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小学生の漢字の覚え方:苦手な漢字を楽しく練習する方法20選

小学生の漢字の覚え方:苦手な漢字を楽しく練習する方法20選

漢字が苦手な子どもの勉強方法を、学年別につまずきポイントから解説。1年生80字から6年生191字までの積み残しを15分で洗い出す診断法、書く回数の決め方、テスト前の復習サイクルを具体的に紹介します。

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小学生の漢字の覚え方!苦手な漢字を楽しく練習するコツ

毎日ドリルを埋めているのに漢字テストの点が上がらない。その原因のほとんどは「練習量」ではなく「練習の中身」にあります。すでに書ける漢字を何十回も書き写す時間が長く、書けない漢字に向き合う時間が短い、という配分のズレが起きているためです。まずは書けない漢字を特定し、その字だけを、覚えられる形で練習する。これが遠回りに見えて一番の近道です。

ここでは、書けない漢字の洗い出し方、練習ノートの使い方、短期間で仕上げるスケジュール、そして苦手な漢字の覚え方20通りを、家庭でそのまま真似できる手順と声かけ例つきで紹介します。ゲームやアプリの取り入れ方、学年別のつまずきどころ、中学生につながる覚え方まで、お子さんに合う組み合わせを見つけてみてくださいね。

漢字が苦手になるのは高学年

勉強をしている高学年の小学生

小学校低学年までは画数が少ない漢字を習うことが多く、比較的苦手意識なく覚えることができます。しかし、高学年になるにつれて習う漢字の総量が増え、画数も多く構成が複雑になってくることで、漢字が苦手になる子どもが多く見られます。

文部科学省の学習指導要領にある学年別漢字配当表では、小学校6年間で1026字を学びます。学年ごとの配当字数は次のとおりです。数字で並べると、どの学年で負荷が跳ね上がるのかがはっきり見えてきます。

学年配当字数つまずきやすい要因
1年生80字ひらがなからの切り替え、マスに収める運筆
2年生160字字数が倍増、送り仮名と読み分けの登場
3年生200字部首の種類が増え、抽象的な意味の字が登場
4年生202字画数が増え、熟語中心の出題に変わる
5年生193字同音異義語が急増し、書き分けが必要になる
6年生191字中学へつながる熟語や敬語表現との組み合わせ

とくに4年生は質の転換点です。3年生までは「絵で覚えられる字」「生活で目にする字」が多いのに対し、4年生からは「観察」「協力」「necessary」のように具体物と結びつけにくい熟語が中心になります。低学年で通用した丸暗記が通用しなくなり、「急に漢字が書けなくなった」と感じるのはこのタイミングです。

ただし、4年生でつまずいた子の多くは、4年生の漢字だけができないわけではありません。2年生や3年生の字がぼんやりしたまま積み上がり、熟語になったところで崩れているケースが大半です。だからこそ、高学年で苦手が表面化する前に、低学年のうちから練習を楽しむ習慣をつくり、学年をまたいだ振り返りを定期的に入れておくことが効いてきます。

まず書けない漢字をチェックしよう

子供の書けない漢字をチェックするママ

覚えている漢字をひたすら書いても、手の運動にしかなりません。まずは、子どもがどの漢字を書けないのかチェックすることが大切です。

やり方はシンプルです。小学校1年生で習う漢字から順に読みをさせてみます。読みは1字あたり2秒程度でテンポよく進め、詰まった字だけに印をつけます。1年生の80字なら3分ほど、3年生までさかのぼっても15分あれば終わります。読めない字は、まず間違いなく書けません。読みでふるいにかけてから書きに進むと、練習する字が一気に絞り込めます。

読みで通過した字は、次に「書き」を確認します。ここで大切なのが、いきなり練習せずテストから始めることです。何も見ずに10字書かせ、書けた字は練習対象から外し、書けなかった字だけをその日の練習リストにします。2~3回漢字を読ませてみると、だんだん苦手な漢字がはっきりしてきますよ。このように親が子どもの苦手を把握することが必要です。

チェック中の声かけは結果ではなく作業に向けます。「これ読めないの?」ではなく「印がついた字が今日のお宝だね。ここだけやればいいから楽ちんだよ」。「またこれ間違えたね」ではなく「この字、前も出てきたね。よっぽど手強いから、今日で決着つけよう」。診断の場を責める場にしないだけで、翌週も子どもが素直に付き合ってくれます。

つまずきやすいのは、親が全学年分を一気にやろうとして子どもが飽きるパターンです。1回15分、1学年分ずつ、数日に分けて進めるほうが結果的に早く終わります。印をつけた字は学年ごとに一覧にしておくと、テスト前の見直しがそのまま使い回せます。

苦手な漢字は何度も書く

漢字を書いている小学生

「何度も書く」は王道の練習方法です。ただし効くのは書けなかった字に絞って書いたときだけです。20字のうち書けないのが4字なら、練習するのはその4字。残り16字に使っていた時間を、読み方の確認や熟語づくりに回せます。

回数は多ければよいわけではありません。1字20回書くと、5回目あたりから手が勝手に動き、目も頭も止まります。おすすめは3回書いて、すぐ隠して1回テストという小刻みなやり方です。書けたら次の字へ、書けなければもう3回。この「書く→隠す→思い出す」の思い出す部分が記憶を固めます。

時間帯も結果を左右します。空腹時や就寝直前の眠い時間に長時間やらせても定着しません。帰宅直後の10分、夕食前の10分、寝る前の5分のように、1回10分前後に分けて回数を増やすほうが、まとめて1時間やるより負担が軽く続きます。

途中で嫌になったときは、怒って続けさせるより区切りを提案します。「あと3字で今日の分は終わり。タイマー鳴るまでで区切ろう」「疲れた顔してるね。今日は読みだけにして、書くのは明日の朝にしよう」。時間や目標を先に決めておくと、子どもは終わりが見えるぶん集中できます。

漢字練習ノートの使い方で定着は変わる

同じ10分でも、ノートの使い方次第で覚える量は変わります。よくあるのが、1ページ目から同じ字を縦にびっしり並べる書き方です。これは書き終えること自体が目的化しやすく、翌日には抜けています。ノートを「練習帳」から「自分専用の弱点集」に変えると、テスト前の使い勝手が一変します。

ありがちな使い方定着しやすい使い方
1行に同じ字を10個並べる3個書いて右端にテスト用の空欄を作る
ドリルの順番どおりに全字を書く書けなかった字だけを集めて書く
漢字1字だけを練習する短文か熟語の形で書く
丸つけをして終わり間違えた字に日付を書き、3日後に再テストする
清書のようにきれいに埋める余白に部品の分け方や覚え方のメモを書く

具体的な作り方はこうです。ノートを縦半分に折り、左に読み(問題)、右に漢字(答え)を書きます。右側を下敷きや紙で隠せば、そのまま何度でもテストできます。間違えた日付を小さく書き添えておくと、同じ字に何回つまずいたかが一目で分かり、テスト前に見る優先順位が決まります。

マスに収まらず字が崩れる低学年は、ノートのマスを4つ使って大きく書かせてください。鉛筆をコントロールする力が育つ途中の時期に小さく書かせると、形を覚える前に運筆で消耗します。大きく書いて形を覚え、慣れてきたら通常のマスに戻す。この順番なら「雑に書く子」と誤解されずに済みます。

短期間で漢字を覚える3日間スケジュール

「明後日が漢字テスト」という場面では、やみくもに全部やり直すより、日ごとに役割を分けたほうが点になります。10字前後の範囲を想定した3日間の流れが次の形です。1日15分程度で組めます。

  • 1日目(診断の日):範囲の全字をテストして、書けない字だけ抽出。書けない字を3個ずつのグループに分け、読みと意味を声に出して確認する
  • 2日目(定着の日):抽出した字だけを、3回書いて1回テストのサイクルで回す。熟語と短文もセットで書く
  • 3日目(仕上げの日):範囲全部を通しテスト。まだ落ちる字は寝る前に3回だけ書き、翌朝もう一度テストする

ポイントは、3日とも「テストから始める」ことです。練習してからテストする順番だと、直前に見た記憶で書けてしまい、覚えた気になって本番で落とします。先にテストして落ちた字を潰すほうが、短期間で確実に減らせます。

前日に慌てるのを避けたい場合は、テストの1週間前に一度だけ範囲を通しでテストしておき、落ちた字を毎日2字ずつ消化する形にすると、直前が復習だけで済みます。「テスト前だけ頑張る」を「テスト前が軽い」に変える組み替えです。

苦手な漢字を克服するための学習法20選

苦手な漢字は、正面から書き取りだけで攻めても崩れません。分解する、声に出す、遊びに混ぜる、生活の中で出会う。入り口を変えると、同じ字でもすんなり入ることがあります。ここからは覚え方を20通り紹介します。すべてやる必要はなく、お子さんが乗ってくるものを2つ3つ選んで組み合わせてください。

1.マンガを読む

マンガ

活字を読むのが苦手なお子さんには、マンガが入り口になります。絵が状況を説明してくれるぶん、知らない熟語が出てきても文脈で意味を推測でき、「読める字」が増えていきます。学習マンガや歴史マンガなら、社会の知識も一緒に入ってきます。

効果を上げるコツは、読み終えたあとの一言です。「今の場面で出てきた『合戦』ってどういう意味だと思った?」と聞くだけで、流し読みだった字が意識に残ります。ふりがなが全部ふってあるものばかりだと漢字を見なくなるので、学年より少し上の字が混ざる作品を選ぶとちょうどよい負荷になります。

2.読書をする

活字に慣れる目的なら読書が有効です。大切なのは難易度で、開いたページに読めない字が3つ以上あると子どもは閉じてしまいます。1ページに知らない字が1つか2つ程度の本を選ぶと、最後まで読み切れて自信になります。

「これ読める?」の声かけは1冊に2回程度にとどめてください。読むたびに質問されると読書がテストになり、本から離れます。読み終わったあとに「一番かっこよかった言葉どれ?」と聞き、その言葉を紙に書いてもらうほうが、漢字への意識は自然に残ります。

3.短い文章を作る

「昼」という漢字を覚えたい場合、「お昼ごはんはカレーでした」「お昼やすみにサッカーをしました」など、その字が入った短文を作って書きます。字を単独で書くより、意味と使い方が同時に入るぶん、テストで熟語や文の形で出されても対応できます。

家庭で盛り上がるのは、家族を登場させる縛りです。「弟が主役の文にしよう」「絶対に笑える文にしよう」と条件をつけると、子どもは面白い文を考えるほうに夢中になり、書く手が止まりません。作った文はノートの右端に残しておくと、テスト前に読み返すだけで意味ごと思い出せます。

4.日記をつける

日記を書く子供のイラスト

その日習った漢字を「今日はこれを習ったよ!」と話してくる時期は絶好のチャンスです。習った直後に日記で使うと、授業の記憶が新しいうちに手が動き、字が定着します。3行で十分です。長さを求めると続きません。

おすすめは「今日の漢字を必ず1つ入れる」というルールだけ決めること。書けない字はひらがなで書いて丸で囲み、翌日その字だけ調べて書き直します。親のコメントは内容に対して返してください。「習った漢字使えてるね」より「その場面おもしろいね、続き聞かせて」のほうが翌日も書きます。

5.部屋に書けない漢字の表を貼る

トイレやお風呂、冷蔵庫など、毎日目に入る場所に苦手な字だけを貼ります。市販の全学年表を貼ると情報量が多すぎて風景になってしまうため、今つまずいている10字前後に絞るのがコツです。覚えたら剥がして新しい字に入れ替えると、減っていく達成感も生まれます。

貼るときは字だけでなく、読みと短い熟語を添えます。すれ違いざまに「これ何て読むんだっけ?」と1問だけ出す遊びにすると、机に向かわない時間が復習になります。剥がした紙は箱にためておき、いっぱいになったら「これだけ覚えたね」と一緒に眺めると自信につながります。

6.親がお手本を書いてあげる

漢字の手本を書くお母さん

教材に頼るだけでなく、親が目の前でお手本を書く方法もあります。印刷された文字と違い、手書きのお手本筆の運びと止める場所が見えるのが強みです。「ここでいったん止まるよ」「ここは最後に一気にはらう」と実況しながら書くと、子どもは形だけでなく動きを真似できます。

書いたお手本の横に、子どもが1回だけ書くスペースを空けておきます。書けたら赤で直すのではなく、うまくいった部分に丸をつけてください。「この横棒の長さ、お手本そっくり」と部分をほめると、次も同じ丁寧さで書こうとします。教材費がかからず、その日の苦手だけに合わせられるのも利点です。

7.書き順を教える

漢字が崩れる子は、書き順が自己流になっていることが少なくありません。上から下へ、左から右へ、横棒が先で縦棒が後、外側の囲みが先で中は後。この基本の原則を押さえるだけで字の形が整い、書くスピードも上がります。

ただし、書き順の指摘は書いている最中ではなく、書き終えてからにします。書いている途中で口を出されると、子どもは書くこと自体を嫌がるようになります。「今の字、きれいに書けたね。1つだけ得するコツがあるんだけど聞く?」と前置きしてから伝えると、素直に受け取れます。指の動きだけを空中でなぞる練習も、鉛筆を持つ負担がなく取り入れやすい方法です。

8.漢字の意味を教える

形だけの丸暗記は、画数が増える高学年で行き詰まります。意味とセットで覚えていれば、初見の熟語でも見当がつきます。「清」なら「さんずいは水、青は澄んだ色。だから水が澄んでいてきれい」というように、意味や成り立ちを短く言葉にします。

親が全部説明する必要はありません。「この字、どうしてこの形だと思う?」と先に予想させると、子どもは面白い解釈を出してきます。多少ずれていても否定せず、「なるほど。本当はこういう由来なんだって」とつなげば、印象に残る形で正しい意味が入ります。

9.ヘンやつくりの成り立ちを教える

漢字のへんとつくりのイラスト

ヘンとつくりを左右逆に書いてしまう子には、部首の役割から教えると効きます。てへんは手の動き、りっしんべんは心の動き、ごんべんは言葉に関することというように、部首は意味のグループを示す看板です。看板が左、内容が右という位置関係も、意味で理解すれば迷いません。

家庭でできる遊びとして、部首しりとりがあります。「さんずいの漢字を交代で言っていこう。海、泳、湯…」とテンポよく出し合うだけで、同じ部首の字がまとまって頭に入ります。一度に全部覚えさせようとせず、1週間に1つの部首と決めて進めると無理がありません。

10.漢字を構成要素に分解して覚える

複雑な字も、分解すれば知っているパーツの組み合わせであることがほとんどです。「億」なら「にんべん+立+日+心」、「億」の全体像で挑むより、4つの部品を順に並べるほうがずっと楽になります。分解したら、口に出す言葉を決めます。「人が、立って、日を見て、心で数える」のように物語にすると、呪文のように唱えるだけで書けるようになります。

子ども自身に分解させるのが最大のポイントです。親が作った覚え方より、本人が考えた変な覚え方のほうが圧倒的に忘れません。「この字、何と何でできてる?」と分けさせ、出てきた部品でお話を作らせてください。作った覚え方はノートの余白にメモしておくと、忘れたときに戻れます。

11.熟語を一緒に覚える

1字だけで練習していると、テストで初見の熟語が出たときに手が止まります。「議」を覚えるなら「議長」「議会」「会議」「議員」と並べて書きます。「議」の使い方が広がるうえ、「長」「会」「員」の復習にもなり、1回の練習で拾える字数が増えます。

熟語集めはゲームにできます。「1分間で『science』の付く言葉、いくつ言える?」と親子で対戦し、出てきた言葉を書き出す。高学年なら、同じ読みで意味が違う熟語(「対象」と「対照」など)を並べて、それぞれ短文を作る練習に進めると、5年生以降でつまずきやすい書き分けに強くなります。

12.たまに親がミニテストする

一緒に漢字勉強をしている親子

毎日ドリルをやっているのに点が取れないときは、ミニテストで穴の位置を確かめます。5問、3分。それ以上は続きません。出題は必ず「前に間違えた字」から選び、正解した字は次回のリストから外します。

結果の扱い方で子どものやる気は大きく変わります。「3問も間違えたね」ではなく「2問正解。前は0問だったからすごい伸び」。「なんで覚えてないの」ではなく「この字だけ手強いね。明日リベンジしよう」。テストを勝ち負けではなく、狙う場所を決めるための道具として扱うと、子どもは自分から「今日ミニテストやって」と言うようになります。

13.音読しながら書く

手だけを動かす練習は、途中から無意識の作業になります。「くさかんむり、下に化ける、で花」と唱えながら書くと、耳と口と手と目を同時に使うことになり、注意が字から離れにくくなります。書き順を口に出しながら書くのも同じ効果があります。

宿題の書き取りが作業化しているサインは、書いた字が下に行くほど崩れることです。そのときは「声を出しながら3個だけ書こう」と切り替えます。声に出すぶん1字あたりの時間はかかりますが、書く回数を減らせるので合計時間はむしろ短くなります。

14.音読は歌にすると楽しい

音読を嫌がる子には、メロディーをつけてしまう手があります。知っている童謡やCMの節に、部品の名前を乗せるだけで十分です。「にんべんに、立って、日、心」を軽快なリズムで歌うと、机を離れた場面でも口ずさむようになり、勝手に復習が回ります。

兄弟がいる家庭では、上の子に作曲係を任せると盛り上がります。「弟が覚えられる歌を作って」と頼むと、上の子は説明するために自分が理解し直すことになり、結果として双方の復習になります。歌にしにくい字は無理をせず、リズムだけつけて手拍子で唱える形でも構いません。

15.わからない漢字は漢和辞典で調べる

開いている漢和辞書

漢和辞典には部首、画数、読み、筆順、例文と、覚えるための材料がすべて載っています。自分でページをめくって見つけた字は記憶に残りやすく、調べる習慣がつくと覚える速度が変わります。

続けるコツは、調べた字に付箋を貼ることです。付箋が増えるほど「これだけ調べた」という手応えが目に見えます。低学年で部首索引が難しいうちは、親が引き方を1回実演し、2回目からは子どもに引かせて隣で待つ。時間がかかっても口を出さずに待つことで、自分で調べる力が育ちます。

16.漢字カルタで覚える

漢字の中には、ものの形から生まれた字が数多くあります。もとの形を見て「だから今のこの形なのか」と腑に落ちると、暗記の負担が一気に軽くなります。カルタには、もとの形と現在の字が対になっているもの、部首を集めたもの、読みを競うものなど種類があります。

手作りでも十分遊べます。厚紙を切って、片面に漢字、もう片面に読みと短文を書くだけ。子どもに作らせるとその時点で1回書く練習になり、遊ぶ時間がまるごと復習になります。祖父母を交えて遊べば、ハンデをつけて盛り上がりながら何度も同じ字に触れられます。

17.電車やバスの中吊り広告を読む

電車の中

移動中の広告や駅名は、教材にはない生きた漢字の宝庫です。「あれ何て読むんだっけ?」と1問出すだけで、子どもは看板を探し始めます。読めた字は「学校でまだ習ってないのに読めるの?」と驚いてみせると、次の外出でも自分から読もうとします。

スーパーの表示や外食のメニューでも同じ遊びができます。「メニューの中から、習った漢字を3つ見つけたら注文していいよ」といった軽いルールにすると、待ち時間が学びに変わります。読めなかった字はスマートフォンにメモしておき、帰宅後にノートへ写せば、その日の練習リストがそのままできあがります。

18.市販の練習ドリルで練習

教科書の順番どおりに進めたいときは、市販のドリルが便利です。ただし1冊を最初から全部埋める使い方は効率がよくありません。まず単元の最後にある確認テストのページを先に解き、落ちた字が載っている練習ページだけを戻ってやる。この使い方なら、1冊にかかる時間が半分以下になります。

「一日10回書く」といった回数目標より、「今日は書けなかった4字を全部書けるようにする」という達成目標のほうが子どものやる気は続きます。丸つけは子ども自身にやらせ、間違えた字はドリルの余白ではなく苦手漢字ノートへ集めておくと、テスト前に見る場所が1か所にまとまります。

19.漢字検定にチャレンジ

漢字検定合格証書

ある程度定着してきたら、漢字検定という目標を置くのも一つの方法です。級は学年に対応していて、10級が小学1年生修了程度、9級が2年生、8級が3年生、7級が4年生、6級が5年生、5級が6年生修了程度の目安です。今の学年より1つ下の級から始めると、合格体験を先に作れます。

検定のよさは、雑に書いた字が通用しないと本人が実感できる点にあります。「とめ」「はね」を意識するきっかけになり、日々のテストの点にも跳ね返ります。ただし不合格が続くと逆効果になるため、模擬問題で合格ラインに届いてから申し込む段取りにしてください。目標に向けて計画を立てる経験そのものが、他の教科にも生きてきます。

20.覚えたらご褒美をあげる

覚えられないことを叱るより、覚えられたことを認めるほうが次の一歩につながります。10字書けなくても、今日1字書けるようになったなら前進です。「昨日書けなかった『輪』、今日は一発で書けたね」と字を名指しでほめると、子どもは何がよかったのかを正確に受け取れます。

ご褒美は物より、行動と結びついた小さなものが向いています。「今週の目標3字クリアしたら、日曜のおやつは好きなものを選んでいい」「テストが終わったら一緒にカルタで遊ぶ」といった形です。適度なご褒美はやる気を持続させる動機づけになりますが、点数だけを条件にすると、点が取れない週にすべてが崩れます。条件は「取り組んだこと」に置くのが長続きのコツです。

漢字を楽しく覚えるゲームとアプリの取り入れ方

「漢字を楽しく覚えるゲーム」「漢字を楽しく覚えるアプリ」を探している家庭は多いものです。どちらも強力ですが、役割を決めずに渡すと遊んで終わります。書く力はノート、読みと語彙はゲームやアプリ、と分担させるのが現実的な使い分けです。

道具なしでできるゲームには次のようなものがあります。どれも5分あれば成立します。

  • 漢字部品合わせ:紙に書いた部品カードを組み合わせて、成立する漢字をいくつ作れるか競う
  • 漢字しりとり:熟語の後ろの字から次の熟語をつなぐ。書き取りにすると練習量が稼げる
  • 間違い探し:親がわざと部品を1つ変えた字を書き、子どもが訂正する。採点する側に回ると理解が深まる
  • お風呂クイズ:湯船に浸かっている間だけ、指で漢字を書いて当ててもらう
  • 逆ヒントゲーム:「さんずいで、季節に関係する字」のようにヒントから字を当てる

アプリを使う場合は、手書き入力で書き順まで判定してくれるものを選ぶと、紙の練習と役割がぶつかりません。選択式で読みだけを答えるタイプは、通学前や移動中の隙間時間向きです。時間は1回10分程度に区切り、「終わったら画面を親に見せる」といった約束をセットにしておくと、ゲーム目的の長時間利用になりにくくなります。

つまずきやすいのは、アプリで正解できることを「書ける」と勘違いしてしまう点です。選択式で覚えた字は、いざ白紙に書こうとすると出てきません。アプリで正解した字を、週に1回は紙にテストする。この確認さえ入れておけば、楽しさと定着を両立できます。

学年別に押さえたい練習方法と中学生への橋渡し

同じ「漢字が苦手」でも、原因は学年で違います。1年生と5年生に同じ練習方法を当てても効きません。学年ごとの重点は次のように整理できます。

学年つまずきの中心効きやすい練習方法
1・2年生形が崩れる、マスに入らない大きく書く、お手本を真似る、カルタや歌で遊ぶ
3・4年生熟語で出ると書けない、画数が増えて混乱部品に分解する、部首の意味を知る、熟語で書く
5・6年生同音異義語の書き分け、読解での取りこぼし短文づくり、意味の違いを言葉で説明する、検定で総点検
中学生量が増え、文章中での使い分けが問われる読書と語彙集め、間違えた字だけの弱点ノート運用

とくに4年生の漢字の覚え方で悩んでいる場合は、当該学年の字だけを追いかけないでください。3年生までの読みチェックを先に済ませ、抜けを埋めてから4年生の熟語に進むほうが、結果的に早く追いつきます。

中学生になると、漢字は単独のテストより文章の中で問われる比重が増えます。小学生のうちに「間違えた字だけをノートに集めて、日付を書いて再テストする」という運用を身につけておくと、中学の定期テスト対策にそのまま移行できます。覚え方そのものより、自分の弱点を管理する習慣のほうが長く効きます。

漢字の練習でよくある質問

家庭でつまずきやすい疑問を整理しました。

Q.同じ字を何回書かせるのが正解ですか
A.回数より確認の回数です。3回書いて隠してテスト、書けなければまた3回。これを2セットしても書けない字は、その日は深追いせず翌日に回すほうが定着します。

Q.字が雑で読めません。書き直させるべきですか
A.全部書き直させると練習そのものを嫌がります。1枚のうち「一番きれいな字」を選ばせ、その字と同じ丁寧さで3字だけ書く、という形にすると負担なく整っていきます。

Q.宿題の書き取りだけで足りますか
A.宿題は範囲を一通り触れるためのものです。書ける字も書けない字も同じ回数書く設計なので、宿題後に3分だけ弱点テストを足すと点につながりやすくなります。

Q.読めるのに書けません
A.読みは見て思い出す力、書きは何もない状態から取り出す力で、必要な力が違います。書けない字は部品に分けて唱える、短文で書く、というように取り出す練習を増やしてください。

Q.親が教えると喧嘩になります
A.教える役をやめて、出題する役に回るのが解決策です。「先生役やって。お母さんに問題出して」と立場を入れ替えると、子どもは説明するために自分で理解し直します。

今日から始める一週間の流れ

最後に、ここまでの内容を家庭の1週間に落とし込んだ形を示します。無理のない範囲で、合う部分だけ取り入れてください。

  • 月:1年生からの読みチェックを15分。印をつけた字を書き出す
  • 火:書き出した字から5字。3回書いて1回テストのサイクル
  • 水:昨日の5字を再テスト。落ちた字だけ短文にして書く
  • 木:新しく5字。移動中は看板やメニューで読み遊び
  • 金:今週の10字を通しテスト。落ちた字を貼り紙に追加
  • 土:カルタや部品合わせゲームで遊びながら復習
  • 日:貼り紙の字を眺めるだけ。覚えた字を剥がして達成を確認

1日15分でも、週にすれば100分近くになります。大切なのは長さではなく、書けない字に何回向き合えたかです。書ける字を書き写す時間を減らし、その分を苦手な字と遊ぶ時間に振り替える。それだけで、同じ努力が点数として返ってくるようになります。

この記事を書いたライター
木下みずき

木下みずき

ウォーキング始めました!運動と食事で5kg減を目指すダイエッターです!