幼児がぬいぐるみに執着する理由に関する記事

『幼児がぬいぐるみに執着する3つの理由!愛情不足が原因?』

幼児がぬいぐるみを離さないのは愛情不足が原因なのでしょうか?こちらでは幼児がぬいぐるみに執着する心理、移行対象や空想の友達(イマジナリーフレンド)、執着がいつまで続くか、親がしてあげたい対応、ぬいぐるみのお手入れ方法についてご紹介します。

マーミーTOP  >  子育て  >  幼児がぬいぐるみに執着する3つの理由!愛情不足が原因?

幼児がぬいぐるみを離せないのはいつまで?親がとるべき対応3つ

幼児がぬいぐるみを離さない姿を目にし、「親の愛情不足が原因?」と心配になるパパママは決して少なくありません。

けれど多くの場合は乳幼児期の発達に伴う心理と密接に関係があり、成長過程において悪いことではないのです。

ぬいぐるみを離さない幼児の心理

ぬいぐるみを離さないという幼児の行動は、幼児の心の発達と大きな関係があります。子供の成長において大切な過程ですので、パパやママはぬいぐるみを離さない子供の心理を理解しておきましょう。

お母さんの真似をしている

幼児は下の子が生まれる前後に、ぬいぐるみを赤ちゃんに見立てお世話をすることが良くあります。人形を抱っこ紐に入れたがったり、ご飯をあげる真似をしたりするのはこの代表例です。

これは男の子女の子に関係なく子供がお母さんの真似をして赤ちゃんのお世話をしたいという思いからの行動。ですから「まだぬいぐるみで遊ぶの?」などと言わず、子供が満足するまでさせてあげましょう。

安心感を得ている

ぬいぐるみは幼児の母親代わりの役割を担い、子供の気持ちを落ち着かせ、安心感を与えてくれます。

ぬいぐるみを離せない幼児の姿を見て、親の愛情不足を疑い不安になるかもしれませんが、愛情不足でストレスが多い子供だけでなく、母親と健全な関係を築いている子供にも見られます

怒りをコントロールしている

ぬいぐるみを抱きしめることは、アンガーマネージメントに効果的な方法。

幼児が怒りにまかせ感情的に話しても、親や周りの大人には伝わりませんが、大好きなぬいぐるみを抱きしめて深呼吸をすると落ち着いて話ができるようになります。つまりぬいぐるみは、幼児が怒りを上手にコントロールするアイテムとしても役立っているのです。

愛情不足?ぬいぐるみへの執着と移行対象

イギリスの小児科医であり精神科医、精神分析家でもあるドナルド・ウィニコットは、乳幼児が執着するぬいぐるみなどの特定の物を「移行対象」と名付けました。

乳幼児には母親が自分の一部だと錯覚し、「自分は何でもできる」という全能感を抱く時期があります。

けれど乳幼児期の全能感を持ち続けたままでは、不満が募るばかりで現実社会で自立して生きるのが非常に困難。いつまでも親が子供の世話をできるわけではありませんし、全能な人間などこの世に存在しないのですから。

子供への愛情不足を心配し過ぎないで!

乳幼児のニーズに母親が完璧に答えていると、子供は何でも叶えてくれる母親の愛情に満足し、幼児期に育むべき外の世界に対応する力を身につけられなくなる傾向があります。

その結果、やがて本当の自分を隠して偽りの自分の姿で生きていかねばならなくなってしまうのです。

ほどよく愛情を与えつつ現実も体験させる母親に育てられた乳幼児は、母親の乳房や母親そのものの代わりとしてぬいぐるみなどの移行対象を持ち、不安をやわらげ慰めや安心感を得ることが多いです。移行対象の先駆けとして指しゃぶりがありますが、日本では3歳~6歳の幼児31%に移行対象、24%に指しゃぶりがあるという調査結果もあります。

幼児期は自立に向けた中間地点。ニーズに答えてもらうことで母親への愛着を形成すると同時に、母親が実は自分と独立した存在であることを体験し、現実社会の厳しさを理解していく過程の精神的に不安定な期間です。

そして母親からの分離をはかっている間、母親代わりに不安を和らげ安心感を与えてくれる対象物が「移行対象」なのです。

乳幼児の主な移行対象

子供の物への執着と言えば、漫画「ピーナッツ」のライナスの毛布が有名ですが、低年齢では毛布やタオル、年齢が上がるとぬいぐるみや人形を移行対象にする傾向があります。

  • ぬいぐるみ、人形
  • 毛布、布団、タオルケット、枕
  • タオル、ハンカチ
  • 裏地、フリルやリボン
  • 母親のネグリジェ、パジャマ
  • おんぶひも
  • クッション など

ぬいぐるみが空想の友達になることも

「イマジナリーフレンド」「イマジナリーコンパニオン」、または「IF」と略して呼ばれることもある「空想の友達」。その対象にぬいぐるみがなるケースもあります。

親としては少し心配になるかもしれませんが、京都大学教育学研究科准教授である森口佑介先生の著書「おさなごこころを科学する:進化する幼児観」によると、イマジナリーフレンドを持つ子供の方が積極的で現実社会に友達が多いとのこと。

子供にとってぬいぐるみを空想の友達にすることは情緒を安定させる良い方法ですので、温かく見守ってあげましょう。

ぬいぐるみが必要なのはいつまで?

ぬいぐるみへの執着に期限はありません。ピークは3歳から5~6歳という調査結果もありますが、実際は大人でもぬいぐるみが大好きな人はいますし、男性でも結婚して妻がいてもラスカルなどのぬいぐるみ集めが趣味の人もいます。

親としては「大きくなってまで」と受け入れられない人もいるでしょうが、最近は個性が尊重され昔は「子供の読み物」として恥ずかしいと言われることが多かった漫画を読む大人が増えました。中高生や大人のアニメ好きが増加し、中高年のアイドルの追っかけも当たり前の時代になりました。

年齢というくくりで子供の好きな物を否定すると、親子の信頼関係を壊す恐れがありますので注意しましょう。

依存が減る!親がとるべき3つの対応

幼児期に移行対象がなかった子供ほど、依存傾向が強いという専門家による研究報告があります。つまり幼児期にぬいぐるみを離せない子供は、いずれ移行対象がなかった子供より依存しなくなる傾向があるのです。

無理にぬいぐるみを引き離さない

幼児がぬいぐるみを離さない場合、親としてはぬいぐるみのホコリや汚れが気になるでしょう。また幼稚園や保育園に持って行きたがる子もいるため、無理にぬいぐるみを引き離してしまうママやパパもいます。

けれど子供はぬいぐるみに執着することで自分の心の安定を図っているため、無理に引き離すと子供の精神状態が不安定になってしまいます。家庭ではできるだけ引き離さず、寝静まってから簡単な方法でキレイにしてあげるなどの対応をしましょう。

保育園ではお散歩の時に転んで危険であるなどの理由から受け入れてもらえないこともありますが、中には子供の気持ちに寄り添ってできるだけ側にいられるようにしてくれる園もあります。ぬいぐるみと一緒に登園して先生に相談するなど、子供の気持ちにできるだけ寄り添う味方として対応しましょう。

見守る

小学生や中学生になると、さすがにぬいぐるみへの執着があってもお友達の目が気になり、一緒に登校したがる子は減ります。けれど男子校にぬいぐるみのついたマフラーをつけてくるなど、中にはぬいぐるみ愛を隠すことなく表に出す子もいます。そうなると「もう大きいからぬいぐるみは卒業したら?」と思う親もいるでしょう。

けれど思春期の不安定さがぬいぐるみで楽になり自立が進むのであれば、親としては反発が軽くなり楽だと前向きに考えた方が、親子共にプラスになります。移行対象としてのぬいぐるみは悪いことではありません。子供が満足するまで温かく見守りましょう

親子のコミュニケーションを増やす

愛情不足が心配な場合は、子供の話をしっかり聞けているかなど不安や不満を抱く要素がないか、大きな環境の変化はなかったかなどを考えてみましょう。

入園直後や下の子の妊娠出産後は特にぬいぐるみを離せなくなりやすいので、園から帰宅したらママが子供を抱きしめてスキンシップを増やし、話を聞いたり一緒に遊んだりしてコニュニケーションを増やすことを心掛けましょう。

ぬいぐるみのお手入れの方法

幼児が離さないぬいぐるみは他のぬいぐるみよりも痛みや汚れが激しくなりますが、ぬいぐるみには洗濯が可能なものと不可能なものがあります

まずはぬいぐるみの取扱説明書やタブの表示で確認しましょう。丸洗い可、不可に関わらず、お手入れの際はリボンなどの取れる付属品を取ってからお手入れしましょう。

丸洗いする場合は子供にことわって!

物によっては1日で乾かないぬいぐるみもあります!幼児の状態によっては丸洗いが可能でもしない方が良い場合もありますので、子供に聞いてからにしましょう。

丸洗いを拒否された場合は、天気のいい日に陰干しし、その後掃除機で吸い取ってホコリだけでも吸い取り、アルコール水(水110ml、アルコール90ml)をスプレーしたキレイな布で軽く拭くと除菌ができます。

洗える場合は洗濯表示に従い、洗濯桶にぬるま湯と中性洗剤を入れぬいぐるみを優しく押し洗いします。汚れによってこれを繰り返し、きれいな水ですすぎます。タオルに包んで5~10秒ほど脱水し、ブラッシングして日陰干しをすれば完了です。

大好きなぬいぐるみに長く元気でいてもらうためにも、子供にきちんと話してお手入れをできるだけしっかりと行い、親子で大切にしましょう。

またぬいぐるみを処分する際は、子供の納得できる方法で気持ちよく手放せるようにしてあげましょう。

この記事を書いたライター

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪