スキップできないのは運動音痴のせい?苦手な原因や楽しい教え方
「スキップができない=運動神経が悪い」ということはありません。
運動音痴認定上位はスキップや逆上がりと言われていますが、実はスキップができない原因が運動神経だけではないこともよくあるのです。
楽しく練習できれば親が知らぬ間に出来るようになっていることもありますので、子供がなかなかできずに心配な場合は、ぜひ「一緒に遊ぼう」と声をかけ、外で遊びながら楽しく教えてあげましょう。
小さな幼児がスキップをできない理由
子供の運動能力は外遊びを通してぐんぐん発達しますが、スキップをできるようになるほどの能力は歩くだけとは異なり、一般的に生まれてから2~3年ではつきません。
幼児の脳は5~8歳頃まで急ピッチで発達していますが、発達のペースには個人差があります。
運動神経は親からの遺伝とも関係していますが、環境によっても異なるため外遊びで体を動かす経験が人より多ければ発達しやすいですし、体を動かすことが好きな子は同じ時間外に出てもより積極的に動いて能力をより早いスピードで高めていきます。
子供がスキップをできるようになる年齢
慶応義塾大学体育研究所の佐々木玲子教授は、スキップができるようになるおおよその年齢を「4歳で片足スキップ、5~6歳で完成する」とバイオメカニズム学会誌の中で解説しています。
5歳でも約20%の幼児が巧みなスキップを出来るようになるため、周囲に年中児や年長児になったばかりで出来るようになる子が増えてくると親として心配でしょう。
けれど佐々木教授によると、スキップはある程度経験しなければできるようになるのが難しい動作ですので、まだスキップの練習に取り組んでいないお子さんには、ご家庭で協力して楽しく教えてあげることをおすすめします。
スキップができない大人が増えている!
スキップができないのは、運動神経が未発達な幼児だけではありません。
元読売テレビ、現フリーアナウンサーの川田裕美さんは、真剣にスキップしているのにカクカクした動きになり、お茶の間を笑いに誘いっています。女優の釈由美子さんもスキップができず、日本テレビ系の朝の情報番組「スッキリ」で披露して、「川田アナ並み!?」との声が上がるほどの爆笑されてしまいました。
またイケメン俳優の岡田将生さんもスキップができなかった一人。進むことすらままならず足をクロスしていただけでしたか、努力の成果なのかできるようになり「スッキリ」で披露してMCの加藤浩次を驚かせました。
大きくなってもスキップできない原因
スキップができるようになるためには、次のような能力が必要です。
- リズムをとって体を動かす能力
- イメージ通りに体を動かす能力
- 手足を精密に動かす能力
- 合図に素早く反応する能力
- 関節や筋肉をうまく同調させる能力
- 不安定な体勢でも運動を続ける能力
ところが適齢期の幼児の間に体を動かす経験が乏しいと、こうした運動神経やリズム感を十分に身に着けられないまま小中学生や大人になってしまいやすいです。つまりスキップができない主な原因は、運動不足やリズム体験不足なのです。
運動不足やリズム感は大人なっても意識的に体験を重ねることで改善できます。心配な場合は積極的に外遊びやスポーツをさせ、音楽を聴きながらリズムに合わせて体を動かすリトミックやダンスなどに取り組ませるとよいでしょう。
ただし同じ年齢の人と比べて体の違う部位を同時に動かすことが明らかに困難で、外遊びなどを積極的に行っているのに極端に不器用な場合は、発達性協調運動障害が疑われます。
発達障害のある子供にも発達性強調運動障害はよく見られますので、一度小児科医や専門家に相談して支援を受けることを検討してみましょう。
スキップをできるようになるメリット
「スキップなんてできなくても、大して困らない」と思う大人もいますが、スキップができないということはスキップに必要な能力が同年齢の人よりも低いということ。
スキップ以外の面で苦労することがありますので、メリットを理解して前向きにトレーニングしていきましょう。
- 怪我をしにくくなる
- バランス感覚や体感が鍛えられる
- 自信が付く
- 楽しい気持ちになる
- 運動になる
- 走るのが早くなる
- 逆上がりが上達しやすい
一生懸命足を高く上げながらスキップをすれば運動量を増せますし、バランス感覚や体感が鍛えられるため、転んでケガをしにくくなります。
何よりできるようになることで子供は達成感を得ることができるため、成功体験として蓄積されて自信がつきます。
スキップできない幼児への簡単な教え方
子供は遊び感覚で楽しく教えてもらうと、苦手意識を持たずに積極的に取り組むため上達が早いです。教える際はパパママ(もしくは兄弟)と一緒に取り組み、スキップは楽しいと思わせてあげましょう。
ステップ1:利き足のケンケンを教える
まずは子供の利き足をチェックしましょう。
両足を揃えてつま先立ちをさせると、徐々に体を前に倒していくと転びそうになります。
その際、この写真のように足が自然に出る方が利き足です。
利き足が分かったら、まずは利き足でケンケンに挑戦させてみましょう。
ステップ2:反対側のケンケンを教える
利き足のケンケンに慣れてきたら、次は利き足の反対側の足に変えて、同じように片足ケンケンをします。
利き足はケンケンができても反対の足はできない場合もありますが、焦らないで楽しく練習させてあげましょう。
一緒に練習する家族が手を貸してあげると、体のバランスが保ちやすくなるので最初は手を貸すのもおすすめです。
ステップ3:リズムを手拍子で伝える
1トン、2トンのリズムを口で言いながら手拍子で子供にリズムを伝えましょう。
何回かお手本を見せた後、子供と一緒に口に出しながら手拍子をしたり、体を揺らしたりして遊びます。
口に出すことで次のステップに移った時、子供がスムーズにリズムをとりやすくなります。
ステップ4:右足1回ケン、左足1回ケン
3までできるようになったら、右足1回ケン、左足1回ケン…という風に、飛びながらゆっくり足の踏みかえを行いましょう。
慣れてきたらステップ3の要領でリズムを手拍子で伝え、右足ケンと左足ケンを交互にさせます。
幼児が楽しく練習できるように教えるコツ
大人(もしくはスキップができる兄弟)が、できない子供の手を引いて一緒にスキップをするのがコツです。お手本が近くにあるためできない子が理解しやすいです。
お手本役がスキップ上手な場合、向かい合ってスキップすると、目で見て確認ができるので子供の上達が早いです。
また片足ケンケンの練習は、ケンケンパで遊んで自然に身につけさせるのがおすすめ。子供にとっては遊びの中でスキップの基礎が習得できるので、楽しく無理なく練習ができます。
最大のコツはスモールステップ!
大人に比べて集中力や成功体験が乏しい幼児や小学生に練習させる場合は、1回の練習で全てのステップまで進めず、「今日はステップ1だけ練習、土曜日はステップ2だけ」などと、スモールステップで進めて練習させるのが最大のコツです。
一度にすべてのステップをこなそうとすると、ハードルが高すぎて子供によっては飽きたりやる気が萎えたりします。
また親も一日で全てをマスターさせようとすると、焦ってカリカリしやすくなります。その結果子供が途中で投げ出してしまえば、親の焦りによって子供は達成感を得るチャンスを奪われてしまうのです。
スキップに限らず何かができない時はスモールステップで進めた方が、実はやる気を阻害せず達成感を与えやすいため楽しく上達しやすいことを心得て、親子で楽しく練習しましょう。