片親一人っ子への親の対応に関する記事

片親で一人っ子だと寂しい?逆境をプラスに変える親の対応

片親で一人っ子だと寂しい?逆境をプラスに変える親の対応

片親で一人っ子だと、「子供に寂しい思いをさせている」と親は罪悪感を抱きがち。でも必ずしも寂しいとは限りません。逆境をプラスに変える子もいます。片親で一人っ子でもあまり寂しくなかった人に、親の対応や性格への影響について教えてもらいましょう。

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片親一人っ子はわがまま?寂しい?子供にプラスになる親の対応

母子家庭や父子家庭になると「片親で兄弟もいない一人っ子だから、寂しい思いをさせているはず」と、親としては心配になったり罪悪感を抱いたりすることが多いです。

けれど子供が寂しさを感じるか否か、寂しさがプラスになるかマイナスになるかは、子供の性格、親の環境作りや接し方といった対応によって大きく異なります。

わがままばかりじゃない!片親一人っ子の性格

「一人っ子は、わがままな」という意見をよく耳にします。

確かに片親で一人っ子のため親や周囲が甘やかし、その結果わがままになったと言う人もいますが、必ずしもそういうケースばかりとは言えません。片親だろうと両親が揃っていようと、ワガママになる子もいればその真逆になる子もいます。

母子家庭、父子家庭、未婚のシングルマザーなど、片親で一人っ子という大多数と異なる生育環境を子供に与えた親は、罪悪感を持ったりコンプレックスを子供に連鎖させてしまったりする傾向があります。

けれど一見マイナスと思われがちな片親一人っ子という生育環境でも、「親のお蔭で人格形成にプラスの影響があった」という人もいるんです。

親の人格や接し方などの対応が優れていれば、たとえ片親で一人っ子であっても、子供自身が逆境をプラスに変えられる性格に成長させることはできるのです!

今回お寄せいただいた片親一人っ子の体験談を見ても、次のような性格面への良い影響があったと語られています。

  • メンタルが強くなった
  • 人の痛みが分かる人間になれた
  • 人に優しくできる人間になった
  • 広い視野で物事を見られる性格になった
  • 性格が明るくなった
  • 友達や仲間を多く作れる人格になった

片親一人っ子は寂しい?優れた片親の対応

眠い子供とぬいぐるみ

片親で一人っ子の場合、母子だけであれば同居家族は2人のみ。両親揃っていたり兄弟がいたりする場合は3人以上ですので、1人少ないだけでも家庭内は静かになりやすく、寂しさを感じやすい環境と言えます。

また友達との会話でも父親あるいは母親や兄弟の話題についていけないことがあるなど、片親一人っ子は集団生活で同じ環境の子供が少ないため寂しさを感じやすい状況です。

ところが実際片親一人っ子だった人達に聞いてみると、「子供の頃、あまり寂しさを感じなかった」と言う人もいます。そこには我が子を思う次のような片親の優れた対応があるのです。

  • 祖父母と3世代同居で暮らした
  • 祖父母の家の側に住まわせてくれた
  • 忙しくても一緒に遊んでくれた
  • 自分を1番に考えてくれた
  • 仕事の時は手紙を置いていってくれた
  • 相談するとアドバイスや励ましをくれた
  • ぬいぐるみをくれた
  • 父親役と母親役の両方をしてくれた
  • 休日はいつも遊びに連れて行ってくれた
  • 人を招いて賑やかな環境を作ってくれた
  • できるだけ一緒にいられる仕事を選んでくれた

片親一人っ子の男性の体験談

片親で一人っ子だった男性の体験談では、忙しくてあまり家にいない母親でも、男の子の遊びを一緒にしてくれるなど、自分(子供)の気持ちを一番に大切にしてくれたことが嬉しい記憶として残っていました。

性格への影響についても、「優しい性格になれたと思う」などのプラス面も見られました。

母親が子供に実感できる愛情を与え続けたことにより、困難をプラスに変える勇気を持つことができたのです。

ぼん
30歳

いつも1番に考えてくれた

キャッチボールをする親子のイラスト

男性です。母子家庭で育ちました。家族3人で暮らしていましたが、小学生の頃に両親が離婚をしました。それ以降は母と2人で生活をしていました。父親がいなくても寂しくないように、母は父親的な役割もしてくれました。

キャッチボールやサッカーの練習に付き合ってくれました。仕事で忙しい中でも、きちんと遊んでくれたので、寂しい思いをせずに済みました。そのおかげで「父親がいなくても立派に育たなければ」と思い、メンタルが強くなりました

また「人に優しくしないとバチが当たる」と教えられたため、優しくしないと納得できない性格になりました。

現在も母親とは非常に仲が良く、いろいろな話しをします。母子家庭でも立派に育つことができますので、あまり心配しないで、子どもを信じてあげてください。

雄二
33歳

祖父母と同居で、いつも明るい家庭でした

私は33歳の男性です。母子家庭で育った一人っ子です。今も母と2人暮らしで仲良く暮らしています。私が物心つく前に両親は離婚していたので、父親を直接見たことは未だにありません。とはいえ祖父母と一緒に住んでいたので、別に寂しいということはありませんでした

また当時母はスナックで働いていて平日は全く一緒にいなかったのですが、その分色々ワガママを許してくれました。ただその分我慢できない性格になり、すぐ顔や態度に出てしまうため指摘されがちです。短気で怒りっぽい面があるのは否定できません。

子供はよく見ています。例えば子供に「どうして私にはみんなと違ってパパ(ママ)がいないの?」なんて聞かれ、上手くごまかし「バレてないな」と思っても、子供は気付いています。だから変にごまかすくらいなら、全て話すか絶対に話さないかハッキリ決めておくべきと感じます

ねこぱんち
30代後半

家庭は笑顔が多かったです

現在30代後半の男です。父親がお酒好きで暴力をふるう人だったので母親は離婚し、母子家庭で母親と2人で暮らしていました。私を育てる為に朝早くから夜遅くまで一生懸命仕事をしていましたが、休みの日には私の好きな釣りにも一緒に行ってくれました。

1人っ子だったので多少人見知りも多かったのですが、他の同級生よりも苦労していた分、人に優しくできる性格になった気がしています。

母子家庭で私を大きくなるまで育てるのは金銭的にも体力的にもとても大変だったと思います。他の家と違って片親で育ったので、小さい頃は負い目に感じていたりもしましたが、大人になった今ではどこの親よりもとても尊敬できる母です。

ゆいパパ
30代前半

母は私にゴマちゃんぬいぐるみをくれました

砂浜に描いたゴマちゃんの絵

私は現在30代前半の男性です。私は一人っ子の母子家庭で育ちました。私が物心ついた頃にはすでに父はいませんでした。中学生の頃に知りましたが、私が生まれてすぐに母と私を捨てて若い女性と駆け落ちしたと祖母から聞きました。

私には父親はいませんでしたが祖父が父親の代わりをしてくれましたし、男親ならではの遊び等も学びました。母は仕事を掛け持ちしていたせいでほとんど家にいませんでしたが、いつも手紙を短い文ですが置いていってくれました。

私もその手紙に返事を書いて、手紙で色々な出来事や悩みを報告してまた。アドバイスや励ましが母の手紙に書いてありました。片親だったからこそ人の心の痛みがわかる人間になれたんだと思います。

そんな母も3年前から認知症をわずらい、私が仕事を辞めて2年在宅介護したのち昨年看取りました。感謝していたので18歳から続けてきた仕事でしたが、母の残された時間を共に過ごすために自己退職しました。

私がやはりそうでしたが子供には誰が父親だろうが母親だろうが関係ありません。その子(私も含めて)愛されているときちんと実感出来るような方法で接して下さい。「忙しい」だの、「片親だからしょうがない」などと言っても、それは言い訳です

片親一人っ子の女性の体験談

片親で一人っ子だった女性の体験談では、寂しいと感じない人もいましたが、寂しさを感じても親の対応により勇気づけられている人が多く見られました。

人格形成についても、親の作ってくれた環境のお蔭で明るくなったり、親を思って何も言われなくても家事を手伝ったりと、社会に出てからプラスになる影響を受けた人が多かったです。

さやかママ
37歳

土日は賑やかな環境を作ってくれた

ハイキングする親子

現在は子育て中の主婦の私は、小学生の頃に父親が病気で他界し、一人っ子だったためその後は母と二人暮らしでした。母は家計のために正社員で働きに出ていたため、私は学校が終わると学童へ。学童が終わって家に帰ってもカギっこで一人であった寂しさは今でも忘れていません。

けれど母は土日になると仕事仲間と一緒にハイキングに連れて行ってくれたり、たまに夜子供がいる親達とお酒を飲み、その子供達と私が遊べる場を作ってくれたりしていました。たった二人きりの家族だったのですが、賑やかな場を知れたお蔭で私の性格も明るくなったと思います。

母の収入だけで大学まで出してくれて、とても感謝しています。今は私の子育ても楽しみながら手伝ってくれます。

片親でも仕事を優先しないといけない場面はあると思います。お子さんはそんな様子を寂しく思っていると思いますが、折に触れて気にかけていることを態度や言葉で表すと、きっと状況をわかってくれると思います。私がそうでした。

片親で一人っ子だと何も言われなくても忙しい親に代わって家事を手伝ったりする子も多いと思います。子供時代からたくさんのことを学ぶことができ、大人になって振り返ると「よかったかも」と思えるかもしれません。

さら
34歳

寝る間を惜しんで私との時間を最優先してくれた

30代女性です。私は一人っ子の片親、母子家庭で幼少時代を過ごしてきました。詳しくは知りませんが、父が家を出て行き新しい家庭を作ったそうです。父が出て行ってからは母と祖母との3人暮らしになりました。

母は私が寂しい思いをしないように、私が寝てからの仕事をしていました。なので、朝も学校から帰ってきてからも、寝るまで母と一緒にいたので寂しくはありませんでした

母が私にしてくれたことは、私の人格形成にプラスになったと社会に出てから実感しました。片親の一人っ子だったので、人よりは寂しがりやかもしれませんが、仲間は多く友達はたくさんいます。母には感謝してもしきれません。今は私が母となり、母の偉大さをより実感しています。片親でも子供に向き合っていてくれれば、子供は必ず幸せです。

まつあい
30歳

休日はお出掛けに連れて行ってくれた

私は幼少期の頃母子家庭でした。母と私の女2人で二人三脚の生活をしていましたが、母は毎日忙しく働いている中でも休みの日に2人だけで出掛けてくれ、それが一番の楽しみでした。

そのため母子家庭だからといって寂しい思いや不自由な思いをすることなく育つことができました。また周りの環境にも恵まれ、お隣に住んでいるご近所さんや祖父母も気にかけてくれ、非行に走ることもなく学業や部活に励みました。

片親だから、一人っ子だからと悲観的にならず、母親がしっかりしていれば子どもは真っ直ぐ育ちます。

りんママ
40歳前半

いつも様々な場所に連れていってくれた

動物園の親子

私は女性です。幼い時に両親が離婚してしまったので一人っ子の母子家庭で、幼児~小学生の頃に同居していた家族は母のみでした。母は片親で一人っ子の私が寂しくならないようにと、休日にはいつもお出掛けに連れていってくれました。例えば遊園地や動物園、はたまた映画などです。

母がいろいろな所に連れていってくれたお陰で、私はいろいろな知識が身に付き、広い視野で物事を見られるようになりました。そして自身の人格を形成するにあたり、とてもプラスになりました。

現在親子関係は良好で、母にとても感謝しています。片親で一人っ子を子育て中のお母様またはお父様は、是非時間がある限りお子さんに寄り添って一緒に過ごしてあげて欲しいと思います。

ひよこママ
30代後半

毎日交換日記していました

女性一人っ子です。小学校三年生の時に両親が離婚し、母に引き取られて母子家庭になりました。離婚した原因は父が毎晩遊び歩いて帰ってこなかったことです。家にはお金を入れてくれましたが、家庭のことに興味が全くなかった父に嫌気がさし、母は離婚を決めたそうです。

母は実家に私を連れて帰り、祖母と三人で暮らしていました。母は父と別れてから働かないといけなくなり、朝から晩まで働くようになりました。私が寂しがらない様に交換日記をしようと提案してくれて、忙しい時でも日記を必ず書いてくれていたので全く寂しくなかったです。

また優しい祖母が支えてくれたのも良かったと思います。母が常に私を思ってくれていたお陰か毎日安心した生活が送れ、性格も明るくなり、お手伝いをしようと思う様にもなったので、人格形成にはプラスになったと思います。

私は結婚して実家を離れましたが、現在も母との親子関係は上手くいっており、月に二回は会うほどです。孫もおばあちゃん大好きです。常に思ってくれていると子供が理解できていたら、たとえ親が片親でも一人っ子でも決して寂しくならないです。どんな形でもいいからコミュニケーションを取るようにしていたら大丈夫だと思います。

はゆき
20台前半

必ず手紙をくれたママ

メモ帳を共有する親子

一人っ子だった私を、母は女手一つで育ててくれました。私が生まれてすぐに離婚したらしく、父の顔は全く覚えていません。祖父母の家が近くにあり、あまりに寂しい時は遊びに行っていました。

小学生の頃から1人でご飯を食べることも少なくありませんでしたが、母が必ず手紙を残しておいてくれました。可愛いイラストが添えられたその手紙を読むと、なぜか寂しさが和らぎました。

今片親で子育てをされている方々も、直接ではなくともメモでのコミュニケーションでも子供は嬉しく思っています。無理のない範囲で手紙を書いてみるのもいいかもしれませんね。

片親一人っ子には笑顔で寄り添って!

残念ながら子供が寂しさや不満を訴えているのに、子供の気持ちに寄り添わない親もいます。「寂しくないでしょ!おじいちゃんおばあちゃんがいるんだから」「おかしな父親がいる子供より、あなたの方がよっぽど幸せ」などと言う親に育てられれば、両親が揃っていようと、三世帯同居だろうと、兄弟がいようと、子供は寂しい思いをします。

世界で最も味方でいてくれるはずの親という存在が、自分の苦痛や助けを求める声を無視しているのですから。

その結果、やがて親を信頼できなくなり、ありのままの自分を否定して偽りの姿で生きたり、思春期になって非行に走ったりなど、自分自身を粗末に扱うようになってしまうこともあります。

子供は自分の中のネガティブな感情にいつも寄り添い理解してくれる親という存在がいることで、安心して逆境に立ち向かう勇気を持つことができるのです!

欲しがる物や賑やかな環境を与えることでも、片親一人っ子の寂しさは緩和されます。けれどそれは一時的な効果で、子供の本当の寂しさは満たされません。お金で問題を解決しようとするだけでは次第に愛情が伝わらなくなり、子供がわがままになってしまいかねないのです。

一人っ子の母子家庭や父子家庭の片親は、子供と一緒にいられる時間を大切にして、笑顔を見せることで子供を安心させるように心掛けましょう。また、子供の話しをしっかりと聞くようにしましょう。話す時間が作れない時は、手紙で気持ちを伝え合いましょう。

親にとっては根気のいることですが、子供にとってはアドバイスよりも話しを聞いてもらい「そう、辛かったね」「寂しかったね」「いつも我慢してくれてありがとう」といった心に寄り添う言葉をもらえる方が、ずっと親の愛情が伝わるのです。