共働きで幼稚園を選んだ子育てママの幼稚園選びのポイント
ママが働いている共働き家庭では、長時間預けられる保育園を選ぶのが一般的です。しかし、中には幼稚園に入園させるママも増えています。なぜ、ママたちは保育園ではなく幼稚園を選ぶのでしょうか。
幼稚園は学校教育法に基づく学校で、文部科学省が所管し「教育」に重点を置いています。保育所は児童福祉法に基づく児童福祉施設で、こども家庭庁が所管し「保育(養護)」に重点を置いています。認定こども園は両方の役割をあわせ持つ施設です。近年は預かり保育が充実し、保育園に近い時間帯まで預けられる幼稚園が増えたため、共働きでも幼稚園を選択しやすくなりました。
この体験談では、先輩ママたちが幼稚園を選んだ理由のほか、働きながら子どもを幼稚園に通わせる際に大変だと感じていることをご紹介します。あわせて、預かり保育の費用の仕組みや、長期休みと平日行事の乗り切り方、見学で確認すべき項目まで具体的に整理します。幼稚園にしようか、それとも保育園にしようかとお悩みのママは必見です。
共働きで幼稚園という選択が現実的になった制度の話
結論から言うと、共働きで幼稚園を選ぶ家庭が増えた背景には、園側の努力だけでなく制度の変化があります。ここを知らずに「幼稚園は14時に終わるから無理」と決めてしまうと、選択肢を自分から狭めることになります。
まず費用面です。こども家庭庁によると、幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスのこどもの利用料は無償化されています。0歳から2歳児クラスは住民税非課税世帯が対象です。さらに幼稚園の預かり保育は、住んでいる市町村から保育の必要性の認定(新2号認定、満3歳児で住民税非課税世帯の場合は新3号認定)を受けると、利用日数に応じて月額1.13万円(新3号認定は月額1.63万円)までの範囲で無償になります。1か月の利用日数が25日以内の場合は、利用日数に450円を乗じた額が月額上限になります。つまり1日450円の枠内に預かり保育料が収まる園なら、実質的な自己負担がほぼ生じない計算になります。就労がこの認定の事由にあたるため、共働き家庭はまず自治体の窓口でこの認定を確認するのが出発点です。
ただし注意点があります。給食費、入園料、制服代、行事費、バス代などの実費は無償化の対象外で、保護者負担です。園によって預かり保育の料金設定も上限を超える金額のことがあるため、「無償化だからタダ」と考えず、月にいくら出るのかを見学時に必ず計算しておきましょう。
もう一つの変化が、こども家庭庁が進めるこども誰でも通園制度です。保育所などに通っていない0歳6か月から満3歳未満のこどもが、就労要件を問わず月一定時間まで園を利用できる新しい給付で、2026年度から全国の自治体で実施されます。実施場所には保育所や認定こども園に加えて幼稚園も想定されています。育休中に幼稚園の雰囲気を知りたい、満3歳児入園の前に集団生活に慣れさせたいという家庭にとって、園と早めに接点を持つ手段が増えたことになります。利用可能時間や利用料、実施している園は自治体ごとに異なるため、市町村の窓口で確認してください。
幼稚園と保育園と認定こども園の違いを共働き目線で整理する
三つの施設の違いは「教育か保育か」という抽象的な説明で終わらせると、園選びの役に立ちません。共働きの家庭が実際に困るのは、預かり時間、長期休み、入園の決まり方、家庭がやる作業量の四点です。そこに絞って並べ替えると、判断はぐっとしやすくなります。
| 比較する点 | 幼稚園 | 保育所 | 認定こども園 |
|---|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | 学校教育法に基づく学校(文部科学省所管) | 児童福祉法に基づく児童福祉施設(こども家庭庁所管) | 教育と保育を一体的に行う施設 |
| 基本の保育時間 | 4時間程度が標準で、預かり保育で朝夕に延長する園が多い | 就労状況に応じた保育時間の認定を受けて利用する | 認定区分によって幼稚園型の使い方も保育所型の使い方も可能 |
| 入園の決まり方 | 園に直接申し込み、園と契約するのが基本 | 市町村に申し込み、保育の必要性に応じた利用調整がある | 1号認定は園と契約、2号3号認定は市町村の調整が入る |
| 長期休み | 夏休みなどがあり、期間中は預かり保育の利用が前提になる | 基本的に通年で保育がある | 1号認定は長期休みあり、2号3号認定は通年 |
| 家庭側の作業 | お弁当、行事参加、役員などが比較的多い園がある | 連絡帳や着替えの準備が中心の園が多い | 園の方針によって差が大きい |
ここで見落とされがちなのが、入園の決まり方の違いです。保育所は市町村が保育の必要性を点数化して調整するため、待機の可能性がついてまわります。一方で幼稚園は園と直接契約するのが基本なので、定員に空きがあれば就労状況に関係なく入れます。「保育園に落ちたら仕事を続けられない」と追い込まれる前に、預かり保育が充実した幼稚園を並行して見ておくことが、共働き家庭にとって現実的な保険になります。
子どもの側から見ると、3歳前後は同じ場所に毎日通って安心の土台をつくる時期です。この年齢の子どもは、時間の流れを時計ではなく「朝の歌のあとに外遊び」といった生活の順番で理解していきます。だからこそ、預かり保育の時間に部屋が変わる、担当の先生が入れ替わる、といった環境の切り替えが多いと落ち着きにくくなることがあります。反対に、預かり保育も同じ先生や同じ部屋で行われる園では、長時間でも子どもはのびのび過ごせます。時間の長さそのものより、その時間の中身と連続性を見ることが、共働きの園選びで最も効きます。
「保育園よりも良かったかも」共働きでも幼稚園を選ぶメリット
兄弟全員が同じ幼稚園
幼稚園に入園したのは2歳半のときです。最初は、保育園の申し込みにも行きました。
しかし、保育園の申し込みに行ったとき、兄弟がいて上の子が幼稚園に入っている場合は、保育園に入れたいと思うのはわがままだと、市役所の人に言われてしまいました。
今の幼稚園は、延長保育や長期休み期間の預かり保育があるので便利なのですが、園の都合で利用できないときがあるため大変です。
そして、参観日など親も参加する行事が多いことで、仕事を休まないといけなくなるので大変でした。
しかし、幼稚園で子供は毎日楽しそうです。お昼寝は眠たい時にはいつでも寝かせてくれますし、他にも働いているママがたくさんいるので安心です。
特に、上の子3人を入れていたので、よく知っている先生方も多く、信頼できました。先生だけでなく、事務の方とも仲良くしてもらっていて、いろいろ子育ての相談に乗ってもらったことも。
この幼稚園のおかげで、上の子たちはしっかりした子供に育っています。
保育園並みの預かり時間と教育内容が魅力
3歳になる年の2歳4ヶ月に幼稚園に入園しました。幼稚園は満3歳から入園というイメージを持っていましたが、2歳でも入園が可能だったのは大きな決め手の一つです。
育児休暇を3年取れるのですが、早めに仕事復帰をしようと考え、保育園入園も考えました。ですが、保育園への送迎は自分で行う必要がありました。
入園を決めた幼稚園はバス送迎があったからです。朝は7時30分にバスが迎えにきて、帰りは午後2時40分と早めなので、自分で迎えに行くようにしています。
保育園ならば延長保育となり、別途利用料が必要ですが、幼稚園では午後5時まで無料で預かってくれます。
時短勤務なので、ちょうど良い時間に迎えに行けることも幼稚園にした理由です。
年少さん以降は体操教育、音楽教育、漢字学習、英語学習、温水プールでの水泳教室があり、習い事に通う必要もないことからこの幼稚園を選びました。
共働きなので家事と仕事、育児の両立が本当に大変です。幼稚園でいろいろと学んでくるので、休日は習い事の必要がなく、ゆっくり家族と過ごせるのが良いです。
最初は泣いていた子どもを見ると切なくなりましたが、どんどんいろいろなことを覚えて親の私が驚くほどになりました。
先生の手厚い対応にも入園をさせてよかったと思っています。
広い園庭でのびのびと遊ばせたい!!
0歳から保育園でお世話になっていましたが、3歳(年少)になるタイミングで幼稚園への入園を決めました。
私が住んでいる地域の保育園はどこも敷地が狭く、子供達がのびのびと遊べる園庭がありません。それに比べ入園した幼稚園は、園庭が森に囲まれとても広くおもいっきり遊べます。
また、親も参加する行事が多く、子供の様子がとても良く分かります。私の職場は幼稚園の行事等で会社を休むことに理解があったので助かりました。
幼稚園は、保育園よりは行事や役員の集まりが多いので、会社を休みづらい方は保育園の方が良いかもしれませんね。
共働きですと早くに家を出て夕方の帰宅になり、スクールバスの運行時間にバス停まで送迎が出来ないので、自家用車での送迎になるのが少し大変でした。
長い時間預けるのを考えれば、子供が様々な体験ができる幼稚園の方が充実した時間を過ごせていると思うので、保育園より少々親の手間が増えても幼稚園で良かったと思います。
保育内容と預かり保育が決めてでした
3歳の4月(年少)から入園しました。下に2人の弟もいて、3人目の産休明けから復帰しました。
3人とも同時に保育園に入れましたが、上の子だけは園の都合で3月いっぱいまでしか預けられず、他の保育園も探しましたが空きがなく、幼稚園を探しました。
共働きで預かり保育がないと大変だったので、働いているお母さんが多い幼稚園を探しました。仕事終わりを待つのが数人だけだと、寂しい思いをすると思ったからです。
また習い事もさせたかったけれど連れて行く時間がないので、保育内容も気をつけて探しました。
毎日仕事と育児と家事で大変ですが、周りのママ友も共働きで同じ思いをしているので、互いに励まし合っています。
運動と学習に力を入れている幼稚園で、預かり保育中も色んな遊びをしたり、プールに入れてくれたり。ただ待つだけでなく、友達と楽しそうに過ごせているので良かったと思ってます。
預かり保育が充実
3歳児の時から幼稚園に入園しました。保育園は「保育」を目的としており、教育面で充実していなかったので、幼稚園で学ぶことが重要と考えて、幼稚園に入園することを決めました。
共働きなので、通常の授業が終わった後に預かり保育があることが必須条件でした。
また、保育所と同様に幼稚園がお休みの時にも預かってくれることが必要でした。食事についても栄養管理がしっかりしていることが望ましかったです。
とはいえ、共働きで幼稚園に通わせていると、通常、授業時間にある参観日など平日に行事が多いことが大変でした。
専業主婦の方が多く、保護者会の出席率が低いと居心地が悪かったです。
それでも、幼稚園の時間帯に、選択制でピアノや体操などの習い事が選択できたこともあり、子どもの教育にとてもよかったと思います。
ハードだけど充実した毎日
子育て5年目で、いろいろ今は忙しい時期ですが楽しくやっています。私の子供が幼稚園に通い始めたのは3歳の頃です。
共働きをするうえで幼稚園を選んだのは、市町村の話を聞いて色々免除とかできる場所があるか聞いたからです。
けれども共働きをしながらというのは大変なものでした。朝早く起きて旦那と子供のお弁当と朝食を作り、幼稚園の行く支度などして車に乗せ幼稚園に送って、その足でパートに出かけます。
特に、この午前中の時間帯が物凄くハードだと感じました。4時間勤務のパートを終わらせて、30分後に子供を迎えに行きます。
大変ですけれども、幼稚園に入れることにより子供の社会性など色々な面で身につき、また親離れ子離れのいい機会にもなります。幼稚園を選んで良かったと思っています。
パパもママも幼稚園に通っていたので
幼稚園に入園したのは、3歳の時です。共働きだったので保育園も考えましたが、近くに住んでいる両親が協力してくれているので、幼稚園でも可能だと考えました。
私も主人も幼稚園だったので、自分の子どもも同じ道が良いと考えました。幼稚園は、できるだけ家から近い所を選びました。
共働きで幼稚園に通わせるのに大変なことは、夏休みなどの長い休みがあることです。その際は、両親に協力してもらって預けています。
また、保育園ではトイレトレーニングなどをしてくれますが、幼稚園は家でやらなければいけません。
しかし、幼稚園では色々な工作や習い事などもあるため、子どもが自主的に色々作ることができるようになりました。
お友達ができ、引っ込み気味だった我が子が、リーダー的な存在になりました。これも幼稚園のおかげです
のびのび園に楽しみながら通園
子供が幼稚園に入園したのは3歳10ヶ月の時です。激戦区のため保育園には入園できなかったので、幼稚園入園まで待ちました。
共働きが出来るように、延長保育と長期休みの保育がある幼稚園を選びました。夕方までしか預けられないので、仕事の時間を調整するのが大変でした。
また、月に1回~2回の園での催し物への参加も大変でした。なるべく負担の少ない園選びをしましたが、会社の理解のおかげでなんとか幼稚園に通わせています。
のびのび園に通わせているので、運動大好きな我が子は毎日泥だらけになりながら遊んでいます。
楽しそうにしている我が子を見ると良かったなと思いますし、たくましく育っているのを見て嬉しく思います。
教育や預り保育が充実していました
子供が幼稚園に入園したのは4歳の時でした。保育園ではなく幼稚園を選んだ理由は、幼稚園で英語教育や体操等に力を入れていたことが気に入ったからです。
共働きをする上で幼稚園選びで気をつけたことは、預り保育や延長保育が充実している所です。
通っている幼稚園は行事が多く、土曜日も幼稚園へ行かなければならなかったり、役員を引き受けてしまったために、平日も保護者の集まりがあって大変でした。
子供を幼稚園に入れて良かったことは、小学校入学に向けた準備や教育的なことをしっかり身に付けられたことと、様々な行事を通してたくましい子供に育つことができたことです。
子供が色々なことに興味を持ち、挑戦できたことも子供にとって良かったです。
代休も預けられられるので助かります
息子が幼稚園に入園したのは、4歳の時です。3歳の時に保育園に預ける予定でしたが、保育園の空きがなく、1年間実家に預けながら仕事をしました。
本来なら保育園に入園させたかったのですが、こちらの思ったようにはいかず、また、祖父母に毎回預けることも不可能になり、空きのある近所の幼稚園にとにかく入園させました。
その幼稚園は、朝8時から夕方6時半まで保育が可能で、幼稚園の行事が休みの時は、必ず振替休日として平日が休みになります。
ただ、振替休日も保育が可能なので、仕事を休まずに行くことができます。
神経質なぐらい子供の体調管理には力をいれていますが、調子が悪くなり早退しないといけない時は、本当に困ります。
今は、仕事の段取りをつけて、次の日も休むことを想定し、祖父母に頼んで調整しています。
ただ、子供の調子さえ問題なければ、預かっている間も、保育ではなく、教育として専門の先生がちゃんと指導してくれていますので、幼稚園に入れて良かったです。
子供がどんどん私たちの知らないところで成長していき、嬉しく思っています。
体験談から見える「共働きで幼稚園」がうまくいく家庭の4つの型
10人の声を並べてみると、幼稚園を選んで満足している家庭には共通の型があります。自分がどの型に近いかを先に決めておくと、園見学で見るべき場所が絞れます。
| 型 | 成り立たせている条件 | 向いている家庭 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| 預かり保育フル活用型 | 朝8時前から夕方18時台まで預かりがあり、長期休みも預かってくれる | 夫婦ともにフルタイムで、祖父母の応援が近くにない | 預かりの上限日数や、園行事の日は預かりが休みになる規定を確認する |
| 時短勤務かみ合わせ型 | 降園時刻と勤務終了が近く、延長を最小限で回せる | 時短勤務や短時間パートで働いている | フルタイム復帰後も同じ回し方でいけるか先に試算する |
| 祖父母チーム型 | 長期休みや急な早退を祖父母が引き受けられる | 実家や義実家が近く、健康で協力の合意がある | 頼る前提を一人に集中させず、当てが外れたときの二の矢を決めておく |
| 園内で習い事完結型 | 体操や音楽などが保育時間や預かり時間に組み込まれている | 土日を家族の時間にしたい、送迎の余力がない | 費用の総額と、子どもの疲れ具合を学期ごとに見直す |
体験談で「幼稚園にしてよかった」と語られている家庭は、どれかの型がはっきりしています。逆に苦労が大きいのは、型が決まらないまま「なんとなく近いから」で決めてしまったケースです。見学の申し込み前に、家族で「うちはどの型で回すのか」を一度言葉にしておくだけで、聞くべき質問が変わります。
見学で必ず確認したい園選びのチェックポイント
園のパンフレットには「預かり保育あり」としか書かれていないことがよくあります。共働きにとっての可否を分けるのは、その先の運用ルールです。見学時に次の項目をメモ用紙に書いて持っていき、その場で埋めてください。
- 預かり保育の開始時刻と終了時刻、そして最終延長は何時までか
- 予約制か当日申し込み可か、当日連絡は何時までに必要か
- 1日あたりの料金と、おやつ代や昼食代が別途かかるか
- 夏休み、冬休み、春休みの預かり実施日数と、実施しない期間はいつか
- 運動会や行事の振替休日に預かりを利用できるか
- 親が参加する行事は年間何回で、平日開催が何回あるか
- 役員や係の人数と、集まりの開催時間帯(平日昼か夜か土曜か)
- お弁当の日は週何回か、給食の曜日は固定か
- バス送迎のコースと時刻、バス停まで送れない場合の代替手段
- 働いている家庭の在籍割合と、預かり保育に残る人数の平均
質問の仕方にもコツがあります。「預かり保育はありますか」と聞くとほぼ全園が「あります」と答えます。「夏休みは何日くらい実施していますか。昨年度は最長で何日連続でお休みでしたか」と数字で聞くと、実態が見えます。もう一つ効くのが「フルタイムで働いているご家庭は、だいたい何時のお迎えが多いですか」という質問です。園の想定している標準的な使い方が具体的に返ってくるため、自分の勤務時間と重ねやすくなります。
つまずきやすいのは、見学を一度きりにしてしまうことです。行事の日と通常の日で運用がまったく違う園もあります。可能なら、通常保育の日の夕方16時半ごろに外から様子を見に行き、預かり保育の部屋がどんな雰囲気かを確認してみてください。子どもが数人でぽつんとしているのか、先生と遊びこんでいるのかは、パンフレットには絶対に書かれていません。
平日の行事と役員を乗り切る具体的な段取り
体験談で最も多く語られた「大変なこと」が、平日の行事と役員でした。ここは気合いではなく段取りで削れます。
まず4月の最初の保護者会で年間行事予定表を受け取ったら、その日のうちに全部を仕事のカレンダーに入れてしまいます。半休で足りるのか終日必要なのか、その場で色分けするところまでやるのがコツです。参観日は開始から30分だけの参加でも子どもは満足することが多いので、「行けるか行けないか」ではなく「何分参加できるか」で考えると選択肢が増えます。
職場への伝え方も具体的にしておくと通りやすくなります。「子どもの行事で休みます」ではなく、「6月10日の午前中に園の参観日があるので、10時から12時で中抜けさせてください。その分の資料は前日に共有しておきます」と、時間と代替案をセットで出す形です。年度初めに「今年は園の行事が年6回あり、そのうち平日が4回です」と先に共有しておくと、都度の交渉が要らなくなります。
役員については、避けるより「選ぶ」ほうが結果として楽になる場合があります。集まりが平日昼に多い役職と、書類やデータ作成が中心で在宅でも進められる役職では、負担がまるで違います。「引き受けます。ただし平日昼の集まりには出られないので、記録や資料作成の担当にしてもらえますか」と最初に条件を出す形なら、周囲も配置を考えやすくなります。子どもの前では「役員なんて面倒」ではなく「ママは幼稚園のお手伝い係になったよ」と言い換えておくと、行事が子どもにとっても誇らしい出来事になります。
夏休みなどの長期休みをどう乗り切るか
幼稚園には夏休み、冬休み、春休みがあります。ここが共働き家庭の最大の関門で、「入園してから気づいた」という声がとても多い部分です。
対処の第一歩は、預かり保育の実施日を年度当初にカレンダーへ書き込み、実施しない日を数えることです。園によってはお盆前後や年末年始のほか、教職員の研修日などで預かりを実施しない日があります。仮に夏休みのうち預かりがない日が5日あるなら、その5日をどう埋めるかを6月のうちに決めておきます。ここを8月に入ってから考え始めると、選択肢がほとんど残りません。
埋め方の候補は、夫婦の有給を半分ずつ充てる、祖父母に前もって日付を指定して依頼する、自治体のファミリーサポート事業や一時預かり事業を事前登録しておく、という三本立てが基本です。ファミリーサポートや一時預かりは、利用したいときにすぐ使えるわけではなく、事前の登録や面談が必要な自治体が多いため、使わない可能性があっても春のうちに登録だけ済ませておくのが実務的です。なお、こうした一時預かり事業やファミリー・サポート・センター事業の利用料も、保育の必要性の認定を受けている場合は無償化の対象になります。詳しい条件は市町村の窓口で確認してください。
子どもにとっての長期休みは、生活のリズムが崩れやすい時期でもあります。3歳から5歳の子どもは、見通しが立たない状態に強い不安を示すことがあります。そこで役立つのが、休み中の予定を紙に書いて壁に貼る方法です。「きょうはようちえん」「きょうはおばあちゃんのおうち」「きょうはパパとおやすみ」と絵で示しておくと、朝の「今日どこ行くの」の問答が減ります。声かけも、「今日はおばあちゃんの日だよ。夕方5時にママがお迎えに行くね」と、迎えの時刻まで具体的に伝えるほうが子どもは落ち着きます。
朝の時間帯を楽にする段取りと声かけ例
体験談にあった「午前中の時間帯が物凄くハード」という感覚は、共働きで幼稚園に通わせる家庭にほぼ共通します。お弁当作りと朝食作り、着替え、送り出しが1時間半に集中するからです。
削れる作業は前夜に移します。お弁当のおかずは夜に詰めて冷蔵庫へ、制服と靴下は玄関近くのかごに一式、園カバンは持ち物を入れた状態で玄関に置く。この三つで朝の作業は目に見えて減ります。「明日の準備」を子どもと一緒にやる時間を寝る前の5分に固定すると、年中後半には自分でかごを用意するようになる子もいます。
朝にぐずるときの声かけは、急がせる言葉ほど逆効果になります。3歳から4歳の子どもは、自分で決めたいという気持ちが強くなる時期で、指示が続くと体が止まります。この時期は選択肢を渡すほうが動きます。「早くして」ではなく「靴を先に履く。それともカバンを先に持つ。どっちにする」と二択にすると、子どもは自分で決めた気持ちのまま動き出します。もう一つ効くのは、時間を数ではなく行動でつなげる言い方です。「あと5分だよ」より「この歌が終わったら玄関に行こうね」のほうが、時計を読めない年齢の子どもには伝わります。バス通園の家庭なら、「バスの運転手さんが待ってくれてるよ」ではなく「バスに乗ったら、今日は誰の隣に座る」と楽しみの話に切り替えると、玄関までの数メートルが軽くなります。
つまずきやすいのは、親が焦りを声のトーンに出してしまうことです。子どもは言葉の内容より声の高さと速さを先に受け取ります。どうしても間に合わない朝は、着替えを園バッグに入れてパジャマのまま車に乗せる日をつくってもかまいません。完璧な朝を毎日目指すより、月に何回かの逃げ道を用意しておくほうが、結果として家庭の空気が保たれます。
パパと祖父母と職場を巻き込むコツ
共働きで幼稚園を回している家庭を見ていくと、うまくいっているところは例外なく「ママ以外の担当者」がいます。担当の割り振り方には二通りあり、曜日で分ける方法と、作業の種類で分ける方法です。
曜日で分けるなら、「水曜日のお迎えと夕食はパパ」と固定します。固定するほど交渉が減り、当日の連絡も要らなくなります。作業で分けるなら、「園からのお便りの確認と行事の日程調整はパパ担当」といった形です。お便りの管理を任せると、行事日程を自分の仕事と調整する必要が生じるため、行事への当事者意識が自然に育ちます。「手伝ってくれない」と嘆くより、情報を渡してしまうほうが早いという逆説がここにあります。
パパへの声かけも、頼み方で結果が変わります。「たまには迎えに行ってよ」だと反発を招きやすい一方、「水曜だけお迎え担当してくれる。先生が○○くんの話をしてくれるから、パパが聞いたほうが嬉しいと思う」と伝えると引き受けやすくなります。実際に迎えに行った日は、「先生になんて言われた」と話を聞く時間をつくると、次の水曜も続きます。
祖父母に頼る場合は、日付と時間を先に決めて依頼するのが鉄則です。「困ったときはお願い」という曖昧な約束は、双方の予定が読めず、直前の断りにつながります。「7月28日と29日の9時から16時をお願いしたい」と半月以上前に伝え、園の連絡先や当日の流れをメモにして渡しておくと、祖父母の負担感も下がります。あわせて、頼れなかったときの代替手段を必ず一つ用意しておきましょう。当てが一つしかない状態が、共働き家庭のいちばん危ない構えです。
トイレトレーニングやお弁当など家庭側の負担への向き合い方
「保育園ならやってくれたのに」と感じやすいのが、トイレトレーニングと持ち物の準備です。園の方針によって差はありますが、家庭が担う割合が大きくなる園もあります。ここは分担の考え方を変えると負担感が下がります。
トイレの練習は、毎日みっちりやるより、家庭の余力がある曜日に集中させるほうが続きます。平日の夜は着替えの手間を最小限にしておき、休日の午前中だけ布パンツで過ごす、という進め方です。子どもは膀胱にたまった感覚を言葉にできるようになるまでに個人差が大きく、同じ月齢でも数か月の幅があります。焦って声をかけ続けると、失敗を隠すようになり、かえって遠回りになります。声かけは「まだ出ないの」ではなく「そろそろ座ってみる。行かないなら、次のブロックを作り終わったらにしようね」と、子ども側に選ばせる形にすると進みが早くなります。うまくいった日は「自分で行けたね」と行動そのものを言葉にし、失敗した日は「教えてくれてありがとう、着替えよう」で終える。この二つを守るだけで、家庭でのトレーニングは驚くほど静かになります。
お弁当は、品数を競わないと決めるところから始めます。主食と主菜と、色のつく副菜を一つ。この三枠を固定し、副菜は前の晩の副産物を使う。冷凍しておける小さなおかずを日曜に三種類だけ作って小分けにしておけば、朝は詰めるだけになります。子どもが食べ切れないときは、量を減らして完食の経験を積ませるほうが、次の日の食べる意欲につながります。「全部食べなさい」ではなく「今日はこの量にしてみた。空っぽになったら教えてね」と言い添えると、園でのお弁当の時間が競争ではなく楽しみになります。
年齢による違いを踏まえた通わせ方
同じ幼稚園でも、満3歳児クラス、年少、年中、年長で通わせ方の勘所は変わります。ここを一律に考えると、無理が出ます。
満3歳児クラスは、3歳の誕生日を迎えた時点から年度途中でも入園できる仕組みで、体験談にもあるように2歳台からの入園が可能な園があります。この時期の子どもはまだ体力の波が大きく、午睡が必要な日もあります。預かり保育の部屋で横になれる場所があるか、眠くなった子への対応をどうしているかを確認しておくと安心です。生活の切り替えが多いほど疲れが出るため、入園から数か月は預かりの利用を短めにして、慣れてから伸ばす進め方が現実的です。
年少は、集団生活のルールを覚える時期で、家庭に帰ってから甘えが強く出ることがあります。長く預かってもらった日ほど、帰宅後に抱っこを求めたり、赤ちゃん言葉に戻ったりするのは、外で頑張った反動として自然な姿です。ここで「もう大きいんだから」と突き放すより、玄関で30秒だけぎゅっと抱きしめる習慣をつくると、夕方の荒れが減ります。
年中から年長になると、体力がつき、預かり保育の時間も友達との遊びとして充実してきます。一方で、就学に向けた行事や集まりが増える時期でもあります。年長の一年間は、就学に関する説明会や学用品の準備など、平日に動かなければならない用事が上乗せされることを前提に、有給の残り方を年度初めに配分しておくと後半が楽になります。きょうだいがいる家庭は、上の子の小学校行事と園行事が重なる時期でもあるため、両方の年間予定を一枚のカレンダーに集約しておくのが有効です。
共働きで幼稚園を選ぶときによくある疑問
共働きだと幼稚園の入園選考で不利になりますか
幼稚園は園に直接申し込んで契約するのが基本のため、保育所のように就労状況を点数化して調整する仕組みではありません。定員に空きがあれば、共働きであることが不利になることはありません。ただし人気園では願書受付が先着順や抽選になることがあり、説明会や願書配布の日程を押さえておく必要があります。認定こども園の保育部分を利用する場合は市町村の利用調整が入るため、園の種類ごとに手続きが違う点に注意してください。
預かり保育の料金はどのくらい戻ってきますか
市町村から保育の必要性の認定を受けている場合、幼稚園の預かり保育の利用料は、利用日数に応じて月額1.13万円までの範囲で無償になります。1か月の利用日数が25日以内なら、利用日数に450円を乗じた額が上限です。満3歳になった日から最初の3月31日までの住民税非課税世帯は月額1.63万円までとなります。給食費やおやつ代などの実費は対象外です。給付の受け取り方は市町村によって、いったん園に支払って後から払い戻しを受ける方法などがあるため、家計の立て替え分も見込んでおきましょう。
満3歳児入園と年少からの入園はどちらが働きやすいですか
復職の時期で決まります。3歳の誕生日を迎えた月から入園できる園なら、年度途中の復職と合わせやすい利点があります。一方で、年度替わりの4月から年少で入るほうがクラスの立ち上がりに合わせられ、子どもの負担が軽いという面もあります。判断材料になるのは、満3歳児クラスに預かり保育が同じ条件で使えるかどうかです。園によっては満3歳児クラスは預かりの利用開始が数か月後になる場合があるため、必ず確認してください。
入園後に保育園や認定こども園へ転園できますか
できます。実際に、勤務時間が延びたタイミングで保育所や認定こども園に移る家庭も、その逆に保育所から幼稚園へ移る家庭もあります。ただし年度途中の転園は空き状況に左右されるため、市町村の窓口で募集の枠と申し込み時期を先に確認しておくのが確実です。転園を視野に入れる場合は、子どもが環境の変化に慣れる時間も見込み、行事の少ない時期を選ぶと負担が小さくなります。
働いている家庭が少ない園だと子どもが寂しがりませんか
体験談でも「仕事終わりを待つのが数人だけだと寂しい思いをする」という視点から園を選んだ声がありました。実際に確認したいのは在籍家庭の就労割合そのものより、預かり保育の時間に何人が残り、その時間に何をしているかです。人数が少なくても、先生が遊びを用意していて子どもが楽しみにしている園なら問題は起きにくく、逆に人数がいても待つだけの時間になっていると子どもは飽きてしまいます。見学時に「預かりの時間は、だいたい何人でどんな遊びをしていますか」と具体的に聞いてみてください。
家庭の形に合う園を選ぶために
共働きで幼稚園を選ぶことは、無理を押し通す選択ではありません。預かり保育と無償化の仕組みを使い、行事と役員を段取りで削り、長期休みの穴を春のうちに埋めておけば、成り立つ家庭は確実にあります。10人の体験談が示しているのは、時間の長さより過ごす時間の中身を見て選んだ家庭が、後から振り返って納得しているという事実です。
迷っているなら、まずは自治体の窓口で保育の必要性の認定について確認し、次に気になる園の預かり保育の実施日数を数字で聞いてみてください。そのうえで、自分の家庭がどの型で回すのかを家族で決める。この順番で動けば、園見学は情報収集ではなく答え合わせの場に変わります。子どもが毎日楽しみに通える場所を、家庭の形から選んでいきましょう。



