地頭がいい子供の育て方に関する記事

『地頭がいい子供の育て方~IT企業が求める能力の身につけ方』

地頭がいいとは知識量の多さとは異なる能力の高さで、生来持っている遺伝した能力だけでなく、幼児期の育て方によって異なってきます。IT企業の就活でも面接で試される能力ですので、幼少期からの接し方を知って高めてあげましょう。

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地頭がいいとは?IT企業の仕事で求められる能力を育てた体験談

地頭がいいとは、学校教育で与えられたものではなくその人が本来持っているもので、どのような状況でも自分で物事を考え、自分なりに答えや方向性を導き出して問題を解決する能力が高いという意味です。

学力の高さを指す意味ではありませんが、IT企業では面接で知識量より地頭がいい人を採用するほど、就職にも関係する重要な能力。

こちらでは、地頭がいい子供の特徴、仕事で求められる地頭力、地頭がいい子の育て方、地頭がいい子の子育て体験談をご紹介します。子供の能力は遺伝+環境で作り上げられますので、ぜひ地頭がいい子に育つ子育てを意識して行ってみましょう。

褒め言葉なの?地頭がいい子供の特徴

「地頭がいい」を「じとうがいい」「じがしらがいい」と読む人がいますが、正しい読み方は「じあたまがいい」です。

家庭訪問などで「地頭がいい子なんですけどね」なんて先生から言われた経験があるママもいるでしょう。けれど地頭がいいという言葉の意味を知らないと、何となく「褒め言葉なの?残念な子ってこと?」とモヤモヤしてしまいます。

「地頭がいい」という言葉そのものは、現代社会で求められる能力が高いという褒め言葉ですが、そもそも地頭がいい子って、どんな特徴がある子供なのでしょう?

理解力が優れている

地頭がいい子供の特徴としてよく言われるのが「理解力」。地頭のいい子には、知識や経験がない分野でも教わったことをすぐに理解できる子が多いのです。

学校では授業で教わったことへの理解が早い反面、解らないことも当然あります。けれど地頭のいい子は、子供に多い「どこがわからないのかわからない」という状態が少なく、どこが解からないのかを正しく理解しています。

考えることが好き

地頭がいい子供は、自分から進んで考えることが好きです。

近年「自分のことですら、まるで他人事のように無関心な子供や若者が増えた」と耳にする機会が増えています。確かに自分達が子供の頃に比べて、学校での勉強・習い事・手伝いなど、自分や自分達のことを「やらされている」と感じ、目の前の問題や将来について深く考えずに何となく過ごしている子供が増えたと感じている人は多いでしょう。

文部科学省では2020年度からの学習指導要領改訂に「アクティブラーニング」を導入し、自分から進んで考えて行動できる主体性を子供達に身につけさせようとしています。

トラブルに冷静に対応できる

生きていると様々なトラブルに直面しますが、地頭力が高い人は問題が起こった際、自分なりに冷静に結論から仮説を立たり、全体を見て考えたり、逆に単純に考えたりと試行錯誤して問題解決の方法を導きだします。

地頭がいい子もトラブルの際に本来の頭の良さで冷静に、そして論理的に考えてトラブルを解決しようとするのです。

けれど「おとなしい子、子供らしくない子」と親や学校の先生から心配してしまうこともあります。本人は親が思う程の苦痛を感じていないことが多いのですが。

チャレンジ精神が旺盛

マネジメントの父と呼ばれる経済学者のP.F.ドラッカーも「優れている人ほど多くのミスを犯すが、それは多くの新しいことをしようとするからだ」と言っていますが、地頭がいい子は明るく前向きで、いつも考え抜いて解決策を見つけるため、新たな物事にチャレンジしていく勇気があります

もちろん同じ失敗を繰り返さないように努めることを怠りません。

他人と円満な関係を築こうとする

人間一人ができることにはどうしても限りがありますが、他人と協力すれば不可能を可能に変えられるほどのパワーが生まれます。ただし周囲の力を借りて物事を成し遂げるには、円滑なコミュニケーション能力が必要です。

地頭がいい子はコニュニケーション能力に長けているという特徴があるため、周囲と協力関係を築いて自分一人ではなしえないことを可能にすることができます。

就職活動や仕事で求められている地頭力

「地頭力」とは、何とかして問題を解決しようとする能力で、知識量ではなりません。

近年、就職活動の際の面接で「地頭力」を問う問題が出題されることが多くなりました。マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏の面接試験で問われた「マンホールのフタはなぜ丸いのか?」という問題はとても有名。聞いたことがあるママやパパも多いことでしょう。

「地頭力」を問う問題の一例

  • 日本全国にある電信柱の数は?
  • 世界で一日に食べられているピザの枚数は?
  • 都内にいる調律師の数は何人?

地頭力が乏しい人の場合、「そんなのわかるわけない!」と頭ごなしに回答を諦めるでしょう。けれど地頭力の高い人は試行錯誤して答えを導き出します

例えば調律師の数の問題の場合…

  1. 都内の人口を1000万人と想定する
  2. 1世帯当たりの人数を約2人と仮定
  3. 20世帯に1台ピアノがあると仮定
  4. 都内の園や学校の数を5000校、保有台数を平均3台と仮定
  5. ピアノを調律する回数は年に1回と仮定
  6. 調律師が1日に調律できる台数を3台とする
  7. 調律師の年間労働日数を週休二日制と仮定
  8. 1~7から、都内の世帯数は500万世帯、総ピアノ数は500/20万台+15000台、調律師の年間調律台数は250×3台、都内の調律師の数は354人程度と答えを導き出します。

フェルミ推定と呼ばれるこの論理的思考力を問う試験問題は、近年多くのIT企業で面接時に行われるようになってきています。採用側が知りたいのは、こうした答えを導き出す地頭力があるかどうか。

導き出した数値は正確な数値ではありませんが、答えの導き方さえ見つけられれば、正確な数値を後で調べて再計算するだけで答えが得られるのですから、それほど重要ではないのです。

IT化が進み、世界中でSTEM教育に力が注がれています。子供の将来を本当に心配するのであれば、知識の詰め込みばかりに力を注ぐよりも、どのような状況でも冷静に問題を解決しようとする地頭力を鍛えることが重要でしょう。

地頭がいい子の育て方

地頭がいい子に育てるには、とにかく考えることを好きにさせることが大切です。「考えるといいことがある」というスイッチが入れば、子供は喜んで考えようとするようになるでしょう。

6歳までに脳の神経細胞の90%が完成すると言われていますので、頭がいい子を育てるには、幼少期からの親の取り組みが大切です。

健全な環境で愛情をたっぷり注ぐ

物事を深く考えて行動するのは、とても疲れることです。当然多くのエネルギーが必要になります。食事や睡眠、衛生など基本的な生活習慣が身につく健全な環境で愛情をたっぷり注がれて育った子供は、情緒が安定して物事をスッキリ考えやすくなります

逆に両親が喧嘩ばかりの不安定な環境では、不安や恐怖から何かを集中して考えることが困難になったり、何かに取り組むエネルギーそのものが不足してしまったりすることもあります。

家庭環境が悪いと地頭がいい子になられない?

家庭環境に問題があったからこそ自立への意欲が高まり、考えることで苦難を乗り越えて地頭力がついた人も大勢います。ただし全ての子供がそうとは言えません。

生活リズムの乱れは子供の心身に悪影響を及ぼすことが明らかになっていますので、家庭環境の改善が困難な場合も、「早寝・早起き・朝ごはん」などの基本的生活習慣はきちんとみにつくように幼児期のしつけをしてあげましょう。

すぐに答えを教えない

愛情を注ぐということは不必要に依存させるということではありません。「これ何?どうして?」と可愛い我が子に質問されたら、つい「これは、〇〇だよ」と教えたくなりますが、毎回教えてもらってばかりでは子供自身が考える必要がなくなってしまいます。指示出しについても同様です。

「何だろうね、何だと思う?」「どうしたらいいと思う?」と、まずは質問してみましょう。
とんちんかんな回答をすることもありますが、ユニークな発想は自由な心を持つ幼少期特有の長所でもあります。「なるほど、発想が面白い!」と褒めてあげるとよいでしょう。

自由に遊ばせる

子供と一緒に遊ぶ際、「これはね、こうやって遊ぶんだよ」とおもちゃの使い方や遊び方などを指導しがちですが、まずは自由に遊ばせてみましょう。使い方は子供に質問されたり、使い方が分からず飽きて投げ出してしまったりしてから教えても遅くはありません。

新しいおもちゃや見慣れない道具を目にすると、子供は使いたくてうずうずしてきます。そして手渡された瞬間から、親が何も言わなくても「どうやったら遊べるんだろう?」と自然に考え始めます。このようにまず「どうすれば問題を解決できるだろう」と考えることこそが地頭力を育むのです。

多くの人との関わりを持たせる

「人は自分の鏡」と言われるように、相手を傷つければ自分も傷つけられ、相手を疑えば自分も疑われ、相手を信頼すれば自分も信頼されやすくなります。

幼少期から多くの人と接している子供は、人に助けられたり優しくされたりする経験を増やすことがき、他人を受け入れやすくなるため、コミュニケーション能力を高めやすくなるのです。

読み聞かせをする

今回お寄せいただいた体験談を見ると、地頭がいい子供のママさんは子供が幼いころから「読み聞かせ」をしていました。

絵本の読み聞かせは相手の気持ちを理解したり、語彙力や想像力を高めたりするのに一役買ってくれるため、コニュニケーション能力を高めるのに役立ちますし、知的好奇心を高めるなどの様々なメリットがあります。

地頭がいい子に育った!子育て体験談

必ずしも勉強ができるとは限らない地頭がいい子供達。評価基準はあいまいですが、母親目線で「うちの子って地頭がいい子供」と感じる人も。

どのような点で「地頭がいい」と感じ、どのような子育てをして地頭がいい子供に育てたのかを体験談で教えてもらいましょう。

ぴこぴこ
40代後半

塾に行かず、自分で考えて、高校大学合格

うちに子は今21歳の大学3年生です。うちの子は地頭がいいと感じたのは中学生の頃だったと思います。

まずは周りにいつも友達がいて、みんなから慕われているところを見たとき。そして周りは塾に行き始める頃「塾に行くという無駄なことをしなくても、自分で勉強すれば高校なんて受かる」と言って塾に行かないと言い出した時です。

その言葉通り自分なりの勉強法を考え、毎日勉強し、地元のトップの公立高校に合格しました。この2つの状況を見て、うちの子は地頭が高いと思いました。

幼少期に特別なトレーニングをした覚えはないのですが、例えば恐竜に興味を持ったら恐竜の図鑑を買ってあげる、車に興味を持ったらミニカーを買ってあげたなど、成長する過程で興味を持ったことを肯定するようにしていました

勉強は好きで、中高生の頃はトップクラスにいましたし、大学でも上の方のようです。子育ては基本的に楽でした。言ったことはすぐ理解しますし、自分で考えて行動できるので楽だったと思いますが、難しいことでも平気で言ってくるので、親なのに子どもの言っていることを理解するのに苦労することもありました。

これから就活ですが、このような力を発揮して頑張ってほしいと思います。お子さんの地頭をよくしたいのでしたら、お子さんの興味持ったことに協力してあげるといいと思います。興味を持ったことの中でお子さんは色々考えて遊んだりすると思います。

B型ママ
51歳

超マイペースのB型の娘

娘は一見、天然の入った人畜無害のホンワカキャラの子です。現在17歳の女子高生で、普通にミニスカートをはき、アイメイクやリップをして登校しています。はっきり言って超マイペースのB型、あらゆることにおいてのんびりした感じです。

しかし、二年前の中学三年生のときに、志望していた高校にはちょっと無理かもしれない…となったとき、1ランク志望校を下げると思いきや、逆に上げたのです。受験まで5か月を切っていましたが、その後は着実に成績を上げ始め、見事、偏差値67くらいのその志望校に合格しました。塾にも中3から行ってはいたのですが、有名な大手学習塾ではなく、町の無名な塾でした。

ちなみに勉強は自室のデスクでは一切せず、テレビのあるリビングでやります。これは今も。受験以外、またテスト前以外はあまり勉強せず、テレビやゲームは大好きです。学校の成績は上の下、くらいでした。また、習い事はピアノを6歳から15歳まで習わせていました。これはなんらかの、知能作りには関係あるような気がします。

それと小さい頃ですが、できるだけ本を読み聞かせており、絵本をたくさん買いました。毎月2冊ずつ送られてくる定期購読サービスがあり、これは読解力や想像力を伸ばすのに大変役に立ったと思います。一人で本を読むことができると、親としても楽でした。やはり一番のおすすめは小さいうちからの本の読み聞かせが一番だと思います。

しゅまさん
40代前半

新しい環境にすぐなれる長男

二人の息子がいますが、二十歳の大学生の長男はどんな環境の中でもすぐに慣れコミュニケーションが取れる地頭の良い人です。我が家は父親が転勤族だった為、転園、転校が多く、幼稚園は何と三回変わり小学校も三回転校しました。

新しい幼稚園や小学校に行ってもその日から馴染み、何処の園や学校の先生にも「前から居た子の様です」と驚かれるほど。転校したその日に新しい友達を毎回自宅に連れてくるので、親の私も毎回ビックリさせられました。

中学生になってからは今の住んでいる場所に落ち着き転校もなくなりましたが、人付き合いで何かトレーニングした訳でも無く、元々の地頭が良いと言うのか持っている才能なんだと思いました。

我が家の次男は人見知りが激しく、新しい環境に馴染むのに時間が掛かるので尚更そう思います。これから就活が始まりますが、この地頭を使って是非とも頑張って欲しいですね。

地頭を良くしたいと思いのママはいると思いますが、努力の面でいくとコミュニケーション能力の長ける長男より、人見知りの激しい次男の方が、地頭が無い分努力家です。なので、勉強は長男より次男の方がしますし成績も優秀です。地頭を良くしたいと考えるなら、その子個性を伸ばす事を考えてみてはいかがでしょうか?

こかげ
30代後半

価値観の違いに悩んだ日々を乗り越えて勉強に励んだ息子

うちの子は現在15歳です。おっちょこちょいなところもあってとても地頭がいい子とは思わずにきましたが、中学生になってから「この子は地頭がいいかもしれない!」と感じたことがありました。それは「どうしてみんな将来のために頑張らないの?」という疑問を持ったことです。

選択肢を広げ、将来いい暮らしをするためには、いい高校を目指して勉強をしておいた方がいいはずなのに、なぜみんなそれを理解して努力しないのかという悩みを抱えて苦しんでいた時期がありました。

そして友達との価値観の違いによって、心から自分をさらけ出すことができなかったんです。もちろんどう考えるかは人それぞれですが、同じ価値観の友達に出会えずにもがく息子に「高校に行けばきっと出会えるんじゃない?」とアドバイスしてみたんです。

勉強が好きなうちの子はそれ以来、学力が同じような子が集まる高校生活に楽しみが出来たようで、周りは気にせず意欲的に勉強に取り組むようになりました。こんな子ですから理屈っぽくて可愛げがないなと感じたこともあります。しかし、それを周りには出さないようにしているようです。

私にぶつけてきた時は「偏屈者だと思われるから友達には言わない方がいいよ」などと助言しています。子供の地頭を良くしたいママさん、論理的思考力を持つことは素晴らしいことですが、理解してもらえないこともあります。親が受け止めてあげながら他者の考え方も理解させましょう

まるママ
50代前半

苦労知らずで、今はディレクター

地頭が良い子は、現在28歳です。現在放送局に勤務していて、ディレクターをしています。子供のことを地頭が良いと感じ始めたのは、幼稚園に入った年少さんの頃から。その日幼稚園であった出来事を名前とセリフ付きで見事に再現してくれたからです。

幼少期に特別なトレーニングをしたわけではありません。子供は勉強が好きでした。子供の子育てはとても楽でした。ほとんどのことが通じるので、私が話を噛み砕いて伝える必要がなく、話の流れや1日の流れなどが自然とわかるようで、小学校の遠足の前日はお弁当のメニューのリクエストと、必要な食材を書き出したメモを渡されました。

就活はスムーズに行きました。子供の地頭を良くするには、絵本の読み聞かせをして、あえて途中でやめて「このあとどうなると思う?」と尋ねてみるのは良いかもしれません。

カヨ
40代後半

本が好きな子どもがそのまま大きくなりました

現在19歳になる大学生の息子がいます。息子は地頭がいい子だと感じるようになったのは、息子が1歳半になるかならないかぐらいの時でした。絵本が大好きで、2歳になる前から自分で絵本を開いて、絵本に描かれている植物や木の実、魚や動物などを図鑑から探して楽しそうにしていました。

図鑑からそれらを見つけるのがとても早かったのを覚えています。パズルもはじめての時から上手くて、パズルを裏返しても形だけではめることができました。絵本は首が座る前から読み始めて、自分で字を読めるようになるまで毎日読み聞かせしていました。

幼少期のままずっと学ぶことが好きで、学校の成績はいつも良かったです。小さい時からあまりぐずらず、やり易い子で、とにかくよく寝る子でした。本が好きな子に育てると、あとあと楽だと思います。赤ちゃんにたくさん絵本を読み聞かせしてあげるといいと思います。

かずきはは
40代前半

勉強は人並み以下なのに生徒会長へ

地頭がいいうちの子は17歳の高校生です小学校高学年の頃から地頭が良いと思い始めました。学校の勉強にはあまり興味がないのかほとんど勉強しないのに、親戚や知り合いの大人からの質問には的確に応えるこの姿勢はすごいと思いました。

いろいろな場所に連れていきました。基本的に家の中にいても子供の頭は成長出来ないと考え、飲食店やレジャーのする場所だけに限らず、いろいろな場所に連れていきました。

小学校のときはほとんど宿題もやらず、ぎりぎりになって親が手伝わないとならない状況。中学でも同じ状況だったのですが、クラスの中で率先的な行動を取ったりしていたので、中学の時には生徒会長になっていました。

地頭が良いと言っても、学力は人並みなので苦労しました。自由にいろいろな事を体験させるべきですね。