中学入学準備にかかる費用~前もって確認しておきたいこと
春は新しい生活がスタートする節目の季節です。ピカピカのランドセルを背負い、元気に小学校に通い始めるお子さんもいれば、ランドセルは卒業し、真新しい中学の制服に袖を通すお子さんもいます。そんな子たちは、これから始まる学校生活への期待と不安で胸を膨らませているはずです。
しかし、期待と不安で胸がいっぱいなのは、何もお子さんだけではありません。初めて中学校へ入学するお子さんをもつママも同じ気持ちです。ママたちがとても気になっているのは、ズバリ!中学入学準備のこと。どれくらいの費用がかかるのか、いつ頃から何を準備すればいいのか、はじめての事ばかりで分かりませんよね。そんな疑問でいっぱいのママたちのために、中学入学準備のために必要な費用や押さえておきたいポイントをご紹介します。
中学の入学説明会
中学校入学を控えている生徒の保護者に対して、入学前に入学説明会が開催されます。中学校での教育方針や、入学までに必要な準備物などを説明してくれる機会になります。公立中学では、早くて11月、遅くても2月中には開催されることが多いです。自治体によっては、郵送で通知が届くので、書類にはきちんと目を通しておきましょう。
私立中学の場合は、2月中旬から下旬に行われる、合格発表の後に開催されます。最近では多くの学校がホームページを立ち上げているので、ネットでも日時を確認することができますよ。2月だなんてキリギリすぎて不安だ!というママもいるかもしれませんが、大丈夫です。スタートはみんな同時なので、一人だけ焦る必要はありませんよ。
制服
中学入学準備と聞いて、多くのママが真っ先に思い浮かべるのは制服ではないでしょうか。どこの学校でも、入学説明会が行われるときに、何が必要になるのかの説明があるので、説明会が終わってから制服を注文する人が多くなります。注文形式としては、学校で一斉注文する場合と、各自で指定店へ注文する場合があります。
学校で一斉注文の場合、採寸の日が定められているので、日程をきちんと把握しておきましょう。各自で注文する場合は、店によっては、早期割引があるところもあるので調べておくと良いでしょう。
しかし、中学生といえば成長が著しい時期です。注文が早すぎると、制服が届くまでにワンサイズ成長してしまうかもしれないので、注文するタイミングを考えなくてはいけません。早期割引を実施している店舗でも、成長のことを考え、早期予約のみで、採寸は1月~2月に行うようにしている場合が多いです。
注文が遅すぎると、入学式に間に合わなくなってしまうので、納期がいつになるのかを業者にきちんと確認しておくことが大切です。夏服は、入学して約2か月後から使い始めるので、入学してから用意しても遅くないでしょう。
ソックス
学校指定のソックスがなければ、お子さんの好きなソックスで良いでしょう。しかし派手すぎるものは避け、白や黒、紺、ワンポイントが入っているものが良いでしょう。また、女の子であれば冬場はタイツがOKかどうか確認しておきましょう。学校によっては、指定ではないけれど、規定はある場合があるので注意が必要です。
体操服
ほとんどの場合、体操服も制服注文と同時に行います。しかし、同時でなければいけないということはないので、後日店に足を運んでの注文でも大丈夫です。中学の場合、胸元に名前の刺繍が入ることが多いので、こちらも納期に余裕を持って注文しておきましょう。
コート
コートも指定がなければ自由に選んでも大丈夫です。最近では、ピーコートやダッフルコートが人気みたいですね。その他にも、温かさを重視するならダウンジャケットでもいいでしょう。しかし、ロッカーにコートを片付ける場合は、皺になりやすい素材のものや、あまりにもかさ張るものはおすすめしません。このとき、普段使いできそうなものを買っておくと後々便利ですよ。
文房具
勉強に必要な文房具を揃える必要があります。小学校では、国語ノートや算数ノートなど、教科ごとにまとめやすいノートを使う機会が多かったと思いますが、中学生になると、大学ノートやリングノートを使う子が増えます。また、筆記用具も、鉛筆からシャープペンシルにしたり、色付きボールペンを使ったりと選択肢に幅が広がるので、お子さんと一緒に買い物に行くといいでしょう。
女の子だと、カラフルなペンを好んで使用する傾向があります。他にも、国語辞典や英和辞典、参考書なども必要になります。小学校で使用していた辞書ではなく、中学生向きの辞書が必要になるので、持っていない場合は新しく買わないといけません。
通学用バッグ
バッグも指定がない場合は自由ですが、A4サイズが入るバッグでなければいけません。リュックサックやボストンバッグ、ショルダーバッグなど、人気のある商品はたくさんあります。ファッションの一部として取り入れることができるので、お子さんに選ばせてあげて下さい。普段使いできるものであれば、一石二鳥ですよ。
通学用の靴・上履靴
中学生の通学靴はスニーカーが一般的です。体育の授業で運動もするので、軽量タイプの動きやすいものがおすすめです。お子さんの足に合わない場合、靴ズレをおこしたり、巻き爪になってしまったりと、痛みを伴う事態になるので、しっかりとお子さんが試着して選びましょう。
通学用の自転車
自宅と学校の距離が離れている場合、自転車通学をするお子さんもいるでしょう。その場合は、通学用の自転車が必要になります。しかし、注意しなければいけないのは、学校によっては自転車に規定が設けられていることです。例えば、マウンテンバイクはNGだったり、色の指定があったりするので、購入前に学校に確認しておきましょう。また、通学用の自転車は、丈夫さと安全性が備わっているものが良いでしょう。簡単にフレームが曲がってしまったり、タイヤがパンクしたりすると、事故の元にもなりかねません。
通学用におすすめの自転車は?
BAAマーク、TSマークの付いた自転車は、安全基準を満たし、きちんと整備されている自転車に贈られる称号です。TSマークには、傷害保険と賠償責任保険がついているので、万が一の時にも安心ですよ。
通学用の定期券
電車通学や、バス通学をするというお子さんは、それぞれの定期券が必要になります。利用する交通機関によって料金設定は異なりますが、どこでも学生割引が適用になります。使用数日前からの購入ができますが、すぐに発行してくれるので、使用初日に早めに販売窓口に行っても間に合いますよ。
入学前に確認しておきたいこと
入学前に必要な準備物を全て揃え、これでもうお金はかからないはず!と思っては大間違いです。実は、入学してからの諸経費が意外な所で必要になったりします。おおよそでもいいので、事前に必要な金額を把握しておけば、急な出費にも慌てずに対応できますよね。では、入学後にどのような出費があるのか見てみましょう。
教材費
中学校は義務教育なので、教科書は無償でもらえます。しかし、教科書以外に授業で使うワークやドリルは自己負担になるので、月々に教材費として集金する学校が多いです。その他、選択授業などがある場合は、そのために必要な道具なども揃える必要があります。音楽の授業で使うリコーダーや、体育で使う水着などは、小学校から使用しているものでまかなえる事があるので、きちんと確認しましょう。
給食費
学校給食がある場合は、給食費が月々にかかってきます。平均すると4000円~5000円/月という統計です。お弁当の場合は、給食費はかからないものの、毎朝お弁当の準備があるので、ママは朝から大忙しになってしまいますね。給食があると、給食費はかかるものの、プロの栄養士が献立を立ててくれるため、お子さんの健康面に関しては安心できるというメリットがあります。
部活
お子さんが部活動に入った場合、その部活に必要な道具も揃えなくてはいけません。ユニフォーム代や道具代、たまに遠征費という出費があることも。これは、運動部でも文化部でも同じです。全くお金がかからないのは、おそらく帰宅部だけではないでしょうか。
校外学習
学校の授業以外で、校外に出る場合にかかる費用です。林間学校や遠足もこれに含まれます。学年によって、その行事がある学年と無い学年とに分かれますが、1年生でキャンプを体験する学校は多いようです。校外学習に行くための交通費や、施設見学がある場合には、その入館料などが含まれます。
修学旅行の費用
多くの学校では、修学旅行に行くための月々の積立金があります。2年生で旅行に行く場合でも、1年生の頃から積み立てを始める学校も少なくありません。修学旅行に行くための費用は、中学校では平均して5~6万円なので、月々に数千円はかかる計算になります。
PTA活動
意外に忘れがちなのがPTA会費です。世帯の在校生数ではなく、世帯単位で徴収することがほとんどです。つまり、家に中学生が2人いても、一軒分の会費を徴収します。ちなみに、PTA会費が何に使われているのかご存知ですか?PTA会費は、主に生徒や先生への記念品の購入に充てられます。卒業生へ贈る記念品の購入、離任する先生へのお礼の粗品などです。その他、広報誌を作成している場合には、その印刷代にもつかわれます。たまに、ニュースでPTA会費の横領という不安になるようなニュースもありますが、きちんと協力して先生方との連携を図ってください。
おさがりを活用しよう
一番まとまった金額が出てしまうのは、制服です。正直、高いなと感じる方も多いはず。制服代をうかせる一番の方法は、おさがりを活用することです。ご近所の方や友人の中に、もう使わなくなった制服をお持ちの方がいたら譲っていただきましょう。制服の他にも、指定の教材など、使える物はたくさんあるはずです。
お古なんて…と思うかもしれませんが、コストを抑えたいのなら、使えるものは使うのが一番いい方法です。また、地域の情報誌の掲示板などに、「〇○中学の制服を譲ってください」とメッセージを出すのも一つの手ですね。たまに、フリーマーケットなどで売りに出されていることもあるので、こちらも要チェックです。
中学入学準備に必要な費用
上で紹介した制服や教材費など、全てをまとめると、中学入学準備に必要な金額は平均して10万円位だと思ってください。一般家庭だと、なかなか重みのある金額になってしまいますね。準備物を購入し始めるのは、説明会の後からでも遅くはありませんが、金額の面だけを見ると、早めに準備しておいた方が良さそうです。
就学支援制度を活用しよう
就学支援制度とは、何らかの事情で経済的に就学が困難な生徒がいる家庭に対し、学校生活で必要な経費を自治体が援助してくれる制度の事を言います。これは、自治体が定める世帯収入の基準に満たない家庭が対象となります。通学用品や修学旅行費、PTA会費など全12項目にわたり援助してもらえるので、必要な人は自治体に問い合わせてみると良いでしょう。
中1ギャップを知っておこう
中学生になるお子さんを持つママたちは、中1ギャップという言葉をご存知ですか?昔はこんな言葉はなかったはずなので、知らない方も多いかもしれませんね。中1ギャップとは、小学校から中学校へ進級したお子さんが、それまでの生活とのギャップに戸惑い、精神的ストレスから不登校や情緒不安定になってしまう問題のことを言います。ギャップとは、つまり、中学生での新しい生活に馴染めないということです。では、中1ギャップが起きる原因を簡単に見ていきましょう。
新しい人間関係
小学校からの友人だけではなく、違う小学校から来た新しい友人や、先輩、先生など、新しい人間関係を築く過程をストレスに感じる子もいます。
授業スタイルの変化
小学校までの全教科担当制から、教科別分担制へと変化するので、教科によってノートの取り方に違いがあるなど、慣れるまでに時間がかかってしまう場合があります。
自由な時間が減る
小学生よりも授業時間が長く、部活動もはじまることにより、お子さんの自由時間が極端に減ってしまいます。このことを窮屈に感じてしまう子も少なくありません。
勉強への不安
中学になると、定期テストでの順位がでることで、クラス内での自分の立ち位置が明確になってしまいます。また、授業のスピードについて行けないなど、勉強面に不安を持つ傾向にあります。
お子さんが中1ギャップに陥らないことが一番ですが、ギャップを感じているようであれば、ママやパパがいち早く気づき、話を聞いてあげて下さい。難しい年ごろなので、一筋縄ではいかないかもしれませんが、お子さんにとって、自分の家族が支えてくれることが、何よりも頼もしいと感じるはずです。お子さんが安心して中学へ通える環境づくりを目指しましょう。