子育てが辛いと感じる瞬間と原因:ママの育児ストレスを軽減し乗り越えるための対処法
ほとんどのママが、子育てを「辛い」「しんどい」と感じた経験があるのではないでしょうか。周囲のママが楽しそうに見えて、「なぜ自分だけ…」と悩んでしまう人も少なくありません。しかし、育児ストレスやイライラを感じるのは、あなただけではありません。多くのママが、大変な育児を日々乗り越えているのが現実です。
子育ては、休みなく続く24時間365日の労働です。特に乳幼児期は、睡眠不足や時間的制約が重なり、燃え尽き症候群(バーンアウト)に近い状態に陥ってしまうこともあります。ここでは、ママたちが子育てを辛いと感じる主な5つの瞬間と、その具体的な対処法をご紹介します。「他のママも一緒だ」ということを知り、ご自身の気持ちを少しでも楽にしてください。
1.自分や子どもの体調が優れない時
- 「自分が風邪でダウン。子どもは元気なので食事やお風呂の世話は休めず、本当につらかったです」(3才、2才ママ)
- 「仕事中、子どもが熱を出したと保育園から連絡が。子どもの体調も心配だし、仕事も進まないしで大変だった」(1才ママ)
- 「インフルエンザで一家全滅状態に。自分もつらい中、子どもの世話もしなければいけなかったのが辛かった」(5才、2才ママ)
これは、育児を最も辛く感じる瞬間のひとつです。特に自分の体調が悪い時や、家族が次々と体調を崩し、看病が続く状況では、「お願いだから少し寝かせてほしい」と叫びたくなります。
この辛さの原因は、育児に休みがないことです。体調不良時でも休めない場合は、無理をせず一時的なサービスの利用を検討してみてください。
- 病児保育・病後児保育: お住まいの地域の行政やNPOなどが提供する、子どもが病気の時に預けられるサービスを利用しましょう。
- ファミリーサポートや家事代行: 体調が悪い時だけでも、食事の準備や掃除を外部に委託し、徹底的に体を休める時間を確保しましょう。
- パートナーへの協力要請: 連絡先や段取りを事前に共有し、いざという時のための協力体制を整えておくことが大切です。
2.自由な時間とプライベートな空間が取れない時
- 「24時間子どもと一緒で、ずっと束縛されている。トイレもゆっくりいけない」(2才ママ)
- 「子どもといると毎日ほぼ同じことの繰り返しになってしまいます。単調で刺激がないし、自分のやりたいこともできません」(2才、1才ママ)
- 「家事やちょっとした用事をこなしていると、構ってほしくて邪魔されてしまう」(8才、5才ママ)
- 「コンビニに行くだけでも、子どもの身支度から始まります。パパっと出かけられた頃が懐かしいです」(3才、10ヶ月ママ)
- 「仕事をしたいけど、子どものためになかなか踏み出せない。少し寂しくて辛いです」(4才ママ)
ママになってからは、子どもの安全を最優先するため、自分の気持ちや欲求を我慢せざるを得ません。後追い時期にトイレの扉を開けっぱなしにしたり、夜間の授乳で睡眠が分断されたりする生活の中で、自由に動き回れた以前の生活を懐かしく感じ、子育てを辛いと感じる人は非常に多いです。
時間と空間の「孤独な束縛感」を解消するためには、意識的に「自分だけの時間」を作ることが重要です。
- リフレッシュ時間の確保: 夫や実家、または地域の一時預かりサービスを利用し、月に数時間でも完全に自分一人で過ごす時間を作りましょう。カフェでお茶をする、美容院に行くなど、非育児的な時間を持つことが、ストレス軽減につながります。
- 「ながら」時間の活用: 子どもが寝ている時間や、少しだけ集中できる時間に、自分の趣味や自己啓発に繋がる作業を少しずつ進めて、単調さを打ち破りましょう。
3.子どもの行動を制御できない時や反抗期に直面する時
- 「子どもに対して感情的に怒ってしまった。後悔と反省でへこむ」(10才、7才、2才ママ)
- 「子どもが言うことを聞かないと、私の育て方が悪かったのかと悩んでしまう」(4才ママ)
- 「いい子にしているよその子を見ると、いけないと思いつつうちの子と比べてしまい羨ましく感じてしまう」(6才ママ)
子どものためを思って伝えているはずなのに、毎度同じ悪さや激しい反抗をされると、親として虚しさや悲しさを感じます。特に、感情的に怒ってしまった後の自己嫌悪は、大きなストレス要因です。
しかし、反抗やわがままは、子どもの自我や成長が順調に育っている証拠であるという客観的な事実を知っておきましょう。親の責任感や完璧主義がストレスを増大させます。
- 感情の切り離し: 子どもの行動を「親の評価」と直結させず、「これは子どもの発達段階に必要な行動だ」と捉えるようにしましょう。
- アンガーマネジメント: 怒りの感情が湧いたときは、すぐに反応せず、6秒間待つ、その場を離れる、深呼吸するなど、自分の感情をコントロールする工夫を取り入れましょう。
- 完璧な育児を求めない: 「全ての子どもを完璧に育てることなど不可能である」と割り切り、他者との比較をやめましょう。
4.夫(パートナー)が協力的ではない時
- 「仕事が忙しくて家にいる時間のない夫。休日は疲れて寝ていて、毎日奮闘している私に協力的ではない」(2才、5か月ママ)
- 「たまに夫に子どもを預けて出かけたら、夫はテレビを観たりゲームをしたり、子どもと全然遊んでくれていなかった」(8才、6才ママ)
- 「子育ての大変さを夫が分かってくれていないのが辛い」(2才ママ)
- 「子どもはほとんど私一人で育てているようなもの」(15才、12才、9才、6才ママ)
人生のパートナーであり、子どもの父親であるはずの夫が、家事や子育てに非協力的であることは、育児の辛さを最も増幅させる原因です。「俺は外で働いて疲れているんだ」といった発言は、ママの孤独感と不公平感を深めます。子育てや家事を一人に押し付けられたら、誰だって育児が辛くなるのは当然の心理的反応です。
この状況を改善するためには、具体的なコミュニケーションと役割の明確化が必要です。
- 「手伝って」ではなく「担当して」: 育児や家事を「ママの仕事を手伝う」という意識から、「夫婦共通の仕事として担当する」という意識に変えてもらいましょう。具体的な担当リストを作成し、責任範囲を明確にすることが有効です。
- 「見える化」する: 育児タスクにかかる時間や労力を、メモやアプリなどで可視化し、夫に現実を理解してもらいましょう。
- 感謝と承認: 夫が何かしてくれた際には、大げさなくらい感謝の言葉を伝え、モチベーションを維持してもらいましょう。
5.家事・仕事などタスクがはかどらない時
- 「後追いがひどくて、ご飯の支度ができない。それを夫に理解してもらえないので辛い」(2才ママ)
- 「洗濯物をたたんでいるそばから崩されていく」(5才、3才ママ)
- 「おとなしくしていてくれないので、邪魔で掃除機がけがはかどらない!」(6才、5才、1才ママ)
「育児中の家事・仕事は、子どもの邪魔との戦いである」と言えるほど、思い通りにタスクが進まない現実に、多くのママがイライラや焦りを感じています。特に、仕事を両立しているママにとっては、この「生産性の低さ」が大きなストレス源となります。
この状況を乗り切るためには、「完璧な家事・仕事を諦める」ことと、「子どもの特性を活かした工夫」を取り入れることが有効です。
- 「完璧」の基準を下げる: 掃除や料理の頻度や質を一時的に下げ、外注できるものは外注することを検討しましょう。時短家電(食洗機、ロボット掃除機など)の導入も有効です。
- 「一緒にする」工夫: 家事を「遊び」に変えて、子どもに手伝ってもらう(例:おもちゃの掃除機で一緒に掃除する、洗濯物をポイポイ投げてもらう)ことで、協調性を育みつつ、タスクを消化できます。
- 集中タイムの確保: 子どもが寝ている早朝や夜間など、集中できる短い時間に重要度の高いタスクを済ませる「タイムマネジメント」を導入しましょう。
子育ての辛さを乗り越えるための具体的なステップと相談先
このように、子育てが辛くて大変なのは当たり前のことです。思い通りに動かないのは、元気な子どもに育てている証拠でもあります。しかし、その辛さを一人で抱え込むのは絶対にやめましょう。心身の健康を保ち、子育てを楽しむためには、適切なリフレッシュとサポートが必要です。
1.辛い気持ちを話せる場所を見つける
辛い感情は、言葉にして外に出すことで軽減されます。まずはパートナーや友人、両親に正直な気持ちを話しましょう。
- オンライン・SNS: 匿名で共感し合える育児コミュニティやSNSを活用し、同じ悩みを共有するママと繋がることで、孤独感を解消できます。
- 地域の育児サロン: 地域の児童館や子育て支援センターへ行き、専門のスタッフや他のママと交流しましょう。
- 公的な相談窓口: 辛さが続く場合や心身の不調を感じる場合は、お住まいの自治体の保健センターや子育て支援ダイヤル、精神科・心療内科などの専門機関へ迷わず相談してください。
2.頑張りすぎをやめる(育児の「手抜き」を許可する)
「今日はもう無理」と感じたら、勇気を持って立ち止まりましょう。惣菜や冷凍食品に頼る、おもちゃの片付けを翌日に回す、テレビやタブレットを一時的に活用するなど、手を抜くことを自分に許可することが大切です。ママが笑顔でいることが、子どもにとって最も大切な栄養です。
3.定期的なリフレッシュの習慣化
月に一度は美容院やマッサージに行く、週に一度は一人で散歩するなど、育児から完全に離れる時間を義務化しましょう。リフレッシュは贅沢ではなく、育児を継続するための必要経費だと考えてください。頑張りすぎずに、ご自身の心と体を最優先に大切にしましょう。