書き初めの言葉~小学生が書いた今年の願い15選
年の初めに書き初めをされていますか。書いたことがない方も、書いたことがある方も、今年はご家族そろって書き初めに挑戦してみませんか。一年の願いを込めて書き初めを書くと、気持ちが引き締まりますよ。
ここでは、小学生が書いた書き初めの言葉を15人の体験談からご紹介します。選ばれた言葉にはそれぞれに意味があり、「なるほど」と感心させられます。練習の仕方も人それぞれで、決まりごとなどありません。形式にとらわれず自由に気持ちを表現している様子は素敵ですね。
書き初めはいつ書くの?
お正月の代表的な行事である「書き初め」は、1月2日に行うのが伝統的です。古くは「吉書(きっしょ)」や「初筆(はつふで)」とも呼ばれ、この日に文字を書くと上達すると信じられていました。
書いた書き初めは、地域の神社のどんど焼きで燃やすのが習わしとなっています。「1月2日に始めたことは長続きする」という言い伝えから始まった書き初めには、「今年はこうしたい」「今年はこうなりたい」という願いを込めた言葉を選ぶと良いでしょう。
元気な子
息子が9歳、小学3年生の時、正月家族全員で書き初めをしました。息子が何を書くのかなと見ていると、「元気な子」と可愛らしい文字で書いていて微笑ましくなりました。
息子にその言葉を選んだ理由を聞くと、私がいつも元気でいて欲しいと言うからだそうです。それを聞いて、私は素直な良い子に育ってくれたことをとても愛しく思いました。
ぶっつけ本番で書いたので文字のバランスが悪く、最初に書いた「元」が半紙の3分の1を占め、お世辞にも綺麗な文字ではありませんでした。しかし、息子の性格そのままの元気いっぱいな可愛らしい字でした。
書道教室に通わせていれば、小学3年生でももう少し綺麗な文字が書けそうなので、通わせようかなと思っています。ですが、息子が一生懸命書いた書き初めは、文字の巧拙に関わらず、心に伝わってきました。
まつ
長男が初めて書き初めをしたのは、小学校の一年生の冬休みの宿題です。それまでに彼が書道をした経験と言えば、幼稚園で月に一度くらいのペースで書道の時間があったようで、彼も書道に対してはそれほど尻込みはしていませんでした。
初めての冬休みの宿題だったので、私はてっきりお題が決まっているものと思っていたら、新しい年を祝うようなお題で自由に書かせてくださいとの学校からの指示でした。
結局、彼は「まつ」という字を選びました。理由を聞いてみたところ、自分が幼稚園の年長のときに「まつ組」で、まつという字を書道で書いたことがあるからということでした。妙に説得力のある理由だったので私も賛成しました。
ですが、いざ書かせてみると、これで本当に提出していいのか?というくらいの出来栄えでした。書道のお手本を書いてくれるようなアプリはないかと探しましたが、なかなか簡単そうなアプリが見つかりませんでした。
アプリは断念して、私がお手本を書くことにしました。もともと小学校時代に書道を習っていたのでそんなに抵抗はありませんでしたが、結局自分があーでもないこーでもないと何枚か書き直している間に、息子は勝手に書き上げて、まあまあの作品を学校に提出していました。
何か賞に入賞するようなことはありませんでしたが、まあそんなものかという具合で、冬休みの宿題だった書き初めは終わりました。
かるた
一年生の冬休みの宿題で出た書き初めのタイトルは「かるた」でした。学年のお題がそれでしたので、特に自分で選んだわけではありません。
それまで筆をもたせたこともなかったので、まずは持ち方、墨のつけ方、文鎮の使い方などから教えました。練習は半紙5枚ほどを余白がないようになるまで行いました。その後、5枚ほどの清書を書いてその中から私が選ぶという方法でした。
何せ初めてなので思うようには書けず、墨をつけすぎる、途中で何度も墨をつける、はねる向きがおかしい、ちゃんと止めないなど、「これが本当にお習字なの?」と思うこともたくさんありました。ですが、何度も書いていくうちに要領がつかめてきたようで、清書から選ぶ時には本当に迷いました。結果、入賞はありませんでしたが、良い経験になったと思います。
お友だち
我が家は毎年お正月に家族全員で書き初めをします。うちの娘はまだ小学3年生の8歳ですが、幼稚園の年中からお習字を習っているので、子供も毎年参加します。今年一年、自分で心がけたいことを筆にしたためます。
主人は「我慢」、私は「健康」、娘は「お友だち」と書きました。みんな練習をせずに、一発勝負で書き上げます。もちろん娘もそうです。その分緊張感も出て、筆に気合が入ります。
我が家では毎年恒例の行事ですが、子供も楽しんでくれています。「今年もお友だちと仲良く、そして大事にしていきたい」という気持ちを込めて書いてくれたそうです。少し緊張が強かったのか文字は震えていましたが、心がこもって上手に書けた一枚だと思います。
お正月
現在4年生の我が子が、3年生の時の冬休みの宿題の課題であった「書き初め」についてお話ししたいと思います。
子供が書いた書き初めの言葉は「お正月」です。書き初めで書く言葉は、自分で選択するのではなく、全員共通の言葉でした。冬休みに入る前に、お手本と清書用の書き初め用紙を5枚もらってきました。
書き初めは、年が明けてから書くものという思いがあったため、1月4日頃に練習をして1日で仕上げました。子供が通う小学校では、3年生から書道を始めるため、我が子にとっては初めての書き初めとなります。
経験がないからか、子供はもらってきた清書用の半紙に、いきなり字を書こうとし始めました。「いつも使っているサイズの半紙で文字の練習をしてから、本番用に書くんだよ」ということから教えることになりました。
約10枚程度、一般的な半紙を本番用の幅に折って練習をしてから、清書に取り掛かりました。「お」という文字のバランスに注意し、「月」の1画目の払いにも注意するように伝えました。5枚の清書のうち、なかなか3文字ともバランスが良く書かれているものがありませんでしたが、一番元気よく書けているものを提出用に選びました。
書き初めは冬休みの宿題だからと子供任せにしておくのではなく、親が横で見てあげて親子の絆を深め、1年のスタートを切ることが大切だと感じています。
新春の光
現在12歳の小学校六年生のお子様のお話です。五年生の時の書き初めの言葉は「新春の光」でした。冬休みの課題の一つで、言葉は学年で指定されていました。毎年小学校で書初め展(体育館に全学年展示)があり、他の方の目に触れるので気合が入るようです。
練習時間はあまりかけないようにさせました。マイペースなので準備に時間がかかりますが、半日で片付けまで終わらせます。集中力がなくなり疲れてくると投げやりになるため、短期決戦にしています。
まずは新聞紙で練習させました。半紙とは感触が違いますが、ウォーミングアップとして黙々と書きます。次に半紙を使います。本番の半紙よりは若干小さいのですが、本番の雰囲気を感じつつ少し練習します。いいものができてきたら本番に移ります。
今年は集中力が切れなかったようで、本人もまずまずの笑顔でした。二枚清書するのですが、毎年言葉と名前が同時にうまくいかないそうです。次の書き初めはどうなるか楽しみです。
輝く日々
今年小学校5年生の娘が選んだ書き初めの言葉は、「輝く日々」でした。毎年冬休みの宿題に書き初めがあるのですが、その言葉は学校で書いたものでもオリジナルで考えたものでも、何でもOKということになっています。
我が家では、冬休み中に新年を迎えるということもあり、可能な限り冬や正月に関わるキーワードを選ぶようにしています。今年は「希望がいっぱいでキラキラ輝ける1年になるように」という願いも込めて、娘と一緒に考えこの言葉にしました。
ただ、書き初めを書くにあたり、ちょうど良いお手本がありませんでした。そこで、娘が通っている習字教室の先生に相談して、自主練習という形で半紙に書く字を見てもらいました。そこで、色々注意やご指摘を受けたものを振り返りながら、家で本番に臨むという流れにしました。
字はまあまあうまく書けたのですが、さすがに半紙と書き初め用の紙はサイズが違うので、バランスをとるのに苦労しました。午後いっぱい時間がかかりましたが、出来栄えとしては合格です。ひらがなや画数の少ない漢字で逃げることなく、難しい言葉を書いた娘を、我が子ながら偉いと思いました。
元気
私の子供は小学校1年生です。書道セットを購入して、初めて挑戦した文字は「元気」でした。1年生にしては難しい漢字でしたが、まず初めは自分の名前(※原文では「自分の名前なので」とあるが、文脈から「元気」のことと判断し修正)なので、書いてみようということでした。私たち親世代も、一度は書写展等で書いたことがある文字だと思います。少し難しいんじゃない?と止めてみましたが、言い出したら聞きませんでした。
まずは、鉛筆書きで漢字の練習から始まりました。読むのは簡単なのですが、実際に書いてみると「気」がとても難しいようで、なかなか紙の中に収まりませんでした。30回程書くとようやく形になってきましたので、いよいよ習字紙に。
ところが、初めて握る筆にしどろもどろ。すぐに動かさないといけないのに、じっとしたままで紙が破けたりにじんだり…そしてやっぱり大きすぎて入りません。これまた30枚程書くことになりました。
なんとか出来上がった1枚は、大きさはいびつですが力強く仕上がっていました。記念に額に入れて飾っています。
初もうで
昨年度の冬、小学校3年生の冬休みの宿題に書き初めがありました。課題は先生からすでに決められており、「初もうで」でした。半紙一枚に4文字書きこむものでした。
冬休み明け3日前に書き初めの存在に気付き、休日で家にいた主人に書き初めを見てやるように頼んで仕事に行きました。帰ってから出来上がりを見ると、ミミズが這ったような字が…。普段から汚い字を書く男児でしたが、想像より酷い出来に脱力しました。
聞けば一発で書き上げたとのこと。主人も子供も「これでいいんじゃない?」と妥協していましたが、私はとても提出できる代物ではないと思ったので、どやしつけて10枚ほど書かせました。今年の冬もまた書き初めがあるのかと思うと憂鬱です。
ひろと
1年生のお子様のお話です。うちの子供が初めて書いた書き初めの言葉は自分の名前でした。通っている書道教室の先生が、入って初めて筆を持って書く字は自分の名前と決めている先生でしたので、自分の名前を書いていました。
書き初めを書くにあたっては、練習などはなく、入って初日に筆を渡されて、その流れですぐに置いてある1枚目に書きました。本人的にはあまり上手にはできなかったようですが、初めて筆を使って字を書きましたし、それが自分の名前でしたので、楽しかったようです。
筆で書かれた自分の名前を見て喜んでいましたし、記念に取ってあります。自分の名前はこれから何度も書くので、何度も練習をして、もっと上手に書けるようになって欲しいと思います。
そら
子どもが一年生の時のお正月に書き初めをしました。地域の子ども会の行事でやりました。「そら」とひらがなで書きました。幼稚園の子どもたちもいたので、ひらがなでみんな書きました。雪が降っていて白くなった空が綺麗だったので、その字に決めました。
練習は家で2回くらいしました。私もあまり教えるほど上手ではないので、一緒に練習しました。うちの子は全てが左利きなので、書きにくいかもしれないと思い、何度か練習しました。普段も書道の時も左で書いています。
本番はまずまず上手に書けたと思います。思っていたより字がうまかったのだなと思いました。毛筆は、普段の書き方とはちょっと違うので、練習してからやったほうが良いと感じました。
等価交換
うちの5年生の長男が、書き初めの宿題で書いた言葉は「等価交換」でした。不動産用語と思われがちですが、ケーブルテレビのアニメチャンネルで見た「鋼の錬金術師」に、頻繁に出てくる言葉です。
少し子どもに見せるには躊躇するシーンもあるアニメーションですが、人生の悲哀や家族愛なども描かれているので、長男はすっかりハマり、「好きな言葉を書いていいよ」という先生のお話を聞いたときに、「等価交換」という言葉が真っ先に浮かんだようです。
好きな言葉ですから、私が買ってきた半紙を30枚くらい使って3日間練習し、本番の学校の半紙に書いていました。出来はなかなかのもので、今まで書いた字で一番きれいに仕上がったかもしれません。
「好きな言葉を書いていい」と言われると、ウケをねらう児童もいて問題視する意見も時には出ますが、好きな言葉だからこそ一生懸命書く場合もあるので、やはりある程度の自由はあってもいいのかな、と思いました。
小川
娘が小学校3年生の時に初めて書いたのが「小川」という言葉でした。この文字は、小学校の担任の先生が指定したもので、当時の国語の教科書から抜粋した文字だと聞いています。「小川」という字は止め、はね、払いが全て入っているので、授業の総復習にもなり良いのではないかと思います。
学年で上手に書けた子は校内の審査を経て、市内の書き初め展に出展されるということで、学校の授業や冬休みの期間中何枚も練習を重ねていたようです。冬休み中の練習は、実際に娘が書いた字と学校で配られた手本と見比べ、注意点・良かった点等を一緒に考えて1枚1枚丁寧に練習をさせました。
学校に提出する前日は、何枚も書いた中から一番良かったものを提出しました。子どもはコツをつかむとかなり上達します。練習前よりも、上手に出来上がりました。
絶対合格
現在中学1年の息子が小学6年のお正月に書いた書き初めの言葉は「絶対合格」です。息子は小学4年の頃から中学受験を志しており、小学6年のお正月は息子にとって、最後の正念場でした。
毎日塾通いの日々の中で、自分を奮い立たせる意味や自信を持たせる意味もあって、この言葉を選んだようです。また、塾の講師の先生から、そういった言葉を常に目に入るところに掲げておくことが受験必勝につながるというような、アドバイスを受けたこともあったようでした。
書き初めは、ぶっつけ本番で書きました。受験は一度きりですし、そういった熱い思いを書き初めに込めたようでした。元々字があまり上手でない息子の書き初めはバランスも悪く、決して上手とは言えませんでしたが、受験合格に込めた熱い思いが伝わってくるような、太くて大きなしっかりした文字でした。
きぼう
娘が小学校二年生のときに書いた書き初めの言葉は、「きぼう」です。二文字の「もち」や「こま」もお正月らしくて良いので迷いましたが、三文字の方がバランスが取りやすく、言葉も好きだと娘が言うので「きぼう」になりました。
幼稚園で習字を教えていただいていましたが、小学校に入ってからは習い事で習字は習っていません。ですから、筆の持ち方などは知っているものの、なかなか思ったように書けないようでした。
私は習字を習っていたので、筆の運び方を教え、お手本を書いてやりました。何枚も練習して上手くなってきたので、本番を書いてみようと言いました。しかし、娘は書いた字が気に入らないようで、あきらめかけていました。
私は娘を励まそうと、筆を少し運ぶたびに、「そう!少し斜め上にあげる」とか「この辺りまで伸ばしてみて」など細かく指示しました。できあがった字は、かなりうまく書けていました。そして賞を取りました。娘は喜んでいましたが、半分は私の力だったので、なんとも後味が悪かったです。