雨の日に幼児がよく眠る理由とは?気圧変化と自律神経の影響
大人でも雨の日は、なんとなく気分が沈んだり、頭痛や倦怠感に悩まされたりすることがありますが、幼児の場合も雨の日によく寝る傾向が見られることがあります。
雨が降ると気圧が低下しますが、この気圧の変化によって体調不良が引き起こされる現象は「気象病」とも呼ばれています。これは、耳の奥にある「内耳」が気圧のわずかな変化を敏感に感じ取り、その情報が自律神経を乱すことで体調に影響を与えると考えられています。
幼児がよく眠る理由も気圧の低下に関連があると考えられています。体調不良を伴わずによく寝る場合は、体が気圧の変化による体内環境の変動を一定に保つため、副交感神経が活発になって体を休ませようとしているためと言われていますので、過度に心配する必要はありません。
気圧の変化は、幼児だけでなく大人の自律神経にも影響を与えるものです。雨の日に眠気を誘うのは、脳が自律神経を通じて休息モードに切り替え、体力を温存しようとする生体防御反応の一つと考えられています。
雨の日の幼児におすすめの室内遊び~知育と親子のコミュニケーション
雨の日に子供と何をすればいいのか、悩む保護者の方も少なくありません。しかし、子供は室内でも自分の好きなことや興味のある遊びなら十分に楽しんでくれます。
ブロックやプラレール、お人形を使ったごっこ遊びなどは、幼児が好んで自発的に行う人気の定番の室内遊びです。雨の日を利用してじっくりと時間をかけて取り組ませてあげましょう。
雨の日は幼児と一緒に親子クッキング
雨の日が続いて子供が飽きてしまったように感じたり、遊び相手をするのが大変だと感じたりする場合は、子供と一緒におやつなどの料理を作るのがおすすめです。料理は食への興味を育む力があり、子供の自立心を養うだけでなく、好き嫌い改善に繋がるきっかけにもなります。
また、料理で出た野菜の切りくずを利用すれば、野菜スタンプを楽しむこともできます。これは、感覚の発達や指先の運動に役立ちますので、雨の日を利用して子供の感性を刺激してあげましょう。
理科への興味関心を高める!室内での実験遊び
重曹実験やスライム作りは、比較的簡単な材料で家でも作れるものが多いため、週末や休園日に親子で楽しめます。
これらの実験遊びは、小学校での理科学習への興味関心を育むことに繋がります。きょうだいがいらっしゃる場合は、家族全員で遊び感覚で論理的思考力を育んであげましょう。
頭を使ってじっくり考える将棋やオセロ
近年注目を集める将棋ですが、実は幼児でも3歳くらいから動物将棋などを使うことで親しむことができます。雨の日の知的な遊びとしてぴったりです。
オセロ・トランプ・カルタなどの、ルールを理解しながら考える遊びも、子供の知育になりますし、頭をフル回転させるため、幼児は雨の日でも満足して遊んでくれます。
将棋の駒は自宅にある廃材を使って手作りすることもできますので、まずはペットボトルのキャップなどを集めて、動物しょうぎから作ってみてはいかがでしょうか。
折り紙やコマなどの昔遊びやビーズ遊び
折り紙やコマ、ヨーヨーといった昔遊びには、男女ともに楽しめる室内遊びが多いです。コマやヨーヨーは家になくても廃材を使って親子で簡単に手作りできますので、作るところから幼児と一緒に行うと、ものづくりの楽しさも学べます。
また、雨の日の幼児の遊びで人気があるのが、アイロンビーズなどのビーズ遊びやプラバン作りです。ビーズやプラバンは女の子の遊びというイメージがあるかもしれませんが、男の子でも手裏剣や飛行機、恐竜など子供の好きなテーマのものを作らせると集中して遊びます。
折り紙やアイロンビーズで色々な作品作りに挑戦していけば、子供の空間認知能力や思考力を育むのにも役立ちますので、ぜひ雨の日の室内遊びを利用して楽しく能力を伸ばしてあげましょう。
雨の日の幼児の室内遊びは、子供の意見を聞きながら興味がある遊びをすることで、自主性、創造力、思考力などの能力を効果的に育めます。子供の室内遊びは他にも色々ありますので、雨の日はタブレットやテレビを見せっぱなしにせず、子供が考えて遊べる環境を提供する過ごし方を心掛けましょう。
雨の日に幼児におすすめ!五感を刺激できる6つの外遊び
雨の日の外遊びのポイントは、幼児に雨の日だからこそできる観察をさせたり、雨の日ならではの変化を体験させたりすることです。
大人にとって当たり前のことでも、これまで雨風から守られて生活してきた幼児にとっては新鮮な初体験ばかりです。ぜひ子供が雨の日を特別で楽しいと感じるような、五感を刺激する体験をさせてあげましょう。
1雨の粒の不思議を体験する
「雨の粒を捕まえてごらん!」と声をかけて、幼児に両手で雨粒をキャッチさせてみましょう。
雨粒を捕まえたと思ったのに手の中になく、代わりに手が濡れているという不思議な自然体験は、幼児の探求心を刺激します。特に男の子は喜んで遊んでくれることが多いですが、幼児は夢中になると周りが見えなくなるので、安全な場所で行いましょう。
2長靴で水たまりを歩いたり水を蹴ったりする
長靴で水たまりをバチャバチャさせる遊びは、普段は「濡れるから止めて」と制止されがちな行為です。だからこそ雨の日の外遊びタイムにさせてあげれば、子供は好奇心を満たせるため喜んでくれます。
下から足を上げて水を飛ばしたり、上から水面を踏み付けたりすることで、水圧や音、水の動きを感じられるため、幼児の感覚に良い刺激となります。
3公園の砂場で色や感触の変化を楽しむ
公園の砂場は雨の日に水が溜まりやすくなります。5~6歳になって脚力がついてきたら、砂場の水を長靴でかき混ぜて泥の色の変化を楽しんでみましょう。
泥水の色が変化する様子は、子供の観察力や想像力を育みます。水圧に足をとられて転ぶことがありますので、すぐに着替えられるように自宅近くの公園の砂場で行い、大人がそばで見守るようにしてください。
4雨の日に出会った身近な生き物を観察する
カタツムリは普段なかなか目にしないような葉っぱの上にいたり、ミミズは雨が降るとアスファルトの上に出現したりします。どうして出てくるのか一緒に調べれば、調べ学習の練習にも繋がります。
また、よく見かけるスズメやカラスなどの鳥が、雨の日はどのように過ごしているのか探してみるのも面白いでしょう。スズメは雨宿りをしますが、カラスは雨の日でも飛ぶなど、動物や植物の雨の日の様子を観察するのもおすすめです。
5雨のしずくを利用して音遊びをする
庭にバケツやガラスのコップなど大小さまざまな、雨に濡れてもよい物を用意し、雨にあてて音の違いを楽しんでみましょう。当たるものによって音が違うことに気づき、幼児は不思議に感じます。
音の違いに慣れたら、「今は何の音?」とクイズにして、聴覚の刺激や親子のコミュニケーションを楽しむのも良いでしょう。
6水たまりをジャンプして飛び越える
体を動かしたくてたまらない年中や年長の幼児には、水たまりをジャンプして飛び越える外遊びもおすすめです。
ただし、ジャンプしながら夢中になって道路を歩いて行ってしまうと、下ばかり見て車が視界に入らなくなる危険があります。こちらも公園などの車通りのない安全な場所で行いましょう。
子育て4コマ漫画:雨の日限定!幼児期の泥んこ遊び
雨の日の幼児の外遊びは、天候チェックと安全対策を忘れずに
しとしと降る雨の日の外遊びでは、日常の見慣れた風景が違う景色に見え、普段できないことができるため、子供の五感だけでなく探求心も刺激できます。
外で体を動かすことは、子供の体力づくりにも繋がります。空調の整った室内ばかりで過ごさせず、雨の日も積極的に幼児を外に連れ出して五感で季節を体感させてあげましょう。
ただし、無理な方法で雨の日の外遊びをさせると、幼児が体を冷やして体調を崩すなど本末転倒になります。お天気チェックをきちんと行い、服装もレインハット、レインコートやポンチョ、長靴といった雨の日のお出かけ用に着替えてから遊ばせましょう。
雨の日の幼児の外遊びに適した天候チェックのポイント
- 雨の量は強すぎないか?
- 気温が高過ぎたり、低すぎたりしないか?
- 風は強すぎないか?
- 雨・風・落雷・竜巻などの気象警報や注意報は出ていないか?
雨の日の外遊びをさせたくないと思う保護者の方もいますが、外遊びだからといってビショビショになって水遊びをさせなければならないわけではありません。外の変化を観察して楽しむレベルでも十分です。
逆に台風やゲリラ豪雨など雨風が強すぎる日に無理をして外遊びをさせると、幼児も保護者の方も遊びを楽しむ余裕がなくなるだけでなく、物が飛んでくるなどの危険性が増しますのでやめましょう。
雨の日の外遊びから家に帰ったら、幼児の体を暖めて!
服を着ているとはいえ、雨の日は気温が低く、体が冷えていることが多いです。そのため、それほど濡れていなければタオルで拭くだけでも構いませんが、体が冷える場合はお風呂で温めてあげましょう。
使用したレインコートや長靴などの雨具のお手入れも、保護者の方が一人でするのではなく、手間がかかってもできるだけ幼児と一緒にするのがおすすめです。そうすることで長靴の中まで濡れたことや、レインコートでどれくらい汚れが防げたかなどを知ることができます。
また、雨の中で出会った昆虫や鳥などの生き物を図鑑で一緒に調べれば、幼児は観察した生き物について掘り下げて知る楽しさを体験できます。ただし、幼児に興味がないのに親が無理強いすると、嫌がって逆効果になることがありますので、子供の反応を見ながら一緒に調べることをおすすめします。
雨の日は幼児が頻繁に通える身近な遊び場も利用しよう
雨が続く梅雨などは、パパの休日にストレス解消で大型有料施設に連れて行くのもいいのですが、平日の雨の日の外遊びがママにとって負担が大きいという場合は、身近な幼児の遊び場に通うのもおすすめです。
遊び場までの道のりで幼児は雨の日の刺激を受けることができますし、館内でも体を使って遊ぶことができます。保護者の方が、ママ友を作るなどして人と会話をすれば、ご自身にとっても良い気分転換になります。
特におすすめは児童館ですが、中にはトラブルになったという話もありますので、いきなり親しいママ友を作ろうと焦るのは禁物です。ゆっくりと時間をかけて徐々に仲良くなっていくことをおすすめします。
雨の日の自転車通園は安全?注意点と便利な雨具
公共交通機関が充実している大都市などでは、雨の日に幼稚園や保育園まで自転車で幼児を送迎する姿をよく見かけます。
幼児を乗せた自転車の運転は、雨の日であっても違法ではありませんが、傘を差しての片手運転は、安全運転義務違反として各自治体の条例や道路交通法で禁止されている場合があります。事前に地域のルールを確認し、両手でしっかりとハンドルを握れるように対策しましょう。
雨の日の自転車送迎の注意点
ハンドルに傘を固定するグッズが販売されていますが、自治体によっては傘をさす行為自体が規制されている場合もありますので、確認が必要です。
幼児を濡らさない!雨の日の自転車での送迎対策
保育園や幼稚園へ自転車で通園させている保護者の方は、幼児を濡らさないように自転車チャイルドシート用のレインカバーや子供乗せ自転車用のレインカバーを利用しています。
購入する際はサイズや子供を乗り降りさせやすい構造か、前用・後ろ用・兼用のいずれかを必ずチェックし、ご家庭の子供乗せ自転車や自転車用チャイルドシートに合う物をチョイスしてください。
道路交通法では、幼児を自転車に乗せる際のヘルメット着用が努力義務として定められています。レインハットを使用する際も、子供の安全のため、レインハットの下にヘルメットを併用するように努めましょう。
また、保護者の方の手が濡れないように、ハンドル部分にはハンドルカバーを付けるのがおすすめです。手袋とは違い雨水で滑る心配がなくハンドル操作がしやすいですし、着脱不要で防寒対策にもなります。
保護者の方の雨具選び:レインスーツ・レインハット・長靴
雨の日に自転車で幼児を送迎する時は、上下がセパレートのレインスーツを着用すれば動きやすく、下半身の雨も気にする必要がありません。もしレインスーツや長靴ではなくレインコートやポンチョ、会社で履く靴を着用する場合は、着替えを持って行ったりシューズカバーを使用したりすることをおすすめします。
頭部はレインスーツやレインコートについているフードだけでなく、レインハットかレインバイザーを併用しましょう。前方からの雨をしっかりガードすることができます。眼鏡を着用している保護者の方の場合、レインハットやレインバイザーにプラスして、眼鏡にレンズ用撥水スプレーをしておくと安心です。
また、レインハットやレインバイザー、レインスーツのフードは風で飛ばされてしまうことがありますので、100円ショップでも購入できる帽子止めクリップなどを使用してフードを固定しましょう。運転中に手で押さえるのは大変危険で事故の原因になります。
荷物については、空いている荷台に撥水生地で作られているバスケットカバーを付けておくとよいでしょう。ただし幼児を二人乗せている場合は荷物を積めませんので、子供に通園バッグを持たせ、保護者の方がリュックを背負うなどの工夫が必要です。
自転車通園は事故率が高い!雨の日は徒歩や公共交通機関の利用も要検討
幼児用座席がついた自転車は通常の自転車よりも重く、バランスを崩して転倒し幼児がケガをする事故が多発しています。そのため、消費者庁などから注意喚起が行われています。
特に入園直後の4月~7月は事故が増加傾向にあり、梅雨時期の雨の日の自転車通園は油断できません。雨の日の自転車の運転に不安を感じている場合は、無理をせずに歩いたり、公共交通機関を使用したりといった対策も検討しておきましょう。
雨の日のお出かけにおすすめの幼児や保護者の服装
雨の日のお出かけは保護者の方が憂鬱な気分になりがちですので、お気に入りのデザインのグッズを購入するなどして、雨の日を少しでも楽しく過ごせるようにしましょう。
幼児は傘を上手にさせない!レインコート・レインハット・長靴を着用
幼児期はまだ傘を上手にさせなかったり、振り回して遊んでしまったりする子が多いため、傘は雨を防ぐものではなく入学に向けた練習と考えましょう。雨の日は幼児にレインコート(またはレインポンチョ)・レインハット・長靴を着用させ、保護者の方もレインコートや長靴スタイルでお出掛けするのがおすすめです。
レインコートのフード部分に透明のツバがついていても、着用すると浅くて雨風の侵入を防げない商品が多々あります。レインハットを被せたくない場合は、必ず幼児に試着させ、フード部分の大きさを確認してから購入しましょう。
幼児がレインコートを喜んで着るための工夫
レインコートは通気性が悪く着用して歩くと蒸れるため、幼児によっては着用を嫌がることがあります。ですからレインコートを購入する際は、大人目線でオシャレな商品を購入するのではなく、子供が気に入る柄やキャラクターがデザインされたレインコートを、子供と一緒に選んで購入することをおすすめします。
1~2歳の幼児には、レインカバーをつけたベビーカーが便利
1~2歳の幼児との雨の日のおでかけは、ベビーカーにレインカバーをつけていくと便利です。雨音で泣き止む赤ちゃんもいますので、雨音が好きな幼児には特におすすめです。ベビーカーカバーは花粉、強風、寒さ対策としても使用できます。
ただし、ベビーカーに慣れていない幼児の場合は機嫌が悪くなり、最終的には泣き叫ぶ結果になることもあります。そのような場合は無理強いをせず、まずは徐々にベビーカーに慣らすところから始めましょう。
2歳頃になると幼児はベビーカーを拒絶して歩きたがるようになります。「家の中に閉じこもるのはストレスだけど、歩いて出掛けて途中で寝てしまったら大変だし」と引きこもりがちになってしまう場合は、疲れてもすぐに帰れる近場のお散歩や外遊びから始めてみましょう。
雨の日の幼児との過ごし方!保護者の方がダルい時の省エネ育児
雨の日が続くと、幼児は体力を持て余して不機嫌になったり、保護者の方もなんとなく体がダルくなり、気分が憂うつになることもあるでしょう。そんな時は無理をしなくても大丈夫です。
SNSなどで話題になった省エネ育児アイディアの「ゾンビごっこ」などの、楽をして子供を喜ばせられる遊びを取り入れてみましょう。
















