無認可(認可外)保育園とは?認可保育園との違いは?
保活を進めるなかで、「無認可(認可外)保育園も候補に入れた方がいい」という話を耳にした方も多いのではないでしょうか。待機児童数は全国的には近年大きく減っていますが、0〜2歳児や都市部では今も入りにくい地域があり、選択肢を広げておくと安心です。
「無認可保育園」と「認可外保育園」は同じ意味ですが、そもそもどのような施設なのでしょうか。ここでは、無認可保育園とはなにか、認可保育園との違い、保育料や2019年から始まった無償化のしくみ、そして園を選ぶときの注意点までを整理してご紹介します。
無認可保育園・認可外保育園とは?
無認可保育園・認可外保育園とは、児童福祉法に基づく国の認可基準を満たしていない保育施設のことです。国の基準は、保育室の広さ、保育士の人数、給食設備、防災管理など多岐にわたり、どれかひとつでも満たしていないと認可外という扱いになります。
院内保育施設、企業が福利厚生として設ける事業所内保育施設、駅型保育園、夜間の預かりに対応するベビーホテルなどの多くは、この認可外保育施設にあたります。
「認証保育所」など、自治体が独自に認定する園も
認可外のなかには、国の基準は満たさないものの、都道府県や市区町村が独自に定めた基準を満たし、補助を受けて運営されている園もあります。
たとえば東京都では、都の設置基準を満たした施設が「認証保育所」と名乗ることができ、保育料の上限も定められています(注1)。区市によっては保育料の一部を家庭へ補助しているところもありますので、「無認可=保育料が高い」と決めつけず、自治体に助成制度がないか確認してみるとよいでしょう。
認可外にも指導監督基準や立ち入り調査がある
「無認可」「認可外」という言葉のイメージから、質の悪い保育を行っていると考える方もいますが、子どもを預かる施設には安全管理が求められ、認可外にも公的なチェックのしくみがあります。
現在、一定規模以上の認可外保育施設には国の認可外保育施設指導監督基準があり、原則として年1回以上、自治体による立ち入り調査が行われます(注2)。基準を満たした施設には証明書が交付され、多くの自治体がホームページで施設一覧を公開しています。なお、保育に関する国の所管は、2023年4月にこども家庭庁へ移りました。
東京都では、改善が見られない施設名をホームページで公表し、悪質と判断した施設には施設閉鎖などの行政処分を行っています(注3)。ただし、ごく小規模な施設には公的基準が及ばない場合もあるため、注意が必要です。
認可保育園とは?
認可保育園とは、国の認可基準を満たし、都道府県知事などが認可した保育園です。国と自治体から補助金を受けて運営されているのが大きな特徴です。
運営主体は、自治体による公立保育園と、社会福祉法人・学校法人・NPO法人・株式会社などによる私立保育園に分かれます。平成27年の厚生労働省データでは、公立が約4割、社会福祉法人運営の私立が約5割でした(注4)。近年は株式会社などの参入も進み、私立の割合が高まっています。
また「認可保育園」とは別に、教育と保育を一体的に行う「認定こども園」があります。こちらも国の基準を満たして認可・認定された施設で、現在はこども家庭庁が所管しています。
「幼稚園」に無認可は存在しない
保育園(法律上は「保育所」)には認可・無認可がありますが、幼稚園に無認可園はありません。
保育所が児童福祉法に基づく「福祉施設」であるのに対し、幼稚園は学校教育法に基づく文部科学省所管の「教育施設」だからです。「幼稚園」と名乗れるのは、幼稚園設置基準を満たした施設のみです。なお、認可を受けずに幼児教育を行う施設もありますが、その場合は「幼稚園」を名乗ることはできません。
無認可保育園と認可保育園の違い
認可保育園が国の基準をすべて満たしているのに対し、無認可(認可外)保育園は一部を満たしていない園です。両者の主な違いを、まず一覧で確認しておきましょう。
| 項目 | 認可保育園 | 無認可(認可外)保育園 |
|---|---|---|
| 基準 | 国の設置基準を満たす | 国基準の一部を満たさない |
| 補助 | 国・自治体の補助あり | 原則限定的(認証保育所等は一部あり) |
| 入所条件 | 「保育の必要性の認定」が必要 | 園ごとの基準(事情を問わない園も) |
| 申込先 | 自治体(市区町村) | 各園に直接 |
| 保育料の決まり方 | 世帯収入により自治体が決定 | 園が独自に設定 |
入所条件
まずは、保育園に入るための条件からです。
認可保育園は「保育の必要性の認定」が必要
認可保育園などを利用するには、就労・妊娠出産・病気・介護・就学といった事由により「保育の必要性」があると自治体に認定される必要があります。かつて「保育に欠ける」と呼ばれていた考え方は、2015年の子ども・子育て支援新制度で「保育の必要性の認定(支給認定)」に改められ、現在は保育を必要とする理由や必要量に応じて1号・2号・3号の認定区分に分けられています。
両親がフルタイムで働いていても、希望する園の空きがなく入所できないケースは今も一部の地域で見られます。
無認可保育園は園独自の基準で、保護者の事情を問わない園も
無認可保育園の入所基準は園によってさまざまです。「保育の必要性」がなくても入れる園が多く、就労証明などの書類が不要なケースもあります。空きがあれば比較的入りやすいのが特徴です。
保育料
次に、保育料の違いを見ていきましょう。近年は無償化制度が始まり、負担のイメージが以前と大きく変わっています。
認可保育園は世帯収入で保育料が決まる
認可保育園の保育料は世帯の合計収入で決まり、金額は自治体によって異なります。同じ園に2人以上在籍する場合は2人目が半額、3人目が無料になるなどの軽減があり、自治体独自にさらに手厚い措置をとる地域もあります。
無認可保育園の料金の目安
参考として、平成24年の厚生労働省調査による認可外の月額平均利用料は、事業所内保育施設で月2万2,200〜3万円程度、ベビーホテルで3万8,000〜5万1,000円程度でした(注5)。認可保育園と近い預かり時間の「その他の認可外保育施設」では、次のような結果でした。
ただし、これは無償化前の調査です。後述する無償化により、3〜5歳児クラスの負担は大きく軽くなっているため、現在は上限額と自己負担の関係で考えるのが実態に合っています。
幼児教育・保育の無償化で負担はどう変わる?
2019年10月から幼児教育・保育の無償化が始まり、認可・認可外いずれも一定の範囲で保育料が無償になりました(こども家庭庁)。おおまかな内容は次の通りです。
| 施設の区分 | 3〜5歳児クラス | 0〜2歳児クラス(住民税非課税世帯) |
|---|---|---|
| 認可保育園・認定こども園 | 保育料が無償 | 保育料が無償 |
| 認可外保育施設等 | 月3万7,000円まで無償 | 月4万2,000円まで無償 |
認可外を無償化の対象とするには、自治体から「保育の必要性の認定(施設等利用給付認定)」を受ける必要があり、対象は届出済みで指導監督基準を満たす施設です(経過措置あり)。上限を超えた分や、給食費・行事費・送迎費などは対象外です。なお、認可外の上限額は2026年(令和8年)10月から3〜5歳が月4万300円、0〜2歳の非課税世帯が月4万5,700円に引き上げられる予定です。
申込先・運営団体
認可保育園の申し込みは各自治体の窓口で行います。公立・私立で保育料が変わることはありません。一方、無認可保育園は各園に直接申し込みます。入園金や教材代などの諸経費が最初に必要な場合もあるので、よく確認しましょう。
認可外でも、認証保育所などへの入園や、世帯収入・子どもの数によっては自治体から補助が出ることがあります。園自体が制度を把握していない場合もあるため、無認可に決めた場合でも一度自治体に相談してみることをおすすめします。
無認可保育園のデメリット&メリット
まわりに無認可保育園を経験したママが少なく、不安を感じる方もいるでしょう。ここでは、無認可保育園のメリットとデメリットを整理します。
無認可保育園のメリット
デメリットが強調されがちな無認可保育園ですが、「無認可だからこそできる」保育を取り入れている園もあります。
時間外保育が充実している園が多い
無認可保育園には休日保育や病児保育に対応する園があり、延長時間も長めです。預かり時間に融通が利くため、急な残業がある家庭には心強いでしょう。夜間保育や24時間保育を行う園の多くも無認可です。
特色のある保育がしやすい
補助金による制約が少ない分、園独自の教育・保育を打ち出しやすいのも特徴です。英語やリトミック、体操教室を取り入れたり、保護者向けの子育て相談を行ったりしている園もあります。教育方針を貫くためにあえて認可を受けない園もあり、「無認可=認可になれなかった園」とは言い切れません。
無認可保育園のデメリット
年齢によっては保育料の負担が残る
無償化により3〜5歳児クラスの負担は大きく軽減されましたが、0〜2歳児クラス(非課税世帯以外)は無償化の対象外で、認可外の場合は運営費の多くを利用者が負担するため、自己負担が大きくなりがちです。上限を超える保育料や諸経費も自己負担となる点に注意しましょう。
保育の質に差がある
認可保育園は国の設置基準を満たしており、保育士の人数や設備が一定水準で保証されています。一方、認可外には熱心で手厚い園がある一方、改善が必要な園があるのも事実です。見学時に職員の対応に不安を感じたり、料金が極端に安かったりする園は、慎重に判断しましょう。
無認可保育園見学・質問のポイント
園を預け先に決める前には、認可・無認可を問わず見学が欠かせません。子どもの表情、保育士の関わり方、衛生面をよく観察し、教育方針も聞いておきましょう。無認可の場合は、特に次の点を確認すると安心です。
| 確認ポイント | 見るところ・質問すること |
|---|---|
| 園庭がない場合の対応 | 公園などへの外出や室内運動の取り入れ方 |
| 保育者の資格・人数 | 保育士・看護師の人数と、有資格者の配置状況 |
| 給食の内容 | 自園調理か外注か、献立・使用食材 |
| 自治体の公表情報 | 指導監督基準の適合証明、改善勧告の有無 |
園庭がない場合の対応
都市部では、他の基準は満たしていても園庭の広さを確保できず認可外となる園も少なくありません。ただ「園庭がない=外遊びが不足する」とは限らず、近所の公園に積極的に出かけたり、室内運動をカリキュラムに取り入れたりしている園もあります。どのように運動量を確保しているかを確認しましょう。
保育士・保育従事者の数
無認可園では、保育にあたる人が全員保育士とは限りません。認可外保育施設指導監督基準では、保育に従事する人数のおおむね3分の1以上が保育士または看護師などの有資格者であることが望ましいとされています(注8)。
無資格者が保育士を名乗ったり、有資格者であるかのように誤解させる説明をしたりするのは認められません。保育士が何名いるか、無資格者だけで保育する時間帯があるかは、必ず確認しておきましょう。
給食の内容
園内に給食室がない場合、お弁当持参か外部業者への外注になっている園が多いです。玄関に給食サンプルを置いている園もあり、献立表も貴重な情報源です。どの業者のどんな食材を使っているか確認しておきましょう。認可保育園も、平成22年からは3歳以上について外部搬入が可能になっています(注9)。給食は認可・無認可を問わず確認しておくと安心です。
自治体ホームページも要チェック
多くの自治体のホームページでは、指導監督基準を満たしている施設の一覧や立ち入り調査の結果、改善勧告を受けた園の情報を確認できます。調査時だけ体制を整える園がないとは言い切れませんが、施設の状況を知るひとつの目安になります。こうした情報も参考にしながら、自分の目で保育内容を確かめて園を選びましょう。
まとめ
無認可(認可外)保育園は、国の認可基準の一部を満たさない施設ですが、指導監督基準や自治体のチェックがあり、時間外保育や特色ある保育など認可にはない強みを持つ園もあります。2019年からの無償化で3〜5歳児クラスの負担は大きく軽くなり、認可外も条件を満たせば上限まで無償の対象です。大切なのは「認可か無認可か」だけで判断せず、見学と自治体の公表情報で一つひとつの園を見極めること。家庭の状況に合った預け先を、納得して選んでいきましょう。
よくある質問(FAQ)
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 「無認可」と「認可外」は違うもの? | 同じ意味です。児童福祉法に基づく国の認可基準を満たしていない保育施設を指します。 |
| 無認可でも無償化の対象になる? | なります。自治体から保育の必要性の認定を受ければ、3〜5歳児クラスは月3万7,000円、0〜2歳児クラスの非課税世帯は月4万2,000円まで無償です(届出済み施設が対象)。 |
| 無認可保育園は危険なの? | 一概には言えません。指導監督基準への適合や自治体の公表情報を確認し、見学で保育の様子を見極めることが大切です。 |
| 「認証保育所」とは? | 東京都が独自基準を満たした認可外施設を認証する制度です。保育料に上限があり、区市によっては補助もあります。 |
参考文献
- 注1:東京都福祉局 認証保育所について
- 注2、注8:こども家庭庁(旧内閣府)認可外保育施設に対する指導監督の実施について
- 注3:東京都 認可外保育施設に対する指導勧告要綱
- 注4:厚生労働省 保育所の設置主体別認可状況等について(平成27年4月1日現在)
- 注5:厚生労働省 平成24年 地域児童福祉事業等調査の結果
- 注6:厚生労働省 平成26年度 認可外保育施設の現況取りまとめ
- 注7:厚生労働省 保育所等関連状況取りまとめ(平成27年4月1日)
- 注9:厚生労働省 保育所における食事の提供ガイドライン
- こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化/子ども・子育て支援新制度

