片親一人っ子はわがまま?寂しい?子供にプラスになる親の対応
「片親で、しかも兄弟もいない一人っ子。寂しい思いをさせているのではないか」——母子家庭・父子家庭で子育てをしていると、そんな心配や罪悪感を抱くことは少なくありません。
けれど、子供が寂しさを感じるかどうか、その寂しさがプラスに働くかマイナスに働くかは、子供の性格や、親の環境づくり・接し方によって大きく変わります。この記事では、片親一人っ子の性格や寂しさとの向き合い方を、実際に片親一人っ子として育った10人の体験談とともに紹介します。同じ立場で悩む方が、明日からの関わり方のヒントを得られる内容です。
わがままばかりじゃない!片親一人っ子の性格
「一人っ子はわがままになりやすい」という声をよく耳にします。
確かに、片親で一人っ子だと親や周囲がつい甘やかし、その結果わがままになるケースもあります。しかしそれがすべてではありません。片親でも両親がそろっていても、わがままに育つ子もいれば、その逆の子もいます。家族構成そのものより、日々の関わり方のほうがずっと大きく影響します。
母子家庭・父子家庭・未婚のシングルマザーなど、身近に同じ環境の家庭が少ないと、親が罪悪感を抱え込んだり、その不安を子供に伝えてしまったりすることがあります。
一方で、一見ハンデに見える片親一人っ子という環境でも、「親のおかげで人格形成にプラスになった」と振り返る人が大勢います。
親の接し方が温かく一貫していれば、片親で一人っ子であっても、子供は逆境をプラスに変える力を育んでいけます。
今回寄せられた体験談でも、次のような性格面への良い影響が語られました。
- メンタルが強くなった
- 人の痛みが分かる人間になれた
- 人に優しくできる人間になった
- 広い視野で物事を見られる性格になった
- 性格が明るくなった
- 友達や仲間を多く作れる人格になった
片親一人っ子は寂しい?寂しさを和らげた親の対応
片親で一人っ子の場合、母子または父子だけなら同居家族は2人。両親がそろっていたり兄弟がいたりする家庭より人数が少ないぶん、家の中は静かになりやすく、寂しさを感じやすい環境ではあります。
友達との会話で父親(母親)や兄弟の話題についていけないなど、まわりに同じ環境の子が少ないことで寂しさを感じやすい場面もあります。
ところが、実際に片親一人っ子として育った人に聞くと、「子供の頃、あまり寂しさを感じなかった」という声も少なくありません。そこには、我が子を思う次のような工夫がありました。
- 祖父母と3世代同居で暮らした
- 祖父母の家の側に住まわせてくれた
- 忙しくても一緒に遊んでくれた
- 自分を1番に考えてくれた
- 仕事の時は手紙を置いていってくれた
- 相談するとアドバイスや励ましをくれた
- ぬいぐるみをくれた
- 父親役と母親役の両方をしてくれた
- 休日はいつも遊びに連れて行ってくれた
- 人を招いて賑やかな環境を作ってくれた
- できるだけ一緒にいられる仕事を選んでくれた
片親一人っ子の男性の体験談
片親で一人っ子だった男性の体験談では、忙しくてあまり家にいない母親でも、男の子の遊びを一緒にしてくれるなど、自分(子供)の気持ちを一番に大切にしてくれたことが、うれしい記憶として残っていました。
性格への影響についても、「優しい性格になれたと思う」といったプラス面が多く見られました。実感できる愛情を注がれ続けたことで、困難を前向きに変える力を得られたのです。
いつも1番に考えてくれた
男性です。母子家庭で育ちました。家族3人で暮らしていましたが、小学生の頃に両親が離婚をしました。それ以降は母と2人で生活をしていました。父親がいなくても寂しくないように、母は父親的な役割もしてくれました。
キャッチボールやサッカーの練習に付き合ってくれました。仕事で忙しい中でも、きちんと遊んでくれたので、寂しい思いをせずに済みました。そのおかげで「父親がいなくても立派に育たなければ」と思い、メンタルが強くなりました。
また「人に優しくしないとバチが当たる」と教えられたため、優しくしないと納得できない性格になりました。
現在も母親とは非常に仲が良く、いろいろな話しをします。母子家庭でも立派に育つことができますので、あまり心配しないで、子どもを信じてあげてください。
祖父母と同居で、いつも明るい家庭でした
私は33歳の男性です。母子家庭で育った一人っ子です。今も母と2人暮らしで仲良く暮らしています。私が物心つく前に両親は離婚していたので、父親を直接見たことは未だにありません。とはいえ祖父母と一緒に住んでいたので、別に寂しいということはありませんでした。
また当時母はスナックで働いていて平日は全く一緒にいなかったのですが、その分色々ワガママを許してくれました。ただその分我慢できない性格になり、すぐ顔や態度に出てしまうため指摘されがちです。短気で怒りっぽい面があるのは否定できません。
子供はよく見ています。例えば子供に「どうして私にはみんなと違ってパパ(ママ)がいないの?」なんて聞かれ、上手くごまかし「バレてないな」と思っても、子供は気付いています。だから変にごまかすくらいなら、全て話すか絶対に話さないかハッキリ決めておくべきと感じます
家庭は笑顔が多かったです
現在30代後半の男です。父親がお酒好きで暴力をふるう人だったので母親は離婚し、母子家庭で母親と2人で暮らしていました。私を育てる為に朝早くから夜遅くまで一生懸命仕事をしていましたが、休みの日には私の好きな釣りにも一緒に行ってくれました。
1人っ子だったので多少人見知りも多かったのですが、他の同級生よりも苦労していた分、人に優しくできる性格になった気がしています。
母子家庭で私を大きくなるまで育てるのは金銭的にも体力的にもとても大変だったと思います。他の家と違って片親で育ったので、小さい頃は負い目に感じていたりもしましたが、大人になった今ではどこの親よりもとても尊敬できる母です。
母は私にゴマちゃんぬいぐるみをくれました
私は現在30代前半の男性です。私は一人っ子の母子家庭で育ちました。私が物心ついた頃にはすでに父はいませんでした。中学生の頃に知りましたが、私が生まれてすぐに母と私を捨てて若い女性と駆け落ちしたと祖母から聞きました。
私には父親はいませんでしたが祖父が父親の代わりをしてくれましたし、男親ならではの遊び等も学びました。母は仕事を掛け持ちしていたせいでほとんど家にいませんでしたが、いつも手紙を短い文ですが置いていってくれました。
私もその手紙に返事を書いて、手紙で色々な出来事や悩みを報告してまた。アドバイスや励ましが母の手紙に書いてありました。片親だったからこそ人の心の痛みがわかる人間になれたんだと思います。
そんな母も3年前から認知症をわずらい、私が仕事を辞めて2年在宅介護したのち昨年看取りました。感謝していたので18歳から続けてきた仕事でしたが、母の残された時間を共に過ごすために自己退職しました。
私がやはりそうでしたが子供には誰が父親だろうが母親だろうが関係ありません。その子(私も含めて)愛されているときちんと実感出来るような方法で接して下さい。「忙しい」だの、「片親だからしょうがない」などと言っても、それは言い訳です
片親一人っ子の女性の体験談
片親で一人っ子だった女性の体験談では、寂しさを感じなかった人もいれば、寂しさを感じても親の対応に勇気づけられた人も多く見られました。
人格形成の面でも、親がつくってくれた環境のおかげで明るくなったり、忙しい親を思って自分から家事を手伝ったりと、社会に出てからプラスになった影響が多く語られています。
土日は賑やかな環境を作ってくれた
現在は子育て中の主婦の私は、小学生の頃に父親が病気で他界し、一人っ子だったためその後は母と二人暮らしでした。母は家計のために正社員で働きに出ていたため、私は学校が終わると学童へ。学童が終わって家に帰ってもカギっこで一人であった寂しさは今でも忘れていません。
けれど母は土日になると仕事仲間と一緒にハイキングに連れて行ってくれたり、たまに夜子供がいる親達とお酒を飲み、その子供達と私が遊べる場を作ってくれたりしていました。たった二人きりの家族だったのですが、賑やかな場を知れたお蔭で私の性格も明るくなったと思います。
母の収入だけで大学まで出してくれて、とても感謝しています。今は私の子育ても楽しみながら手伝ってくれます。
片親でも仕事を優先しないといけない場面はあると思います。お子さんはそんな様子を寂しく思っていると思いますが、折に触れて気にかけていることを態度や言葉で表すと、きっと状況をわかってくれると思います。私がそうでした。
片親で一人っ子だと何も言われなくても忙しい親に代わって家事を手伝ったりする子も多いと思います。子供時代からたくさんのことを学ぶことができ、大人になって振り返ると「よかったかも」と思えるかもしれません。
寝る間を惜しんで私との時間を最優先してくれた
30代女性です。私は一人っ子の片親、母子家庭で幼少時代を過ごしてきました。詳しくは知りませんが、父が家を出て行き新しい家庭を作ったそうです。父が出て行ってからは母と祖母との3人暮らしになりました。
母は私が寂しい思いをしないように、私が寝てからの仕事をしていました。なので、朝も学校から帰ってきてからも、寝るまで母と一緒にいたので寂しくはありませんでした。
母が私にしてくれたことは、私の人格形成にプラスになったと社会に出てから実感しました。片親の一人っ子だったので、人よりは寂しがりやかもしれませんが、仲間は多く友達はたくさんいます。母には感謝してもしきれません。今は私が母となり、母の偉大さをより実感しています。片親でも子供に向き合っていてくれれば、子供は必ず幸せです。
休日はお出掛けに連れて行ってくれた
私は幼少期の頃母子家庭でした。母と私の女2人で二人三脚の生活をしていましたが、母は毎日忙しく働いている中でも休みの日に2人だけで出掛けてくれ、それが一番の楽しみでした。
そのため母子家庭だからといって寂しい思いや不自由な思いをすることなく育つことができました。また周りの環境にも恵まれ、お隣に住んでいるご近所さんや祖父母も気にかけてくれ、非行に走ることもなく学業や部活に励みました。
片親だから、一人っ子だからと悲観的にならず、母親がしっかりしていれば子どもは真っ直ぐ育ちます。
いつも様々な場所に連れていってくれた
私は女性です。幼い時に両親が離婚してしまったので一人っ子の母子家庭で、幼児~小学生の頃に同居していた家族は母のみでした。母は片親で一人っ子の私が寂しくならないようにと、休日にはいつもお出掛けに連れていってくれました。例えば遊園地や動物園、はたまた映画などです。
母がいろいろな所に連れていってくれたお陰で、私はいろいろな知識が身に付き、広い視野で物事を見られるようになりました。そして自身の人格を形成するにあたり、とてもプラスになりました。
現在親子関係は良好で、母にとても感謝しています。片親で一人っ子を子育て中のお母様またはお父様は、是非時間がある限りお子さんに寄り添って一緒に過ごしてあげて欲しいと思います。
毎日交換日記していました
女性一人っ子です。小学校三年生の時に両親が離婚し、母に引き取られて母子家庭になりました。離婚した原因は父が毎晩遊び歩いて帰ってこなかったことです。家にはお金を入れてくれましたが、家庭のことに興味が全くなかった父に嫌気がさし、母は離婚を決めたそうです。
母は実家に私を連れて帰り、祖母と三人で暮らしていました。母は父と別れてから働かないといけなくなり、朝から晩まで働くようになりました。私が寂しがらない様に交換日記をしようと提案してくれて、忙しい時でも日記を必ず書いてくれていたので全く寂しくなかったです。
また優しい祖母が支えてくれたのも良かったと思います。母が常に私を思ってくれていたお陰か毎日安心した生活が送れ、性格も明るくなり、お手伝いをしようと思う様にもなったので、人格形成にはプラスになったと思います。
私は結婚して実家を離れましたが、現在も母との親子関係は上手くいっており、月に二回は会うほどです。孫もおばあちゃん大好きです。常に思ってくれていると子供が理解できていたら、たとえ親が片親でも一人っ子でも決して寂しくならないです。どんな形でもいいからコミュニケーションを取るようにしていたら大丈夫だと思います。
必ず手紙をくれたママ
一人っ子だった私を、母は女手一つで育ててくれました。私が生まれてすぐに離婚したらしく、父の顔は全く覚えていません。祖父母の家が近くにあり、あまりに寂しい時は遊びに行っていました。
小学生の頃から1人でご飯を食べることも少なくありませんでしたが、母が必ず手紙を残しておいてくれました。可愛いイラストが添えられたその手紙を読むと、なぜか寂しさが和らぎました。
今片親で子育てをされている方々も、直接ではなくともメモでのコミュニケーションでも子供は嬉しく思っています。無理のない範囲で手紙を書いてみるのもいいかもしれませんね。
今日からできる!片親一人っ子との関わり方のコツ
体験談に共通していたのは、一緒に過ごす時間の長さそのものより、子供が「愛されている」と実感できる関わり方でした。忙しくても実践できる寄り添い方のコツを整理します。
寂しさをプラスに変える関わり方
- 短い時間でも「あなたが一番大切」と言葉と態度で伝える
- 会えない日は手紙・交換日記・メモでコミュニケーションを続ける
- アドバイスより先に、子供の話を最後まで聞く
- 祖父母やご近所など、頼れる人とのつながりをつくる
- 「どうしてうちは違うの?」には、ごまかさず年齢に合わせて誠実に答える
物やにぎやかさで寂しさを一時的に紛らわせることはできますが、それだけでは本当の安心にはつながりません。大切なのは、子供が「自分は愛されている」と心から実感できることです。
片親一人っ子の子育てでよくある質問
一人っ子は本当にわがままになりやすいの?
家族構成そのものより、日々の接し方の影響のほうが大きいと考えられます。要求を何でも通すのではなく、気持ちには寄り添いつつ、ダメなことは一貫して伝えることで、わがままになりにくくなります。
「パパ(ママ)はどうしていないの?」と聞かれたら?
ごまかすと、子供は敏感に察します。年齢に応じて、子供が受け止められる範囲で誠実に伝えるのがおすすめです。どう答えるかを事前に決めておくと、いざというとき落ち着いて対応できます。
仕事で一緒にいる時間が少なく、罪悪感があります
時間の長さより、関わりの質が子供の安心を支えます。短い時間でもしっかり向き合い、会えない時間は手紙やメモで気持ちを伝えることで、愛情は十分に届きます。
片親一人っ子には笑顔で寄り添って
気をつけたいのは、子供が寂しさや不満を訴えているのに、その気持ちに向き合わない関わり方です。「寂しくないでしょ、おじいちゃんおばあちゃんがいるんだから」「変な父親がいる子より、あなたのほうがよっぽど幸せ」——こうした言葉で気持ちを打ち消されると、両親がそろっていても、三世代同居でも、兄弟がいても、子供は寂しさを抱えてしまいます。
いちばんの味方であるはずの親が、自分の苦しさや助けを求める声を受け止めてくれないと感じるからです。それが積み重なると、親を信頼できなくなったり、ありのままの自分を出せなくなったりすることもあります。
子供は、自分のネガティブな感情にいつも寄り添い、理解してくれる親がいることで、安心して逆境に立ち向かう勇気を持てます。
母子家庭・父子家庭で一人っ子を育てる親は、一緒にいられる時間を大切にし、笑顔で子供を安心させること、そして子供の話をしっかり聞くことを心がけましょう。時間が取れないときは、手紙で気持ちを伝え合うのもよい方法です。
子供にとっては、アドバイスよりも、話を聞いてもらい「そう、辛かったね」「寂しかったね」「いつも我慢してくれてありがとう」と気持ちに寄り添ってもらうことのほうが、ずっと深く親の愛情が伝わります。


