子供が時計を読めるのはいつから?学ぶタイミングの見極め方
小さな子供にとって、時計の読み方を身につけるのは大人の想像以上に難しい課題です。長い針が動くと短い針も動くこと、長針が指す「分」を数字どおりに読めないことに戸惑うだけでなく、年齢によっては数や時間の概念そのものがまだ理解しにくいこともあります。
そのため、子供に時計を教えるときは、大人が「教え始めるのに合ったタイミング」を知っておくことが大切です。ここでは、小学校で時計を学ぶ学年や内容、幼児の時間認識の目安、教え方のポイントと手順、楽しく学べる道具・絵本・アプリを紹介します。
小学校で時計の読み方を学ぶのは何年生?
入学時にそろえる算数セットには時計の模型が入っていることが多いですが、現行の学習指導要領(令和2年度・2020年度から全面実施)では、時刻・時間の学習は小学1年生から始まります。学年ごとの主な内容は次のとおりです。(注1)
| 学年 | 主に学ぶ内容 |
|---|---|
| 小学1年生 | 時計を見て「○時」「○時半」などの時刻を読む。生活と結びつけて時刻に親しむ |
| 小学2年生 | 「時刻」と「時間」の違い。1日は24時間、1時間は60分。午前・午後、「○分前」「○分後」など |
| 小学3年生 | 短い時間の単位「秒」。時刻や時間を求める計算 |
以前は時刻の読み方を小学2年生から学んでいましたが、現在は1年生から扱われています。お子さんの学年に応じて、学校での学習の進み具合を把握しておくと、家庭でのフォローもしやすくなります。
幼児はいつから時計に興味を持つ?教え始める目安
幼児期になると、身近な自然や人、物事への興味・関心が育ってきます。この関心を上手に時計と結びつけることで、5歳を過ぎた頃から時間を少しずつ認識できるようになる子が多いとされています。(注2)
5歳前後で子供が時計に興味を持ち始めたら、教え始める一つの目安です。子供のやる気を逃さないよう、楽しく学べるようにしてあげましょう。
カリキュラムに簡単な時計の読み方を取り入れている幼稚園・保育園もあり、就学前に時計を読める子も少なくありません。そのため「うちの子はまだ…」と焦る保護者の声も聞かれますが、興味がないうちに無理に教え込むと苦手意識につながることもあります。あくまで子供の様子を見ながら進めましょう。
時計が読めるようになる時期には大きな個人差があります。同じ年のお友達が読めても、比べて焦る必要はありません。子供のペースでゆっくり進め、興味が出なければ小学校入学まで待っても大丈夫です。
子供に時計の読み方を教える6つのポイント
教え始める前に、次の6つを意識しておくと、親子ともに気持ちよく取り組めます。
- 熱心に勉強を促しすぎない
- 適度な頻度で褒める
- 時間に余裕がある時に教える
- 親も一緒に楽しむ
- 一度に全部を教えようとしない
- アナログ時計を目につく場所に置く
子供は、無理に勧められたり過剰に褒められたりすると、かえって興味を失いやすいとも言われます。本人が興味を持ったタイミングで教えるのが、うまくいきやすいコツです。
また、子供がじっくり考えたり、失敗してやり直したりできる時間の余裕があると、親も焦らずにすみます。自分で考えて試す経験は、次の学習にも役立ちます。(注3)
一度にすべてを教えようとするのも避けましょう。少しずつ難易度を上げるほうが、正解しやすく達成感も得られ、楽しく続けられます。
子供に時計の読み方を教える手順(4ステップ)
大人には簡単な時計も、初めての子供には難題です。まずは教える側が肩の力を抜いて、一緒に楽しむ気持ちで進めましょう。親が楽しそうだと、その雰囲気は子供にも伝わりやすいものです。時計を教える時間を、日々の成長を感じられる親子タイムとして楽しめるとよいですね。
1時計に慣れさせる
まずは毎日の生活の中で時間を意識できるようにしましょう。「7時だよ、朝だから起きよう」「11時半だからお昼ご飯にしよう」「あと5分で帰ろうね」など、生活の中で少しずつ声をかけると、子供が時間の存在を感じ、時計を見慣れていきます。
2短針から教える
初めは短針から。「1時・2時・3時…」と読み方を伝えます。「長い針が12のところにある時は、短い針だけ読めばいいよ」と教えるだけでOKです。「3時になったらおやつにしよう」など、子供の楽しみと結びつけて伝えると、覚えやすくなります。
3長針を教える
長針は30分→15分→5分と、少しずつ教えていきましょう。短針だけ・長針だけなら読めても、両方を一緒に読むとなると、長針とともに短針も動くことが理解しづらく、つまずくことがあります。絵本や目覚まし時計などで視覚に訴えながら、根気よく説明してあげましょう。
4繰り返し教える
一度で全部を覚えるのは難しいものです。とくに幼児は覚えたことを忘れやすいので、繰り返すことが定着への近道です。何度も一緒に取り組みましょう。
ただし、プリントだけをくり返すなど1種類の方法に偏ると、飽きて「時計はつまらない」と感じてしまう子もいます。小さいうちは遊びの延長ととらえ、いろいろな道具や方法を取り入れてみましょう。
時計の読み方を学べるおすすめの道具
子供は年齢が低いほど集中が続きにくく、集中できる時間は幼児期で「年齢+1分」、小学校低学年で15分ほどとも言われます。楽しめる絵本・ゲーム・カード・プリントなどを使い、短い時間で集中して学べるようにしてあげましょう。
カード
普通に読んで覚えてもよいですし、フラッシュカードのように使う方法もあります。フラッシュカードは暗記に役立つ一方、やり過ぎには注意が必要とも言われるので、子供の様子を見ながら無理のない範囲で使いましょう。
プリント
一番オーソドックスな学び方です。単調に感じる子もいますが、基礎からきちんと積み上げられます。手で書くことで、「3:30」を「3時30分」「3時半」と読むことや、分を「ぷん」「ふん」と読み分けることなど、細かい点にも気づきやすくなります。
腕時計
子供用の手頃なもので十分です。勉強を始めてすぐではなく、少し読めるようになった頃に用意すると効果的。保護者が外出時に腕時計をつける習慣があるご家庭では、まねをしたがってなじみやすいようです。「腕時計をきっかけに、外出先でも時間を教えてくれるようになった」という声もあります。
通信教育
通信教育のなかには、就学準備として「分」までの読み方を学べるよう工夫された時計教材がついてくるものや、年長向けの教材に時計を取り入れているものがあります。教材の内容は改訂されることがあるので、申し込み前に最新情報を確認しましょう。
絵本
時計を楽しく学べる、音の出る絵本やストーリー絵本が出版されています。なかでも長針・短針を指でくるくる回せる絵本は、おもちゃ感覚で親しめて、初めての時計学習にぴったりです。
プータンいまなんじ?
作:ならさか ともこ/絵:わだ よしおみ(JULA出版局)
プータンが大好きなおばあちゃんに会いにいく一日を、時間とともに描いた物語です。手で触れる時計が絵本についていて、読みながら針をくるくる回せます。本物の時計と同じように長針と短針が連動して動くのがおすすめポイントです。
とけいのおうさま
作:こすぎ さなえ/絵:たちもと みちこ(PHP研究所)
時計の国を舞台に、時計や時間について学べる絵本です。色彩が豊かでかわいらしく、物語も楽しいので、時計に興味を持ち始めた子供におすすめです。
※絵本の価格は変わることがあるため、購入時に各販売サイトでご確認ください。
ゲームアプリ
時計のアプリでゲーム感覚で遊ぶのもおすすめです。無料のものもあるので、子供が使いやすいものを選びましょう。かわいいキャラクターが登場するアプリは、子供の関心を引きやすいです。
「とけいであそぶ」
「○時○分」と教えてくれるだけでなく、針を自分で動かせるので、遊びながら学べます。かわいいカニのキャラクターで、子供が楽しく取り組めるアプリです。
ただし、タブレットやスマホの長時間の使用は目の負担になることがあります。使う時間などのルールを決めて取り入れましょう。
子供の時計学習でよくある質問
何歳から教えればいい?
5歳前後で時計に興味を持ち始めたら一つの目安です。ただし個人差が大きいので、興味が出るまで待っても問題ありません。
アナログとデジタル、どちらから教える?
まずはアナログ時計がおすすめです。針の位置で時間の流れをイメージしやすく、学校の学習ともつながります。生活の中で自然に見慣れることから始めましょう。
入学までに読めないと困る?
心配いりません。時刻の読み方は小学1年生の学習内容です。焦らず、家庭では「時計に親しむ」ことを大切にすれば十分です。
子供のペースで、楽しく時計に親しもう
時計の読み方が身につく時期は、子供によってさまざまです。大切なのは、生活の中で時間に親しみ、楽しみながら少しずつ覚えていくこと。うまく読めなくても比べたり焦ったりせず、子供のペースに合わせて、絵本やアプリなどお子さんに合う方法で進めていきましょう。
参考文献
- 注1:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」
- 注2:厚生労働省「保育所保育指針解説」
- 注3:国立青少年教育振興機構「脳と体験(黒川伊保子)」





