「天使の4歳児」と呼ばれる理由とは?特徴と親の適切な接し方を解説
「魔の2歳児」「悪魔の3歳児」と呼ばれる第一次反抗期(イヤイヤ期)を経て、子どもの成長が見られる4歳児期は「天使の4歳児」と呼ばれることがあります。この時期は、パパやママがようやく子育てにほっと一息がつける時期です。
ただし、子どもの成長は個人差があるだけでなく、同じ子どもの中でも成長している部分とそうでない部分に差があるものです。そのため、天使のような振る舞いに油断せず、親として適切な接し方を学ぶ必要があります。
本記事では、「天使の4歳児」と呼ばれる理由、4歳児の心の発達の特徴、そして親の適切な接し方のポイントについて詳しくご紹介していきます。
「天使の4歳児」と呼ばれる理由
「天使の4歳児」という表現は、子育て情報誌やメディアなどで使われるようになった、4歳児の特徴や印象を捉えた言葉です。
生まれてから4歳までの幼児期は、子どもの心と体が急激に変化していく成長著しい時期です。特に脳は劇的に発達し、4~5歳児の脳の重さは大人の約90%にまでなります。これに伴い、身体機能、言語機能、情緒も著しく発達します。
4歳児になると、危険への認知能力が上がり、大人がひっきりなしに目を光らせる必要が減ります。また、食事やトイレも自分でできることが増えるなど、養育に必要な手間が格段に減ります。さらに会話で意思疎通ができるようになり、パパやママがようやく子育ての楽しみを味わう余裕ができるため、「天使の4歳児」と呼ばれているのです。
悪魔から天使へ!2歳~4歳児の心の成長
天使の4歳児の愛らしさは、それまでパパやママが苦慮してきた「魔の2歳児」や「悪魔の3歳児」と呼ばれる第一次反抗期(イヤイヤ期)を乗り越えた賜物でもあります。反抗期から離脱する心の成長の兆しが見えるからこそ、余計に天使のような愛らしさが強調されるという面もあります。
魔の2歳児:自我の芽生え
1歳半~2歳になると、子どもは自我の芽生えを迎えます。自分と他者の意志が同じではないことに気づき始め、自分の意志を伝えようとします。また、親への愛着や信頼が形成されたことで、安心して様々なことにチャレンジしたくなります。
この時期はまだ未熟なため、思うようにできないことが多く、言語能力も未発達なため、自分の意思を周囲に伝えることが困難です。そのジレンマから頻繁に反抗し、「イヤイヤ」を連発するようになるため、「魔の2歳児」と呼ばれています。
悪魔の3歳児:力と知恵の発達
2歳の反抗期が長引いたり、この時期に反抗期を迎えたりすると「悪魔の3歳児」と呼ばれます。
この時期は、身体能力・体力ともに飛躍的に向上し、知識も増え、思考力も会話能力も向上しているため、反抗の仕方やジレンマの解消の方法がより複雑になりがちです。生意気な態度をとったり、大人の痛いところを鋭く突いてきたりして悪魔的な印象を与えるため、「悪魔の3歳児」と呼ばれています。
天使の4歳児:協調性の芽生え
4歳児になり、自我の芽生えを経て自分と周囲との違いへの認識を深めることで、子どもは家族や集団の中の自分を意識し、協調性を学び、ある程度は我慢もできるようになります。そのため、この時期になると自然にかんしゃくやわがままが減ってくる傾向があります。
この時期は、ぜひ遠慮せず子どもの可愛らしさや子育ての喜びを享受してください!パパやママが子育てを楽しめれば、子どももより「愛されている自分」を実感しやすくなり、自己肯定感を育むことにつながります。
とってもかわいい
娘が4歳になりました。それまではなんでも「自分で!」と足を踏み鳴らしていたのですが、ようやく落ち着き、とっても扱いやすくなりました。これが天使の4歳児と呼ばれる由縁でしょう。
「ママ、これやってぇ」と甘えてくることもあるので、とってもかわいいですよ。これぐらい性格が可愛いまま、2歳ぐらいの愛くるしい時期の赤ちゃんに戻ってもらいたいくらいです。
ぜひ天使のままで!
うちの子はそれほど反抗期がひどくなかったのですが、やっぱり言葉が喋れるようになった4歳前後は楽かもしれません。以前のように「あれやって、これやって」とうるさく言わなくても、ある程度自分のこともできるし、お願いすればお手伝いもしてくれる。
このまま大きくなってくれればいいけど、そうはいかないのが子育てなんでしょうね。
個人差あり!反抗期が長引く4歳児への理解
「4歳になったら、少し楽になる」と考えるのは良いことですが、過度な期待は禁物です。子どもの成長や発達の度合い、そして性格は一人一人異なります。
なかには反抗期が長引いて4歳に突入してしまったり、一旦落ち着いたのに5歳になってまた反抗的な言動をしたりする子どももいます。4歳児の反抗は、3歳児の頃よりも体力・知力ともパワーアップしているため、パパやママが対応に苦慮してしまうケースも少なくありません。
天使の4歳児という言葉を耳にすることで、「4歳児が反抗するのはおかしい」と思い込み、我が子の振る舞いにプレッシャーを感じてしまうママもいますが、天使の4歳児は全ての子供に当てはまるわけではないことを理解しておきましょう。子どものペースを尊重することが大切です。
いつ天使になるの?
いままさに4歳児の息子がいますが、天使になる気配はありません。
保育園に通っていますが、4月生まれのせいか他の子より体も大きくて、まさにジャイアン。「ママのものは僕の物、弟のものは僕の物」でやりたい放題です。
子供によって差が大きい
いま中学2年性と小学5年生の娘が2人います。
子供を何人か育てるとわかりますが、同じ親から生まれ、同じ環境で育てている兄弟でも、性格や成長はさまざまです。
長女は比較的穏やかで、4歳児の頃は本当に天使のようにかわいかったのですが、次女は2歳からイヤイヤがひどく、年を取るごとに頑固になったので、4歳の頃はかなり悪魔っぽかったです(笑)。
でも、子育ての苦労や楽しみがあるのはどの子も一緒。大きくなるにつれて、それぞれに苦労があります。今上の子は第二次反抗期真っ盛りですが、大きくなってもそれぞれ可愛いですよ。
さらなる成長のために!天使の4歳児への親の接し方
パパやママがちょっと一息つける天使の4歳児期の子育てですが、成長したとはいえ子どもは子どもです。親が接し方を間違えてしまうと、順調に進んでいた成長に支障をきたす可能性もあります。
さらなる成長を促すためにも、4歳児の発達段階にふさわしい次の4つのポイントに気を付けて接していきましょう。
1強制しないしつけや教育を心掛ける
4歳になると能力がかなり高くなっていますので、「子どもだから」と何から何まで親が決めて強制する接し方は好ましくありません。
自我が芽生えた子どもに対し、他者が言葉で指示するだけの強制的な教育やしつけは、子どもの心の中に入っていきにくい状態になります。
できるだけ子どもを見守り、考える余地を与え、意志を尊重しましょう。絵本の読み聞かせによる疑似体験や、実際に親子で様々な体験をするなどの、親子で楽しく過ごせる共有型のしつけや教育を心掛けてください。
2子どもの問いかけを無視しない
4歳になると2歳、3歳の頃よりも格段に複雑な思考能力を備えつけていますが、まだまだ大人に匹敵するものではありません。むしろ、さらに知識を増やして知能を高めていく、重要な時期です。
そのため「なぜなぜ期」と呼ばれる4歳児の問いかけを無視するのは好ましくありません。会話能力が上がることで面倒も増えますが、子どもの「なぜ?」には前向きに向き合い、さらに知的好奇心を育てていきましょう。
34歳児の揺らぎに注意する
だいぶしっかりしたとはいえ、4歳児はまだまだ子どもです。自分では処理できないことも多く、迷ったり自信を失ったりすることもよくあります。
そのため、落ち着いたと思ったら次の日にはかんしゃくを起こし、イヤイヤ期に逆戻りしてしまうなど、情緒が揺らぐことがあるのです。
4歳の揺らぎへの対応
できるだけおおらかに子どもの姿を受け止めることが大切です。子どもは賢くなってきているため、不都合なことがあると親に隠したり、嘘をついたりするようにもなりますが、頭ごなしに怒ったり怒鳴ったりすると状況が悪化しやすくなります。周囲のお友達やその保護者からも情報を仕入れ、さりげなくフォローを続けて、子どもが素直になれる環境を作っていくのが理想的です。
4反抗期の重要性を理解する
魔の2歳児や悪魔の3歳児のイヤイヤで疲弊している親は、「反抗期なんてなければいいのに」と思ってしまいがちです。けれど、子どもの反抗期は心の成長が目に見える大切な指標です。
個人差は大きいのですが、誰もが周りと衝突し、怒られ悩み、自分で考えて反省することでより成長していきます。幼児期の反抗を経験することで、対人関係の重要なポイントを学ぶことができ、中間反抗期や思春期の反抗期が過ごしやすくなるという指摘もあります。
反抗期は子どもの人生に必要なステップアップのチャンスです。大人であるパパやママにとっても、自分自身の我慢と忍耐力を鍛え、人格を円熟させる親育ての良い機会と捉えましょう。
4歳の天使をバネに子育てを!
中学1年生の男の子のママです。最近よく「天使の4歳児」という言葉を耳にしますが、4歳ころの息子は本当に可愛らしく、何をしても許せる、まさに天使でした。
ところが今は立派な反抗期。だんだんと男っぽい言動が増えて反抗的になり、最近はろくに口をきいてくれないことも。「もうママの可愛い赤ちゃんじゃないんだな…」とがっかりすることも多いのですが、思えば息子は天使の時期と反抗期の荒れた時期を繰り返してきました。
「今の時期を乗り切ればまた可愛い姿を見せて、私に甘えてくれるかも?」と、反抗期で嫌な思いをしたときは、天使の4歳児の頃を思い出して頑張っています。
子どものイヤイヤ期に悩んでいるパパやママにとって、天使の4歳児にかける期待は大きいでしょう。しかし、この時期を過ぎて小学校に入学した後は「中間反抗期」が始まる子もいますし、10代の思春期になると本格的な「第二次反抗期」も始まります。
親は手のかからない天使のような子どもを求めがちですが、人間であれば誰もが成長に伴い悪魔的な側面を持ち合わせていて当然です。子どもにも色々な個性があることを理解して、我が子のありのままの姿を受け入れて、成長をサポートしていきましょう。





