子供が料理好きになる8つの子育て術 包丁デビューの時期と年齢別のお手伝い
子供が何かに興味を示したとき、親がどう関わるかによって、その興味がぐんと広がるか、しぼんでしまうかが変わってきます。もしお子さんが料理や食べ物に関心を見せたなら、年齢に関わらず、料理好きに育つ絶好のチャンスです。
ここでは、子供を料理好きにする8つの子育て術を紹介します。包丁デビューに適した時期や、幼児でもできる調理についても年齢別で解説します。長期休みは特に、親子で料理を楽しむ良い機会です。肩の力を抜いて、一緒にクッキングを楽しんでみましょう。
子供を料理好きにする8つの子育て術
子供の料理への関心が伸びるかどうかには、身近な大人の関わり方が大きく影響します。まずは、子供を料理好きに育てたい家庭で実践したい関わり方を8つ紹介します。一緒に作った料理を食べるときは、「おいしいね、ありがとう」とたくさん声をかけてあげましょう。誰かの役に立てたうれしさを味わうことで、料理やお手伝いへの意欲は大きく育っていきます。
1間違いを指摘しすぎない
「料理をさせてみたけれど、言った通りにしてくれなくてイライラ……」と感じる方も多いでしょう。
子供にとって料理は未知の世界です。実際に経験しながら「これは好き」「これは苦手」と発見していく時期なので、こまかく間違いを指摘しすぎると、やる気をなくして料理そのものが嫌いになってしまうこともあります。多少のことは大目に見る余裕を持ちたいですね。たとえば野菜の切り方がふぞろいでも、「大きいのと小さいの、食べるとき楽しいね」と受け止めると、子供は安心して次に進めます。
ただし、火傷やケガのおそれがある場面では、安全を最優先にきちんと止めることが大切です。「危ないこと」と「多少の失敗」を分けて考えるのがポイントです。
料理を始めたばかりの子供は、できなくて当たり前です。期待しすぎると間違いばかりが目についてしまうので、「できたところ」「頑張ったところ」に目を向ける余裕を持って接してあげましょう。
2まずは見て学ばせる
子供に料理をしてもらうには、まず大人が作るところを見せてあげましょう。そのうえで、子供にチャレンジしてもらいます。
はじめは上手にできなくても、見て挑戦して失敗し、また見て挑戦して……を繰り返すうちに、こまかく教え込まなくても、子供自身が自分で学んで上達していくことが多いものです。
キッチンは危ないからと遠ざけるのではなく、安全な範囲で調理する様子を見せてあげましょう。コンロまわりが心配なときは、テーブルでさやえんどうの筋とりをしたり、餃子を包んだりと、場所を移して見せるのもおすすめです。教え込むより、「自分でやってみたい」という気持ちを引き出すことを大切にしてください。
3失敗も経験させる
逆上がりや縄跳びと同じで、料理も失敗を重ねながらできるようになっていきます。うまくいかなかったときに「どうすればよかったのかな?」と自分で考え、試行錯誤して成功する。その過程こそが、学びと上達、そして自信につながります。
失敗させまいと親が先回りしすぎると、かえってやる気をそいでしまい、料理が嫌いになってしまうこともあります。危険がない範囲では、ぐっと見守る姿勢も大切にしましょう。卵の殻が入ってしまっても、「一緒に取ろうか」と落ち着いて対応すれば、それも立派な学びになります。
4「やりたい」という気持ちを尊重する
子供が「料理をしてみたい」と思ったときが、興味を伸ばす一番のチャンスです。ぜひ、その気持ちを尊重してあげましょう。
やりたがっているのに「まだできないでしょ」と取り上げてしまうと、子供は自分の気持ちを受け止めてもらえず、料理へのやる気や自信を失ってしまうことがあります。
子供は、やる気があるタイミングで挑戦すると、好奇心が刺激されて意欲的に取り組みやすくなります。「今やってみたい」という気持ちを大切にしてあげましょう。
とはいえ、まだ1〜2歳で包丁や火を使いたがるのは危険です。本人のやる気を満たせるよう、おもちゃの包丁でおままごとをする、レタスをちぎってもらうなど、年齢や発達に応じた形に置きかえて対応しましょう。
5まず大人が料理タイムを楽しむ
「子供に手伝わせると時間がかかる」と感じる方は少なくありません。確かに一人で作ったほうが早く済みます。けれど、せっかくの親子クッキングも、大人が楽しめていないと、その気持ちは表情や口調から子供に伝わり、料理がつまらないものになってしまいます。
子供が手伝うようになったら、次のような工夫で時間と心のゆとりをつくり、まずは大人自身が一緒の時間を楽しみましょう。
- 食事の支度を、いつもより少し早めに始める
- 子供に任せられる作業を、あらかじめ決めておく
- 料理好きに育った子供の姿を想像してみる
「今日は洗う係お願いね」と最初に役割を決めておくと、その場でのイライラがぐっと減ります。
6一緒におままごとをする
おままごとがきっかけで料理好きになった、という人は少なくありません。小さいころのおままごとを通じて、料理へのイメージをふくらませてあげると、子供のやる気が育ちます。おままごとは料理への関心を高めるだけでなく、やりとりを通じてコミュニケーション力を育むうえでも役立つ遊びです。「いらっしゃいませ」「これください」と役になりきって、たっぷり楽しんでください。
7家庭菜園や絵本で食への関心を広げる
食べ物への関心が高まると、料理への興味も自然と広がっていきます。家庭菜園は、その関心を育てるのにぴったり。ミニトマトやきゅうり、豆苗など、育てやすくて子供が食べやすい野菜から始めてみてはいかがでしょうか。自分で育てた野菜なら、苦手なものも「食べてみようかな」と思えることがあります。
また、絵本の読み聞かせを通じた食育もおすすめです。カラフルな野菜や果物が描かれた絵本、食べ物がどこから来るのかを教えてくれる本などが向いています。農林水産省も「食育」を後押ししており、食べ物への興味は、生きる力の土台づくりにつながります。
8料理教室に参加させてみる
「料理をさせたいけれど、家でどう教えればいいか分からない」という方は、料理教室に参加させてみるのも一つの方法です。まずは夏休みなどの長期休みに開かれる子供向けの料理イベントから始めてみてはいかがでしょうか。お友達と一緒だと、さらに楽しい時間になります。
スーパーなどでも、週末や長期休みに食品メーカー主催の料理教室が開かれることがあります。地域の広報やお店の掲示もチェックしてみてください。
子供の料理デビューはいつから?
料理に関心を持ってもらいたいなら、赤ちゃんの頃から料理を身近に感じてもらうとよいでしょう。子供は赤ちゃんの時期から五感を働かせ、大人が料理する様子をよく見ています。家事の合間におんぶされている赤ちゃんは、背中ごしに調理の音を聞いたり、香りをかいだり、体の動きを感じたりしやすく、料理に興味を持ちやすいと言われます。
早い子だと、1歳を過ぎたあたりからお手伝いをしたがります。できる範囲で関わらせ、うまくできなくても教え込もうとせず、「手伝いたい」という気持ちにお礼を言ったり褒めたりしてあげましょう。それだけで、料理への関心はぐんと高まります。
子供に包丁を持たせる時期
小さな子供に包丁を持たせるのは心配ですよね。興味を示したら挑戦させてあげたいところですが、包丁はケガの危険があるので、大人の言うことをきちんと理解し、指示に従えるようになってからにしましょう。「ダメ」「やめて」と言ったらすぐに手を止められる。それができるようになるまでは、まだ早いサインです。
個人差はありますが、4〜5歳ごろに包丁デビューする子供が多いようです。それまでは、おままごとのナイフで存分に遊ばせてあげてください。デビュー後も、最初のうちは必ず隣で見守り、「猫の手」で押さえる、刃を人に向けない、といった約束をひとつずつ伝えていきましょう。
はじめて包丁に挑戦するときは、まずステーキナイフなどで、バナナのようなやわらかい物を切ることから始めてみましょう。切れる実感が、やる気と自信につながります。
安全に楽しむための準備と環境づくり
料理を「楽しい経験」にするには、ケガや事故を防ぐ準備が欠かせません。次のポイントを整えておくと、大人も安心して見守れます。
- 手洗いと身支度:始める前に石けんで手を洗い、髪が長い子はまとめ、エプロンや袖まくりで清潔・安全に。
- 安定した足場:調理台が高い場合は、すべりにくい踏み台を用意し、ぐらつかないか確認する。
- 子供に合った道具:刃先が丸い子供用包丁や、扱いやすい小さめのボウルなど、手のサイズに合った道具を選ぶ。
- 火・熱・刃物の約束:コンロや熱い鍋、包丁を使う場面では必ず大人がそばにつき、「熱い」「危ない」を具体的に伝える。
- 片づけまでが料理:使った道具を一緒に洗う、テーブルを拭くところまでを習慣にすると、達成感と responsibility責任感が育ちます。
安全のルールは、頭ごなしに禁止するより「どうして危ないのか」をセットで伝えると、子供も納得して守りやすくなります。
年齢別 おすすめのお手伝い・調理
ひとくちに子供の料理といっても、年齢によってできることは大きく違います。どんな調理がどの年齢に向いているのか、年齢別に見ていきましょう。お手伝いをお願いするときは、子供が興味を示したものや、喜びそうな作業を選ぶのがコツです。得意分野なら子供も張り切ってくれますし、大人もストレスを感じにくくなります。
1歳児
1歳児には、まだ難しいことはできません。まずは、食器を食卓に並べるお手伝いから始めてみてはいかがでしょうか。おもちゃの包丁を使ったおままごとも、この時期の子供にとっては立派な料理です。一緒に買い物へ行って食材の名前を教えたり、実際に触れてにおいや手ざわりを覚えたりすることも、大切な経験になります。
おままごとでは料理上手!?
娘の1歳半の時のクリスマスプレゼントに、木製の調理セットを贈りました。前からおもちゃ売り場のおままごとセットに興味を示していたので選んだのですが、これが大当たり。ナイフで野菜や果物を切って、お皿に並べて楽しそうに遊んでいました。
自分とママの分二人分作って、「一緒に食べよう!」と声をかけてくれました。娘は、ママと同じように料理が出来て満足そうにしていました。2歳になった今では、実際に食卓に料理やお箸を並べるお手伝いが出来るようになりましたよ。
2〜3歳児
2〜3歳になると、包丁や火を使わない簡単な調理なら手伝ってもらえるようになります。好奇心旺盛なこの時期に、いろいろなお手伝いをお願いしてみましょう。
2〜3歳児におすすめの調理
- 野菜や果物を洗う
- 買い物のときに、食材をとってきてもらう
- レタスなどを手でちぎる
- 味見をしてもらう
- 箸やコップなどの配膳を手伝ってもらう
子供がキッチンにいるときは、目を離さないようにしてください。包丁に触れたり、お酒などの調味料を勝手に開けてしまったりすることがあります。
ミニカートで買い物のお手伝い
3歳の息子とよく行くスーパーには子供用のミニカートが置いてあります。息子は嬉しそうにカートにカゴを乗せて押し、私がお願いした食材をカゴに入れてお買い物のお手伝いをしてくれました。
果物や野菜は丁寧に扱わないといけないことなども覚えてくれるので、買い物のお手伝いはとても良い経験になりますよ。子供連れでの買い物は大変ですが、お手伝いをさせていると考えていたので、ストレスなくできました。
4〜5歳児
幼稚園の夏休みなど、長期休みは時間を持て余しがち。そんなときこそ料理のチャンスです。親子で簡単なランチやお菓子を作ってみてはいかがでしょうか。4〜5歳になると、子供向けのレシピ本を見て「これ作ってみたい!」と自分から言い出す子も出てきます。興味を持ったものから始めてみましょう。
4〜5歳児におすすめの調理
- 食材を包丁でざく切りにしたり、キッチンばさみで切ったりする
- 餃子を包む
- サンドイッチを一緒に作る
- クッキーの型抜き
- パンの成形
卵割りが得意な娘♪
娘が5歳の頃は、よく一緒にお菓子やホットケーキを作っていました。娘は卵を割るのが上手で、娘が卵割り担当、ママが混ぜる担当でした。子供は一つ得意なことが見つかって褒められると、次々に興味が広がっていきます。今でもすき焼きの時には、家族全員分の卵を割ってくれますよ♪
親子のクッキングを、気楽に長く続けよう
子供を料理好きにする一番の近道は、上手に作らせることではなく、「楽しかった」「またやりたい」という気持ちを積み重ねてあげることです。間違いを大目に見て、やりたい気持ちを尊重し、できたところを一緒に喜ぶ。そのくり返しが、料理への意欲と自信を育てていきます。
年齢に合ったお手伝いから始め、安全のルールだけはしっかり守りながら、まずは大人が肩の力を抜いて楽しむこと。長期休みなどの時間があるときに、ぜひ親子でキッチンに並んでみてください。今日の小さな「できた!」が、これからの食べる力・生きる力の土台になっていきます。


