生きる力がつく!子供の語彙力に関する記事

子供の語彙力を伸ばしたい親が実践すべきしつけや10の方法

子供の語彙力を伸ばしたい親が実践すべきしつけや10の方法

子供の語彙力を伸ばしたいパパママ必読です。生きる力にも繋がる子供の語彙力は、お金をかけなくても親次第で伸ばしてあげることができます。どのご家庭でもできる10の方法をご紹介しますので、取り組んでみてください。

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子供の語彙力は親の関わり次第で伸びる!心掛けたい10の方法

テレビ等でお馴染みの教育学者齋藤孝さんは、「子供の語彙力を最も伸ばす機会は家庭にあります」と著書「子どもの語彙力を伸ばすのは親の務めです」の中で語っています。

遺伝的に決まっていると勘違いしている人もいるのですが、子供の語彙力は乳幼児期の親の関わり方次第で伸ばせるのです。

ここでは、語彙力とは何か、語彙力がUPするとどんな効果があるか、家庭の収入と語彙力の関係、子供の語彙力UPへの年齢別のポイント語彙力を伸ばす10の方法について解説すると共に、子供の語彙力を伸ばすのにおすすめの本をご紹介します。

語彙力とは?子供の将来に必要不可欠な力

勉強する子供

語彙とはボキャブラリー、すなわち単語のことです。ただし語彙力は国語に限らず、他の教科の学習にも重要で、「語彙力が低い子供は国語の能力だけではなく、算数や理科社会など他の教科の能力も伸び悩む」といった指摘もあります。つまり語彙力は子供にとって非常に重要な能力なのです。

将来グローバル化が進む社会を生きていかなければならない子供達にとって、国際社会で役立つ能力を身につけることは、社会で活躍するために非常に大切なことですが、国際社会で活躍するには理論的に考えて自分の言葉で伝える力、つまり論理的思考と語彙力を伸ばすことが重要とされています。ですから親にとって子供の語彙力は、気になる教育ポイントの一つでもあります。

また、語彙力や表現力が乏しいとコミュニケージョンが困難になるため、良好な人間関係を築くという観点からも語彙力や表現を伸ばすことは大切です。そのため文部科学省では、子供達の語彙力を伸ばして理論的思考を根底で支える取り組みをしています。

子供の語彙力を伸ばして得られる効果

語彙の豊富さは子供の時だけでなく、大人になっても役立つことが多いです。親も積極的に子供の語彙力を伸ばす取り組みをすることで、次のような効果が期待できます。

表現力が豊かになる

多くの語彙を知っている語彙力の高い子供の方が、豊かに表現する言葉を知っているため、自分の気持ちを相手に正しく伝えられます。

A:「リンゴもらったよ。」
B:「赤くて甘い匂いがするリンゴもらったよ。蜜もいっぱい入っているって言っていたよ。」

AもBも「美味しい」とは言っていませんが、Bのリンゴの方が美味しそうだと感じます。このように語彙力が高い子供は、豊かな表現をすることが可能なのです。

コミュニケーション能力が上がる

語彙力が高い子供は、より多くの情報を相手に伝えて会話の幅を広げることができるため、会話が盛り上がりやすいです。

例えば、誰かがくれた折り紙を「ありがとう」と伝えるだけの子供より、「黄色い口ばしがオオワシみたいでかっこいい!ありがとう」と伝えた子供の方が、相手も「鳥の名前に詳しいんだね」などと会話の幅を広げやすく、気持ちもより正確に伝わります。そのため互いに理解を深めやすく、コミュニケーションがより取りやすくなるのです。

一方、語彙力が低い子供は伝えたいことがきちんと伝わらず、つい手が出てしまうなどトラブルに繋がりやすいです。上手く説明できないことが多いため、誤解されても正しく伝えることを諦めてしまう子供もいます。このように語彙力が低い子供は高い子供よりもコニュニケーションへの自信をなくし、ストレスを抱えやすいのです。

読解力、理解力が上がる

インターネットの発展で、様々な情報を手に入れられるようになった現代。子供にとっては難しい新聞やネット情報も、語彙力が高ければそれほどエネルギーを使わなくても読みやすく、理解もしやすいです。そのため読む機会が増え、語彙力や読解力、理解力が伸びるという好循環が生まれます

また、必要な情報と不必要な情報を見分けることも可能になり、新しい正確な情報を手に入れやすくなります。

このように語彙力を上げることは、読解力や理解力を上げることにも繋がるのです。

論理的思考力が上がる

人は何かを考えるとき、まずは言葉を使って考えます。また語彙力の高さは知識量の豊富さを表しています。そのため語彙力の高さは論理的思考力の高さと相関関係があると言えます。

例えば人口の推移をグラフにしようと考えた時、私達は「何年前から必要?」「男女別のグラフの方が見やすいのか?」などと頭の中で言葉を使って考えます。ところが語彙力が乏しい人の場合は知識量も乏しいため、語彙慮が高い人より多角的に論理的思考を行うことが困難なのです。

つまり語彙力を高めることは、理論的思考の幅を広げることにがるのです。

言葉に説得力が生まれる

語彙力の高さは学んできた知識量の多さを示す指標となります。知識量の豊富な専門家のアドバイスの方が、一般人のアドバイスよりも説得力があるように、話し方や経験だけでなく語彙力の高さは、言葉に説得力が生まれる要因の一つなのです。

子供の語彙力は家庭の収入と比例する?

子供の語彙力の高さは、早期教育や通塾を行うことができる家庭の収入状態と比例しているように感じられますが、実は語彙力や読み書きの能力差との世帯収入の差は関係ありません。家庭の収入に関係なく、子供の語彙力は伸ばせます。

心理学者の内田信子さんらが行った、日本・中国・韓国・ベトナム・モンゴルの幼児のリテラシー調査では、家庭の収入よりもしつけのスタイル、蔵書数が幼児の語彙力に関係しているという結果になりました。

子供の意見を尊重し、子供と一緒に多くの経験の中でしつけをする共有型しつけを行っている家庭の幼児は、語彙力が高かったのです。また、共有型しつけをしていた家庭は蔵書数も多いという結果でした。

年齢別!語彙力アップのポイント

赤ちゃん

子供の語彙力を伸ばすには共有型しつけが年齢を問わずポイントとなりますが、他にも子供の脳の発達段階により語彙力の増やし方、親の係わり方は異なってきます。子供の年齢に合う語彙力アップのポイントをチェックしておきましょう。

3歳未満の乳幼児

生後から3歳まで乳幼児は、前頭前野の神経細胞が急速に成長しますので、この時期はパパやママと話す・聞くといったコミュニケーションを通じて、語彙力が身につけさせることが大切です。子供に話しかけたり、子供の話を聞いたりする時間を大切にして接していきましょう。

3歳~小学生

幼児

この時期は語彙力などの言葉の知識をつかさどる側頭葉や頭頂葉などの神経細胞が成長を続ける時期です。読み聞かせや読書により語彙を増やし、家庭や地域での多くの経験を積ませることを意識しましょう。

小学校に入学してからは、国語の基礎となる知識(読む・書く・話す・聞く)を反復して学ぶことが大切。宿題で音読の課題が出ることが多いのですが、家庭の自主学習でもスラスラ読めるようになるまでは、絵本など読みやすい本の音読から始めて、慣れるまで出来るだけ親が側で聞き、人前で音読することにも自信を持たせてあげるとよいでしょう。

中学生以上

個人差はありますが、思春期を迎えたころから前頭前野の神経細胞は再び成長を始めます。これにより、今までに培ってきた国語の能力と自分の経験を合わせ、理論的に考えることが可能になります。

脳の情報処理能力が伸びる時期であると同時に思春期でもありますので、騒がしくなく落ち着いて自由に読書ができる環境を作ることで、情緒力、想像力、理論的思考力、語彙力を伸ばせるように一歩下がったサポートをしましょう。

子供の語彙力を伸ばす10の方法

それではより具体的に何をすれば子供の語彙力を伸ばせるのかを見ていきましょう。普段の生活に取り入れるだけで簡単に語彙力を伸ばすことができる方法ばかりです。年齢に関係なく取り組めるものが多いので、ぜひ家族全員で組んでみてください。

子供との多くの会話をする

子供は誰よりもまず親から多くの言葉(語彙)を学びます。できるだけ子供と話す時間を作りましょう。子供がどう感じたかを上手く言語化できない時は、「◯◯なのね」と子供の言葉を聞いた後に子供の気持ちを正確に表現できる言葉で反復してあげると、子供はより知らない語彙を増やすことができるようになります。

例えば
子供:「スーってする飴ちょうだい」
ママ:「ハッカ飴が欲しいのね」

このような親子の会話のキャッチボールで、子供は語彙をママから吸収してドンドン伸ばせるだけでなく、話しを聞いてもらえたことで自信をつけ、情緒を安定させることもできます。

子供との会話は具体的にする

一つの文章をできるだけ長く話そうと意識することは、子供の語彙力を伸ばすのに大切なことです。

「あれ可愛かったよね」ではなく、「昨日の放課後、〇ちゃんと公園で見た子犬、とっても可愛かったね」と言う風にできるだけ具体的に会話をするようにしましょう。

小さい頃は親が意識して具体的に話すだけで、子供に問題集を解かせるよりも簡単に言葉のバリエーションを増やすことができます。

読書の習慣付けをする

本を読む子供

子供の成長に伴い、読書は語彙力を伸ばすために欠かせない行為になります。語彙力は多くの本を読むことで向上します。

子供が小さいうちは読み聞かせ、少し大きくなったら短い絵本からで良いので、楽しく自主的に読書の習慣が身につくような活況を作ってあげましょう。毎日寝る前に本を読むなど、時間を決めることで習慣化しやすくなります

子供に多くの体験をさせる

体験する子供

感情を表現する語彙は、子供同士の遊びや多様な生活体験を通じて定着し、伸ばすことができます。そのため友達と公園でたくさん遊ばせる、地域のイベントに参加するなど様々な体験をさせることは重要です。
これらの体験によって、論理的思考や情緒的な語彙も身に付くと考えられています。

知らない言葉を本で調べる癖をつける

子供用の辞書と図鑑

大人にとっては当たり前のことでも、子供にとっては知らないことや言葉は多くあります。ですから子供に「○○ってどうゆう意味?」と聞かれた場合、または明らかに言葉の意味を理解していないと親が感じた場合は、親が答えを教えるのではなく、一緒に辞書や辞典で調べることで子供の語彙力を伸ばしましょう。

ただ大人が意味を教えるより、行動や感情が伴ったり、絵や写真など視覚情報を合わせたりした方が記憶しやすい傾向があります。そのため辞書を調べると言う行動を加えることで、語彙の定着を図れるのです。

図書館に行く

蔵書が多い家庭の子供の語彙力は高いと言われています。とは言え、購入するとなると出費が気になるでしょう。そこでおすすめなのが図書館の利用です。

家庭内にある本の数は図書館を上手に活用することでも十分に増やせます。また図書館を利用すれば、普段あまり読まないジャンルの本にも気軽に挑戦できますので、語彙力をリーズナブルに伸ばすことができます。

ジャンルが異なれば語彙が増えることはもちろん、得られる知識や感情も異なるため、子供が得る情報量を増やすこともできるのです。

子供と新聞を読む

語彙力の高さには、読書の幅の広さも関係しています。新聞は説明文ですので、出来事の要点を読者に伝えるために単語の選択がされている点が、物語とは異なります。
そのため新聞を読むことで、より難しい語彙も習得することが、子供の語彙力を伸ばせるのです。

多種多様な言葉を意識して子供に話しかける

ちょっと難しい言葉を加えることで、子供の国語力が上がります。

例えば、兄弟げんかの最中に「ママ、お兄ちゃんが意地悪する」と弟が言ってきた場合、「喧嘩両成敗だからママは助けられないな。二人で話し合ったら?」、あるいは「喧嘩を見ていたけど、五十歩百歩だったよ」などと伝えればいいのです。

子供は親が話す言葉で使い方を覚え、新しい語彙を吸収していきます。

漢字は部首や成り立ちまで教える

漢字には旁(つくり:字の右側)や偏(へん:字の左側)のように、部首と呼ばれる文字グループがあります。漢字本来の意味を教えることは勿論ですが、部首や漢字の成り立ちまで伝えることで一気に語彙は増えていきます。

「人が木の横で休んでいる形からできたのが、休むという字だよ」などと伝えればOKです。

そうすることで、3千をこえる小学校の配当漢字(音、訓)の読みもスムーズに覚えられ、語彙力UPに繋がります。

10語彙力をUPするゲームをする

ことわざかるた

楽しみながら語彙力を増やせる方法の代表格と言える、しりとりやことわざかる。幼児から遊びの中に取り入れられるため、気がつかないうちに語彙が増えているゲームです。家族団らんにも繋がり、一石二鳥。

また、映画「ちはやふる」で話題となった百人一首も、古文の語彙力をアップできるため小学生にはおすすめです。

子供の語彙力UPに役立つおすすめの本

物語ではなく語彙を増やすことに特化した本をいくつかご紹介します。

さるるるる

「さるるるる」本

作:五味太郎

絵本館

700円 + 税

ロングセラーの絵本です。幼児におすすめです。「さる、みる」「さる、とる」など全て「る」で終わる言葉で構成されています。面白いリズム感とコミカルなサルの挿絵に思わず笑顔になります。

http://ehonkan.co.jp

小学館言葉の絵辞典

「小学館言葉の絵辞典」本

監修:篠崎晃一 編:小学館国語辞典編集部

小学館

3,400円 + 税

幼児用辞典最多3100語。これだけでも大満足ですが挿絵と説明により理解しやすい本です。「○○って何?」と言葉について聞いてくる子には特におすすめです。どんどん言葉を吸収し語彙力が高くなります。

https://www.shogakukan.co.jp

ちびまる子ちゃんの表現力をつけることば教室

「ちびまる子ちゃんの表現力をつけることば教室」本

著者:さくら ももこ、貝田 桃子 訳:

集英社

850円 + 税

お馴染みちびまる子ちゃんの4コマ漫画や挿絵で解説をしてくれています。そのため、無理なく語彙を増やすことができます。そして小学生が知っておきたい約800語を無理なく覚えられます。他にもことわざ、四字熟語、漢字と様々なものをシリーズ化していてどれも楽しみながら学べます。

http://kids.shueisha.co.jp

他にも、小学校入学後の音読にも役立つ5歳児向けのおすすめ絵本など、子供の語彙力を伸ばすのにおすすめの絵本は沢山あります。ぜひ図書館で借りたりプレゼントしたりして、子供が活字に好きなだけ自由に触れられる環境を用意してあげましょう。

この記事を書いたライター
小森ひなた

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪