何年生?幼児?子供が時計の読み方を学ぶタイミングや賢い教え方
小さな子供にとつて、時計の読み方を身につけるのは大人の想像以上に困難な課題。長い針が動くと短い針も動くことや、長針が指す「分」を数字通りに読めないことに戸惑うだけでなく、年齢によっては数や時間の概念そのものを理解することさえできません。
そのため子供に時計の読み方を教えるには、大人がベストなタイミングを知ることが重要なのです。
こちらでは、タイミングを見極めるために知っておきたい小学校で時計を学ぶ年齢や内容や幼児の時間認識、子供に時計の読み方を教える際のポイントや手順、子供に楽しく時計の読み方を教えるのにおすすめの道具や絵本、アプリなどをご紹介します。
何年生?小学校で時計の読み方を学ぶ年齢
入学時に算数セットを購入する小学校は多く、そこには時計の模型も入っていますが、小学校では平成30年現在、小学2年生から時計の読み方の学習をスタートすることになっています。
ただし平成32年4月から実施される新学習指導要領(平成29年3月公示)を見ると、時計の読み方の学習は小学校2年生から1年生へと繰り上げられていますので、子供の年齢に応じて学校での時計の読み方の学習状況を把握しておくとよいでしょう。(注1)
幼児には早すぎる?子供の時間認識
幼児期の子供は身近な自然・人・物事などの環境に興味や関心も持ち始めます。この関心や興味を上手く時計に結びつけることで、幼児は5歳を過ぎた頃から時間の認識ができるようになっていきます。(注2)
5歳前後の幼児が時計に興味を持ち始めたら、時計の読み方を教え始める絶好のチャンス。子供のやる気を逃さないように、時計を楽しく学べるようにしてあげましょう。
カリキュラムに簡単な時計の読み方を組み込んでいる幼稚園などもあるため、小学生に上がる前から時計を読める子は少なくありません。そのため小学校の授業で初めて時計の読み方を学ぶ児童のママパパからは、「焦ってしまう」などの声も聞かれますが、幼児期から親が焦って無理に教え込むことで苦手意識が芽生え、勉強嫌いになることもありますので注意しましょう。
時間や時計への興味、あるいは子供の成長スピードによって時計が読めるようになる時期には個人差があります。たとえ同じ年のお友達が時計を読めるようになっても、自分の子供と比較して焦るのは厳禁!子供のペースでゆっくりと教え、興味が出なければ小学校入学まで待つことも大切です。
子供に時計の読み方を教えるポイント6つ
子供に時計の読み方を教える前に、次の6つのポイントを確認しておきましょう。
- 親が熱心に学習を促さない
- 適度な頻度で褒める
- 時間に余裕がある時に教える
- 親も楽しんで教え、子供にも楽しませる
- 一度に全てを教えようとしない
- アナログ時計を一番目に留まる所に置く
学習したことを理解して記憶するのは脳の仕事です。脳は予測がつくことよりも偶然起こることを好むため、熱心に勧められて学習したり、褒められすぎたりすると興味を失ってしまう傾向があります。そのため本人が興味を持ったタイミングで教えるのがベスト!
また子供がじっくり考えたり、失敗してやり直したりする時間をのんびりとれる時の方が、親も焦ってイライラせずにすみます。子供も自ら考えたり失敗したりする経験ができるため、プロセスの回路が豊かになり次の学習に役立ちます。(注3)
一度にすべてを教えようとするのもNG。徐々に難易度をあげて教えましょう。少しの努力で超えられる課題を用意した方が、正解率が高くなり達成感や喜びを感じやすいため楽しく学習できます。
子供に時計の読み方を教える手順
大人にとっては簡単な時計の読み方ですが、初めて習う子供にとっては難題。そのためまずは親自身がイライラせずに楽しんで教えることが大切です。教える親が楽しいと、教わる子供に楽しい気分が伝染することが多いです。
特に男の子の場合、時計を学習する時期は先輩ママ達が「息子が一番かわいいと感じた時期」とも重なります。
時計の読み方を教えることを通して、今この瞬間しか味わえない可愛い我が子との親子タイムを楽しみましょう。
1時計に慣れさせる
まずは、毎日の生活の中で時間を意識させてみましょう。
「7時だよ、朝だから起きよう」「11時半だよ、お昼ご飯食べよう」「後5分で帰ろうね」など、毎日の生活の中に少しずつ取り入れることにより、子供が時間の存在を感じ、時計を見慣れるようにしてあげることが大切です。
2短針を教える
初めは短針から教えましょう。1時、2時、3時…というように教えてあげます。「長い針が12のところにある時は、短い針だけ読めばいいんだよ」と伝えるだけでOK。
また「3時になったらおやつを食べよう」「9時だよ、〇〇(TV番組)始まるよ」など、子供の楽しみな事柄と絡めて時間を伝えると、スムーズに覚えてくれます。
3長針を教える
長針は30分→15分→5分と、焦らず少しずつ教えていきましょう。
短針のみ、あるいは長針のみを読むことはできるようになるのですが、両方一緒に読むとなると長針と共に短針が進んでいくことを理解できず、読めなくなることもあります。絵本や目覚まし時計などを利用して視覚に訴え、根気よく説明してあげましょう。
4繰り返し教える
子供が一度に時計の読み方を全て覚えるのは無理です。特に幼児は短期記憶型のため、数分前に教えたことも忘れてできなくなることがしばしば。記憶を定着させて幼児の記憶力をアップするには、繰り返すことが必要不可欠です。何度も繰り返し教えてあげましょう。
またプリントだけを繰り返し行うなどの1種類の教え方のみだと、飽きっぽい子供は「時計を学ぶことは面白くない」と捉えられ興味を失うことがあります。
小さいうちは遊びの延長と捉え、いろいろな道具や方法を取り入れて時計を教えてあげましょう。
時計の読み方を学べるおすすめの道具
子供は年齢が低いほど集中力が低く、小学校低学年までは特に集中力を長時間持続することは難しいです。幼児期は年齢+1分、小学校低学年は15分とも言われていますので、できるだけ楽しめる絵本やゲーム、カード、プリントなどの道具を利用して、時計の読み方を集中して学べるようにしてあげるとよいでしょう。
カード
カードを普通に読んで覚えてもよいですし、フラッシュカードのように使用してもよいでしょう。
幼児が暗記するにはフラッシュカードは有効的な方法ですが、フラッシュカードのやり過ぎには弊害もありますので、理解したうえで正しく使用しましょう。
プリント
一番オーソドックスな学び方です。子供にとっては退屈に感じる方法かもしれませんが、基礎からきちんと学べる方法の一つと言えます。
手で書くことで3:30は「3時30分」「3時半」と読むことや、分は「ぷん」もしくは「ふん」と読むことなどの細かいことにもより注意して学べます。
腕時計
子供用の安価なものでOKです。時計の勉強を始めてすぐに買うのではなく、少し読めるようになった頃合いを見計らって買ってあげるのがおすすめ。特にパパママが外出時に腕時計をつける習慣があるがご家庭では、効果が得やすいです。
子供はパパやママと同じように大人になったと喜んでつけてくれます。「腕時計をすることで、外出先でも積極的に時間を伝えてくれた」という先輩ママの声もあります。
通信教育
通信教育「チャレンジ」では、入学準備セットとして入学までに「分」までの時計の読み方を学習できるように工夫された目覚まし時計が教材としてついてきます。Z会などの他の通信教材でも、時計の読み方を年長の教材に取り入れています。
絵本
時計の読み方を楽しく学べる、幼児向けの音の出る絵本やストーリーの絵本などが出版されています。その中でも子供が長針、短針を指でくるくる回すことができる絵本は特におすすめです。
子供が自由に針に触れて動かせるため、おもちゃ感覚で親しめます。子供が楽しく時計の読み方を学ぶ、初めての時計学習にはうってつけです。
プータンいまなんじ?
著者:ならさか ともこ、 絵:わだ よしおみ
JULA出版局
1,469円(税込)
プータンが大好きなおばあちゃんに合う一日の物語を、時間と共に描かれています。
子供手で触れる時計も絵本についており、読みながら子供が時計の針をくるくる回すこともできます。本物の時計と同じように長針と短針が一緒に動くところがとてもおすすめです。
とけいのおうさま
著者:こすぎ さなえ、 絵:たちもと みちこ
PHP研究所
1300円 + 税
時計の国のお話です。時計や時間について学べる絵本です。
色彩が豊かで絵が可愛いことも子供がひきつけられる理由の一つ。物語も面白く子供が楽しんでくれるので、時間、時計に興味を持ち始めた子供におすすめの絵本です。
ゲームアプリ
時計のアプリを使用しゲーム感覚で遊ぶのもおすすめです。無料アプリもいくつかありますので、子供が使いやすいものを選ぶとよいでしょう。可愛いキャラクターの出てくるアプリは子供心を刺激してくれます。
「とけいであそぶ」
〇時〇分と教えてくれることはもちろんですが、針を自分で動かせるので子供に教えながらも学べます。可愛いカニのキャラクターで子供の心もがっちり掴んでくれるので、楽しく遊べるアプリです。
ただしタブレットやスマホなどでの学習法は目が悪くなるなどの悪影響が出る可能性もありますので、使用時間などのルールをしっかり決めて行いましょう。