虫嫌いな子供に育てない心得に関する記事

『虫嫌いの子供に育てたくない!親が心がけたい5つの接し方』

虫嫌いな子供に育つ背景には、恐怖心や嫌悪感を植え付ける3つの原因があります。親が苦手でも虫嫌いにしない心がけ方、虫嫌いの克服法、虫嫌いを治すおすすめの年齢、局所恐怖症への注意などを子育て4コマ漫画と共にご紹介します。

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虫嫌いは子供の自然体験不足が原因?克服に適した時期や親の対応

「虫嫌いの子供に育てたくない」と考えている親はいつの時代にも多く存在しますが、いかんせん自分自身が虫嫌いだとどうすればいいのか悩ましいところ。

特に男の子が既に虫嫌いになってしまった場合は、虫嫌いな自分の責任を強く感じて何とか克服させてあげたいと思うものの、虫嫌いの克服には適した時期というものがあり、特に嫌悪感ではなく強い恐怖心を感じる場合は時機を逸すると一生虫嫌いを克服できないことも。

虫嫌いの男の子を持つママやパパは「男の子なのに虫が怖いなんて臆病だなあ」と原因も知らずに子供の性格のせいにしてしまい、深刻な状況を軽んじて対処が遅れることも多々あります。無視嫌い克服は子供に無理をさせない自然な形で早めに対処してあげしょう。

子育て4コマ漫画:飼うのが近道!?子供を虫嫌いにさせない方法

男の子はみんな虫好き?今は昔より虫嫌い男子が多い!

男の子には昔から虫好きな子が多いため、自分の息子が虫嫌いだと「男の子なのに」と心配するママやパパがいますが、今は女の子に限らず男の子にも虫嫌いの子供が増えています。

虫採りや虫の観察など虫に興味津々の男の子がいる一方で、虫嫌い男子は虫を見ると逃げてしまう、悲鳴を上げる、もちろん触るなんてもってのほか。その数は決して少なくないのが現代の子供事情です。

けれど日本経済新聞が虫嫌いの男性をどう思うか質問したアンケートでは、「かっこ悪いと思う」「少しかっこ悪いと思う」と答えた人が合わせて44.1%。確かに多いのですが、過半数以上の人は「仕方がない」と答えています。

「男の子なのに虫嫌いなんて」と思ってしまうパパやママもいるでしょうが、自身の意見と異なる考え方をする人が半数いることを意識して、子供をバカにするのではなくなぜ虫嫌いになったのか原因を考えて子育てをすることが大切です。

虫嫌いな性格はこうして育つ!子供が昆虫に恐怖心を持つ3大原因

生まれて間もない赤ちゃんの場合、虫に驚いて泣くことはありますが虫嫌いで泣くことはありません。子供はいつどのような原因で虫嫌いになるのでしょう。虫嫌いの子供が増えた主な原因には、次の3つがあると考えられています。

自然体験不足で虫に触れる機会が乏しく、興味関心が育っていない

自然や社会の現実に触れる実体験の不足が指摘されている今の子供達ですが、虫嫌いも子供の頃の自然体験不足が影響していると考えられています。

昔は春には蝶が飛び交い、夏にはもっぱら昆虫採集が男の子の定番の遊びで、秋にはアキアカネを捕まえ虫の音を聞いて寝たものですが、今では住宅街で蝶やトンボを見る機会がグッと減りました。

昆虫採集は親に連れて行ってもらわないとできないので、物心がつく頃になっても虫に触ったことがない子も少なくありませんし、住んでいる地域によっては秋になっても虫の音なんてろくに聞いたことがない子供もいます。
つまり現代の虫嫌いの子供達は自然体験不足により、虫嫌いになる以前に虫を知らないのです。

家族が虫を嫌う姿を見て、恐怖心が芽生えた

パパママや兄弟などの身近な家族が虫嫌いだと子供も虫嫌いに育つ傾向があることは、子育て経験のある大人達が肌で感じていることですが、実はそれをさらに調査して論文にした中学校の校長先生がいます。

宮崎県にある都農町立都農中学校の第26代校長日高俊一郎校長先生は、虫嫌いの子供の親は虫嫌いか?-虫嫌いに関する親子の関連性―」という論文を発表し、父親が虫嫌の子供も母親が虫嫌いの子供も、やはり虫嫌いに育つ傾向があるという調査結果を報告しています。

この論文で特に興味深いのは、虫好きの父親の子供には虫好きが多いのに対し、虫好きの母親の子供には虫好きが多いとは言えず虫嫌いのみ母親から影響を受けるという仮説や、子供の虫嫌いの影響は家族の中でも一緒に過ごす時間が長い母親の影響を特に受けるという点です。

幼稚園や保育園の先生や友達の虫嫌いの影響を受けた

保育の中で大切なのは自然との関りですが、子供が自然を学ぶ中で幼稚園や保育園の先生、一緒に過ごすお友達の影響を受けて虫嫌いになってしまうことも残念ながらあります。

子供が捕まえた虫を「先生見て~」とせっかく見せに行ったのに、先生が怪訝な顔で拒否したり悲鳴を上げたり、あるいはお友達に「虫嫌い。虫触った手で来ないで」と言われたりすることで、それまで虫好きだった子供が「虫は悪い物」「怖い物」「触るのもいけないこと」と感じ、虫嫌いになってしまうのです。

自分が苦手でも子供は虫嫌いにしたくない!親が心がけたい5つの対応

女性には虫嫌いな人が多く筆者もその一人ですが、母親が虫嫌いでも子供が虫嫌いになるとは限らず、大切なのは子供の前で見せる親の振舞いです。

筆者は虫が嫌いというよりもはや恐怖を感じるレベルですが、だからこそそんな思いを子供達にさせたくなくて、子供を虫嫌いに育てないように注意して生活してきました。有難いことに子供達は虫が大好きで、むしろ周囲がドン引きしてネタになるほど。

子供が虫好きになるか虫嫌いになるかは男の子であれ女の子であれ、親が与える環境が大きく関係しています。我が子に苦手な物を増やしたくないパパやママは、虫嫌いの子供に育てないために次の5つの対応に気を付けましょう。

子供の前で虫を見て騒いだり嫌な顔を見せたりしない

一般的に乳幼児は共感力が非常に高く、五感で周囲の人の恐怖心や嫌悪感を感じ取ってしまうと、脳内の偏桃体と呼ばれる部位が対象となる物を「危険」と認識し、子供の意思とは独立して不安を引き起こしてしまいます。

子供が一度虫嫌いになると…

「大丈夫だよ」という親の言葉の意味を理解する能力があっても、言葉を理解するより先に偏桃体が働いて危険を回避症としますので、虫を嫌だと思う心理を自分の意志でコントロールすることができません。親が「恐怖や嫌悪」を「安心や好奇」に変えてあげることで、子供は虫嫌いにならずにすむのです。

ですから子供が虫を発見して報告してきた時は、「手を早く洗って!」「キャー!来ないで!」などと大騒ぎし、嫌悪感を露わにした姿を子供の前でさらすのは控えましょう。

子供が小さい時は虫を持ってこられても笑顔を絶やさず、落ち着いた穏やかな声で「よかったね。でもママ今忙しいからパパに見せてあげて」「今から出かけるから虫さんとサヨナラしてきて」などと、上手くごまかして虫嫌いを隠しましょう。

害虫への知識は正確な情報を穏やかに教える

子供はどれが害虫でどれが触っても大丈夫な昆虫か判断できませんし、親の中にも害虫とその他の虫の区別がつかない人が多いため、明らかに害虫ではないと見分けがつくカブトムシやクワガタ、バッタ以外の虫を子供が触ろうとすると、親は「ダメ、止めなさい」と言ってしまいがちです。

けれどその言葉や親の様子にショックを受けてしまうと、それをきっかけに虫嫌いになってしまう子供も多いのです。「毛虫を触ると肌がかぶれちゃうよ」などと理由を伝えれば大丈夫と思うパパやママもいますが、子供にとってはやはり害とインプットされますので同じ種類の害のない虫まで嫌ってしまいます。

虫が大好きな筆者の息子もある日の虫捕りで蛾を蝶だと思って捕まえようとした時に、父親から「蛾の鱗粉には毒があってかぶれるから、触っちゃダメだよ」と注意されて以来、蛾だけを異様に嫌うようになりました。ほとんどの蛾は無毒なので後でその事実を伝えたのですが、虫好きの父親の厳しい表情にショックを受けたのです。

田舎育ちの人の中には子供の頃に「虫=害虫」と教えられていたため、せっかく虫を知ることができる良い環境に育っていながら虫嫌いという人もいます。

害虫とそれ以外の虫については正確な情報を子供に伝え、害虫を触る時は毒から身を守るためにゴーグルやマスクなどを着用する必要があるため、害虫かどうか見分けがつかない虫は調べてから触ることを教えましょう。

虫嫌いの親は無理に虫を飼育しない

子供を虫嫌いにしたくない、虫へ興味関心を持ち生命の尊さを学んでもらいたいと考えて、自分が虫嫌いにもかかわらず昆虫を飼育しようとするママもいますが、その親心が逆効果になることもありますので子供を虫嫌いにしたくない人にはおすすめできません。

家庭内で虫を飼うとどうしても虫と親との関わりが密になり、特に幼児期は親もエサやりやマット交換などを手伝わなければならなくなりますので、ママが虫嫌いだと親の苦痛や虫を嫌悪する顔を日々子供に見せることになりかねないのです。

虫好きな大人と一緒に自然体験ができる機会を増やす

虫をまだ怖がらない年齢の時から頻繁にキャンプや田舎での宿泊体験の機会を持ち、虫好きなパパママやその他の大人あるいは友達と虫捕りをして遊ぶことで、子供は虫に対しておもちゃ感覚あるいは友達感覚を持つことができるようになります。

パパもママも虫嫌いの場合は子供を幼児期から参加できる自然体験キャンプやボーイスカウトなどに参加させ、虫を怖がらない大人や同輩、先輩と共に行動できる機会を増やすのもおすすめです。

パパママどちらかの実家が虫の沢山いる田舎の場合、祖父母は虫を怖がらないことが多いのでお願いしてみてもよいでしょう。親だけでなく周囲の人の力も借りながら、子供が虫と戯れる楽しい体験をできるだけ増やしてあげることで虫嫌いにさせない環境を作りましょう。

絵本や図鑑、TVや映画などで虫の魅力を知るチャンスを増やす

いきなりリアルな虫の写真が載った昆虫図鑑を子供に見せても興味を示さないことが多いので、初めは虫が登場する絵本やTV、映画やDVDなどを一緒に見て虫への興味を持たせ、それから徐々に図鑑に移行するとよいでしょう。

かぶとん

作・絵 みうら し~まる

鈴木出版

1,200円 + 税

「かぶとん」は、小さなカブトムシのお話です。強くなるためにひたむきに努力することや本当の強さとは何かを、5~6歳の幼児がメインキャラ「かぶとん」を通じて学べます。修行するシーンは男の子の心を掴むこと間違いなし。

アリ、カブトムシ、クワガタと色々な虫が登場しますが絵が可愛いので虫嫌いな子供でも拒否反応なしに読むことができておすすめです。

http://www.suzuki-syuppan.co.jp

プチプチアニメ ニャッキ!~サクランボ編~

ポニーキャニオン

2,800円+税

NHK教育で放送されたクレイアニメのニャッキのDVDです。ミントグリーンの小さなイモムシのニャッキやピンクのイモムシピンクちゃんなどの仲間との日常が描かれています。

いつもクスッと笑えてほのぼのした気持ちになれる1話5分の話が5話収録されています。5分という短さも飽きやすい子供におすすめ理由の一つです。
「ニャッキを可愛いと思えるならいつか本物のイモムシも可愛く思えるのでは?!」と感じずにはいられない魅力的な物語です。

http://hp.ponycanyon.co.jp

子供が虫嫌いになってしまった!嫌悪感を克服する3つの方法

一度虫嫌いになってしまった子供は、親の助けなしにそうやすやすと虫への嫌悪感を克服することはできません。
親の影響力が強いうちに少しずつ虫とのかかわりを持たせて安心感を与えることで、次第に虫を嫌う意識が和らいだり、克服への足掛かりを作ったりすることができるのです。

子供の虫嫌いを克服したい場合は無理強いをして虫嫌いを助長することのないように注意し、日本神話で天岩戸に隠れた天照大神を外に出すために祭りを開いた神々のように、虫との子供の距離を自然に縮められるようなサポートを心掛けましょう。

子供が虫を嫌う気持ちを受け入れる

子供が虫嫌いになる理由は様々ですがほとんどが虫を怖がる人や嫌悪する人、虫について知識なく大騒ぎして驚かせた人の影響ですので、「男の子なのだからしっかりしなさい」「弱虫で困る」などと虫嫌いへの否定的な意見を口にして、子供に虫嫌いの自己イメージを定着させないように注意しましょう

恐怖心を持って害を回避しようとする本能は生存に必要な能力ですので、例えばサメを見て驚くのと同じです。否定する必要も弱虫と思う必要もありませんので、まずは子供が何らかのきっかけで虫を嫌いになる経験をしたのだと、ありのままの事態を「仕方がないこと」と受け入れ、まずは一緒に観察して「可愛いね、不思議だね」から始めてみましょう。

子供の虫嫌い克服に無理強いは厳禁!

いくらパパママが大丈夫と言っても無理やり触らすことで逆効果になります。

都会に住んでいる場合は、キャンプなど虫がいる環境に連れて行く

自然体験を自分でなかなかできない都会に住んでいる場合は、休日などを利用して子供とキャンプや登山に出かけましょう。山の中やキャンプ場には普段目にすることのない大きな蝶や珍しい虫も多く、キャンプ場の木にハチミツを塗って早朝に様子を見に行くだけで、カブトムシやクワガタを捕まえられることも多いです

虫嫌いの子供がママを助ける機会を作る

子供の性格にもよりますが、頼りにされるのが大好きな子には効果絶大です。「ママは虫が嫌いだから、お家に虫が入ってきたら触れない。困ったな。○○ちゃんがママの代わりに虫を家の外に出してくれたらママ嬉しいな。」など伝えるとやる気を出す子供もいて、ママを助けた体験が自信に繋がり虫を触れるようになるケースもあります。

ただし子供がどれくらい虫嫌いかや子供の性格にもよりますので、この方法はその点をしっかりと見極めて行うことをおすすめします。

虫に強い恐怖を感じる子供は、限局性恐怖症の疑いあり!

限局性恐怖症(specific phobia)とは、日常生活が困難になるほど特定の対象物や状況を極度に怖がる不安症の一種です。子供の場合はクモなどの虫や犬、高い所や嵐、海や水、注射や血液、飛行機やエレベーターなどの閉所、大きな音やぬいぐるみなどが原因で、泣いたり癇癪を起したり親にまとわりついたり凍りついたりといった症状が出ます。

限局性恐怖症がある人のうち75%は平均3つの恐怖対象を持っていると言われていますが、虫以外の恐怖対象も含めて6ヶ月以上強い恐怖が見られ、それを回避するために日常生活に支障をきたしている場合は、限局性恐怖症の可能性を考慮しましょう。

恐怖心は自分自身でコントロールできるものではありませんが、限局性恐怖症の発症は10歳前後が多いこともあり、子供自身が恐怖対象を避けることで回避しているケースもの多々あります。けれど治療が遅れて成人するまで続くと治りにくいため、「このままでは将来日常生活がしにくくなる」という心配がある場合は、一度専門家に相談してみましょう。

子供の虫嫌いを治したいなら、入学前がチャンス!

幼児は虫を気持ち悪いとあまり感じないのに対し、小学校低学年から中学年、高学年に向けて虫への拒否感が強くなる発達的虫嫌い傾向があるという京都大学の加用文男さんと中本奈穂美さんによる研究情報が、萌文社「心理科学 第27巻第2号」に掲載されています。

多くの幼児は虫を苦手と感じていないため、友達からの虫が怖いあるいは気持ち悪いといった情報が小学生より入りづらいこともその一因。

虫嫌いを治したい場合は、親の意見を素直に聞きいれやすく周囲のお友達にも虫嫌いの子供が少ない入学前がおすすめです。ぜひ休みを利用してキャンプや山登り、帰省などで虫と戯れる楽しい思い出を増やせる環境を用意し、虫採りに必要な持ち物を準備して出かけ、虫嫌いを克服できるチャンスを子供に与えてあげましょう。

この記事を書いたライター

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪