幼稚園の話をしないのは行きたくないから?子供なりの様々な理由と親の対応
子供が幼稚園の話をしないと「何か特別な出来事があったの?」「友達とのトラブルがあったのでは?」と心配になるママやパパが多く、あれこれ質問攻めにしたくなってしまいます。
しかし、幼児が幼稚園などで起こった出来事や自分の気持ちを話さない時には、子供なりの話さない、あるいは話したくない心理的な理由が存在します。
親が無理に聞き出そうとすると、かえって子供のリラックスする時間を奪ったり、信頼関係を損ねてしまうケースもあるため、まずは3歳児~5歳児が幼稚園の話をしない理由を理解することが大切です。その上で子供を信じて落ち着いた対処を心掛けましょう。
幼稚園の話をしない=登園拒否になる!と決めつけず子供の気持ちに寄り添う
幼稚園の話をしない子の中には、毎朝園に行きたがらない子(登園しぶり)もいれば、何も言わずに園に行くけれど園の話をしない子もいます。
「幼稚園の話をしない=登園拒否につながる」と決めつけるのは、幼児の場合、大人の不安による早まった判断であるケースが多いです。まずは、幼稚園の話をしない子によく見られる子供の心理や行動パターンを確認してみましょう。
幼稚園の話をしない6つの理由と子供の心理
- 話すのが面倒くさい:幼稚園で集中して過ごしたため、帰宅後は脳を休ませたい。
- 帰ってきたら思い切り遊びたい:幼稚園と家庭はオンとオフの切り替えの場であり、遊びでストレスを発散したい。
- 忘れた:幼児期は、大人に比べ出来事を正確に記憶する能力が未熟であるため、本当に思い出せないことがある。
- 親にアレコレ言われたくない:話すことで、親から質問や意見を求められるのが億劫。
- 幼稚園での出来事を思い出したくない:些細な嫌な出来事や、先生に怒られたことなどを思い出すのが辛い。
- ママを自分の一部と考えている:特に年少の頃は、自分の体験をいちいち共有する必要がないと考えている。
特に年少児の場合、幼稚園での出来事を大人と同じように順序立てて正確に覚えていないことが多いです。また、記憶力が良い子でも、話すことが面倒だと感じて話さないこともあります。
幼稚園は集団生活を学習し、頑張る場ですので、家に帰ったら心と体を自由に解放して遊びたいという気持ちは当然です。この「切り替えの時間」を尊重してあげることが大切です。
話をしないのは自分の子だけじゃない!幼稚園での集団生活の実態
子供が幼稚園の話をしない時は、まず子供のその時の気持ちを汲んだ対応が大切です。
「自分から話せないだけなのでは?」と不安になるかもしれませんが、日頃から幼稚園の話をしないのは、その子の性格や情報処理のスタイルである場合も多いです。その子の健気さを受け止め、話しやすくリラックスできる家庭環境作りを心掛けましょう。
筆者の息子も幼稚園の話をしない子でした。当時は「いずれ幼稚園に行きたがらなくなって登園拒否になり、そのまま不登校になったらどうしよう!」と心配で「幼稚園楽しかった?」と何度も聞いてしまいましたが、いつも嫌がり「今、遊びたい!」と言って答えてくれませんでした。
その後、幼稚園の先生との面談で、以下のようないくつかの実態を知り、過剰な心配は不要だと気づかされました。
幼稚園児の集団生活の一般的な実態
- 多くの子が人付き合いや生活に苦労している:集団生活に慣れるまでは誰でもストレスを感じるものです。
- 男の子は女の子に比べて話さない子が多い:性差や性格により、アウトプットの仕方は異なります。
- 家で話す内容が事実と異なり、トラブルになるケースがある:子供の話は主観的なことが多く、全てを真に受けて園にクレームを入れるのは避けるべきです。
集団生活のマナーやルールが身についていない幼児が集まる幼稚園では、帰ってから親に話したくない出来事の1つや2つあって当然です。嫌な思いをしても先生に助けてもらえないこともありますが、だからこそ幼稚園の集団生活で自ら身を守る方法や、人の嫌がる行い、相手の痛みを学べるのです。
幼稚園の頃の息子は、家でニコニコ幼稚園以外の自分が興味のあることについてよく話してくれましたが、小学校高学年になると徐々に学校の話をしてくれるようになりました。
思春期になってからは、本当に困った時以外は親に頼って相談してきません。我慢強く打たれ強い、自ら問題を解決するために動ける子に成長することができましたし、今も楽しく学校に通っています。
幼稚園で忍耐や人間関係を学び、帰ってから楽しいお喋りや遊びでストレスを発散して園に通い続けたからこそ得られた成長だと考えられます。親は焦らず、見守る姿勢が大切です。
「幼稚園どうだった?」は話をしない子に好ましくないNGな声掛けと対応
幼稚園の話をしない子の中には、いつもはよく話すのに突然話さなくなる子もいます。そのような場合は、何らかの出来事があり、親に言えずに困っている可能性があります。
日頃から大人しく親や先生に相談できない子供の場合、困っているのに親に話すのを拒むことがあります。
日頃から幼稚園の話をしない子もそうですが、子供が幼稚園の話を聞かれたくない時は、「幼稚園どうだった?」と本人に直接聞くのは好ましくありません。これは、子供にとって質問の意図が広範すぎるため、かえって回答が困難になるNGな声かけです。
子供の様子がおかしい時や、話さない子への適切な声かけ
- 具体的な質問をする:「今日の給食(お弁当)で一番美味しかったものは何だった?」
- 感情を尋ねる質問を避ける:「楽しかった?」ではなく、「○○先生、今日はどんな服を着ていた?」など客観的な事実を尋ねる
- 幼稚園の先生に園での様子を聞いてみる:連絡帳などを活用し、プロの視点から園での状況を把握する。
- ママ友に子供経由で園での様子を聞く:「〇〇ちゃん、今日何して遊んでいたか知っている?」など、間接的に情報を得る。
- 家庭では子供がホッとできるようなリラックスできる空気を作る:話を促さず、一緒に好きな遊びをする時間を作る。
幼稚園の話をしない子供は、自分なりに問題を解決しようとしています。その方法は直接的な解決方法ばかりでなく、時が過ぎるのを待つ、寝て忘れるなど様々です。
親はもどかしく感じやすいのですが、これはいずれ大人になってから役に立つ問題解決スキルです。できるだけ見守るように心掛けましょう。
どうしてもママが心配な場合は、幼稚園やママ友に相談して様子を聞いてみます。けれど多くの場合、子供は親のアドバイスを必要とせず、自らの力で解決することを望んでいます。
子供にとって一番役立つサポートは、ママやパパが家庭でリラックスしてストレスを解消し、問題に立ち向かう勇気づけをしてくれることです。安心できる場所があることが、子供の心の安定につながります。
幼稚園の話をしないのは男の子あるある!ママ達の体験談
幼稚園の話をしないのは、よくある男の子あるあるとして語られます。友達付き合いも女の子に比べてサッパリしている男の子は、小さなころから人に相談をしない傾向があります。
大人になっても相談をするほど深い友達付き合いがなく、楽しく騒ぐ付き合いが好きな男性が多いように、男の子は親にアレコレ言われることを面倒に思いがちなので、幼稚園の話をしない子に根掘り葉掘り聞く対応はおすすめできません。
年少の頃から幼稚園の話をしない子の体験談
園で友達に馴染めていなかったけれど見守った
現在子供は14歳になりました。当時子供は園には行きましたが、園での話を一切しませんでした。先生に聞くと友達と上手く関われていなくて、いつも一人で遊んでいるということでした。
どうして友達と話すことができないのか子供に聞きたかったですが、あえて何も聞きませんでした。先生に、友達の輪に入れるように配慮して貰う様にお願いしました。
現在は中学2年になりました。今でも人見知りですが友達は出来ています。友達の数は少ないようですが、何でも話せる親友が一人いるので有難いです。園の話をしない場合でも、子供を問い詰める対応はしないことが大切だと思います。
家と幼稚園のギャップのストレスを乗り越えた
現在7歳です。幼稚園に行きたがらない時期が多く、登園拒否していました。幼稚園に行くまでずっとママが側にいて、まわりのばぁばや叔母などたくさんの大人がよくしてくれたため、子供ばかりいる幼稚園に慣れなかったみたいです。
なかなか幼稚園の話をしてくれないので、「好きな遊びのお砂遊びした?」「滑り台は?」など具体的な質問をして興味を向けました。
今は集団行動にだいぶ慣れ、友達づきあいもうまくしているみたいです。楽しくお話を聞きたくてたくさん悩むと思いますが、成長していくたびにたくさん学び、話してくれる日がくると思います。気長に待ちましょう。
三年間ずっと、話すのが面倒だったマイペースな男の子
今年10歳になる男の子です。登園拒否などはありませんでしたが、園での話を全然してくれませんでした。
心配もありますし、楽しく話してくれるのを聞きたかったので、「今日何したの?誰と遊んだの?」「給食何食べた?」とか聞き出そうとしていたんですけど、返事は「忘れた」や「楽しかった」などほぼ一言。
幼稚園の話をしないことに特に理由はなくて、ただ単に彼の中で話すのが面倒で、話すほどのことではなかったんだろうと思います。
友達や先生の名前も全然覚えないし、お友達に話しかけられてもボーっとして知らん顔しているし、この子は大丈夫かと本当に心配しました。
園での様子が少しでもわかるように役員や係をしたり、お迎えの時なんか子供のお友達と挨拶したり話したりして関わるようにして、『〇〇くんのおかあさん』として覚えてもらえるようにしました。
私の聞きたい話ではなく子供の話したい話をちゃんと聞くことで、ごくたまに自分から園での話をしてくれたので、自分から話してくれるのを待ちました。
現在小学4年生で今もかなりマイペースですが、友達もそれなりにいるようで楽しく学校へ通っています。給食と体育の話ばかりですが、学校の話もしてくれています。
幼稚園で何か嫌な事があるとかそういった事でなければ、もう本人の性格だと思うので、こちらものんびり構えて待つのがいいのかなと思います。
年中から幼稚園の話をしない子になった体験談
幼稚園でやった事に特に興味がなかった
小学校一年生になった息子の話です。幼稚園に行きたがらないとかはありませんでした。周りの子達は幼稚園であった出来事などを話していたようですが、私の息子はなにも話してくれなくて困っていました。
当時はかなり困っていましたが、あとから思い返せば幼稚園でやった事などにあまり興味がなかったんだと思います。
ですが当時は「今日なにがあったの?」と毎日聞いたり、具体的な例をあげて聞いてみたりしました。「お弁当の時どうだった?」や、「今日何を歌ったの?」など。
小学1年生になった今、友達と毎日遊びに出かけ、友達付き合いなど苦労しているようには見えず、毎日楽しそうです。
幼稚園の話をしないのは親からしたら気になるかも知れませんが、案外気にしなくてもいいのかも知れません。子供は子供なりに上手くやっているのかもしれません。
幼稚園の給食が原因で話さなくなった
今では7歳になった息子は、幼稚園のことをよく喋る子でした。年中の秋に登園時に泣いて登園拒否をするようになり、幼稚園の話をしないようになりました。
先生に相談したところ、原因は幼稚園の給食が飲み込めないことだとわかり、テッシュを持たせて中に出すように教えました。子供なりに恥ずかしさに気づいたんだろうと思います。
子供を信じて先生と常に連携を取っていると、変化に早く対応できると思います。そんな子供も小学1年生になりましたが、学校が終わったら友達と毎日遊んでいます。
年長から幼稚園の話をしない子になった体験談
転園後の環境の変化がストレスだった
今は小学校に通う10歳の我が家の長男。小さなころから公園などに遊びに行っても、ブランコ、滑り台などの遊具に先客が居ると、なかなか自分から遊びに行くことが出来ない恥ずかしがり屋でした。
そんな長男が年少、年中と慣れ親しんだ幼稚園から、引越しを機会に、年長の一年だけ新しい幼稚園に通うことになりました。
新しい先生やクラスメイトはとても優しくしてくれていたようですが、いろいろなシステムが変わったことがストレスだったようです。
自分の持ち物の置き場所が違う、お外遊びの後のルールが違う、などそうした小さな違いが、きちんとした性格の長男にはストレスだったのでしょう。幼稚園でどのように過ごしているのかを聞いても、話しをしなくなってしまいました。
お家ではニコニコ過ごしているので、幼稚園のことを考える時間を減らすほうがいいのかなと思い、こちらからは意識して幼稚園の話題をしないように心がけました。
現在もきちんとした性格で、少し恥ずかしがり屋なところもそのままの長男ですが、小学校では自分の性格にあったお友達と仲良く楽しく過ごしているようです。
幼稚園の話をしないお子さんには、こちらからしつこく聞くことはやめて、お家でニコニコ過ごしているのを見守ってあげてください、とお伝えしたいです。何かあれば先生が報告してくださいます、元気に通えているならば大きな心配は不要だと思います。
友達からの理不尽な行為を話せなかった
現在9才の息子は、幼稚園の年長の時に時々「お腹が痛い」と言って幼稚園をお休みしていました。
個人面談で他のお母さんと会ったときに、「たいちゃん(←息子)〇〇君に蹴られたり、パンチされたりしてるみたいだよ。うちの子が言ってた。」と教えて貰いました。
家の場合、本人から話さない時はケガをしてくる、帰って来てから泣くなどの様子がないかみて、自分から言って来ないのであれば少し先生に話すという風にしていました。
子供は今小学三年ですが、元気に学校に行っていますし、時間のあるときは公園に行ったり、他の子のお家で遊んだりしています。
最後に頼れる場所はお母さんなので、「なんで家の子だけ?」と思わず、いつでも抱き締めて話を聞けるようにしていればいいと思います。後は常日頃「お母さんは〇〇の味方だからね」って伝えるのが一番です。
発表会前のストレスで寡黙になった
今は小学4年生になった息子。年長の時はいろいろと小学校入学に向けてイベントが多い毎日でした。登園拒否はなかったのですが、その時期は(何かを覚えて発表する頃)家に帰ってくると些細なことですぐに怒ったりしていました。
もちろん、楽しい日ではなかったので、家で日中のことは聞いてもあまり幼稚園の話をしないことが多かったです。
発表会が済むと、いつものようにまた「お友達とこんなことして遊んで、面白かったよ」とか話してくれます。現在でもそのようなパターンがあり、発表会前はストレスがあるのか、いつもより寡黙です。きっと「その子はそんな性格なんだな」と思うようにしています。
また発表会後には息子の話を聞いてあげて、寡黙な時期にはどのように思っていたのか、機嫌が良い時に聞くようにしています。
息子が言うのには、「発表会前は先生とかにいろいろと言われたりして、頭がパンパンになって…どうしたらいいかわかんないんだよぉ」と答えてくれましたよ。
私は「そうやって頭、パンパンになって発表会でドキドキして、ホッとするっていい経験だね。」と後で話して息子を納得させています。大きくなるに従っての慣れも母子ともにあるのではと感じます。
幼稚園の話をしない女の子もいます!ママ達の体験談
幼稚園の話をしないのは男の子ばかりではありません。そもそも女の子が幼稚園の話をよくするようになるのは、年中の後半から年長になってからだと言われています。
年少の時は女の子でも幼稚園の話をしない(覚えていなくてできない)子もいますので、焦らなくて大丈夫です。性格的に年長や小学生になっても話さない子もいますので、子供の個性と捉えて見守り、困った様子があるとは助け舟を出してあげましょう。
話すのが苦手な秘密主義の性格
娘は友だちと仲良くなるのが苦手で、人間関係が安定するまで行き渋る傾向がありました。だから、なんとか園の様子をしゃべらせて探ろうとしたりしたときもありました。
だけど、困ったことがあると自分から言ってくれて、園のことを話題にすることが増えるので「まぁ、それでいいか」という感じでやってきました。たぶん、しゃべるのが苦手な秘密主義な性格なのだと思います。
現在中1になった今でも、あまり学校のことはしゃべってくれません。学校でも、居心地がいい友達を見つけるのに時間がかかるタイプです。
こどもが幼稚園の様子を教えてくれなかったら不安ですが、困ったことはないか、悩んでいることはないか、ということだけ気にかけて声掛けすれば、いざというときはちゃんと教えてくれます。大事なのは、トラブルを敏感に察知してうまく乗り越えることです。
新しい環境にすぐ溶け込めず、口数が少なかった
娘は現在10歳になりました。幼稚園に行きたがらない等はありませんでしたが、対人関係でちょっとしたトラブルはたまにありました。
「今日こんなことがあって、ちょっと大変でした」といった連絡を先生から受けることはありましたが、本人に聞いてみても答えることはほとんどありませんでした。
話してくれないことに多少寂しい気持ちもありましたが、本人の意向を尊重しようと深掘りはしませんでした。
現在小学校4年生になった娘は、やや大人しくて引っ込み思案な子なので口数はそれほど多くありませんが、人並みに友だちもでき楽しく学校へ通っています。
子どもが小さいと発達段階等に関し、他と比べたりして悩むこともあると思いますが、大抵の悩みは杞憂です。子どもと一緒に楽しく過ごすことが一番です。