子供の留学はいつがベスト?海外渡航させたママ達のアドバイス
グローバル化が進む現代の日本社会。社内英語公用化を進める日本企業もあり、いっそのこと学生のうちにしっかりと英語や海外文化を身につけさせたいと、子供の留学を検討する親は決して珍しくありません。
ところが母国語以外の言語を身に着けやすい幼少期は親の同伴が必要となり、その後も費用や時期など心配な面が多いため、思いだけで結局うやむやになってしまうご家庭も。
そこでこちらでは、親が子供の留学を心配するポイント、子供の留学の種類、留学にかかる費用、ベストな時期、海外留学をさせた親の年収などの体験談をご紹介します。
親が子供の留学を心配する6つのポイント
海外留学といえば、親が一番心配になるのはやはり「治安」でしょう。そのため子供の留学先を検討する際は、日本人が多く滞在する比較的治安のよい国を選ぶご家庭が多いです。
しかも海外留学といえば「お金持ちの子供の特権」といったイメージも根強くあり、突然子供から「留学したい」と言われたら、とっさに「えっ!ムリムリ」と焦ってしまうママもいます。治安以外で親が心配するのは次の5つのポイントです。
- 費用
- 親の同伴
- ベストなタイミング
- 子供の意思
- 子供の海外生活への不安
こうした留学へのお悩みを解決するために、まずは子供の留学に関する基礎知識を確認しておきましょう。
子供の留学の種類
費用に関しては、子供の年齢や留学の種類によって異なります。まずはどのような種類があるのかを見ていきましょう。
- 短期留学
サマースクールへの参加など、長期休みを利用した数週間の海外生活 - 親子留学
短期と長期があり、主に未就学~中学生が親子で一緒に海外生活をする - 高校留学
現地高校に1学期以上通って、語学力などを伸ばす - 大学・大学院留学
現地大学に数年通って卒業を目指す - 休学・認定留学
大学在学中に休学して、海外の大学に長期留学する - 語学留学
短期と長期があり、ホームステイや寮などに滞在して現地語学学校で学ぶ - ワーキングホリデー
18歳以上、イギリス・カナダ・オーストラリアなどの協定国にて観光・就学・就労ができる
幼児や小学生の子供の留学の場合、親子留学やサマースクールへの参加が一般的です。
また小学生になり子供だけで短期留学をする場合は、自立して生活できることや、困ったことを自主的に相談して気持ちを伝えられることが必須条件となります。
中学生以上は子供だけで参加できる留学プログラムが多数用意されていますが、言葉や文化の違う海外での生活は大人でも辛いと感じることもあるため、本人の意志がなければ費用をかけても語学力を挙げることができず、費用だけを無駄にしてしまうこともあります。
有料の現地サポートは、期待したほど頼りにできないことも多く、最終的には本人の自力でどうにかしようとする意志が必要になります。ですから年齢だけでなく意志を尊重することが大切。できないことがあっても意志さえあればなんとかなりますし、逆に親が強制的に行かせても辛い思いをさせるだけと言うこともありますので、まずは本人の意志をしっかりと確認しましょう。
最近は子供が小さいうちから生活費の安いマレーシアへの教育移住をするご家庭もありますので、子供の意思に関係なくどうしても留学させたい場合は、親が側にいてあげられる親子留学や教育移住がおすすめです。
子供の留学にかかる費用
ソニー銀行がおこなった留学経験のある子供の親を対象にした調査では、「実際に子供の留学にかかった費用は100万円未満」という家庭が最も多く、100万円以上を予定していたため費用が安く済んだ傾向が見られました。これは半年~1年を予定していたのに、実際には1ヶ月未満の短期留学であったのが大きな要因です。
長期留学の場合は滞在する国によっても異なりますが、授業料と食費と滞在費だけで年間300万円程度は必要。他にもお小遣いなどが必要になりますし、私立校の場合はさらに学費が数100万円高くなることがあります。
学費やホームステイ、飛行機代などは予め見積れますが、子供が生活費の管理ができない場合は、仕送りや送金コストが予定以上にかかることも考えられます。将来子供を留学させる予定のあるご家庭では、早めにお小遣い帳をつけさせて、金銭管理の仕方を身につけるようにしましょう。
ベストな時期は?子供を留学させた体験談
子供の留学先として最も人気がある国は「アメリカ」です。次いで「カナダ」「オーストラリア」「イギリス」「ニュージーランド」と、いずれも英語圏。多くは英語力を上げることを目的として留学を考えます。
ところが英語と日本語の周波数が異なっていることや、成長による耳や脳の記憶方法の変化などの理由から、同じように留学しても幼児と大学生ではリスニング力や習得率に差が出てしまいがち。そのため幼児や小学生などの早い段階で子供を留学させたい親が多いのですが、低年齢の子供本人が留学したいと思うことは少なく、必ずしも低年齢が留学に適したタイミングとは言えません。
今回お寄せいただいたのは6歳の小学生~大学生までのお子さんを海外留学させた体験談ですが、子供本人の意志があるのとないのとでは、海外生活を楽しみつつ語学力を習得できるかどうかに差がでることがわかります。親子留学ではなく子供だけで留学させる場合、ベストな時期としては本人が望んだタイミングをおすすめします。
海外留学は年長さんの時がおすすめ
6歳の時に2ヶ月間留学させました。留学先はアメリカ。まだ一人で行かせるにはあまりに幼く、親である私も心配だったらため同伴しました。
海外留学の目的は、子供に日本だけではなく広い世界を見せてあげたい、これからの時代は英語も大切だという事を知って欲しい、小学校に上がる前に海外留学をさせる事によって勉強へのやる気が上がりやすいかなと思い留学させました。学校は現地校でしたので、割と親しみやすかったようです。
住民票は移していませんでした。その当時の世帯年収はおよそ800万円でした。小さい子同士なので言葉が通じなくてもジェスチャーや雰囲気で仲良くなっていたので、心配していたこちらが拍子抜けしました。
二ヶ月するころには、普段の会話は何となく話せるようになっていましたね。子供の留学には心配が付き物だと思いますが、子供の適応能力の高さ、英語の吸収の早さは驚くものがあるので、ぜひ留学をした方がいいと思います。語学だけではなく、海外の素晴らしさを学ぶ良い機会ではないでしょうか。
本人の希望する時に留学させると一番力がつく
子供が海外留学したのは、10歳の時です。留学したのは10ヶ月で、留学先は英語圏であるアメリカのシアトルでした。その際、親は同伴せず子供一人での渡航でした。
留学した目的は、学校で嫌なことがあり不登校となったのがきっかけです。本人から一度学校を休んで、海外に行きたいとの希望があったので、それを受け入れる形となりました。
当時の世帯年収は600万程度でしたが、義理の妹がアメリカ人と結婚して現地に住んでいたため、義妹夫婦の家にホームステイしながら、彼女の子供達と一緒に現地の学校に通っていました。最初は3ヶ月くらいの滞在を予定していたため、住民票は抜かずそのままにしておきました。
最初は英語もほとんど分からないまま現地に行き、学校生活や日常生活を送る上で支障がないか、親としては大変心配していましたが、子供は多様性のある自由な環境の中で伸び伸びと暮らし、英語も3ヶ月後にはほとんど聞き取れるくらいまで成長していました。
またこの留学経験で自信がつき、日本に帰国後はあんなに嫌がっていた元の学校にも復帰し、今では楽しい生活を送っています。親が強制するのではなく、子供が海外に行きたい!勉強したい!というタイミングで留学するのが、一番大事であることを学びました。
大学生はベストな留学タイミング
息子が海外留学したのは、20歳の時でした。留学期間は一年間です。留学先はニュージーランドで、現地の母国語は英語でした。息子はすでに成人していましたので、親は同伴せずに休暇中に遊びに行くだけでした。
大学卒業後は海外の大学院への進学を目指していましたので、海外留学の目的はその下準備でした。大学の授業についていけるような英語力を身につけることが、最低限の目標でした。もちろん勉強だけではなく外国の文化に触れることで、人間的に成長することも大切だと思います。
学校は現地の大学付属の語学学校に通いました。大学生での留学がベストだと思うのは、成人しているからです。住民票は移しませんでした。当時の世帯年収は1000万円程度です。
息子は「勉強も遊びも含めて、海外留学をとても楽しんだ」と言っていました。男の子ですし、英語も日常会話は問題なくできるレベルだったし、明るい性格なのであまり心配したことはありませんでした。
これから留学される方へのアドバイスとしては、本人にすべての計画(場所、期間、お金)を一度立ててもらう事が大切だと思います。
高校1年生
子供が17歳の時に1か月アメリカのニューヨークに短期海外留学をさせました。親は同伴していません。付属校でしたので内部推薦のためのTOEICのスコアが必要でしたが、このままでは進学できないところだったので、とにかくリスニング力を上げるために行かせました。
当時の年収は、サラリーマンランキングの上位くらいです。一人で行くこと自体は大丈夫そうでしたが、もともと英語が嫌いなので辛かったようです。語学留学しましたが、また行きたいとか英語を勉強したいとは言いません。普通の経済学部に入りました。
実は母の私が学生時代に語学留学をしています。私は「このままパスポートを失くしてしまおう!」と考えるくらいに充実していて、ずっとアメリカにいたいと思いましたので、海外留学が楽しめるかどうかは子供によって違うと思います。
ただ子供が少しでも「行ってみようかな」と言った時は、ぜひ行かせてあげるとよいと思います。世界が変わると思います。
中学卒業後
こどもが17才の時、中国の上海外国語大学付属高校に留学しました。今は高校を卒業して上海外大に入学していますので、留学4年目です。目的は現地大学への入学と言語取得のためでした。
日本語は義務教育で培い、その後高校から留学することで、新たな言語を習得することができると思ったのと、やはり現地大学に入りやすいために高校から入学を決めました。
子供の住民票は、一時帰国をすることが多いのでそのままにしておきました。当時の世帯年収は800~900万円くらいでした。はじめの寮にはいる前に、下見と生活必需品を購入するために子供と渡航しました。
入学当初はホームシックになっていたようですが、PCを通じて家にも電話できるし、コミュニケーションをとれるので、はじめの3ヶ月くらいで乗り越えたようです。その後友達もでき、めっきり家への連絡が減りましたので。(笑)
出発前には自炊できるかなど食事の心配がありましたが、ほぼ安い学生寮で済ませているようです。子供の適応能力はものすごく高いですので、一番多感な時期に留学することで、将来への大きなステップになるでしょう。
可能であれば小学生など小さい頃
子供単独の海外留学は、19歳大学1年生の時に半年です。カナダのバンクーバーでした。
子供が英語に興味を持ったのは、さかのぼりまして小学一年生。一学期終了後の夏休みから主人の仕事の関係で約2年間香港にいた頃です。転勤なので住民票は移しました。当時の世帯年収は800万円位でしたが、小学一年の二学期からインターナショナルスクールに通いました。
香港は元々はイギリス領ですので、英語は基本でした。どのご家庭でも子供の留学を環境の変化の面で心配されているかと思いますが、その子の性格にもよるかと思いますが、子供には環境の中に順応していく力があると思いました。
6歳〜8歳の頃の経験があるからこそ、大学生になり自ら英語が話せるようになったのでカナダに留学して成功したのだと思います。今の小学生は英語が授業に必修です。小さい頃の経験は成長過程において大切なことだと思いますので、可能である限り留学をおススメ致します。
時間に余裕のある大学時代に留学しましょう
子供が留学したのは大学2年生です。長期休暇の期間を狙って行かせました。留学期間は3ヶ月。留学先はドイツがメインで、ドイツ語を準備していました。親は同伴していません。
子供の海外留学の目的は、なんといても日本以外の国の生活を体験してもらいたいということと、親から離れて生活してもらいたいという二点です。学校は現地の学校に通わせました。
わずか3か月程度の留学だったので、住民票は写しませんでした。子供留学について、個人的には勉強になったと言っていましたが、学生の中には3ヶ月程度では留学の意味を長期観光旅行と勘違いしている人が多かったと言っていました。
生活についてはある程度予備知識を持っていたので、困ったことはないようです。教訓としてはツアーでいくような海外留学は意味があるのかなということです。
友達同士で好き勝手に過ごしている遊びみたいになりそうなら、その分のお金がもったいないと思います。国内でしっかり勉強させればいいのではないでしょうか。
海外留学は、高校卒業後がベスト
私の息子が留学したのは、彼が18歳の時でした。留学の期間は4年間です。親は同伴せず単独で行かせました。アメリカで英語習得のために現地校に通わせました。
あまり早く行かせてしまうと、漢字の習得、数学など、日本での教育が中途半端になってしまうと思い、高校まではしっかりと日本語での授業に参加し、基礎学力をみにつけて欲しかったので、この時期がベストかなと思いました。
彼の住民票はそのままで移していないです。当時の世帯年収は1300万くらいだったと思います。彼は結果的には留学を楽しんでいました。最初は心配していた通り英語がわからず授業についていけないこともあったのですが、だんだんと慣れたようでついていけるようになったようです。
文化の違いは男なのでそこまで気にしていなかったと思います。日本で基礎学力を身につけていったので、問題は英語だけでした。英語や異文化の体験のために留学はとても良い経験だと思います。
ただアメリカの学校では簡単にドラッグが手に入り、パーティーとかでみんなでやっていたりするので注意が必要です。合法の州もありますが、癖になってしまっては困るので、これだけは息子に何度もやってはいけないことを伝えていました。
海外留学は中学入学時がベスト
中学入学時に留学させたので、12歳の時です。留学期間は中学と高校の6年間です。留学先はイギリス。全寮制の学校で長期休暇には帰国するので、親は同伴していません。
留学の目的は、国際感覚を身につけるために日本以外の国での生活を経験させることでしたので、現地校ではありません。
中学入学時に留学させることに決めたのは、身の回りのことなどを自身で対応でき、親と離れた生活が可能と思う年齢であり、日本で英語教育を始める前にイギリスで英語を学ばせたかったためです。住民票は写していません。
当時の世帯収入は約1500万円です。本人は寮生活の苦労などがありましたが、全体としては留学生活を楽しんだようです。出発前に心配していたことは、ほぼクリアし大丈夫でした。
留学生活には楽しいことだけではなく様々な苦労も伴いますので、本人の意思が一番大事であると思います。日本での生活では得難い経験ができますが、メリットとデメリットの両方がありますので、本人とよく話し合い、チャレンジすることをお勧めします。