子供の友達関係の悩みは親の問題?自立に向けて経験不要な試練?
子供の友達関係の悩みは、幼稚園や保育園のころとは比べ物にならないほど、小学校入学後にエスカレートしがち。
見えない部分が増える分だけ「いつも遊びに来ていた友達が突然来なくなった」「子供が学校の話しをしなくなった」などの変化は、親にとって心配の種になってしまいます。
子供の友達関係はトラブルの大きさによって大人の介入が必要ですが、親の行き過ぎた心配や過保護過干渉は子供が自立に向けて身に着けるべき様々なスキルを体得するチャンスを奪ってしまうためバランスが大切!
子供の友達関係が心配で悩んでいるママやパパは、まず次の6つの対応から心掛けてみましょう。
1友達関係のトラブルは子供時代にすべき重要な学習だと理解する
子供の友達関係のトラブルは、「相手の行動が気に障る」「嫌なことをする(される)」「協調できない」という内容が多いです。
また低学年~中学年ギャングエイジまでの小学生は、「先生が正しい」と信じて疑わない子が多い年代。そのため「自分は正しい!」と信じ込んで相手を攻撃してしまう子と型にはまらない子がぶつかるケースも見られます。
互いに未熟な子供達のリアルな友達関係のトラブルを知ことで、我が子の味方になり全力で「困った子だね」と共感したくなる親もいれば、「あなたもこうすればいいのよ」と一言アドバイスしたくなる親もいるでしょう。
本当に親の共感やアドバイスは必要?
小学校に入学して学校に慣れてくると、男の子の場合は特に親に友達関係や学校の話をしなくなります。その原因の多くは親のアドバイスや、我が子だけがかわいいといった偏った共感が不要だからです。
親にとってはまだまだ未熟に見える小学生でも、子供達は一人の人間として自分自身の力だけで友達関係に立ち向かって悩んだり苦しんだり我慢したりすることを選び、生涯必要となる人間関係のスキルを学習しています。
友達関係で悩み苦しむ子供の姿を側で見守るのは、親にとって自分が代われるなら代わりたいほど辛いことですが、子供の友達関係の悩みは子供の問題で、親の問題ではありません。
子供を心配するあまり親が自分の問題と錯覚してして苦しむことで、子供はますます辛くなり、本当に親の助けが必要な時に頼れなくなります。
子供の友達関係が心配でたまらない親ほど、子供がたった今、生涯重要となる人間関係の学習の真っただ中にあることを理解し、子供に心配をかけないようにしてあげましょう。
2子供の友達関係へのたくさんの見方や考え方に触れる
子供の友達関係への悩みが深刻になってしまうのは、「最近約束をしてこなくなって、放課後は一人で家にいる」「よく友達にからかわれているみたい」「うちの子仲間はずれにされてる?」「嫌と言えない」などのケースでしょう。
子供によっては親がしつこく聞いても拒絶されて「別に何もない」と言われたり、「うるさい!」と冷たく突き放されたりしかねません。
すると親は余計に心配になり、過干渉になるという負のスパイラルに入ってしまいがちで、余計に子供との距離が離れ、自分だけでなく子供のことまで悩ませ追い詰めてしまいます。
おおらかな先輩ママにアドバイスを求めて!
「自分の子だけが、変わってしまったのでは?もしやトラブルに?」と心配しすぎず、身近な先輩ママに相談してみましょう。身近に先輩ママがいない場合は、インターネットなどの相談や体験談も参考になる場合があります。たくさんの先輩ママさんの話を聞くと「親にとって子供を育てる上でよくある通過点なのね!」と、気持ちが楽になります。
仲のいい先輩ママに「うちの子最近こうなんだけれど、○○ちゃんはそんなことあった?」と聞いてみるだけでなく、パパにも意見を聞いてみるとよいでしょう。特に男の子の場合は同性のパパ目線が参考になるケースが多いです。
子供は毎日成長しているので小さい頃は「みんなと一緒!みんな仲良し!」という世界がありますが、成長することでそれぞれの個性が生まれてきて、子供なりに様々なことを感じ考えるようになっていきます。
その中で一人になってみたい時期があっても不思議ではありませんし、できるようになるまでに必要な待ち時間もあります。
先輩ママはそんな経験もしていることが多いので、たとえあまり面識のない先輩ママでも「うちの子もあったよ!しばらく様子を見てたら落ち着いて普通に戻ったわ。だから大丈夫よ。」なんて言葉が聞こえてきたりします。
3子供が友達関係の問題や悩みを話しやすい環境を作る
子供の友達関係の問題や悩みがどうしても心配になってしまう。でも話してくれないと言う時、無理やり聞き出そうとすると子供はかたくなに拒絶してしまいます。
特に、一度「うるさい!すぐ大騒ぎする!」というネガティブなイメージを抱かせてしまうと、本当に相談したいことができても相談できなくなってしまう恐れもあります。
居心地のいい家にしてあげて!
居心地のいい家とは子供が帰ってきてリラックスできる家のことです。
帰宅した子供が自然とお喋りできるような、明るく和やかな雰囲気を作るようにしてみましょう。時間があるなら一緒に簡単なおやつを作って一緒に食べながらお喋りしたり、一緒にテレビを見て笑いあったり。そんな和やかな中でのお喋りは子供の心を軽くします。
多少辛いことがあっても家庭で温かく穏やかな時間を過ごせることで、外で立ち向かう勇気を充電できて自分自身で乗り越えていけますし、そうした経験は子供の自己肯定感を高めるのにも役立ちます。
くつろいがことで子供が「たいしたことないんだけれどね」と友達関係の問題や悩みについて話してくれたら、聞き役に回り根掘り葉掘り聞かず「子供なりに頑張ってるのね」と成長を頼もしく思いましょう。
それ以上話さない時は、「そっか、頑張ってるね。辛いときは話してね。」とだけ、やんわりと明るく伝えればよいのです。
その時親が悲痛な表情で心配しすぎてしまうと、「心配かけたくないから」と心に溜めこんでしまって、余計に辛い思いをさせてしまうこともあります。子供が心を癒せる空間となることは、家庭の大切な役割の一つです。
4子供の友達関係への主体性を尊重する
子供は友達関係においても親とは別の世界を持ち、別の感覚や考え方をし、別の人生を歩むことになる独立した一人の人間です。そこに主体的に向き合おうとするからこそ、悩みも問題も生じるのです。
例えば、はっきりとした原因がなく子供が今までの友達と一緒に遊んでもらえないとします。心配した親がお友達に「どうして遊んでくれないの?一緒に遊んでね。」と口を出してしまったら、子供は選択肢を選べなくなってしまいます。
友達関係に困るから子供は主体性を発揮できる!
子供は「困ったな、寂しいな」といった心理の中で自分がどうすべきかを考え始めます。自分が何か悪かったのかな。他の友達と遊ぶように声をかけようかな。家でゆっくりしようかな。公園でいつも見かけるあの子と遊んでみようかな。と様々なことを主体的に考えて、行動に移しながら成長していけるのです。
大人になってからも必要となる様々なことへの対処方法というのは、教えられて身に着けるものではなく、実体験から自分で考えて主体的に獲得していくものです。
危ないから、困るから、つらい思いをさせたくないからなどの親心と言い換えられがちな干渉は、子供の世界や視野を狭くしてしまい、成長するきっかけや自己判断能力、対処能力を失ってしまう危険性を持っているのです。
子供がたくさんの人たちとふれあい、たくましく成長できるように、ママが辛くてもぐっとこらえて見守ることも必要なのです。
5子供にも友達にもいいこと悪いことを学ばせる
子供の友達関係で気になることがあると、「あの子とあまり遊んでほしくない」と思うこともあるでしょう。
もちろん子供はそれぞれ個性的ですし、各家庭の価値観もそれぞれなことは分かっている。それでも大人から見て「問題だなぁ」と思ってしまう行動に出てしまう子供もいますので、子供の友達を嫌いだと思って対応に困ってしまうママは当然います。
けれど子供がちょっと困った友達と遊ぶ時は、親には分からない魅力がある場合があります。そこで子供の心を否定して親が友達を選んでしまうと、子供と親がこれまで築いてきた信頼関係にヒビが入ってしまいかねません。子供にとっては大切な友達なのです。
友達関係が悪いことをしたら怒ってあげて!
優しいママというイメージは素敵なことですが、悪いことをきちんと叱って教えてあげれるママはもっと素敵です。
金銭がらみなどの度がすぎる問題行動であれば、相手の家庭や学校への報告が必要になるケースもあります。
叱ったことでその友達が自分の子供と遊ばなくなったのなら、子供は自分で他に遊べる友達を見つけてくるものです。
子供の友達関係に干渉したくなったら家庭内の会話の中で、良いことと悪いことを繰り返し伝えていきましょう。「こんなことしたら危ない」「傷つく人もいる言葉遣いだよ」などと、日常の中で悪いことはきちんと伝えていきましょう。
また子供自身に問題提起をさせ、考えるきっかけを与えることもいいかもしれません。家庭の中できちんとルールの話し合いが出来ているのなら、基本的に静観してみましょう。
もし目の前で問題行動が起きた場合は、そのお友達をきっちり叱りましょう。悪いことはどこででも誰の前でも悪いのですから、自分の子供だけに教えるのではなく、お友達も我が子同様に大切に育ててあげましょう。
6子供の友達関係の問題はネットワークで解決!
子供の友達関係のトラブルの中には、大人が介入すべき深刻な問題もあります。集団無視や暴力、度重なる嫌がらせや窃盗などです。
けれど大人の前でよい子にしている子ほど「親に心配をかけたくない」「恥ずかしい」といった気持ちから、悟られないように隠してしまいがちで、ストレートに質問しても答えてくれません。
打ち解けて話せる環境を作ってあげても、親を悲しませたくない優しい子だからこそだからこそ親に言えなくなって悩んでしまうことも子供にはあるんです。
SOSサインを見落とさずにネットワークを活用して!
部屋の中でボロボロの教科書を見つけた、身体にアザが複数あった、お小遣いの減りが激しいなど、普段と違う気になるSOSサインに気づいたら、迷わずママ友ネットワークや子供のクラスメイトなどに学校での子供の様子を聞いて見ましょう。
普段から友達の親との付き合いがあれば、子供達が話している事を聞いている親もいるので情報が入って来ます。親とのネットワークを広げ、集団無視などの嫌がらせをなくすために情報を共有していける環境を築くことはとても大切です。
子供の人間関係に親としての的確な判断が出来る環境を作る
子供の友達関係は小さい頃ほど交友範囲を把握しやすく、お友達の連絡先も分かってるため心配も悩みも大きい子に比べると少ないです。
子供は大きくなるにしたがって子供社会に身を置く比重が大きくなるため、親から見えにくい部分が増え、トラブルを事前に防ぎたくても不可能になってきます。
また子供と離れても心配し続けるほど子離れできない親になってまうと弊害も多く、将来自分が苦しむだけでなく子供も家族も苦しめてしまいます。
とはいえ子供の友達関係のトラブルは親の介入が必要なケースもありますので、的確な判断ができるように日頃からママ友や学校のネットワークを作り、情報を共有できる体制を作っておくことが大切です。
ママ友を作るのが困難な場合も、できるだけ子供の学校行事には参加するようにし、心配な様子があれば学校の先生に相談して協力関係を築くようにしましょう。