プレミアム商品券の対象が9月生まれの0歳児を育児中の世帯までに拡大
2019年10月の消費税増税に伴うプレミアム商品券の子育て世帯の対象者拡大が検討されていることが、2019年3月18日参議院予算委員会の茂木敏充経済財政再生担当大臣の発言で明らかになりました。
消費税導入のたびに子育て世帯が対象となるプレミアム商品券ですが、そもそもプレミアム商品券とは何か、これまでの対象者と何が変わったのかなどを詳しく見ていきましょう。
プレミアム商品券とは?販売価格にプレミアム分を上乗せした金券システム
プレミアム商品券とは、自治体が発行する販売価格にプレミアム分の額面が上乗せされる金券で、自治体が指定した地元の特定の店舗で、期間限定で使えるシステムとなっています。
今回話題となっているプレミアム商品券は、2019年10月の消費税引き上げに伴う買い控えなどにより、景気が低迷する事態への打開策として行われる国と市区町村の事業。
2019年10月の消費税増税に伴うプレミアム商品券の対象者は、一人当たり1枚500円など小口の券を2万円分まで購入でき、商品券2万5,000円分が受け取れるので最大5,000円分得することができます。
平成29年12月15日の参議院質疑応答によると、プレミアム商品券は券面に表記された金額が8,086億7,300万円、平成30年12月内閣府「2019年度予算(案) 概要」でも2019年度予算案額1,723億円明記されているビックプロジェクト。
消費税10%引き上げによる家計へのダメージは大きく、対象となる子育て世帯にとっては見逃せない情報です。
2019年増税対応のプレミアム商品の対象者は0~2歳の子育て世帯と低所得者
2019年の増税により3~5歳児世帯は幼児教育・保育の無償化対象となり保育料が無料になりますが、プレミアム商品券はそこから取りこぼされる低所得者以外の0歳~2歳児を持つ子育て世帯も対象。
上限となる2歳児は学年で線引きをし、2016年4月2日~2019年9月30日に生まれた子供を育てる家庭が対象となります。
- 生活保護受給者除く低所得者
- 2016年4月2日~2019年9月30日生まれの0歳~2歳児を持つ子育て世帯の世帯主
2019年3月18日の茂木敏充経済財政再生担当大臣の発言までは、自治体の準備や手続きにかかる期間の関係で0歳児のうち6月2日以降に生まれた赤ちゃんが対象外でした。
ところが今回の発言で、対象者を消費税増税直前の9月末生まれの0歳児までを対象とすることを検討中であることが明らかに。
出産予定日が10月前後の妊婦さんのいる家庭では対象となる可能性がありますので、詳しい情報を随時チェックしましょう。
プレミアム商品券はいつからいつまで使える?購入できるお店は?
プレミアム商品券は期限も購入店舗も限定される金券ですが、各家庭が購入しなければメリットを受けられません。2019年消費税増税対策のプレミアム商品券はいつから購入でき、いつまでどのよう店舗で使えるのでしょう?
2019年プレミアム商品券はいつから発売?消費税増税の10月前後に発券の見通し
2019年のプレミアム商品券の発券時期は3月19日時点では未定ですが、消費税増税が10月に行われるため増税の前後の1ヶ月の間だろうと言われています。
9月から対象者に購入引き換え券が郵送される見通しで、2020年2月までは対象の販売店で購入できますが、2015年の増税時にはすぐに売り切れた自治体もありました。
ただし、今回のプレミアム商品券は2月末まで購入できるため慌てなくてもよいと言っている自治体もあります。
2019年プレミアム商品券はいつまで使える?2019年10月~2020年3月まで
プレミアム商品券は使用できる期間がわずか半年と短く、使用期限は2020年3月までなので、使い忘れがないように発売当日に購入するのがベスト。
額面に満たない買い物に対して2015年のプレミアム商品券はおつりが出なかったので、対象者は使い方にも注意が必要。
ちなみに2019年10月1日からは消費税率の10%への引き上げと共に、食品や飲み物は8%に据え置く軽減税率の実施が行われますが、生活用品の多くが消費税10%の対象となるため上限まで買ってもほとんどの家庭で使いきれるでしょう。
消費税軽減税率制度の対象品
- 外食店以外の食料品
- イートイン以外のテイクアウトの食べ物
- アルコール1%未満の飲み物
- 定期購読の新聞
- 有料老人ホームの飲食料品
プレミアム商品券が買える店舗はどこ?大型店や商工会議所など
プレミアム商品券を購入できる店舗は自治体によって異なりますが、2015年の消費税増税時の千葉県を参考にすると、イトーヨーカドーやイオン、ダイエー、そごう、イズミヤなどの大型店やJA、商工会議所などで行われました。
プレミアム商品券が使える店舗は?一覧表に掲載された地元店
プレミアム商品券は、地元商工会議所に登録した地元店で利用できますが、使える店舗は地域によって異なりますので、購入時に渡される一覧表や商工会議所HPで確認しましょう。
地元の百貨店やスーパー、家電量販店やドラッグストアなど多岐にわたり使えますが、地域によって同じ大手スーパーでも使える所と使えないところがあるため、必ず一覧表や店内入口の張り紙などを確認してください。
消費税増税対策プレミアム商品券をどう思う?twitter上の声
プレミアム商品券についてはtwitter上でも色々な声が上がっています。2019年3月11日全国店舗で液体ミルクをグリコが発売した時もそうでしたが、トレンドとなる話題はたいてい賛否両論あるもの。
ただし今回のプレミアム商品券については、消費税増税という背景があるだけに消費者からの厳しいつぶやきが多い傾向があります。
プレミアム商品券について初めて知った!必需品を買いだめ
プレミアム商品券とはなんぞやと思っているママやパパも多く、実施まで期間もあるため冷静に見守っている様子ですが、初めて知ったママにとっては「お得に買い物ができるから、オムツやミルクなどの必需品を買いだめよう!」と喜びの声も。
プレミアム商品券みたいなバラマキではなく、エコーを無料にしてほしいんですが!!助成券使ってるのに検診行くたびに4000円!まじかよ!って感じ。エコーたっけえ!!!
— みょん子21w♂ (@RField10) March 18, 2019
プレミアム商品券のバラマキより妊婦健診のエコーを無料にして
プレミアム商品券については以前から「バラマキ」という声も多く、現在妊娠中のプレママからは有料となるエコー代の助成を望む声も。
プレミアム商品券みたいなバラマキではなく、エコーを無料にしてほしいんですが!!助成券使ってるのに検診行くたびに4000円!まじかよ!って感じ。エコーたっけえ!!!
— みょん子21w♂ (@RField10) March 18, 2019
フルで買えない世帯は不利!貧乏な家庭のことをもっと考えて
プレミアム商品券は自費でお得な商品券を購入するシステムなので、2万円というまとまった額の金券を購入する余裕がない家庭にとっては本当の増税対策になっていない!という厳しい声も。
プレミアム商品券って一人当たり25000円分フルで先払いできるような世帯にとっては都合いいかもしれないけど 手持ちの現金が少なくて より支援が必要な世帯には不利だよね
— ここぺり (@akambomaster) March 18, 2019
定期券が買えなくて多少割高でも切符を購入せざるを得ない話を思い出した
プレミアム商品券ね〜
— YUKKINKIN (@YUKKINKIN3t) March 13, 2019
5000円得する為には20000円かかるんだって…。
お釣りは出ないんだって…
8月に貧乏な家庭に通知が届いて、その通知持って役所行って商品券購入するんだって…
貧乏な人は勇気を振り絞って役所に行って、更に勇気を持って買い物しなければならない…て事か…。 pic.twitter.com/hzmGKSnmi4
ただしプレミアム商品は低所得者や子育てで生活が苦しくなる育児中の世帯を対象としたシステムですので、今のところ1口500円程度の小口で分割購入もできるようにする方針。
わざわざ買いに行く手間はかかりますが、オムツなど子育てに必要な500円以上の買い物をする人であればお得な買い物ができます。
プレミアム商品券はいらないから消費税を5%に下げて欲しい
プレミアム商品券は消費税が8%から10%に値上がりすることへのその場しのぎの対策のため、プレミアム商品券なんかいらないから消費税を5%に下げて!という声は当然上がっています。
ちなみに2%の増税で集めた消費税は、低所得の高齢者支援に1.1兆円、幼稚園・保育園及び高等教育の無償化や保育士の増員に1.7兆円、赤字国債の発行抑制に使われる予定です。
は???????プレミアム商品券とかいらないから消費税5%に下げてよ。キャッシュレス決済とかマイナンバーカードとかポイントとかそんなんいらん。 pic.twitter.com/DNRZVmj3Rg
— あんじゅ???1y6m (@bbts0210) March 18, 2019
9月末の区切りに納得できない!その後に生まれた子の家庭が可哀想
プレミアム商品券に納得できないのは、消費税が10%に増税する10月1日以降に出産する世帯でしょう。出産は予定日から前後しますので、当然予定日が9月なのに10月に出産となる家庭もあるはず。
9月末の区切りとはなりましたが、10月1日以降に出産する家庭でも同じように消費税増税への負担があるのにプレミアム商品券が買えないため、twitter上でも不満の声が上がっています。
出たよ‼️プレミアム商品券?
— ぴぃかぁさん (@kaka_neko) March 18, 2019
9月末までに生まれた0歳児の区切りって何⁉️
長男の時も12月末で切られたから2月生まれは貰えなかったし?
消費税とか増税するんだから子育て家族さんにはもっと還元してあげられないものかねぇ〜???? pic.twitter.com/223aPE7r9i
プレミアム商品券以外にもある!2019年消費税10%への増税に伴う政府の対策
2019年の消費税増税に伴い、政府はプレミアム商品券以外にも次の増税対策を行う方針を発表しています。消費税増税は子育て世帯や低所得者世帯にとって厳しいものとなりますので、取り戻せるものは取り戻しましょう。
- 幼稚園や保育園の無償化
- 飲食料品など一部製品の消費税を8%のまま据え置き
- 2歳までの子育て世帯と低所得者へのプレミアム商品券の販売
- 中小小売店でのキャッシュレス決済でポイント5%還元
- マイナンバーカード取得者への買い物ポイント
- 防災や減災への公共投資により需要減への対策
- 企業が増税日の前後に行う価格転嫁を求める
- 日本への集客に取り組む商店街への支援
多くの消費者が対象となる中小小売店でのキャッシュレス決済によるポイント還元は、クレジットカードやスマホのQRコード決済に対して行われる対策で、2019年10月から2020年10月の1年間を対象とする見通し。
高齢者の場合はクレジットカードやスマホ決済を使用しない人もいますが、若い子育て世帯には日頃から活用する人も多く、キャッシュレス決済で増税しても3%お得に買い物できるためできるだけ利用したいところ。
2020年4月にはマイナンバーカードを取得した人に対してポイント加算を始め、2021年4月までポイントで買い物ができるようになる対策を打ち出しています。
若い子育て世帯の中には今後住宅や自動車といった高額商品の購入を予定している世帯もあるため、購入時に自動車税の負担を軽減したり、受託ローン減税の控除期間を現行の10年からさらに延長したりといった見通しもあり、低所得者に給付金を支給する「すまいる給付金」についても話し合いが行われています。
プレミアム商品券の対象となる世帯も対象外の世帯も消費税増税は痛い出費となりますが、例えば外食一つとってもテイクアウトにするか店内で食べるかで税率が変わるなど家庭内での消費について見直しが迫られていますので、政府の政策だけでなく、民間のソフトバンクやドコモの子育て応援プログラムなど親だからこその特典をあわせて見逃さずに活用しましょう。