理科実験3】重曹で黒ずみが落ちる!銀製品磨き実験(還元作用)
銀製品は長期間空気に触れると、空気中の硫化水素などに反応して硫化銀になります。この硫化銀が黒ずみ(変色)の原因です。
この実験は、硫化銀を元の銀に戻す「還元」と呼ばれる化学反応を利用します。銀よりもイオン化しやすいアルミニウム(アルミ箔)と、電解質である重曹水(または塩水)を使うことで、硫化銀から硫黄を奪い、銀をきれいにします。
銀製品の黒ずみがかなり取り除けるため、子どもも変化に驚くでしょう。重曹がない場合は、塩でも同じ実験が行えますので、両方試して比較してみてもよい実験となります。
ゴシゴシ擦らなくてもキレイ!銀製品磨き実験の材料(工業用を使用)
- 重曹(掃除用/工業用)
- 黒く変色した銀製品
- シリコンかガラスの耐熱容器
- アルミ箔
- 熱湯(やけどに注意)
容器には金属製品を使用しないようにしましょう。重曹水(電解質)とアルミ箔の電気化学反応に影響が出たり、容器が変色する恐れがあります。シリコンや耐熱ガラスの容器がない場合は、耐熱性のあるプラスチック容器などを使用してください。
一晩でキレイになる!重曹銀製品磨き実験のやり方
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まずは黒ずんだ銀製品が入るサイズの耐熱性の容器を用意し、アルミ箔を敷いてから銀製品を入れます。銀製品とアルミ箔が触れていることがポイントです。そこにお湯を入れてから重曹を入れます。(熱湯の使用時はやけどに十分注意してください) -
銀製品を沈めて数時間~一晩つけ置きします。お湯に硫黄が溶け出し、色が変わることがあります。つけ置きした後は、良く水気を拭き取れば完了です。
黒ずみの程度によって完全には綺麗になりませんが、真っ黒だった部分は大分薄くなりましたし、薄い色の部分は銀色に戻ってきました。
【理科実験4】重曹でお風呂が楽しくなる!バスボム作り実験
重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸を使えば、中からおもちゃが出てくる市販の入浴剤のようなバスボムを簡単に手づくりできます。湯船の中で発泡する様子を観察する実験です!
バスボムがお湯に溶けると、重曹とクエン酸が反応し、サイダーの実験と同様に二酸化炭素の泡を発生させます。
基本の材料は、重曹・クエン酸・片栗粉又はコーンスターチです。バスボムは肌に触れるため、食品用または化粧品グレードの材料を使用しましょう。
中におもちゃを入れて固めれば、サプライズ付きのバスボムが簡単に作れます。可愛い型に入れたり、食用色素を使ったりすれば、スイーツの様なカラフルなバスボムなども作ることができます。
幼児期から家庭の重曹など身近なものを使って実験をすることで、子供は理科や化学への知的好奇心を育めます。ぜひ家族で楽しく重曹実験にトライしてみてください。