子どもの成長を促す10の良い生活習慣と生活リズムの整え方
社会のルールや協調性、基本的な生活習慣を子どもに伝えることは、家庭の大切な役割です。就学前から少しずつ生活の基礎が身につくと、幼稚園・保育園や小学校での集団生活にもなじみやすくなります。とはいえ、あれもこれもと厳しくしつける必要はありません。毎日のくり返しの中で、無理なく良い習慣を育てていくことが何より大切です。
この記事では、家庭で身につけたい10の生活習慣を紹介しながら、その土台となる生活リズムの整え方、うまくいかないときの考え方までをまとめます。子どもが将来困らないように、そして親子で笑顔で過ごせるように、できることから取り入れてみましょう。
1家族みんなで育児に関わり生活の土台をつくる
生活習慣づくりは、一人の親が抱え込むものではありません。父親も含めて家族みんなで関わり、乳幼児期から生活のリズムを一緒に整えていきましょう。授乳以外の多くのこと、たとえばおむつ替え、着替え、離乳食、沐浴などは、どの家族でも担えます。
複数の大人で協力して子育てをすると、子どもに規則正しいリズムを届けやすくなり、保護者の負担も分散できます。祖父母や地域の子育て支援など、周囲の力も借りながら、無理のない体制をつくることが、元気で穏やかな子どもの育ちにつながります。
2あいさつを習慣にする
あいさつはコミュニケーションの基本であり、良い人間関係を築く第一歩です。まずは大人が率先して、「おはよう」「いただきます」「ありがとう」と声をかけていきましょう。
一日の始まりの「おはよう」は特に大切です。相手のほうを見て、聞こえる声で伝えることを、遊びのように楽しく教えてあげてください。子どもは大人のやりとりをよく見ています。家族の間であいさつが飛び交っていれば、子どもも自然と身につけていきます。幼い頃に根づいた習慣は、その後も長く続いていきます。
3起きる時間・寝る時間を決めて生活リズムを整える
起きる時間と寝る時間を決めることは、生活習慣づくりの土台です。人の体には約24時間周期の体内時計があり、朝に太陽の光を浴びるとリズムがリセットされます。朝日を浴びてからおよそ14時間後には眠りを促すホルモン(メラトニン)が出はじめるといわれ、朝の光と朝ごはんが、夜の自然な眠気につながっていきます。
国も「早寝早起き朝ごはん」を子どもの生活リズムづくりの合言葉として呼びかけています。「朝は決まった時間に起きる」「朝ごはんを食べる」「夜ふかしをしない」の3つを家庭のゆるやかなルールにするだけでも、睡眠不足や気分の乱れを防ぎやすくなります。参考として、就学前の子どもの一日の過ごし方の例をまとめました。
| 時間帯のめやす | 過ごし方の例 |
|---|---|
| 6:30〜7:00 | 起床・カーテンを開けて朝日を浴びる・洗顔 |
| 7:00 | 朝ごはんをしっかり食べる |
| 午前 | 登園・外遊びなど体を動かす活動 |
| 12:00 | 昼食 |
| 午後 | 年齢に応じたお昼寝・遊び |
| 18:00〜19:00 | 夕食・入浴 |
| 20:00〜20:30 | 絵本など静かな時間で寝る準備 |
| 21:00ごろまで | 就寝 |
あくまで一例で、必要な睡眠時間や生活の流れには個人差があります。表のとおりにできなくても心配はいりません。まずは起床時刻をそろえるところから始めると、夜の寝つきも整いやすくなります。
4人に迷惑をかけないなどの基本的なルールを伝える
家庭であいさつが根づくと、外に出たときも自然とあいさつができるようになります。園の友達や先生、近所の人にあいさつができると、社会の基本的なルールの土台ができてきます。
さらに、外で友達と遊ぶ経験を通じて、してよいこと・いけないことを少しずつ学び、自立心が育っていきます。積極的に外へ連れ出し、ほかの子と関わる機会をつくることで、人との距離の取り方や思いやりを、体験の中で身につけていきます。
5社会性を育てる
相手の気持ちを想像し、信頼関係を築いていく力は、友達との関わりの中で少しずつ育ちます。「順番を守ろうね」「かしてって言ってみよう」など、場面に応じた声かけをしてあげることで、社会性が身についていきます。
自分の意見を言えることと、相手を気づかえることは、どちらも大切です。うまくいかずにぶつかる経験も学びになります。できるだけ多くの人と関わる機会をつくり、子どものやりとりを温かく見守ってあげましょう。
6手洗い・うがいなど毎日の決め事を続ける
帰宅したら手洗い・うがいをする、といった小さな決め事も、毎日続けることで習慣になります。手洗いは、健康を守るだけでなく「決まりを守る」という基本を覚えるのにぴったりの題材です。
最初は大人が一緒にやって見せ、できたらしっかり褒めてあげましょう。「言われなくても自分でできた」という経験が積み重なると、自主的に取り組めるようになります。家でできるようになれば、よそのお宅や園でも同じようにできるようになっていきます。
7役割を持たせて責任感を育てる
年齢に合ったお手伝いは、責任感を育てる良い機会です。大切なのは、失敗しても頭ごなしに叱らないこと。できた部分を見つけて褒めつつ、うまくいかなかった理由を一緒に考えてあげましょう。子どもは失敗から学び、任されたことをやり遂げようとする気持ちを育てていきます。
「テーブルをふく」「洗濯物を運ぶ」など、その子にできる役割を任せ、見守ることがポイントです。「失敗しても大丈夫」という安心感があると、子どもは恐れずに挑戦できるようになります。
8外遊びで安全と危険回避を教える
外遊びに夢中になると、子どもは危ない場所や行動に気づきにくくなります。大人は、本当に危険なときには止める勇気を持ち、なぜ危ないのかを言葉で伝えて、危険を自分で避けられるように導いてあげてください。
一方で「あれもダメ、これもダメ」では、外遊びの楽しさが半減してしまいます。何が良くて何が危ないのかを子どもと話し合い、納得したうえで安全に遊べるようにすることが大切です。体を動かす外遊びは、生活リズムを整えるうえでも効果的で、国のガイドでも子どもは一日60分以上体を動かすことがすすめられています。
9自分で出したものを片づける習慣をつける
自分で出したおもちゃは自分で片づける。これは生活のけじめを教える基本的なしつけです。「好きなことだけして、いやなことは人任せ」では、成長したときに本人が困ってしまいます。
はじめはうまく片づけられなくても当然です。やり方がわからないだけなので、最初は一緒に片づけましょう。「タイマーが鳴るまでにお片づけ競争!」とゲーム感覚で取り組むと、楽しく続けられます。片づける場所を決めておくと、子どもも自分で判断しやすくなります。
10スマホ・動画とのつき合い方を決める
スマホやタブレットには知育アプリなど役立つ面もありますが、就学前の子どもには使いすぎない工夫が欠かせません。長時間の視聴は、睡眠や、体を動かす時間、人との関わりの時間を減らしてしまうことがあります。
公的な目安として、2歳未満はできるだけ視聴を控え、2歳から就学前は1日1時間以内を目安に、内容を大人が一緒に確認することがすすめられています。年齢別の考え方を整理しました。
| 年齢のめやす | スクリーンタイムの考え方 |
|---|---|
| 2歳未満 | できるだけ控える。使うときは短時間で、大人と一緒に |
| 2歳〜就学前 | 1日1時間以内を目安に。内容を一緒に確認する |
| 就学後 | 時間と場所のルールを家庭で決める。就寝1時間前は控える |
「食事中は見ない」「寝る前は使わない」など、家庭のルールを子どもと一緒に決めると守りやすくなります。ぐずったときにすぐ動画に頼るのではなく、絵本やお絵かきなど別の選択肢も用意しておくと安心です。
生活習慣がなかなか身につかないと感じたら
生活習慣が身につくスピードには、大きな個人差があります。何度伝えても定着しない、切り替えが苦手、決まった手順にこだわる、といった様子が続くと、不安になるかもしれません。まずは、できていないことよりも「昨日よりできたこと」に目を向け、手順を細かく分けて一つずつ進めるスモールステップを意識してみてください。
それでも心配なときは、一人で抱え込まないことが大切です。かかりつけの小児科や、自治体の乳幼児健診、保健センター、子育て支援センター、地域の発達相談などに気軽に相談できます。発達の特性が背景にある場合もありますが、それは本人や家庭の努力不足ではありません。専門家と一緒に、その子に合った関わり方を見つけていくことで、家庭の負担も軽くなります。
子どもの生活習慣に関するよくある質問
生活リズムはいつ頃から整えればいい?
乳幼児期の早い時期から意識できると理想的ですが、「今からでは遅い」ということはありません。まずは起きる時間をそろえ、朝日を浴びて朝ごはんを食べるところから始めましょう。
夜なかなか寝てくれないときは?
朝の起床時刻を一定にし、日中に体を動かすと、夜の寝つきが整いやすくなります。就寝前はスマホや強い光、興奮する遊びを控え、絵本など静かな時間で気持ちを落ち着けるのがおすすめです。
共働きで時間がなく、うまく習慣づけできません。
すべてを完璧にする必要はありません。家族で役割を分け、できる人ができるときに関わる形で十分です。朝と就寝前の短い時間だけでも決まった流れをつくると、リズムは安定しやすくなります。
子どもは大人を見て成長します
子どもの育ちには、身近な大人という良いお手本が大きな力になります。もっとも身近にいるのは、ほかでもない保護者自身です。できていない部分に気づいたら少しずつ整え、無理のない範囲でお手本となれるようにしていきましょう。完璧である必要はありません。親子で一緒に取り組むうちに、子どもは大好きなあなたを真似て、いつの間にか成長していきます。


