逆上がりを練習しよう!鉄棒でクルッと回れるようになるコツ
逆上がりができないお子様は意外と多いものです。保護者の方の中にも、子ども時代に周りの友達がどんどん逆上がりができるようになり、少し焦ってしまったという経験をされた方もいるのではないでしょうか。
逆上がりは、一人で練習してもなかなか上達しにくい運動です。もし、お子様ができなくて悩んでいるようでしたら、ぜひ保護者の方も一緒に練習をサポートしてあげてください。正しいコツを押さえて、楽しく逆上がりの練習をしていきましょう。
逆上がりができない主な理由
逆上がりが苦手な子どもには、いくつかの共通点があります。まずは、なぜお子様ができないのかを把握しましょう。やみくもに練習しても上達しないばかりか、ますます逆上がりが苦手になってしまうかもしれません。逆上がりができない理由についてみていきましょう。
1.鉄棒への苦手意識や恐怖心がある

体育の授業の中でも鉄棒が苦手という子は多いです。手が鉄臭くなる、手が痛い、お腹が鉄棒に当たって痛い、そしてコツをつかむのが難しいと感じる子もいるでしょう。特に逆上がりは、落ちてケガをするのではないかという恐怖心から、苦手意識を持つ方も多いです。繰り返しの練習の中で恐怖心は徐々になくなっていくので、まずは鉄棒に慣れることから始めましょう。
2.鉄棒の高さが合っていない
逆上がりの練習を始める際は、鉄棒の高さが非常に重要です。実は、鉄棒の高さは高すぎても低すぎてもうまく回れません。適切な高さの目安は、立った時におへそより少し下から胸の高さの間くらいが良いでしょう。この高さなら、腕で引きつけやすく、回転しやすくなります。自分に合った高さの鉄棒を選ぶことが逆上がりの練習の第一歩です。
3.腕が伸びている(引きつけができていない)
逆上がりができない子の中で最も多いのが、鉄棒を握った腕が伸びてしまっている子です。腕が伸びていると、鉄棒とお腹の間に隙間ができてしまい、体を鉄棒に引きつけることができず、うまく回れなくなってしまいます。腕が伸びた状態だと、体に力が入りにくいため、いくら足を蹴っても体を持ち上げられません。まずは腕をしっかり曲げ、お腹と鉄棒をくっつけるように意識しましょう。
4.足の蹴り上げ方が間違っている

逆上がりができない子の中で次に多いのが、足の蹴り方(振り上げ)がうまくできていない子です。足を蹴り上げる際に、多くの子どもは前方に向かって蹴り上げてしまっています。これでは体が上ではなく前に移動してしまいます。正しい蹴り方は、頭上に向かって、真上へ強く蹴り上げるイメージです。逆さまになるのは少し怖いですが、思い切って蹴り上げましょう。
まずはお布団で回転する感覚を覚える
逆上がりを練習する際に、いきなり鉄棒で行ってもうまくいかないことが多いです。怖いという気持ちから思いっきりできなかったり、回転する感覚がつかめず途中で諦めてしまったりと、苦手な子にとってはハードルが高いかもしれません。まずは家の中でリラックスした状態で練習しましょう。回転する感覚を身につけることで、スムーズに鉄棒での練習ができるようになります。
1.後ろに回転する感覚を覚える

後ろ向きに回転する感覚を身につけましょう。この時、鉄棒があることをイメージしながら行います。最初は失敗しても痛くないお布団の上で行うのがおすすめです。まずはお布団の上で体育座りをして、足を抱えて後ろに倒れるように、背中を丸めて回転してみましょう。これが体を丸めるという逆上がりの基本動作になります。
2.座って足を振り上げる練習
慣れてきたら、実際の逆上がりをイメージしながら、足を振り上げて回転する練習をしましょう。これも最初はお布団の上で行うのが安全です。お布団の上で体育座りをし、足を前後にVの字に開いた状態から、後ろ側の足を強く振り上げてみましょう。腰を高く上げるのがポイントです。このとき、目線はおへそを見るように意識します。
さあ!鉄棒で逆上がりを練習しよう
回転するイメージができたら、いよいよ鉄棒で練習していきましょう。最初はドキドキするかもしれませんが、保護者の方がしっかりサポートしてあげることで徐々に慣れていきましょうね。
1.両手を肩幅に開き順手で鉄棒を握る

鉄棒は、両手を肩幅に開いて握りましょう。逆上がりの握り方は「逆手」と思っている人もいるかもしれませんが、基本的に順手(手の甲が上)で行うようにしましょう。逆手は握力がなくても引きつけやすい反面、鉄棒から落ちる危険が高まるため、慣れていないうちは順手の方が安全でおすすめです。
2.体を鉄棒にしっかり引きつける
鉄棒を握ったら、体を鉄棒に近づけるように引き寄せ、お腹と鉄棒をくっつけるイメージを持ちましょう。体が鉄棒から離れた状態で足を蹴り上げると、お腹を打ってしまったり、体が届かなかったりと難易度が上がってしまいます。足の蹴り上げと同時に体を鉄棒に引き寄せるのは腕力が必要なため、初心者にはまず体と鉄棒を近づけることが大切です。
3.足を前後に開き、助走なしで始める

足は前後に開きます。この時、鉄棒をまたぐようにして、蹴り上げる方の足は後ろです。助走をつけて練習していた記憶がある方もいるかもしれませんが、初心者は回るタイミングがつかみにくいので、助走なしで練習を始めるのがおすすめです。慣れてきたら助走をつけて勢いをつけても回れるようになります。
4.腕を曲げたまま、頭上に向かって足を強く蹴り上げる

いよいよ地面を蹴り上げます。この瞬間がとても大切です。足を蹴り上げる際には必ず頭上に向かって思いっきり蹴り上げましょう。この時、足が前方へ流れないように意識します。どうしても体と鉄棒が離れてしまう場合は、タオルや紐を使って、体と鉄棒がくっついているという感覚をつかむ練習も有効です。
5.目線はおへそを意識する
逆上がりがうまくできない子の目線は、大体上を向いていることが多いです。これでは体の力がうまく伝わりません。目線をおへそにするだけで、自然と体が丸まり、回転しやすくなります。頭を下げ、おへそを見ながら回るように意識づけましょう。
6.保護者の方は腰の辺りを支える

なかなかうまくできない子は、保護者の方がサポートする事でコツをつかめることがあります。サポートするときは、腰の辺りを支えてあげましょう。足を蹴り上げた際に筋力がない子は、どうしてもお腹が鉄棒から離れてしまいがちです。お腹と鉄棒がくっつくように、腰を下から上に押し上げてあげるとよいでしょう。体がフワッと浮く感覚を覚えることも、とても大切なことです。
7.回る方向へつま先を向ける
意外と大切なのがつま先の向きです。体を持ち上げられても逆さまの状態で止まってしまう場合、つま先の向きが回る方向に向いてない可能性があります。そうすると、回転の勢いがうまく働かず途中で止まってしまいます。また、踏み切る際の勢いが足りない場合も同様に止まってしまうので、勢いとつま先の向きに気を付けましょう。
8.腕を縮めたまま頭を下げてクルッと回る

ここまできたら、後はクルッと回るだけです。意識するポイントは、最後まで腕を縮めたままで、お腹と鉄棒がくっついていることを確認しながら回ることです。頭が真下に下がる動きと同時に、勢いよくクルッと回りましょう。
逆上がりの成功には筋力も大切!
逆上がりをする際に、鉄棒の握り方、足の振り上げ方、回るコツなどをご紹介してきましたが、技術だけでなく、体を支え、引きつけ、蹴り上げるための筋力も絶対的に必要になってきます。特に、腹筋、背筋、腕の引きつける力(広背筋など)が足りていないと、いくら練習をがんばっても逆上がりができるようにはなりません。
筋力アップのためのトレーニング
技術練習ばかりでなく、筋力が足りないときは、筋力をつけるトレーニングをした方が上達への早道です。しかし、まだ未発達な子どもにとって、無理な筋力トレーニングは危険な場合もあるため、正しい方法で効率的に筋力アップを目指しましょう。
1.鉄棒にぶら下がったままキープ

鉄棒にぶら下がったままキープするトレーニングは、握力と腕の筋力アップに効果的です。鉄棒に慣れるという点でも良い練習です。筋力がない子は、最初はすぐに落ちてしまうかもしれませんが、練習していくうちに徐々にぶら下がっていられる時間が長くなってきます。地道かもしれませんが、根気強く練習していきましょう。
2.手押し車を練習する
腕や肩の筋力アップには手押し車も有効です。保護者の方と一緒に手押し車の練習をしましょう。練習方法としては、お子様がうつ伏せの状態になり、保護者の方が子どもの足を持ちます。子どもは手の力だけで前へ進んでいきます。腕立て伏せが苦手な子も、これなら楽しく行えるのでおすすめです。ただし、転倒のリスクがあるため、必ず保護者の方が目を離さず、安全な場所で行ってください。
3.キックの練習をする
逆上がりには腕の筋力だけでなく、足で地面を蹴り上げる際の足腰の筋力もとても大切になってきます。足の筋力は、キックの練習で強くしていきましょう。空手の前蹴りのように足を高く上げることで、足の筋力だけでなく腹筋も同時に鍛えられます。足を高く上げる動作は、逆上がりのイメージもつきやすいので一石二鳥ですね。
逆上がりの練習をする時の注意点

逆上がりの練習は、一人だとなかなかうまくいきません。子どもだけだと何ができていないのか分かりづらい上に、無理に練習して鉄棒から落ちるなどケガをしてしまいかねません。
子ども達だけで練習させるのも事故につながりやすいので、必ず大人がサポートしてあげるようにしましょう。保護者の方と一緒に練習する事で楽しく練習できるだけでなく、親子の絆も深まることでしょう。
逆上がりができるまで繰り返し練習しよう
逆上がりのコツや練習の仕方をご紹介してきましたが、逆上がりはすぐにできるようになるものではありません。コツをつかむまで、何度も諦めずに練習しましょう。とはいえ、子どもにとっては手にマメができたり、お腹を打って痛かったりと、辛い練習になってしまうかもしれません。
保護者の方がしっかりサポートしながら「絶対できるよ」と励ましてあげて、親子で楽しく練習しましょう。がんばった分だけ、逆上がりができた時の達成感は強くなりますので、ぜひ親子で一緒にがんばってください。